昭和キングギドラ×平成ギドラ後編 End

「本当に、ギドラは此処から姿を消したのか?」
「えぇ、間違いなく痕跡があります。」

朝から捜査班がくまなくギドラの部屋を探索していた。
というのも、真夜中カイザーが突然弟の気配がなくなった事を感じて、彼の自室を見ると案の定そこは蛻の殻、故に昨夜から大捜索が始まっていたのだった。

すると、

「……おや?」

カイザーが何かに気付いたかの様に浴室に足を踏み入れた。

そこだけは湿っぽく、更に少しながら不気味な静寂が漂っている。
足元を見れば、タオルと洗面器があり、その置き方を見るに先程まで弟がいた様な感じがした。

───龍聖…お前は一体何処に……

 

半ば忌々しそうに鏡を一瞥した途端、そこから微かながらに声がした。

「何だ…?」

ゆっくり近付き、鏡面を除くと……当然の事ながら人影はない。
聞き間違いだろうか、と思いつつ、じっくり見てもそこには自らの姿があるだけだ。

───やはり…幻聴か……

しかし、それは幻聴等ではなかった。

 

 

「あぁっ……はぁ…ん!」
「兄に見られているだけで、もうナカはドロドロだな。そんなに興奮したのか?」

龍鬼はわざとカイザーに見せつける様に、ギドラを後ろから突き上げていた。

「ぁっ……龍お…見ないで…!ひゃあ、ん…ぁあ……」
「無駄だ。我らの声は、外からでは聞こえぬ。」

そっと耳元で囁き、ひたすら羞恥を煽らせる。
時折秘豆を摘まめば、ギドラは甲高い飛沫を上げて体を仰け反らせた。

一体この狂宴は何時まで続くのだろうか。胎内で何度も精を出され、霰もなく達し…今や兄のいる前でもそれは同じ事だった。

そして、ずるりと白濁を引きながら自身を引き抜くと、今度は足元に跪かせたギドラの眼前に着き付ける。

「さて、舐めろ。昨夜は敢えて控えてやったが、今は別だろう?」
「は…はい……」

龍鬼に言われるがまま、無意識に体が動く。今度ばかりは奉仕するしか他に道はない。

そして、ギドラは片手は男根の根元を、反対側の手は切っ先付近をやんわり包みつつ、ソレを咥内に導く。

「んん…っぶ…!ぐ……」

生臭い匂いが真っ先に口内を刺激し、同時に味蕾に辛みと入り混じって、強い苦味が広がる。
気持ち悪い……けれど、抵抗できない。

「まだぎこちないが、まぁ良い。…それにしても、この光景を龍皇が見たらどう思うだろうな?」

その言葉にギドラはぴくりと反応したが、もし奉仕を止めようというものなら過酷で淫靡な罰が与えられる。
口を離せば無理やり突っ込まれ、舌遣いを止めれば、髪を掴まれて前後に揺さぶられ罵倒を浴びせられ……今は考えるより先に、目の前にいる父の精を出させねば終わらない。

口を開いて良いのは、それからだ。
吸っては時折口を離して裏筋を舐め、また時には蜜嚢を手でやんわりと扱き、ありとあらゆる方法で自身全体を慰める。
自分達をこの世に種付かせ産ませたものの片割れが、ギドラの咥内中を圧迫し、時に喉元を掠める。餌付く度に湧き上がる嫌悪感を振り払いつつ、何度も咥内の抽迭を繰り返している内に、ふと咥内を一際生臭い匂いが襲った。
紛れもなく、龍鬼が達そうとしている。

「さて、龍聖…これを全部飲み干せ。淫乱なお前なら、出来るだろう?」
「む…!」

そんな、と目線で訴えようとした直後、発言権をかき消す様に白濁が放たれ、瞬く間に喉奥に流れ込む。
当然不意なる攻撃にギドラの目が見開くも、餌付く間もなく半分を飲むハメになった。

