反魂淫落カウントダウン 後編

 

「んっ……ふ、ぁ……っ」

場所は変わり、朽ちた教会の小さな個室。メカゴジラが部屋から姿を消してから、どれくらい時間が経っただろうか。
あれからずっと、ゴジラは肩を覆っているケープ以外に何も身に着けていないままにベッドの上で横になっていた。しかし、ただ寝転んでいた訳ではない。

「はっ、あ……あっ、あ、あ…!はぁっ……」

ゴジラの息遣いは荒々しく、顔は耳に至るまで赤く上気していた。常に闘志に満ちている瞳は潤んでおり、強面の表情ですらも明らかに快楽の色に染まっている。

彼は己の身体を抱きしめるようにして身を捩らせていた。まるで、何かから身を守るかのように。というのも、腹部に熱い感覚―――先程の凌辱の果てに注がれた媚薬オイルと、ここに来る際に何時の間にか下腹部に刻まれた赤く輝く淫紋が熱を帯びて疼いていたのだ。その証拠に、男根の先端からは透明な液体がとろとろと溢れ出している。
その光景を眺めて、寝台の横に立っていたメカゴジラは皮肉を憐れみに込めつつ満足げな表情を浮かべた。

「あーあ、可哀想になぁ。何もしてないのにそんなに気持ち良さそうにしちゃってさ」

布の触れる感覚にも一層悶えるゴジラを仰向けにするとメカゴジラはその身体の上に覆い被さり、強制的に欲情させられた彼の肉体を食い入るように見つめた。露わになった肌は艶やかに色付いており、引き締まった腹筋に割れた溝に沿って汗が流れ落ちている。そして何より目に付くのが、妖しく輝く紅い淫紋だ。メカゴジラは指先でその部分に触れると、途端にびくんと跳ね上がる反応を楽しむように何度も往復させた。

「んん…ッ貴様……! ふざけおって……!」
「ははっ。どうだい、綺麗だろう?このタトゥーはね、俺が性奴隷と認めた相手にしか刻まない特別な印なんだ。これが輝く度思いだすんじゃない? 自分がいかに愚かで惨めかを、ねぇ?」
「ぐっ……煩い……!!」

狂いそうな情欲の中で相手を睨みつけても、その効果は皆無に等しい。むしろ煽る結果にしかならないというのに、それでも尚抵抗の意思を見せるゴジラを見てメカゴジラは愉快だと言わんばかりに笑った。

「ふふ、相変わらず可愛げないなぁ……ああそうだ、忘れるところだったよ。アンタにはコレをあげようと思ってたんだ」

言葉を続けつつ、メカゴジラは再び何処からか玩具を取り出す。今度は先程女王の卵の前で入れられた数珠状の玩具よりもずっと小さく、宛ら長く狭い穴に入るのを想定したかのような長さだった。それを眼前に晒されても、今のゴジラにはそれが何なのかすらも分からず、息遣いも顕に凝視している。

「今は分かんなくてもいいよ。すぐに分かる事だし……ほぉ~ら、これが何かアンタの体で教えてやるよ」

語尾に近づくに連れ、今までの無邪気な口調が一転して半ばドスの効いた音声で言うなり、メカゴジラは尚も雫を垂れ流し続けるゴジラの男根の先端にソレを宛てがうと、躊躇なく尿道の中へと押し込んだ。

「は……っひぎぃッ!?」
「痛い?でも我慢してよ。でないと大事なモノが壊れちゃうかもしんないし」

そう言って根本近くまで玩具を狭い中へ埋め込む度にゴジラは背を反らし、ガクガクと痙攣するも相手はお構いなしといった様子で更に奥へ奥へと侵入させていく。
やがて玩具が取っ手だけを残し、球状部分が最深部まで到達するとメカゴジラはゆっくりと手を離し、栓をされた事で出せずにビクビク脈打つ男根を見下ろして嘲笑う。

「あははっ!すっごいことになってんなぁ。これじゃあもう女王どころか雌すら抱けないんじゃないかい? まぁこれから兄ちゃんと一緒に可愛がってやれば問題ないね…記念としてオイルのお代わり追加しようか。ほら、感謝しろよ」

嗜虐心に歪んだ笑みはそのままに、メカゴジラはゴジラの腰を掴むとそのまま一気に脚を広げた。既にそそり立った人口の自身は前を塞がれた代わりに被虐を求めてヒクつく後孔に狙いを定め、そして―――

