機龍のお悩み相談 本番編

ゴジラさんと交合ってから一日空いた後の晩。彼から“昨日コングと連絡が付いた”とのことなので、私はロビーの控室でこっそり疑似雄器を嵌めた後、専用のタッチパネルでゴジラさんの部屋を指定する。本来この役割はお客サマがする立場なのだが、今回はダブルでの娼婦指名という形なので直々に私も彼の部屋に入るという仕組みだ。
部屋の鍵が開いた音を確認すると私は緊張しながらドアノブに手を掛ける。先日怪獣王と激しく性交した部屋で、今度はどのようにされてしまうのだろうと思いつつ扉を開けると、そこにはゴジラと―――既に件の先客がいた。

「アンタから指名してくれるとはなァ、元怪獣王さんよ。そんなにオレが気に入ったのか?」
「お主以外に頼める相手がおらんかったからな。それより“元”を付けられる謂れはない。儂は未だ怪獣達の頂点として現役だぞ?」
「はっ、よく言うぜ! いざそいつ等との本番となればアヘっちまう淫乱娼夫に堕ちたのに、まだ“王サマ”として扱われたいのか?本当に懲りないヤツだな」

卑猥な悪態を吐かれつつも、ゴジラは動じないどころか次々と先客ことコングに言葉を返す。

「偉そうな口を叩いておるが、お主こそ未だに儂以外に相手をして貰っとらんだろう? 此処には雌の怪獣娼婦が複数居るのに、何故彼女らを指名せぬのだ」
「おい!! それとこれとは関係ねぇだろ! アイツらは無駄に指名料高ぇし、そもそも他に相手してくれるヤツなんて掃いて捨てる程いるんだよ!いつも選ぶのに苦労するんだぜ?」
「ほう?そうは見えんがな。その相手とやらが掃いて捨てるほどいると言うなら、何故毎回儂に執着しているのだ。 そもそもお主は異性を間近にしたら毎度緊張して……」
「あーもう!うるせぇな!話が進まねぇだろ!!」

ぽんぽんと言葉の応酬を繰り広げる二人に思わず呆然としてしまう。どうやら私など最初から眼中にないようで、ゴジラはベッドに腰掛けたままのコングと話している。否、むしろ私がこの場に入ってきたことにすら気づかないかのような態度だ。

(あれ?これってもしかして邪魔しちゃいましたかね……?)

などと悶々と考え込んでしまうが、先程からの二人の会話を聞いている限りそれはないだろうと思い直し、私はおずおずと声を掛ける。

「あ、あの……お取り込み中の所失礼します。この度ゴジラさんの付き添いとして参りました三式機龍と申します。どうぞ宜しくお願いします」

私の挨拶に二体は漸くハッとすると、ようやくこちらの方に視線を向けてきた。コングは驚いたような表情だったがゴジラは寧ろ納得いったかのような顔で「来たか」とだけ呟く。

「随分早かったな。もっとゆっくりでも良かったのだが」
「いえ、大丈夫です。それに……」

僅かに声を窄めながら視線を反らせると、股座を隠していた手を退ける。
そこからはぼるん、と疑似男根が顕になり、ゴジラはともかく先程まで激昂していたコングですらもそれに視線を奪われていた。

「成る程な、予め着けてきたという訳か。ふふ、律儀な奴…「オイ」

ゴジラの言葉を遮り、コングが徐に寝台から降りると、つかつかと私の方に歩み寄ってきた。そしてゴジラの胸元を軽く押してその場から退けると、私を自ずと壁際へと追い込んでしまう。

「え、あ……っあのコング様?」

突然のことに戸惑いを隠せずおろおろとしていると、彼は私の顔の両端に手を置いてから少し屈んで顔を覗き込んできた。反射的にビクリと肩が跳ねてしまう私を余所に、コングは口角を上げてみせる。その眼差しは明らかに好敵手を見つめる目ではなく情欲を誘うものに変わっており、私は無意識に息を飲んだ。
その間にも彼は私の下腹部にひとつ視線を送ると、改めて目線を合わせてぽつりと言葉を発する。

「三式機龍と言ったな。ゴジラから話は聞いてるぜ。本番の相手としてオレを呼んだそうだな」
「はい。逆指名と言う形ですが、今宵は彼と共に貴方様を気持ち良く致しますので、何卒……」
「あー、そういう堅苦しい返事は止せよ。萎えちまうだろ。とにかくアンタ、ゴジラと寝たのか?」
「…はい? 寝た、とは?」
「鈍いなぁ、“セックスしたのか”という意味だ。どうなんだよ?」

語尾の部分で顎をくい、と無理やり上に向けさせられ、否応なしにコングと視線を合わせられてしまう。
タイタン特有の野性味と私の背丈を軽く超えるゴツい体格もあって、ヒトを相手にしている時よりも圧が凄い。ここで質問をはぐらかそうものなら、先程ゴジラを罵倒していた言葉が今度は私に向けられることだろう。ここは正直に答えるしかない。