「ぐン゛ッ!んむぅぅう!!」
「苦しいか、龍聖。だが、もう少しで楽になる。」

とは言っても、白濁は際限なく放出され、ギドラの喉を侵し、やがて溢れかえった挙げ句口許に流れ始める。それを見た龍鬼は露骨に舌打ちし、一気に男根を引き抜いた。

「ぐえ゛っ゛!ガホッ、ぅげぇ…!!」

ギドラが足元で這い蹲り、液状の異物を咽せながら吐き出す。

当然だ、決して誉められた物でもない味と匂いの液体を飲まされたら毒物でなくても反射的に吐き出してしまう。
そんなギドラを見て、龍鬼は不機嫌露わに見下ろす。

「……飲めたら出してやろうと思ったんだがな。まだまだ躾が足りんな。」

そう言って、龍鬼は無理やりギドラの髪を掴んで鏡の前に立たせると、前に手をやり、臀部を後方に突き出す様に命令する。
これは紛れもない、鏡越しから至近距離に近付いて自分の痴態を見せる為だ。

「ち、父上…こんなの……」
「嫌、というのか?先程兄に見られながらよがっていたのは誰だったかな?」

喉で嗤いつつ、舐め回す様に息子の躯を見やる。
今や無駄のない筋肉は目立たず、一見すれば雌の肉体と変わらない白い肌が蠱惑的で、何度見ても飽き足らない。ただ、異形の乳房さえ除けばの話だが。

その間にも、龍鬼の手はソコに延び―――事前に互いの体液が入り混じった白濁の液体を口にねじ込み、舌先を弄ぶ。

「ふっ……ンンぅ」

「はぁ…あぁん……そこだけはぁ」

やはりどうあってもその部分は弱点らしく、ギドラは馴らされた猫の様な艶めかしい鳴き声を上げる。
女性で言うなら、乳房を弄くられている様なものだ。

一方で龍鬼の男根は、本人の意志とは無関係に今や手前で疼いている女芯に挿入される事を欲していた。

「よしよし、今すぐ挿れてやるからな。たっぷりと…眼前の奴らにお前の乱れ具合を見せてやれ。」

一頻り言葉を終えると、龍鬼は腰を突き出し、自らの対となる雌蘂へと牡を挿入した。
しかし、一気に突き入れた訳ではなく、相手の気を焦らすかの様に、ゆっくりと入ってゆく。

「あ…ふっ!奥までクるぅ……!」

背筋に電流が走り、段々浸食されるが如く自らの雌蘂が血の繋がった男性を受け入れてゆく。
この感覚は未だに慣れず、ギドラは嫌悪感の余り腰を前にやろうとしたが、逃げようとする尻を掴まれ、合図も無しに容赦ない抽送が始まる。

「ひぁっ!?ち、父上ぇ!待って…」
「待てない。」

肉の弾ける音が聴覚を侵す。けれど、音は疎か、こんな淫らな姿が外部に漏れない事が解っていても、ギドラは羞恥の余り眼前の兄に向けて声を上げる。

「ぁあ!龍お……見ないで!こっち見ないでぇええ!!」
「無駄だと言っている。…あぁ、彼奴がしきりに凝視しているからな。誤認しても仕方ないか。」

嘲笑を浮かべ、一切容赦のない律動を繰り返す父にギドラは憤慨を覚えたが、それも敏感な場所を抉られた事で半ば強制的に黙らされた。
その間にも次第に結合部分からは愛液が溢れ、脚を伝って絨毯を濡らしてゆく。

そして、泣きながら悶える女もとい息子を見て龍鬼はある閃きをした。
それは……結合部分の上にある器官。本人がしきりに否定の声を上げているのに、ソコだけはヒクヒクと別の生き物の様に蠢いている。

「ほぅ……嫌だ嫌だ言いつつ、ココは被虐を強請っている様だな。」
「何を…!――――ッ!!!」

ぐちゅ、と龍鬼の指は後孔の狭き入り口を突破し、忽ち奥深くにまで浸食してきた。
生憎一本だけだが、丁度良い。攻められて一際羞恥の湧き出る箇所を弄べば…大抵の相手は堕ちる。因みに、この性戯は生前の頃、流石に亡き妻には敢えて使わなかったが。