「は……っあ゙あ゙あぁあ゙ぁ っ ♥♥♥♥」

勢いよく突き刺され、同時に大量の精液を注ぎ込まれる。襲ってきた余りの質量に一瞬意識を失いかけるが、間髪入れずにピストン運動が開始され再び現実に引き戻される。
先程注ぎ込まれたオイルを潤滑油に、じゅぽっ、ぐちゅ、ぬぷっと卑猥な水音が室内に響き渡り、同時に前立腺を擦られる度に脳天にまで響く快感が襲ってきた。
絶え間ない強烈な刺激に堪らず悲鳴じみた声を上げながら身悶えるが、そんな事は意に介さずメカゴジラは容赦なく欲情に疼く肉洞を掻き回し、責め立ててくる。

「ぁぐっ、あ゙ぁん♥ ぁ、んぅゔっ♥♥」
「きひゃはははははは!! 愉しいねぇ!なにせアンタは今、この世界で頂点に立つボクに犯されてるんだからさぁ!」

怪獣王に対する侮辱の言葉にゴジラは思わず反論しようとしたが、マトモな発言などさせないと言わんばかりに相手の動きが激しくなる。それに合わせて自身も激しく前後に揺さぶられてしまえば王の矜持や思考回路など簡単にショートし、口からは快楽漬けになった証としてだらしなく喘ぎだけが漏れる。そうこうしている内に、いつの間にか塞がれた自身の中心は張り詰めて熱を持ち始めていた。

「あ゙ぁあ♥ ぁ、あっ、ん゙ぁああ゙ぁぁっ♥♥」
「はっ、何だい? こんな目に遭わされても随分良さそうだね。もしかしてもうイッちゃいそうなの?」
「そ、それは…違っ――!!」

否定を紡ぐ前にずん、と奥まで貫かれ、息が詰まったかのような嬌声を返しつつ喉元を仰け反らせて身体を痙攣させる。その顔は生理的な涙で溢れていて、既にグレーの髪を散りばめてシーツ共々ぐしゃぐしゃに汚しきっていた。
ここまで来ればもう一息だ。このまま兄ちゃんもとい“ギドラ”の性奴隷として出来上がる時が近い。

「違う訳ないだろ、こんなにしといて良く言うね。でも安心しなって、アンタは兄ちゃんの大事なお気に入りだからすぐには殺さずに可愛がってあげるよ」

嘲るような笑みを浮かべ、耳許で囁くと前のめりになった弾みで腰が一層結合部分と深く繋がってしまい、ビクンと肩を震わせる。
偶然とはいえ唐突に見つけた弱点に目掛けて、先端をぐりゅ、と押し込むように動かされた。途端にゴジラの目が見開き、無意識にシーツを掴んでしまう。

「ひぎぃい゙ッ!? やめ……!そこ、はぁ……!!」
「へぇ、ココが良いんだ。ならもっと突き上げてあげるね」

嫌だと言う暇もなく激しい抽送運動が再開され、的確に前立腺を抉り、潰すような勢いで何度も擦り上げてきた。その度に押し出されるかのように濁った悲鳴を上げて背筋を大きくしならせる。こうなればもう、蘇った宿敵の手前だという事も忘れて無意識に相手に縋りつき、涙ながらに行為の制止を哀願した。

「んぉ゙っ、お゙、ひィっ……っ!! 無理っ、ソコばっかりは、ダメだ! お願っ、頼むからぁ……!」
「駄目だって。兄ちゃんからアンタがボクに逆らえなくなるように調教しろって言われてるんだから、今はせいぜい泣いてマトモに射精できないままに善がる事だね。さて…そろそろ出すから2発目、全部受け止めなよ」
「ひっ、ぁ、待っ―――!!」

一際強く最奥に叩きつけられ、熱い奔流を注がれる。同時にゴジラもまた種付けされた感覚に達した……つもりだったが、本来男根から迸る筈の白濁は先端に栓をされてしまっているせいで行き場を失い、腹の中で暴れ狂うばかりだった。その度に淫紋が輝き、更なる発情の責苦を哀れな怪獣王に与え続ける。

「ぁ゙ああ゙ああっ♥♥イッて、イグのにぃい゙いっ!!! なのに出せぬ、なんでこんな……ッ!!」
「精液出したくて仕方がないのに出来ないなんて可哀想な奴だね。でもコレ外すのは兄ちゃんの役目だからさ、それまで我慢するしかないんだよ」