「は、はい。一応手解きという形も含めて一晩だけですが…」
「じゃあもう経験済みって訳だ。それにしても娼夫同士でサカり合うなんざ、随分と爛れた関係だな」

揶揄するように言いつつも、コングの視線は徐々に下へと降りていく。それが何を意味するかを察するが、下手な動きは取れないためされるがままとなる他なかった。
その内コングの片手が私の太腿を、曲線を楽しむかの如く撫で回し始め、ぞわぞわとした感覚に襲われる。

「ひゃ、ぁ……っコング様…っ!?」
「へぇ、機械だから冷たいと思ってたが、見た目に依らずイイ感触じゃねぇか。何時までも触りたくなるよ」

低く囁かれると同時に今度は太腿を這っていた手が疑似男根に伸びる。ヒトよりも大きめな掌で包み込まれ、下から上へとゆっくり扱かれれば否が応でも反応してしまう。

「んぅ……っは、ぁあっ…く……」
「ほーう、見た目メカゴジラなのにのっけからエロく喘げるとか最高だな。まさか、ロボットなのにそういう機能が付いてんのか?」
「違、っ…そんな訳は……」

実際は“中身”による本能とオプションパーツによる擬似的な快楽が共鳴し合って自ずと声が漏れているのだが、理屈が難しい為にそれを口にすることは憚られた。
私が口籠っている間にもコングの手の動きはどんどん大胆になっていき、遂には疑似男根の先端にぐりっと爪を立ててきたものだから堪らず腰が引けてしまう。

「どうした?逃げんなよ」
「ぁ、っそ…それは企業秘密で……っ」
「は? 企業ってなんだ。もしかしてアンタ、オレとゴジラが香港とか言う場所で漸く仕留めた人相の悪いメカゴジラの兄弟か? 綺麗な顔してとんでもねぇ奴だな」
「へ…!? ち、違います! 断じてそのメカゴジラとは無関係で……っんぁ!」

唐突に突き付けられた濡れ衣を強く否定しようとした所で再び指先が動かされ、今度は指の腹で亀頭部分をぐりぐりと押し込まれた。その強烈な刺激にトーンの高い嬌声を漏らしてしまい、それを聞いたコングがニヤリと笑みを浮かべる。

「しらばっくれるんじゃねぇよ。ま、どちらにせよ躰で訊いた方が早いだろうけどな」

そう低く吐き捨てると、コングは手淫の速度を早める。それにより疑似男根の先から白濁とした蜜が分泌され始め、にちゃにちゃと粘着質な音が響き始めた。

「くぁ……っだ、め…そこは、やめてくださいぃ……っ♥」
「あ? ンだよ、こんなエロいモノ着けたメカゴジラ風情がいっちょ前に拒む気か? 二度と悪さできないようにオレがたっぷり躾けてやるよ」

一方的に人違いならぬメカゴジラ違いをされていやいやと首を振りながら否定しようとするが、コングは聞く耳を持たず執拗に疑似男根を弄り続ける。竿全体を掌で包み込んだかと思えば根元から先端まで絞り上げるように擦り上げてきたりと緩急を付けながらも、確実に私の性感を高めていった。

(う、上手すぎる…っ気持ち良すぎて、声が抑えられない……っ♥)
「ふぅ……っあ、あっ♥ やっ……そこだめぇっ!コングさまぁ……ッ」
「はは、呂律が回ってねぇぞ。もうイキそうなのか?」

嘲笑を浮かべながらも手淫の勢いを強めてくる辺り相当自信があるのだろう。実際その通りだし、彼に性的に弄ばれるこの状況すら快楽と感じ始めているのだから、私は腰を震わせて襲い来る絶頂感に抗うのに精一杯だった。

「んぁあっ♥ ん、はぁ……っ私、まだイキたくな…っ!」
「まだそんな事言えるんだな。嫌だつってもこのままイカせてやるから、とっとと観念…「待て」

コングの後ろから声がした。見ると彼の肩越しにゴジラが立っており、今にも後ろから抱き竦めてきそうな体勢だ。

「ふふふ……やけに二体っきりで楽しそうにしおって、儂も交ぜてもらうぞ?」
「あぁ? 何……って、うわ!? 何処触ってんだよ!?」

ゴジラの両手が、突然コングの鍛え上げられた胸筋をすりすりと揉み始める。咄嗟のことに驚くコングを余所に、ゴジラは尚も彼の耳許に口を寄せる。

「ふふ…弱い者いじめは楽しいかな、コング? いきなり機龍に理不尽な言いがかりを付けて絡んだ分、こちらも丁重にもてなしてくれようぞ」
「お、おい。いきなり何だよ…気色悪ぃな……っ」
「心配することはない。お主が大好きな気持ち良いことをするだけだ。ほら、嫌いな相手に胸を揉まれる気分はどうだ?」

