ギドラ陵辱から数日が経った。
あれからガイガンはメガロに惚れてしまい、挙げ句にはギドラは犯されて以降、体が元に戻らなくなった。
しかし、女体になったからといって彼にとっては大した支障はなかった。敢えて言うなら、胸の膨らみは余り目立たず、そしてかの自身がなくなった事だろうか。
同時に、心にぽっかりと心に穴が開いた様で時折虚無感を覚える様になった。
そんな中、龍鬼によって植え付けられた実体のない“種”も、次第に芽吹こうとしていた。
まるで、宿主の心を食い尽くさんばかりに───。
「はぁ…はぁ……ぁ…………」
今夜もまた、ギドラは1人浴室にて“事”に及んでいた。
此処なら室内と違って他者の介入を気にする事はなく、自慰に耽られるからだ。
おまけに二つの顔が漏らしている嬌声も合わさって、局部からの水音が澄んで響く為、またとない羞恥心を煽る。
「んあ……っう…!」
指を動かす度、胎内の滑りが一層滑らかになってゆく。そして───秘豆をく、と指先で扱いた途端、“彼方”は訪れた。
「ぁ、ひゃぁあぁっ!……くはぁっ!………!!」
言葉では言い表せない感覚に体が波打つ度、局部からは透明な液が噴き出し、真っ白なタイルを濡らしてゆく。
「はぁ………ん…」
息遣いに混じって湯気と牝特有の匂いが包む中、ふと向こうに行ってしまった彼奴の事が蘇る。
───ガイガン……もうお前は余などいらないんだな。
そう思っただけで胸の奥がぎゅ、と締め付けられる。同時に、自らの眦にじわりとこみ上げてくる熱さも…。
泣きそうなのを堪えつつ、行為の跡を軽く洗い流し、浴室を出ようとすると、鏡の中から突然気配を感じた。
しかも、何やら舐め回す様な視線……。
『やはり、伴侶がいないと寂しいだろう?龍聖よ』
突然、浴室内に声がした。此処には自分しかいないはず……。
「っだ、誰だ!?」
『そう威嚇する事はなかろう。儂だ、もう忘れたのか?』
直後、目の前にある鏡の中から眩い光が迸ったかと思うと、今度はその中からヒトの体が露わになった。
その姿こそ、忘れたくとも忘れられない人物、そして自らの父───龍鬼だった。
「父上……!」
「ご無沙汰だったな。儂の植えた種も、そろそろ芽吹いてきた様だしな。」
言葉が終わらない内にす、と前に歩み寄る龍鬼。勿論その目線は他でもない、ギドラに向いている。
「な、何の用ですか…?」
「心配はいらん。儂はお前の中の“種”を刈り取りに来ただけなのだよ。ただそれには……」
ついにギドラの背中は壁を捉え、逃げ場は失われた。
そんな彼に龍鬼は手を伸ばし、顎の輪郭を愛おしそうに撫でる。
「それには…少しばかりあちらに来て欲しいのだがな。」
「…父上…余は……」
ギドラが言葉を発する前に、さり気に龍鬼と目が合ったかと思うと、不意に意識が遠くなり、どさりと相手にもたれ掛かる形となった。
「やれやれ……抵抗されるよりはマシだな。」
とりあえず催眠術を繰り出しておいて正解だったな、と心中で呟くと、龍鬼は再び鏡の中へ入っていった───。
───父上……父上………
幾ら呼び掛けても、父親は此方を向かない。それどころか、彼は兄のカイザーに付きっきりだ。
───父上…僕を見てよ……?もしかして、母上を殺した事怒ってるの?
その質問をした途端、父親はすぐさま怒鳴りつけるだけでは飽きたらず、手を上げた。
それも決まって、“悪魔”だの“疫病神”だのと罵る。
体に作られる鬱血の痕、地面に垂れる鮮血、そして透明な雫……これが毎日の光景だった。
───もう嫌だ!父上!僕を…僕を“悪魔”と呼ばないでぇーーー!!
「!!」
自らの泣き叫ぶ声で目を覚ました。
その後にギドラは少しの間呆然としていたものの、両目から溢れている涙を拭いつつ、思考を冷静にした。
───一体此処は…?