残酷に告げられた後、不意に体内から圧迫感がなくなった。やっと解放されるのかと思いきや、次の瞬間には何かが挿入されていた。しかも今度は指や男根とは違い、無機質で冷たい感覚だ。
突然の事に理解が追いつかず混乱していると、耳元でくすりと笑う声が聞こえた。

「ねぇゴジラ、アンタの肉壺に何が入ってるか分かるかな?」
「わからっ、ない…何をしたのだ、一体……!」

戸惑うゴジラに尚も笑みを浮かべたまま、メカゴジラは彼の後孔に埋まった“何か”をスリスリと撫で、時には軽く押し込みつつ、反応を楽しむ。

「これはねぇ、所謂プラグってヤツだよ。ボクの注いだオイルが漏れたり、勝手に掻き出されちゃ困るから蓋をしてあげたんだ。言ってる早々隙間からオイル漏れ出してるけどね」
「っあ……云うなぁ…!」
「ま、ボクはいい加減疲れたし、後はオイルの催淫効果で狂わないように頑張ってよ。じゃーね」

悶えるゴジラから離れ、メカゴジラは部屋の扉の前に立ちノブに手を掛けようとした時、不意に思い出したかのように振り返り、こう言った。

「そうだ、兄ちゃんがアンタを屈服させるまで玩具付けておけって言われてるんだ。だからこれからは許可が下りるまで生活してもらうから。いいよね?」
「い…嫌だ、そんなの……」
「拒否権はないよ。それとも今すぐ壊れたいのかい? その方が兄ちゃんは不服でも、ボクとしては面白いんだけどね♪」

有無を言わさず呟くとメカゴジラは再び部屋を出て行った。一人寝台の上で残されたゴジラはしばらく呆然としていたが、やがて後孔に注がれ肉壁にジワジワ染み込む発情促進効果入りのオイルと淫紋の輝きで、強制的に快楽へと引き戻された。

「ふぅっ……! あ、あ゙ぁああ……ッ!!」

全身を襲う快感をどうにか抑えようと身を捩るも無駄だった。むしろ身体が動けば動くほど余計に刺激されてしまい逆効果となる。
前も後ろも白濁を出せず、ただ溜まる一方で気がおかしくなりそうだったが、同時に絶頂を迎えられない辛さもまた凄まじかった。
いっそのこと早く楽になりたい――その一心で、ゴジラは必死に理性を保ちながら玩具を取り外そうとした…が、その仕草を察知したかの如く淫紋が強い輝きを帯び、途端に力が抜けていく。

「ひっ!? あ゙ぁあっ……!♥♥」

塞がれた男根がぶるん、と跳ね、同時にプラグを締め付けているオイル塗れの肉壁がきゅうっと収縮する。
身に纏っているケープはおろか、寝かされているシーツの感覚ですらも自分の肌を愛撫しているかのような錯覚に陥り、不意に獣欲の許容量を超えたゴジラは熱を保ったまま遂に意識を失った。

 

 

 

数日後―――朝日の光を受けて眩く輝くステンドグラスの中、朽ちた礼拝堂に一人の男が立っていた。
彼の片手には何処かから拾った聖書らしき書物があり、適当に開いたページに視線を落としている。そのページは“黙示録”の項目だ。

「………人間も、随分なデタラメを書いてくれたものだな」

男―――偽りの王・ギドラは暫く黙読した後に書物を閉じ、そのまま放り捨てた。一連の出来事は自らを含めたタイタン達が引き起こしたというのに、ほぼ抽象的な言葉で誤魔化しているとは滑稽極まりない。しかしギドラにとってそんなものはどうでも良かった。

「まあいい…それより今はゴジラの方が先決か」

そう言い残すと、礼拝堂と廊下を隔てている大きな扉を一瞥した。メカゴジラの話によれば「ようやく彼奴が兄ちゃん好みに出来上がったから、礼拝堂で待ってて」と精神感応越しに言われ、わざわざ宇宙の果てから期待半分で合流場所の此処へ訪れ、暫く待っていたのだが一向に来る気配がない。
もしや隙を突かれて反撃を喰らっているのでは?と思いきや、その杞憂は乱暴に開かれた扉により打ち消された。

「お待たせ~♪ ちょっと重かったけど連れて来たよ!」

現れたのはメカゴジラだ。彼の足許にはわざわざ用意したのだろう拘束具付きの台車に乗せられたゴジラの姿が見える。両手を始めとしてその両脚は秘部を余すところなく曝け出すように仰向けで拘束され、表情は口元は布で塞がれている以外に快楽で蕩け切っていて明らかに焦点が定まっておらず、何よりも下腹部に刻まれた淫紋が一層輝きを増している。
そして何より目立つのはゴジラの男根の先端に未だ玩具が刺さったままで、隙間からは絶え間なく透明な液と白濁が漏れ、ケープを羽織っているだけであとは裸身を汗だくにして僅かに痙攣させていた。