会話の最中も休むことなく手を動かし続けている辺り流石である。と同時に、コングがゴジラの羽交い締めに驚き、力が抜けた隙を見計らってほぼ強制的に後退させられたはずみで彼の圧から離れられたと同時に、私の疑似男根から手の戒めが解かれる。
この間ゴジラが言っていた最低限の手助けとはこういう事か。彼の助け舟で漸くコングの責苦から解放された事で、私はほっと胸を撫で下ろす。

(ありがとうございます、ゴジラさん)

目線だけで彼にお礼を伝えると、それに気付いてくれたのか彼が視線を合わせて僅かに頷く。その間にも彼の指先はコングの体毛に埋もれた突起を探し当て、軽く弾いてはクリクリと弄り始めていた。

「っおい!ジジィ、マジかよ……う、あ゛ぁあっ!?」
「ほう、随分と敏感なのだな。常に乳首を曝け出しておいて、是非触ってくれと言っておる様なものだぞ。下手するとそこだけでイけるのではないか?」
「んっ……ざけんな、誰が…そんなトコでイくかよ……!っぅあ!?」

弄っている方の耳がゾワゾワするのか、ゴジラが指先で先端を掠める度にコングは目を閉じて身体を震わせる。
先程まで粗暴なイメージが先行していたが、今の彼はまるで小猿のように愛らしくも見える。

「は……ッあ、んっ!くぅ…っテメェ、後で覚えておけよ…!」
「ああ、せいぜい楽しみにしておるぞ。此処で終わるのも癪だろうし、次はあちらの寝台で我々と愉しもうではないか」

ゴジラの目線が指した先、そこは以前私と彼が“手解き”という名目で一晩愛し合った寝台だった。
シーツこそ取り替えられていたものの、サイドフレームは相変わらず残滓の跡を残していて、ある意味唯一無二の独特な模様を成している。3体同時に乗れば重みでベッドごと壊れてしまうかもしれないが、余り無理をしない様にはしたい。
その傍ら、ゴジラが攻めの手を緩めた事でコングは彼の戒めを力ずくで振りほどく。当然ながら、彼の様子は好敵手に恥をかかされた怒りで体毛を逆立てんばかりに憤っている。

「ッ、上等じゃねぇか……このオレに喧嘩売った事、後悔させてやるぜ」
「うむ、せいぜい悔いのないようにな。機龍、行くぞ」
「は、はい!」

コングから放たれる殺気をひしひしと感じながらも、私達は寝台へと場所を変える。
娼館のルールは残酷というもので、指定の時間が来ない限り、私達はどんなお客サマだろうと心身ともに満たされるまで相手をしなくてはならないのだ。
例え全身やナカを白濁で満たされ、何度も冷却水もとい淫水を噴き上げ、最後には用済みとしてベトベトの寝台に全身を横たえられる羽目になっても、だ。

「よし、お前ら。先ずはベッドの上でケツ向けろ」
「ケツって、お尻ですか。その、四つん這いで……」
「あ? そうだよ、そのまま揃ってこっちにケツ向けろっつってんだよ。早くしな」

苛立ちを隠すかの如く溜息混じりに言われてしまっては言うとおりにするしかない。私達は大人しく指示に従い、言われた通りに四つん這いになると腰を少し突き出すように尻を向ける。
未使用の後孔が丸見えになってしまい羞恥が生まれるも、逆らってはいけない。そこにコングはつかつかと歩み寄ると私の尻尾をぐい、と上に掴み、あろうことか露わになった黒い人工筋肉で構成された臀部を大きい掌で無遠慮に撫で回し始めた。

「くぅぅ……っ!」
「へぇ…案外触り心地は悪くねぇな。なぁ機龍、アンタがあの悪いメカゴジラと無関係と言うのはマジなんだよな?」
「ぅ…っ、そうです……私はそのメカゴジラとは、何の面識もありませんよ」

まだ私を疑っているのか。その“悪いメカゴジラ”とは別物と訴えるも、コングはそこの触り心地が気に入ったのか返答もナシで無遠慮に撫で回しつつ尻を揉みしだき、やがてすぅ…っと離れる。
もしかして責めの手口を変えた?と思うのも束の間、人間なら冷や汗をかく程心音数が上がり、嫌な予感がする。もしかして―――。

「そうか……それなら嘘吐いてないかどうか、ココで確認しねぇと…なっ!」

空を切る音が高らかに鳴り、バチン!と痛々しい音が響いて鋭い衝撃が臀部に走る。衝撃の後にジィンとキツい痺れが襲い、私は思わず声を上げてしまった。

「あ゛ぅッ!?」

痛みに耐えかねて思わず仰け反ると、追い打ちをかけるようにもう一発平手が臀部に振り下ろされた。

「う゛ッ! ぁ、はぁ……っ!」
「オイオイ、機械のくせして叩かれて善がってんのかよ? とんだ変態だな」
「ち、違……ッあ゛ぁ! 痛ぁあ゛っ!!」

否定の言葉を口にしようとした途端、再びコングの掌が臀部を打つ。叫ぶより先に腫れるような痛みと痺れる感覚が合わさってたまらずシーツに顔を埋めた。
ヒトならともかく、相手は全身筋肉の塊でできたような怪獣だ。このまま連続で打たれれば、装甲はおろか“中身”ごと損傷してしまうかもしれない。