自分は一糸まとわぬ状態で簡素な寝台の上に寝かされており、天井は仄かなオレンジ色のライトが輝いている。
無理やり覚醒した為、若干頭が重かったものの、とりあえず此処が自室でない事を理解できた。
「再び父上に浚われた…か……」
半ば自嘲気味に笑みを漏らすも、あの龍鬼の事だ、一体何をするか解らない。
そんな中、不意に何処からか木の軋む音がしたかと思うと、傍らのドアが静かに開けられた。
そこから出てきたのは、父上本人こと龍鬼だった。その表情には、依然として感情は感じられない。
「漸く目を覚ましたか、龍聖よ。」
「えぇ……こんなお持て成しを受けて余は幸せですよ。」
敢えて皮肉を込めて言い放つも、龍鬼は怒りもしない。それどころか、不敵な笑みを浮かべ始めた。
「まぁそう言うな。これから儂が今までの贖罪をしようと思ってな。」
「何を今更…そんな手に乗るとでも……ッ!」
突然合図もなしに押し倒されたかと思うと、問答無用で念力によって両脚を開かせられる。
「父上…何を…っ!?」
不意打ちにギドラの目が見開くも、丸見えになった秘部には何の防御策もなく、瞬く間に龍鬼の指を受け入れてしまった。
「くぁああっ!」
「ほぅ…口では拒否してても龍聖のナカは正直で、実に柔らかいな。…それにしても、やたら滑りが良い気もするが……」
口では関心しつつも、指はぐねぐねと蠢き、感じる部分を何度も刺激する。その際にギドラの両手は屈辱の余り顔を隠してはいたが、その指の隙間からこれまでに出した事のない嬌声を上げていた。
「お止め下さい、父う…あぁ……嫌ぁ…!」
「嫌じゃないだろう?寧ろ…儂の指をこんなに咥え込んでいる癖に……」
言い終わる前に、指を激しく抜き差しをした途端、鋭い飛沫が上がった。
花弁諸とも胎内を犯される感覚……ギドラの体は電流が打たれた如くびくりと跳ね上がった。
「ぅあぁああぁっ!!父上ぇ、もっ…止め……」
「…ココか?」
く、と龍鬼の指が弱い部分を狙って折り曲がった直後、ギドラの腰は一際大きく跳ね上がり、局部から大量の愛液が溢れ出した。
同時に、先ほどより甲高い飛沫が部屋中に響いた。
「は……んあぁぁああぁ───!く…ぁっ…!!」
忽ち秘部からは、尿とは似て非なる液体が勢い良く飛び散り、シーツを濡らす。
「ぁあ…いやぁ……見ないでぇ……!」
「…相変わらず早いな。あれから少しは粘ってくれるものかと思っていたがな。」
ボソボソと悪態を吐きつつ、龍鬼はゆっくりと胎内から指を引き抜く。しかし、蕾は意志に反してソレを離したくないらしく、未だ名残惜しそうに締め付けていた。
「何だ、散々嫌だとは言っていたが……咥えて離さないとはな。」
その言葉に反射的に赤面し、目を背けてしまう。
しかし、
「此方を見ろ、龍聖」
直後、ギドラの咥内に自らの愛液が付着した指が二本も入り込んできた。
「─────!!?」
「お仕置きだ。また儂の手を濡らした罰として、全部舐めとってもらおう。」
ぐちゅぐちゅと、咥内を犯すソレ。拒もうにもわざと指先が喉奥を刺激する為、反射的に餌付いてしまう。
「舐めろ。これ以上苦しい思いをしたくなかったら、な?」
「んんっ……ぐぅ…!」
呻きつつも憎しみ半分、その半分は羞恥心の籠もった目で相手を見据えるも、ギドラは観念したらしく、拒否反応を起こしている舌を動かして“後処理”をし始めた。
「ふぅ……んむ…はぁ……」
「そうだ。じっくりと時間を掛けて…上手いぞ。」
誉められながらも、今度は自ら龍鬼の手を取り、さも愛おしそうに手繰り寄せ始める。
何故だろう。実の所は嫌なのに、愛撫に続いて今や指先を奉仕している内に拒否反応が鈍ってしまったのだろうか。