「ほぅ…良い顔になったな、ゴジラ」
「ふーっ、う゛ぅ…♥♥」

声をかけた途端、ギドラの声に反応してゴジラは身体を大きく震わせた。それだけでなく身じろぎしただけで軽く達してしまったらしく腰まで跳ね上がり、後孔に深々と突き刺さっていたプラグが外れそうになる。それを察したメカゴジラはすかさず台車の取っ手を掴んで転倒を防ぐ。

「ああゴメンね。まだコレ入れっぱなしだったよ。兄ちゃん、コレ抜いていいよね?ボクもう我慢できないんだ」
「…好きにしろ」

一応の許可は得たものの、メカゴジラは既に我慢ならないといった様子でプラグを引っ張る。先端部分が抜ける際、媚薬に侵されきった腸内を掻き回されて思わずゴジラはくぐもった悲鳴を上げるが時すでに遅く、栓を失った後孔から今まで注がれた催淫入りオイルがごぽん、どろぉっ…と逆流して床に零れ落ちた。
その感触だけでも堪らないのかゴジラは再び身体を激しく悶えさせながら絶頂に達し、塞がれた男根が僅かに歓喜の露を撒き散らしながらびくんびくんと上下に震えた。

「ん゛ぅ゛ッ……!♥ んむ゛、ぅ…っ♥ ん゛んッッ………!!!」
「うわぁ、すごいすごーい!ゴジラってばすっごく悦んじゃって、宿敵の前だってのに恥ずかしくないのかな~?」

嘲笑しながらもメカゴジラはプラグを何度も出し入れし、その都度前立腺をゴリゴリと押し潰されてゴジラは狂ったように善がり続ける。その痴態を見てますます興が乗ってきたメカゴジラの手がペースを速めれば、同時に大量の白濁オイルと腸液の混ざり合った飛沫が上がり、ほんの数滴がギドラの靴を穢した。

「ふん……随分汚してくれるな」
「ごめんごめぇん、だけどこんなに悦ばれたら誰だって嬉しくなっちゃうよねぇ。でもほら、ここまで仕込んだからボクの事褒めてくれるよね、兄ちゃん♪」

後孔を責めつつ無邪気な表情を崩さないまま振り向いたメカゴジラだったが、ギドラはただ肩をすくめて見せただけだった。それどころかむしろ彼の視線は蔑みの色を浮かばせつつ、歩を進める。そして唐突にメカゴジラの項から生えている動力ケーブルに手を伸ばすと、躊躇なくぶちん、と引き千切り、彼の動きを停止させた。

「あれ、兄、ちゃ……」
「コイツは我のモノだ。寝ていろ」

ギドラの言葉と共にメカゴジラの意識は一瞬で遠のいて行き、その場で崩れ落ちた後に沈黙してしまう。それを確認してからギドラは尚も悶えているゴジラの頬にそっと手を当て、口元を覆っていた布を取り去ると穏やかな笑みを浮かべて言った。

「ふふ…ゴジラ、これでやっとまともに話が訊けるな」
「あ゛、ぁ……っぎどらぁ……♥♥」

荒い息遣いの中で呂律が回らず思考も定まらないまま、ゴジラはぼんやりとした眼差しでギドラを見つめ返す。すると次の瞬間、不意打ちのようにギドラの顔が視界いっぱいに広がり、唇に柔らかなものを押し付けられた。それが何なのか認識するより先にぬめる舌が口腔内に入り込み、好き勝手に蹂躙される感覚にゴジラの背筋がぶるりと震え上がる。
その途端、身体の奥底から湧き上がってきた得体の知れない衝動に突き動かされるようにしてゴジラは夢中になってキスに応え、自らも舌を伸ばして絡め合わせた。

ちゅぷ……くちゅ、ぢゅうっ、んぅ♥ はぁ、あ……っ、んむ、れろぉ、ん、ん゛ンッ!