「ひぃ゛っ、や、やめてぇ…!コング様ぁ、せめて手加減を……あ゛ぁあッ!」

拒めば拒むほど新たな一撃を食らってしまい、涙こそ流さないもののほぼ慟哭に近い叫び声を上げてしまう。
そんな中、隣で私と同じ様に四つん這いにされたままのゴジラがコングの名前を親しげに呼んだ。

「コングよ、儂にもしてくれぬのか? 機龍の叩き具合が気に入ったのかも知れんが、そっちばかりで愉しんでおると流石に儂も嫉妬で気が狂ってしまうぞ」
「あ? ジジィがいきなり嫉妬とか、気持ち悪い事言ってんじゃねぇよ。ったく、仕方ねぇな……」

息を整えつつ呆れたように言うとコングは尻叩きの対象を私からゴジラへと移し、私にしたみたいに尻尾をぐい、と持ち上げる。
次に痛い思いをするのはそちらなのに、また助けられてしまったな…と思いながらも、ゴジラの方に目だけで表情を窺うと、既に彼は横顔で「心配するな」と言いたげな表情を見せており、それを受け私はこくりと小さく頷いた。直後、再び風を切る音が高らかにしたかと思うと、怪獣王の大きな臀部にコングの掌が振り落ろされた。

「ひぐぅっ!!?」

肉を打ち付ける乾いた音が部屋中に響き渡り、同時にゴジラの口からも悲鳴が上がる。やはり生身だけあって痛みの方が強いのか彼の体はガクガクと震え、余韻に耐えている。それでも好敵手という因縁もあるのか、間を置かずにゴジラの臀部を叩き続ける容赦ない追撃が連続して振り下ろされる。

「ひぃっ♥ あっ、い゛ぎッ!♥ ぁぐぅううっ♥♥」

ばちん、べしぃっと音が立つ度、彼のソコに次々と痛々しい平手打ちが見舞われ、その度に彼の口から悲鳴が上がる。そんな様子を眺めながら「少しやり過ぎでは」と声を掛けようとするも、余計な一言を漏らせばまた悪態と共に追撃されるだろうと思い留まる。

「お゛っ♥ が、ぁッ!♥ こ、コング……や、やめぇっ…んぉおぉ゛ッ!♥」

打突音とゴジラの悲痛な懇願が交互に響き、部屋を異様な熱気で満たす。
やがて平手打ちに疲れたのかコングは息を荒げつつ一旦掌をゴジラの臀部から離すと、「尻尾下ろすなよ」と告げて、丸見えになった私達の尻を食い入るように見つめ始めた。

「良い眺めだな。機龍は判らねぇが、王サマの方は真っ赤に染まってやがる。こりゃ、暫くは座れねーかもな」

「ッ……!」
「ぅ、っ恥ずかしいです……」

臀部が痛みで疼く感覚で気絶してしまいそうになっているというのに、そこにじっとりと舐めるように鑑賞するような視線が加わっては更に躰の熱が高まる。思わず尻尾を動かして隠そうとするも、コングは直ぐにそれに気付いて軽く引っ叩いてくる。

「隠すなって言ってんだろ」
「あう……っ!」

ばちん、と小気味良い音が鳴れば、先程より軽めながらもジィンとした痛みと共に躰が仰け反り、寝台が大きな音を立てて軋む。痛みと恥ずかしさに耐えかねて両手で臀部を隠したい衝動に駆られるが、その前にコングの気まぐれか尻叩きの対象が隣の怪獣王へと移る。

「王サマも、なにさり気に尻尾動かしてんだよ、オラァ!」

バシィッ、と一際激しい打擲音が響くと、ゴジラの体が大袈裟にビクンと跳ね上がり、苦痛から来る僅かな喘ぎが聞こえる。

「んぐうぅ♥ う゛ぅうっ……あ、ぐっ!」

彼が動いた弾みで寝台がぎしりと軋む中、無意識に来る恐れから私はシーツを強く握り締める。身動ぎしたくなるのは当然だが、如何せんこの責苦が終わるまで尻尾を下ろしてはいけない。
不意に掌の気配がゴジラから離れた。つまり次は私の番か……そう思った時、空を切る音を認知すると臀部に激しい痛みが襲いかかってきた。

「っ…………!」

鋭い痛みに耐えかねて呻き声を上げたものの、掌の主―――コングはその反応が気に入らなかったらしく、もう一度パァンッ!と臀部を引っぱたいてきた。

「あ゛……ぅ…っ」

銀の装甲から覗く黒い人工筋肉に焼鏝を当てられるような痛みに口許を噛みしめていると、私同様に辱めを受けているゴジラは相変わらず痛みに耐えつつも、紅潮した顔をこちらに向けてきた。