その傍らで、龍鬼は息子が遂に屈服した様を見て、“堕ちたな”と心中で呟いた。
やがて一頻り舐め終わると、龍鬼は納得したらしく「もう良い」と言い放ち、漸くギドラの口から指を引き抜く。
「はぁ……ん…ぁ…」
その際に粘着質な糸を引いたが、構わない。
簡単に処理をし終えると、今度は次の命令を下す。
「さて…ご苦労だったな。お次は儂自身を奉仕してもらおうか。」
「っえ……」
その器官こそ、かつて自分達を生み出したソレの片割れであり、しかも彼の手より一際口に含む事は、またとない嫌悪感があった。
「どうしても…ですか?」
「そうだ。早くしろ。」
拒めば、先程の様に無理やり咥内にソレをねじ込まれるとも限らない。寧ろ、奴ならそうするだろう。
しかし、そんなギドラの気持ちを読み取ったのか、龍鬼は何故か打って変わって「成る程…」と漏らした。
「流石に実の父のを咥えるのは無理だな。ならば……」
じぃと、ギドラの躰を舐め回す様に見つめる龍鬼。ふと、ある部分が目に入った。
「そうだ、お前が無理なら、その顔にねじ込めば早いな。」
「何を……っ!?」
どさり、と龍鬼はギドラに覆い被さり、間髪入れずに半ば起ち始めた自身を、右乳房の顔にねじ込んだ。
「っぁあ?!や、止めて下さ……汚らわしいです!」
「汚らわしいだと…?どの口がほざいている。しっかり喉奥にまで咥え込んで、儂を離さぬではないか。」
とは言っても、左側は拒否の声を上げ続け、右側はじっとりと涙を浮かばせながら餌付いている。
「んヴッ……ぐゥ…!!」
「しかし…ちゃんと苦しさは感じる様だな。意志も独立している様だし……もしやこの乳房には、内部に脳でもあるのか?」
と、語尾の部分でさり気にギドラを一瞥すると、思わず息を呑んだ。
ギドラの顔がイヤに紅潮しているならまだしも、先程よりやけに息が荒い。
しかも、右乳房の顔の喉奥に自身が到達すればする程、小刻みに反応もしくは微かな嬌声を上げていた。
「ぁっ…ふ……ひゃあ……ん………」
「…龍聖?」
まるで妙なスイッチが入ったかの様な乱れよう。もしや、この器官は性感帯だろうか。
だとしたら、それはギドラの歴史上にて重大な発見だ。
異形の肉体、それも自らの息子にこんな驚くべき秘密があったとは……改めて軽蔑した事を少しだけ悔やんだ。
「どうやら此処が酷く弱い様だな。えぇ、龍聖よ!」
ガボッ、と自身をねじ込めば、ギドラの躰は背中に電流が走ったかの様に逆にしなり、鋭い飛沫を上げる。
「違っ…!余は…余は……アァアッ!!」
「神に感謝せねばな、龍聖!こんな素晴らしき肉体を貴様に授かった事を……否、神とはいえど地獄の神が正しいがな!」
言葉が終わらない内に、すっかり高揚した龍鬼は何度も自身を抜き差しする。
一方でギドラは、その滅茶苦茶な運動を拒みながらも、無意識に飛沫を上げていた。
この時乳房の顔、それも自身で咥内を貪られる事は、人間で例えれば直接乳首を弄ばれる様なものだ。
序でいえば、乱暴にされればされる程、その敏感な器官からもたらす淫靡な感覚はごく自然にそのまま主に伝わる為、何ともいえないそれが幾度も体内を刺激する。
「ぁあ……父上ぇ…もう許し…て……!」
「………射精すぞ。」
直後、自身は勢い良く抜かれたかと思うと、忽ち右側の乳房は純白の液体に汚された。
「う…ぁぁ……嫌ぁ……」
「はぁ…こんな沢山……」
ドロドロのそれにまみれた右側は涙を流しながら白濁を拒んでいたが、逆に主は、未だ顔を紅潮させつつ息を整えていた。
そして、何気なく両股をこすり合わせているのは決して気の所為ではない。
「解った…もう待ち切れぬ様だな。」
「それは……んぅっ!」
言葉が始まらない内に今度は口付けをされ、その下で龍鬼の指先は白濁を掬いとり、拒絶している左側の口に無理やりねじ込む。