「―――っぷはぁ、はあっ、はあ……はァ、はー、はー……っ♥♥♥」
「……ああ何て可愛いんだ、ゴジラ。口付けされただけでそんなに良かったのか?」

ようやく解放された頃にはゴジラは呼吸困難に陥っており、酸素を求めて喘いでいるとギドラは愉快そうに笑って髪を撫でてきた。その優しい手つきすら今のゴジラには心地良く感じてしまい、無意識のうちにもっととねだってしまう。

「おやおや、年老なのに子猫のような反応をするな。貴殿は本当に可愛らしい奴だよ、わが宿敵ながら惚れぼれするほどに。だが、あまり我を失望させるなよ? でないと――」

片手で戒められたままの男根に指先を伸ばし、軽く弾くようにして刺激を与える。たったそれだけでビクンと体を大きく震わせたゴジラは引き裂かれたような悲鳴を上げ、涙目で許しを乞うた。

「はひィ゛!? あっ、だ、駄目だぎどらぁっ、そこは、そこだけはもう、ゆる゛ひてぇぇ!!」
「フフッ、“外さない”と云おうとしたんだがなぁ。しかしそろそろ、貴殿のモノに刺さっている忌々しい玩具を外して楽になりたいのだろう?それなら、女王の事も王としての責務も一切忘れて我に大人しく降伏するがいい。そうしたら、すぐにでもこの呪縛から解放させてやるぞ」
「っ、う、ぐ…………ッ!」

耳元で囁かれる悪魔の誘惑に、ゴジラの理性がぐらつく。
ここで屈したらどうなるかなんて考えなくても分かる。確実に言えるのは今まで以上に快楽漬けにされて壊れていくという事だけだ。
それでも、心のどこかでこんなのは間違っていると訴えている自分もいた。自分が愛するべき相手は、人類が地上を支配するずっと昔から一族と親交の深い女王・モスラだけなのだ。こんな卑劣な侵略者に情けをかけてもらう資格など無い。
だから、絶対に負けてはいけない。耐えなければ。必死に己を保ちつつ、ゴジラは力無く首を横に振った。

「…………ほう? それが貴殿の答えか…!」

穏やかな笑みはそのままに、期待していた答えではなかったことに内心落胆と怒りを覚えたギドラは徐に玩具の取っ手に手を伸ばし、一切の躊躇を見せずに戒めをずるんっと一気に引っ張り上げる。その途端、ゴジラの体内に凄まじい衝撃と計り知れない快感が駆け巡り、先程の決意を秘めた表情が一変、白目を剥いて絶叫した。

「――~~ぉお゛おお゛ ォ ッ♥♥♥ あ゛へぇぇっ?!ひッ…あ゛ああぁあぁあ゛ァー--ッ!!?」

一瞬意識が飛んでしまいそうなほどの強烈な絶頂と解放感に身体が痙攣し、男根から大量の精液が噴水の如く噴き出す。同時に頭の中まで真っ白に染まってしまい、甘い絶叫を漏らしながらゴジラは激しく仰け反った。

「あっ、あひっ、ふぁ…♥♥あ゛ぁ……ん♥♥ もう、止まっでぇ…!♥♥」
「くくっ、良い様だな。これで少しは我に対する態度を改める気になったのではないか?」
「っ……!」

射精の余韻に浸っている最中に告げられ、ゴジラは羞恥と屈辱で顔を赤く染めながら悔しげに唇を噛み締める。だが、ギドラの言葉通り今のゴジラには目の前の宿敵に抵抗する気力は残っていなかった。何故なら、彼はもう既に一度メカゴジラに敗北し、その身を凌辱されたばかりか催淫剤漬けにされ、更に屈服の証である淫紋までも刻み込まれてしまったからである。
否定の言葉を紡ぐ前に再びそれが輝き、射精できたことで静まっていたはずの情欲が無理にまで引き起こされて熱く燃え上がり、ゴジラの理性を奪い去っていく。

「ぐっ、だめ…ッ、いやだ、これ以上は、ダメなのにぃ……!」
「そう言いながらも、貴殿はまたすぐに求めてしまうだろう?」
「そ、そんなこと、な…あうぅっ♥♥」

乳首と亀頭を同時に弄られて甘美な刺激を与えられれば否応なしに反応してしまい、声が上擦ってしまう。

「クク、言葉とは裏腹に随分と素直ではないか。それとも…我が言ったことが図星だったのね?」
「ち、違う…俺は、お前なんかに……」
「ほう、散々媚薬漬けにされておいてまだ強情を張るつもりなのか。ならば余に逆らう気力がなくなるまで、徹底的に可愛がってやるとするかな」
「っ……!」