「く…っ、どうしたのだ機龍。声を出さぬと痛みを愉しんでいると思われるぞ。……ぐぅッ♥」

そう言って不敵に笑うゴジラも、再び臀部に新たな一撃を受けてくぐもった悲鳴を上げる。私と違い、最初からコングに主導権を握られっぱなしだったこともあって、今に至るまで彼はずっと責めに耐え続けている。

「ははっ、可愛いところ見せるじゃねぇか王サマ。同僚と並んでケツ叩かれる感想はどうよ?」

問いかけながら皮肉っぽく笑うコングも、私達二体を並ばせてこんな嗜虐的な遊びに興じているという背徳感に圧されてなのか、荒い息を口許から漏らしている。後ろを振り向けないお陰で表情は伺えないが、声のトーンからして興奮を隠し切れていないのは明らかだ。

「……お客、いえコング様。お戯れも程々に願います」

先程の執拗な殴打によるダメージに耐えたまま返答できないゴジラの代わりに私が返答すれば、コングはその場で苦笑を浮かべると「悪い悪い」と反省していなさそうな軽い口調で返事し、一旦止めるどころか私の臀部を強めに、しかも数発も叩いてきた。

「あぎ……ッ!?ぐぅうっ、い゛っ……!」

奥歯を噛みしめて声を我慢した分、叩かれた箇所に激痛が走る。それを二度三度と繰り返していると次第にソコが熱のみならず甘い痺れを帯びていくのを感じた。

「くぁっ、あ゛ぁっ! ……ん゛ぅ…!」
(これは……いけない)

熱い箇所めがけて新たに叩かれれば叩かれる程、苦痛は上書きされるばかり。人工筋肉はおろか“中身”にヒビが入りかねない執拗な殴打に臆して堪らず身体を強張らせた瞬間、私の手の甲にゴジラの手が重なる。

「ゴジラ、さん…?」

気が付けば、彼もまた男娼としての己が堪えるべき痛みに耐えているらしかった。だが苦悶の表情は私よりも薄く、臀部に与えられる痛みに興奮しているように見え、同時に私を労り宥める余裕すら伺えた。

「機龍よ、我慢をするな。躰に力が入っておると……余計に痛くなってしまうぞ?」

雄々しい外見とは裏腹に、優しい声音で語り掛けるとゴジラは重ねていただけの掌を絡ませて来る。それで幾らか緊張が解れてきたのか、強張っていた私の四肢から力が抜ける。するとコングもそれを感じ取ったのか、それとも私達がひそひそと会話するのが気に食わなかったのか、ぶっきらぼうに言い放った。

「なんだよ…2匹だけの世界作りやがって。そんなら、同時に叩いても文句ねぇよなぁ?」
「な、なにを……?」

不穏な物言いに振り向こうとした直後、私の臀部に、そしてゴジラのソコにもほぼ同じタイミングで打突音が鳴り響き、衝撃が走る。

「うぁっ……!?」
「ひぎぅッ!?♥」

声を上げる私達を見てコングは舌なめずりをすると、大振りだった平手打ちを両手を使い、交互に打つ事に切り替えて来た。バチン!と乾いた音が互いの臀部から忙しなく鳴り響く中、私やゴジラが喉から嬌声を漏らしてしまうのはもはや必然だ。

「あ゛っ、あがっ! ぁあんンっ♥ こ…コング様ぁっ、やめて…ッやめてくださいぃ゛っ!」
「んひぃいッ♥ こ、コング、頼むからっもう少し手加減を…ふぎぅう゛ッ!?♥ あぁああ゛あァッ!♥♥」

寝台が揺れ、引っ切り無しに上がる私達の淫らな叫びにコングは息も高々に益々昂る。それと同時に打擲音もますます激しいものと化していった。
ばちぃんっ、ばちん、と連続で臀部を叩かれ、その都度私とゴジラは嬌声をあげてしまう。だが互いに手を握り締めて支え合っている為か痛みこそあれど本能から逃げようとする事はなく、むしろ痛みで意識がより鮮明になり、より刺激的な愛撫として受け入れてしまっている。

「うぐ、ぁ…あひッ♥♥ ぎ……ッ♥ あっ!♥ 嫌ぁあ゛っ♥♥」

ばちん、ばしんっ!と打音が重なる度に私達の喘ぎも共鳴して部屋に響き渡る。そんな折、ふと私の臀部に痛み以外の何かが走り、私は無意識に身を捩らせて悶えてしまう。その反応を目ざとく察知したのか、コングはニヤリと顔を歪ませると一旦尻叩きを止め、今度は深手を負った臀部から股座を凝視し始める。

「ふはっ、すっげぇ…あれだけ叩かれたのに2匹揃ってちんぽから我慢汁だらだら垂れ流してんのか」
「……!♥ あ……ッ!」

そう言われて自分の下半身を恐る恐る見てみれば……私の陰茎からは先走りが溢れ出ていて、まるで失禁しているかの如く濡れそぼってしまっていた。その事実を認知し羞恥に目を朱くしながら私は思わず腰を引っ込めようとするも既に手遅れで、コングの大きな手が臀部の割れ目へと伸ばされていく。