「嫌…いやぁ……むぐぅ!」
「はぁ……んんぅ…」
一見すれば下は拒否、しかし主格である顔は今や龍鬼を受け入れてしまっている。そのギャップが、一層龍鬼を発情させていた。
やがてギドラの顎に唾液が伝った頃、漸く口が離れた。
「良い子だ、龍聖。今すぐ…楽にしてやるからな。」
「………父上」
最早後戻りは、できない。
その実感はギドラを絶望の淵に突き落とすと同時に、心の片隅で密かな安堵感を生み出していたのだった。
今回はギドラが龍鬼を跨ぎ、引ける腰を無理やり動かして少しずつ落としてゆく。
その際に花弁は自身を捕らえ、やがて先端全体を呑み込んだ。
「はぁ……っんぁあ…!」
「畏れるな。じっくり受け入れろ。」
下腹部が、苦しい。おまけに結合部分を実の父に見られている。その感覚がギドラを強い快感に震わせていた。
「んく…っはぁ……」
意を決して、ずん、と再び深く腰を落とせば、忽ち自身は漸く胎内に収まった。
血の繋がった者同士が再び交わる禁忌……それは罪悪感を生むと同時に、前回と違った快楽を産み出しつつあった。
「さて…今度は自ら腰を振れ。何も難しい事はなかろう?」
「……はい」
ぐ、とギドラの手は龍鬼の軍服越しの胸板を押さえた後、躰を上下に揺すり始めた。
「ふ…ぁっ……はぁう……ん…!」
「良いぞ…馴れてきたら、徐々にペースを上げろ。」
とはいえど、ギドラはこのスピードが精一杯らしく、少しでも速度を上げればがくりとうなだれた。
「…続けろ」
「も…っ無理です……休ませて…!」
息を整えつつ懇願するギドラ。しかし、その態度こそ龍鬼を忽ち不快にさせた。
「甘えるな。それとも……こうして欲しいのか?」
すぅっと龍鬼の手がギドラの秘豆部分に伸びたかと思うと、そのまま容赦なくぎり、と摘んだ。
直後に局部のみならず、忽ち全体へ鋭い激痛が走る。
「ひぎっ?!い…痛い!」
「だろう?解ったら、さっさと動け。このままココを千切られたくなかったらな?」
そう言っている間に段々爪が食い込んでゆく。
やがてギドラは観念したのか、「解りました…」と力なく返事すると、再び腰を動かし始めた。
「あん…はぁ…ぅうん……!」
「…やれば出来るでないか。最初からそうしていれば良いのに。」
す、と龍鬼の手は今度はギドラの臀部に伸びる。双丘を広げると同時に、一層深く自身を受け入れさせる為だ。
「ぁ…父上ぇ……」
「ココが弱いのだろう?」
ぐちゃり、と自ら腰を上げれば、ギドラは天井を仰いで甲高い嬌声を上げる。
「ぁん……!!」
逆に腰を下げれば骨の髄まで染み渡る快感が寄せては返す波の如く、何度もギドラを襲う。
「父上ぇ…もっとぉ……」
「…素直になったな、龍聖よ。それでは…ご褒美だ。」
言葉が終わらない内に龍鬼は突然上体を起こしたかと思うと、ギドラを押し倒し、同時に両脚を無理やり広げた。
「ぅああっ?!やあぁあっ!!父上ぇ、何を───!」
「……気が変わった。」
そう言って、龍鬼は自ら腰を打ち付け始める。勿論ギドラが拒もうが叫ぼうが容赦はない。
これは獣同士の交わりだ。雄は死して尚も鬼と化した龍王、その器は生者だが異形の肉体を持った雌……何ともお似合いではないか。
「はぁっ!ぃやあっ!ちちうぇえ……お願っ…壊れ……」
「もう根を上げるのか?なら、最後に良い事を教えてやろう。この鏡の領域に踏み入れた時から、貴様はもう此方の住民なのだよ!
後悔せずに壊れるが良い!!」
嬉々とした残酷な告白が告げられた直後、龍鬼の男根がギドラの膣奥を深く抉ったと同時に、彼は甲高い断末魔───に似た歓喜の声を上げながら果てた───。
やがて、翌日───。