嗜虐的な笑みを浮かべて宣言するとギドラは神父服の裾の下部分をまくり上げ、先程の凌辱劇を目の当たりにして熱を帯びそそり立つ二股の男根を露出させる。ソレらもまた確かな鼓動を持って脈打っており、見ているだけで恐怖と期待で全身の細胞がざわめくのを感じてしまい思わず身震いしそうになった。しかしその反面、ゴジラの後孔は催淫オイルの効果でまるで別の生き物のようにヒクつき、物足りなさを訴えている。
欲しい。今すぐ疼き続けているナカの奥まで挿れて滅茶苦茶に掻き回し、今まで受けてきた羞恥を、そして孵りたてのモスラを護るより快楽を選んでしまった罪悪感を一時でも忘れさせて欲しい。その一心から無意識のうちにゴジラの表情は再び蕩けたものになり、腰を揺らしながら更なる被虐をおねだりしていた。

「あぁっ、お願、い…早く、挿れてくれぇ……も、我慢できぬぅ…ッ♥」
「……フハハッ! 良いぞ、存分に鳴け」

漸く堕ちた宿敵を嘲り祝うような笑いと共にギドラが双頭の男根を挿入した途端、ゴジラは背中を大きく仰け反らせながら甲高い悲鳴を上げた。待ち望んでいたモノを与えられた事で飢えた肉壁は激しく収縮し、もっと奥へ導こうと吸い付いてくる。
そんな健気な奉仕に応えようとギドラは一気に根元近くまで突き入れると、そのまま最深部目掛けてピストンを開始した。
ずちゅんっ、ばぢゅんっ、どぢゅ、ぼじゅっ!! パンパンに膨れ上がった二つの剛直で何度も中を穿たれ、ゴジラの男根から絶頂の証として白濁の代わりに透明な潮が噴き出す。同時に身体全体が仰け反り痙攣し、強烈な快楽に心身共々屈服しているのが見て取れた。

「んぉ゛おっ、ひぎぃい゛いいっ♥ あ゛っ、はひっ、あ゛ああァっ!! ぎどら…っギドラぁぁ…!♥♥」
「ふっはははっ、愛おし気に我の名前を呼んでくれるとは嬉しい限りよ。どれ、褒美をやろう」

蕩けた声で自らの名前を呼び続ける宿敵に愉悦の笑みを浮かべながら告げると、ギドラはゴジラの両足を抱え込むようにして持ち上げ、上から覆いかぶさるようにして体重をかけて、より深く結合させた状態で抽迭を始めた。所謂種付けプレスの姿勢である。

「これなら貴殿が一番気に入る体勢であろう? どうだ?」
「ひん゛っ♥ やめ……っあ、あ゛ああ゛ぁぁ~~~~ッ!!♥♥♥」

弱点ばかりを狙い澄ましたかのように責め立てられ、堪らず絶叫すると同時にゴジラは射精することなく達してしまった。所謂ドライオーガズムに陥ればもう抵抗する事は不可能であり、その様子を察したギドラは容赦なく律動を再開した。ごりごりと前立腺を押し潰すように擦られる度に達してしまい、ゴジラは休む間もなく強制的に連続アクメへと追い込まれていく。
達する度に思考が、そして王としての矜持が金色の悪意に塗り潰され、一時たりとも抗う事すら許されない圧倒的な快楽に変換される。人知れぬ孤島で置き去りにしてしまった孵りたての幼い女王を心配する代わりに、ゴジラの脳裏を埋め尽くしたのは目の前にいる敵に対する狂おしい程の恋慕だった。

「ひぃ゛あぁ゛ッ♥ ギドラッ、ぎどらぁ……っ! もっとぉ…もっとイかせへぇ゛ぇ゛…!♥♥♥♥」
「クハハッ、漸く素直に我を求めるようになったか。さて、そろそろ伴侶の証をくれてやろうか」

そう言うなりギドラは自らの尻尾をゴジラのそれに絡みつかせたと同時に思い切り腰を押し込んだ瞬間、腸内を満たし、後孔の隙間から溢れ出さんばかりの白い奔流を双頭の凶器から吐き出した。