「あ……だ、だめ、そこは駄目です、コング様……っ!」
「駄目って言われて止める奴なんかいねぇだろ。良い機会だし、そこのゴジラ同様オレのちんぽで雌に堕としてやるよ」
「…ッ!」

ゴジラの絶句を涼しい顔で受け流しつつコングは私の人工肉壺の愛撫をやめないまま、何時の間にか腹筋に張り付く程にそそり立った自身を片手で固定し、その先端を濡れそぼった私のソコへあてがう。

「ッ!!♥……ぁ、ぁあ……っ」

その途端、すっかり緩みきって蕩けきった部分からぞわぞわと寒気に似た感覚に襲われてしまい、私は反射的に四肢を震わせる。
穿かれる。怪獣のペニスの大きさに合わせた広めの人工肉壺を着けてあるとはいえ、雄として初めて受け入れる相手が、よりにもよってこんな野蛮な雄だとは。同時に、ゴジラは何時もこの様な荒くれ者を迎え入れて、彼らの欲望が尽きるまで散々淫らな奉仕をしているのかと考えてしまう。無意識にゴジラの手をぐっと握り締めると、不意にコングの動きが止まり「そうだ」と何かを思いついた様子で口を開く。

「なぁ、どうせ挿れんなら2匹交互にしてみねぇか?流石に一体一体味わってたら時間も掛かって面倒だしよ」
「えっ!?/……ふぅん?」
「それに、アンタらが今何を企んでるか吐かせられるしな」
「企むなどと…そんな…」

恐らく私とゴジラがやたら親しげに手を握っているという絵面に、どうやら何かしら企んでいると勘違いされてしまったようだが、実際のところは執拗な尻叩きによる恐怖と痛みが後を引いているからに他ならない。
だがコングが私とゴジラを交互に犯す事を提案したのは、多分彼なりの厚意だろう。

「良い機会だしな…アンタも王サマも同時にイカせてやるよ。さて機龍、先ずはコイツの上に向かい合わせで乗っかってやれよ。勿論ケツは突き出してな」
「わ、判りました……ゴジラさん、ちょっと仰向けになって頂けますか?」
「ん?ああ……」

手を放すのを皮切りに私はゴジラに指示を促すと、素直に仰向けになった彼の上に乗っかるようにうつ伏せで覆い被さる。その時互いに勃起した男根がぐにゃりと擦れ合ったが、それだけでも十分過ぎるほどの刺激に私達は互いにビクリと身を震わせた。

「う、ぐぅ……っ!♥」
「ふぅ゛、んンッ♥ し、失礼いたします……」

突然の快楽に何とか堪えると、私はコングに言われた通りバランスを取りつつゴジラの上に跨り、腰をゆっくり下ろす。後方に尻を突き出した淫猥な姿……宛ら挿入していない騎乗位宛らの体勢になる。おまけに散々叩かれた臀部の痛みはまだ引いておらず、じくじくとした疼きが下半身全体に響いてしまっており、私の下にいるゴジラも同様らしく時々苦痛に顔を歪めている。

「はぁ…っ出来ました、コング様。如何でしょうか……?」
「おう。良い眺めだな……じゃあ機龍、先ずはアンタからと言いたい所だが」

台詞を続けつつ、コングは改めて自身の矛先を私の肉壺―――ではなく、下にいるゴジラの後孔に突きつけている。

「ッ…♥」
「真っ先にこの淫らな王サマから躾けてやるよ。さっきからケツ叩かれ過ぎて肉孔疼かせてるの丸判りだしな」

コングの言葉に対してゴジラは恥辱を覚えつつも、図星とばかりに小さく呻き声を漏らす。元から尻穴を解されきった彼は、無意識の内に脚を開いてコングのソレを求めているのが眼に見えていた。
その様を目の当たりにしてしまえば、流石に私でも察する事ができる。そういえば私と交合っている時にも何度も物欲しげな眼でこちらを見ていたな……なんて思いながら、私は一瞬だけ複雑な気持ちで彼を見下ろすと直後に絶叫が上がった。

「ひっ…あ゛ぁああぁ゛あぁァ~〜ッ!!♥♥♥」

後ろの方で『ずっぷぅううっ!♥♥』という音が上がり、それをかき消すかの如きゴジラの咆哮が一層聴覚を劈く。
部屋の空気をも振動させるそれが快楽に蕩けた嬌声だと理解した途端、私は思わず眼前の光景について行けず呆気にとられていた。

「んァ、あ……っ♥♥ ふ、深ッ…おぐぅ……っあ゛ぁあ゛ッ♥♥♥」
「はっはははっ!良い声だなぁ王サマ?そんなデカい声出したら機龍が引いちまうぜ?それとも、その声も聴いて欲しくてわざとやってんのかよ?」
「う゛ぅ♥あ゛……っあぁッ、ちがぁ…違うッ!♥」