「嫌ぁああっ!抜いて!こんな姿……龍皇にはぁ…!」
「だから何度言えば解る。これはお仕置きだ。物分かりの悪いお前の為の…な?」

直後、指は一層荒々しく内壁を擦り、その隔たりの中で自分と繋がっている事を確認する。

「あぁ!掻き回さないでぇ…死ぬぅ…!」
「なら死ねば良い。永遠に儂と一つとなれるぞ?」

その言葉に我に返る。すると、何を思ったのか、ふとカイザーの手が鏡越しに自らと触れる。
相手の掌が自分と合わさる…暖かさや柔らかさは一切感じなかったが、代わりにそれは意志は届いていなくとも、自分達が切れない絆で結ばれた兄弟だという事を改めて実感させられた。

しかし、幻想を打ち壊すかの様に龍鬼の男根が胎内に入り込む。当然ながらギドラの思考は忽ち現実に戻された。

「んくぁっ!いっ嫌ぁ!」
「さて…後は貴様の無様な逝き姿……彼奴に見せてやろうか。」

ズブズブと、一切の情けがない抽送がギドラの中をかきむしる。それは後孔でも同じ事で、一本だった指は何時しか数本に増えていた。

やがて何度も犯している内に敏感な場所に爪先が当たり、ビクンとギドラの体が大きくしなり、瘧にかかったかの様にガクガク震え始める。それは当然、胎内にも影響が出た。

「はひっ…ぁあ……ちちう…えぇ…!!」
「ッ射精すぞ!鏡越しにいる兄に聞こえる様に叫べ!」

ぎゅ、と秘豆を扱く様につまみ上げた途端、ギドラは今までになく甲高い絶叫を上げ、歓喜に打ち震える。

この時、兄と目が合った―――ように錯覚したギドラは達したと同時、頭の中で何かが切れる決定的な音を聞いた気がした。

「ぁ…がっ、くぁああぁあぁっっ!!」

甲高い嬌声と合わさって、局部からはこれまでにない程の潮が飛び散り、結合箇所と床を酷く濡らした。同時に、子宮にはマグマの如し慾が何度も注がれる。

「っは…………」

ずる、と糸を引きながら抜かれると、ギドラはだらしなくグタリと崩れ落ち、局部からは飲み切れなかった白濁が太ももを伝う。
そして、この瞬間龍鬼の告げた言葉が、何だか酷く遠いものの様に聞こえた。

 

今や口を半開きにし、常に戦意で満ち溢れていた目は輝きを失い、愛液やら精液で汚れた床の上で糸の切れた人形の様にグタリと横たわる息子を見て、龍鬼は穏やかな笑みを浮かべる。

「やっと…此方の世界に来られたか。さぁ、龍聖……」

もうお前を独りにはさせない。ゆっくりお眠り。

龍鬼の酷く暖かい手がギドラの頬を包み込み、その後は周りを仄かに照らしていた灯りが静かに消えた―――。

 

 

その日からギドラの姿を見た者はいなかった。変わった事といえば、彼の部屋は行方を眩ましたあの時のままで、いつでも本人を迎えられるようにカイザーとガイガンがほぼ毎日掃除をするくらいになった。
ただし、時折夜になると何故か細々と嬌声らしき音が聞こえてくる事もあったが、皆が寝静まった時に起こるので大抵は気のせいだと思われる様になった。

 

そして現在―――鏡の中の異空間では、ギドラは心の壊れた状態で毎日の如く陵辱を繰り返され、今や新たな命を宿していた。

「随分腹が大きくなったな。…果たして誰の子を産むんだろうなぁ?」

返事無し。それも致し方ない。あれから文字通り“愛玩人形”となり、意志を殺されたのだから自分から動こうともしないし、言葉を発せられない。代わりにあるものはその妖艶な肉体と、犯される際に唯一上げる嬌声その2つのみだ。

ともあれ、文字通り人形となった今、龍鬼の目的は達成できたも同然だった。後は……この時の止まった空間の中で生まれ出る赤子をどうしてやろうと考える毎日だ。
普通に生ませる或いは胎内から引きずり出すか、或いは無理やりにでも押し込んで出産を長引かせるか……楽しみ方は幾らでもある。

禁忌を犯した我が子の種を、どうお出迎えするか…それを心待ちにしつつ、今宵も龍鬼は自らの子を何度も抱くのだった―――。

 

 

 


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