「ひぐぅッ!?♥♥あぅ…ッあ゛あぁっ♥♥ イグ、いグぅ、んぐぁあ゛あぁあ゛ぁああっ♥♥♥」

ごぽごぽと、熱くて濃厚な精液を注がれ、ゴジラもまた己の先端から勢いよく白濁を撒き散らしながら絶頂に咆哮した。しかし射精はまだ止まらず、それどころか腹の奥で脈打つ肉棒が膨張し、体の細胞ひとつひとつが偽王の執着による歪んだ愛に塗り潰されてゆく気がした。
腹の奥底にまで染み渡っていく熱さに全身が悦び震え、背筋が大きく弓形にしなる。身体を仰け反らせながら何度も痙攣を繰り返していると、ようやく満足したのかギドラがずるりと後孔から引き抜いた。
栓が抜かれたことにより、縁が真っ赤に染まりぽっかりと開いた空ろからはどろりとした粘性の高い液体が大量に溢れ出る。まるで孕まされたような錯覚に陥りながらも、その快感に酔い痴れるようにゴジラは蕩けた表情を浮かべていた。そんな彼の姿に気を良くしたのか、ギドラが妖艶な笑みと共にざんばらに乱れだ髪に手を添える。

「ふふっ、随分と派手に達したものだな。堅物だった貴殿が絶頂中毒になる程、そんなに我の子種が欲しかったのか?」
「んぁ…ぁ、はひぃ…♥ はっ…はぁ……」

息遣いも露に、余韻に浸りながらこくりと小さく首肯すると、ギドラは満足げに目を細めた。
もうコイツは堕ちたが、自分にはもうひとつ仕事が残っている。先程後孔から抜かれたはずの男根をぐちゅ…と侵入させると、先程注いだ白濁を潤滑油にどぢゅんっ!と一気に奥へ押し込む。突然の衝撃にゴジラは目を見開き息を詰まらせると戸惑う間もなく結腸にまで侵入を許してしまい、唐突にもたらされたあまりの快感にまたもや軽く絶頂した。

「かはっ、あ゛ぁぁあぁぁ゛あぁッ!!?♥♥」
「誰が終わりだと言った? 我を騙ったあの機械仕掛けの小僧に散々体を許した分、今度は余が貴殿を犯し尽くしてやる。覚悟しろ」
「そん、な……っん゛おぉお゛お ッ!!♥♥やめ゛ぇ、ひっ、い゛いいぃ ッ!!!♥♥♥」

ゴジラの言葉を搔き消すように再び激しく律動が繰り返され、ずぶ、ぬぢゅっと卑猥な水音が礼拝堂内に響き渡る。ギドラの律動に合わせて淫紋もまた強く光り、ゴジラの身体には一層強い電流が流れるような快楽が駆け巡った。
彼の手足を戒めている拘束具が壊れんばかりに軋む中、不意に両胸の突起を摘ままれると敏感になったソコをぎゅうぅ、と容赦なく捻り上げられ、同時に亀頭で結腸口をごつごつと突き上げられた。強すぎる刺激に思わず悲鳴を上げれば、まるでそれを待っていたかのようにぐりっ、と指先に力を込められる。

「も、ゆる゛ひてぇ゛ぇ゛♥イギたぐなッ♥♥も、イギだぐない゛ぃ゛ぃっ!♥♥♥ ぉ゛ひっ、あ゛ぁァッ!!」
「くはははははっ、何度達しても非常に良い声で哭くではないか。もっと聞かせろ!」
「ん、ぎぃ…っ♥ あぁぁああ゛ッ!!!♥♥」

ギドラの高笑いと共に乳首を捏ねくり回される度に肉洞を抉られ、ゴジラの躰がびくんびくんと大きく仰け反る。
もう既に数え切れないほど絶頂を迎えているというのに、それでもなお与えられる激しい責め苦に気が狂ってしまいそうだ。しかしどれだけ泣き叫んで許しを乞おうとも、目の前の宿敵による責め苦は止みそうにない。
この冒涜的で激しすぎる交合いは、ギドラの嫉妬心が晴れるまで―――ステンドグラスに茜色が差すまで続けられたのだった。

 

 

 

「遂に始まったか」

蒼い闇の中、外から聞こえる僅かな轟音にふと意識を覚醒させた。どうやらここ数日の間、タイタン達を治める王を失った事で統率の取れなくなった彼らが反旗を翻したらしい。どんなにヒトを模していたとて所詮は体躯の大きい獣だ。抑えられていた衝動を爆発させた彼らは瞬く間に各地を破壊し尽し、時間ごとにその勢いを更に増していく。
正に昼間目を通していた聖書の黙示録そのものが現実に起こっている。だが、やはりギドラには案の定どうでも良かった。何故なら―――。