口では否定していても、確かに私が息を詰めるほどにゴジラの善がり声は甲高く激しい。実際に彼の胸元はビクビクと激しく痙攣していて、言葉とは裏腹に悶えているのがありありと判る。そんな中、私の下で絡み合うゴジラの男根が強く張り詰めているのに気付いてしまい、私もまた揺らされた反動で腰が動いてしまう。

「はぁ…はぁ……ゴジラ、さんっ」
「ぐぅう……機龍ッ♥ あ゛ぁっ!!♥♥ そ、それやめッ……!♥♥♥」

性器同士の擦れ合いに加えて逞しい腹筋で挟まれた私の男根も当然刺激を受けており、気付けば私達のモノはコングが見ている前だというのに先走りを溢れ出させて互いの肌を汚していた。そうして目の前の光景に意識を向けつつ腰を動かし続ければ、ゴジラは私の下で面白いくらいに身を捩りながら何度も嬌声を漏らす。

「ははっ、ちんぽ擦れ合うのがクセになってんのか?ならもっと気持ち良くさせてやるよ。覚悟しとけよ王サマ」
「ぅあ……ッ!?♥」

その台詞の直後、コングは自身の凶器を容赦なくゴジラの最深部まで突き立てる。ヒトとは長さも太さも“規格外”な彼のモノがゴジラの胎内に埋め込まれているという事は、私の眼からも視認できる程だった。

「ひっぐ……ッ!?♥あぁあ゛っ!♥♥♥」

苦しげな声を上げているものの、それが苦痛ではなく悦楽であることは明白だ。その証拠に雄の象徴であるソレは大きく反り返っており、ひくつく鈴口から止めどなく先走りを流し続けていたのだから。それが潤滑油となり、くちゅり、にちゅり……と卑猥な音を立てるのも相まって、ゴジラに新たな快感を供給していた。

「き、きりゅ…っんぉお゛♥ や、やめろッ♥♥ これ以上されたらおかしくなッ……♥♥♥」
「す、すみません、でも…もう我慢が……っ」

本能からくる懇願と欲望に逆らえず、私はゴジラの制止も聞かずに律動を続ける。私自身も既に限界が近く、擦り合わされた男根同士はドロドロと互いのカウパーで濡れていた。
そんな中、ゴジラを犯していたコングが何を思ったのか私の臀部を両手で鷲掴みにし、そのまま割り開くように引っ張る。

「ほら機龍……待たせたな。アンタも犯してやるよ」
「えっ、ちょっと……あぅうっ!?」

言葉の通りに力を抜いた途端、露わになった人工肉壺に何かが押し当てられる感触がし、私は驚いて後ろを振り向いた。直後、彼のペニスとは違ったモノ―――ヒトのソレと太さが大差ないものの、長さは比較にならない質量を持つ無骨な指が突き挿れられる。

「あっ!だ、駄目ですコング様ぁ…っ! ひぐっ♥ うぅう~っ!♥♥」
「何言ってんだよ、こんなに中までぐちょぐちょにしといてダメはねぇだろ」

言いながらも責めの手を緩めず、むしろ激しくされるものだからマトモに否定も返事もできない。勿論我慢の限界に近づいてきたゴジラも同じなのか、もはや途切れ途切れの嬌声を上げるだけだ。そんな私達の様子を見たコングは口元に嗜虐的な笑みを浮かべると、そのままより強く肉孔を抉ってくる。

「あ゛ひぃっ、ひいぃ…ッ!♥♥ こ…コング、様ぁ…せめて、もう少し優しくしてくださっ……!♥」
「おいおい、オレがバージン相手に乱暴にするように見えるか?寧ろちゃんと馴らしてやってるんだ……こんな風にな」
「ッ!♥♥ ふぁあぁあっ♥ ひぅ…っ、入って、くるぅ……!♥♥」

ぐっぽぉっ!と勢い良く2本の指が肉壺内で暴れ、私の弱い箇所を的確に抉ってくる。その度に背を仰け反らせては更に男根がゴジラのと擦れ合うという無限ループに陥り、私は絶頂を迎えるまでの道程を確実に歩んでいった。

「はぁあ゛…あうっ♥♥ んひィっ!?♥ だめ、駄目ですッ……ぬ、抜いてぇえっ♥♥」
「かはっ!♥ あぁあ゛ッ♥ぐるし……っな、ナカがこすれるうぅッ!♥♥」

私達の切実な訴えは当然ながら聞き入れられず、それどころかコングも腰を動かしては必然的に指も動き、後ろから強く何度も突いてくる。その度に性器同士が擦れて更なる悦楽を刷り込まれてしまい、快楽と苦痛の狭間で揺れ動く私の思考はどんどんドロドロに蕩けていく。

「あっあ゛ぁあ♥ イくっ、もうイきそうッ……!!」

そして遂に限界が訪れようとした時――突如としてコングが指の動きを緩めたので私は思わず呆けた声を漏らしてしまう。
一体何故?と視線だけ後ろに向ければ、肉壺の縁に何やら熱い塊がずり、ずり……と擦り付けられているのが判った。