「んぶっ、むぅ…♥♥ んちゅ、ぢゅぷっ♥ん゛ん~~…っ♥♥」
「クッ…はははっ、案外貴殿は口淫が上手いな」

長椅子に腰掛けたギドラの股座に顔を埋め、一心不乱に奉仕を続けるゴジラの姿があったからだ。あれから夜更け近くになるまで何度も犯され続け、漸く解放されたと思ったら今度は奉仕しろと命じられてしまったのだ。当然逆らうことなど出来るはずもなく、言われるままに膝立ちになりながら怒張した双頭の傍らを口に含んで舌で愛撫する。余ったもう片方は鈴口から溢れ出す透明な粘液を潤滑油に上下に扱き、同時に口腔に広がる雄臭さと喉奥にまで押し込まれる苦しさにえづきそうになるも、何とか堪えて頬張り続けた。

「う゛ぐ、ぅ…んぶ……んん゛んっ♥」
「…手が緩んでおるぞ?そんなことではこの余を満足させるどころか、貴殿が果ててしまいかねんな」
「んぅ゛っ!? う゛ぐぅっ♥♥」

突然後頭部を押さえつけられ、喉の奥深くに剛直を捩じ込まれて呼吸が出来なくなる。あまりの質量と息苦しさから反射的にギドラの圧を押し退けようとするが、それよりも先に彼の手に力が籠められ、そのまま前後に揺すり始めた。
まるで道具を扱うかのような乱暴かつ理不尽極まりない扱いに、ゴジラは目線だけで相手を糾弾しようとしたがそれすらも許されず、代わりに押し寄せてくる嘔吐感と圧迫感に耐えなければならなかった。
そして、ゴジラの喉奥で埋まっている剛直がびくん、と小刻みに震えた瞬間、ギドラは微かな嬌声交じりの呻きを漏らして果てを告げる。

「ッ…射精る、ぞ……! 全部飲み干せよ」
「――――~~ッ!!?」

ぶぴゅっ、どくん、どくんっ……と、喉奥に熱い奔流が叩きつけられると同時に手で扱いていた方からも白濁の飛沫が噴き出す。かぶりを振り、吐き出すことなど許される筈もなく、ゴジラは涙目になりながらも必死にそれを嚥下し続けた。やがて全てを出し切ったのか、ギドラはゴジラの口から己を引き抜くと、余裕綽々といった表情を浮かべて宿敵を見下ろした。

「ふぅ……やはり良いものだな、余の征服欲を満たしてくれるのは」
「っ、げほっ、ごほ……!」
「まさかまだこれで終わりとは思っていないだろうな、ゴジラ? 淫紋を輝かせたまま眠るのは辛いだろう」

ギドラの言葉通り既に快楽に溺れかけている身体が熱を持ち、後孔ですら絶頂を求めるかのように疼いている。しかしそれでもなお理性が邪魔をして素直になれず、ゴジラは悔しそうに唇を噛み締めることしか出来なかった。すると、そんな彼の反応を楽しむようにギドラは彼の顎をくい、と掴み上げながら口角を上げる。

「もう諦めてしまえよ。どうせこの世界は終焉に向かっているんだ。ならば最期くらい楽しんだ方が良いと思うが?」
「っ、ふざけるな…!誰のせいでこんな……!」
「ふん、強情だな。まぁいい。だが、いつまでも我慢できるわけでもあるまい」

ゴジラの中で渦巻く情欲は勿論、この廃教会もタイタンの襲撃に遭うかもわからない。だが、心配はいらなかった。自分は人々から「偽りの王」と称される程に弱くはない上、それに今はこちらの方―――堕ちた宿敵もとい伴侶を愛でるのが優先だった。下腹部に刻まれた紅い淫紋を目線だけで愛でつつ、今にも欲情の炎に身を苛まれようとしているゴジラに告げる。

「まぁ、夜は長いんだ。貴殿の疼きを抑えるためにも伴侶の役目として、この余が夜通し可愛がってやろうではないか」
「っだめ、触る、な……っくぅぅ゛うぅう゛んっ♥♥」

機能を停止したメカゴジラの横たわっている隣で床に押し倒された音に続き、朽ちた礼拝堂にゴジラの嬌声が響き渡る。奉仕もあり散々焦らされ続けたせいで、ほんの少し触れられただけでも達してしまいそうなほど敏感になっていた。だがそれすらも許されず、ギドラは意地悪く嗤う。
誰にも邪魔させない。貴殿は例えこの惑星が終焉に向かおうと、その身が物言わぬ骸になるまでは永久に我のモノなのだから。
タイタン達による世界の終わりが刻々と近づく中、この小さな教会の中で本来敵対していたはずのヒトを模した巨獣達の長い営みは始まろうとしていた。

 

 

 

 


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