「まだイくなよ機龍。お待ちかねのちんぽだ、もうちっと楽しませてくれよ」
「は、ぁ…っ♥ あ……これは……」

勿論私は瞬時に察してしまう。これが何なのか、コングが何を期待しているのかも。思わず制止しようと声を上げようとしたが、それを阻止するかの如く私の肉壺内に凶器が捻じ込まれていく。

「ひ、っ…い……っ!♥ だ、め――あ゛あ゛あぁぁあぁッ!♥♥♥ ~~~~~ッッ!!!♥♥♥♥」

……遅かった。私が制止する前に、一気にコングの男根が根元までずっぽりと挿入されたのだ。当然今まで受け入れてきたヒトのモノとは比べ物にならないそれは私の奥を容赦無く抉り、内臓器官全てが押し潰され揺さぶられるような感覚に襲われる感覚だ。
あまりにも激しい快楽に意識が飛んだまま戻ってこられないと錯覚したのも束の間、コングは挿入加減を確認するかの様に私の臀部を揉みしだき、軽く揺らす。

「は、ぅう……あッ♥ 嫌ぁあ゛……っ♥♥」
「ははっ、すっげぇな機龍。挿入れただけでアンタも絶叫上げやがって…そんなにこの怪獣王の前でハメられるのが良かったのか?あぁ?」
「っ♥や、ちが……ッぁ゛ううぅ♥」

嘲るような言葉に反論しようとした途端、再び肉壺が無遠慮に突き上げられ視界が明滅する。コングの腰遣いは手慣れているようでもあり、私が責めに翻弄されている間にも激しく注挿され続ける。そのあまりの快楽に耐え切れず私は男根同士を触れ合わせたまま背を反らして硬直し、声にならない嬌声を上げ続けた。

「ふ……あ゛ぁあッ♥♥ は、激しすぎますってぇ……んぁ゛ぁっ♥♥」

私が震えている最中も前後にどちゅどちゅと容赦なく腰を打ち付けてくるものだから堪ったものではない。今まで散々焦らされていた分もあってか回路がショートしそうな悦楽に震えるだけで何もできず、ただびくびくと肩を震わせて喘ぐしかなかった。
そんな中、下から痛い程の視線を感じて不意と眼を向ける。

「あ……あっ♥」

先程までの苦しげな表情とは一転、蕩けた表情を浮かべながらゴジラは私の方を凝視していた。余りにも情けない私の姿――自身の事を頭の片隅にも留められていない姿に興奮しているのか悲しんでいるのか、見ているだけでゾクゾクと身体を震わせているのが分かる。
まるで自分が視線に抱かれているような恍惚とした表情に私は一瞬呆けてしまったが、それを咎めるかのようにコングに肉壺をごちゅんッ!と突かれて為す術無く絶叫してしまう。

「ひ……ッ!?♥ ぁああ゛ぁッ!!♥♥」
「余所見すんなって機龍。オレとのセックスに集中しろよ」
「し、してまッ……♥♥ してますっ! はぁあ゛あッ、ぅうんっ!♥♥」

卑猥な言葉を交えながら諭すような台詞とは裏腹に、私の肉壺内を暴く動きは止まらず、それどころかどんどん激しさを増していく。このまま己の体力が尽きるまで責め続けられるのかと思いきや、今度はずるんっ、と勢い良く私の男根が抜け、中を犯していたものを失いつつある肉壁が淫猥に疼き出す。

「はへ…?♥ あぁあ……っ」

急に止んだ快楽への喪失感からつい甘い吐息を漏らしてしまうが、コングは意地悪く笑いながら私達を見下ろすだけだ。そして彼は暫くそのまま動かずにいて、何をするのかと思えばまたもや自身の切っ先を間髪入れずにゴジラの後孔へと押し付けた。

「なっ、んあ゛ぁあッ!?♥♥♥」

挿入された途端に、呆けていた表情から一変して言葉にならない嬌声が響く。完全に不意打ちだった為に快楽に身構える余裕もなかったのか、目を見開いて上擦った様な甲高いトーンを上げてしまう。

「あぁあ゛ァっ♥ひぃいッ!♥♥ゃめ……おぐっ、奥やだぁあぁっ!!♥♥」
「ああ? 奥に欲しいのか? オレのちんぽで直接結腸責められてぇんだろ?そう正直に言ってみろよ」

コングが意地悪く問い詰めると、私の臀部を掴んだまま抱き寄せてきてより深く密着させられる。そのせいで必然的に性器同士が擦れ合い、甘い快感に打ち震える。

「っ…ゴジラさん…余り動かないで……!」
「あっ!?♥♥ ぅあ……っ♥ やめ、っ機龍の前でソコだけは……」
「そんな事言って、誰かに結腸ハメられんの大好きなんだろ? ほら、早く味わえよ」

ずんっ!と奥を突かれた途端、ゴジラは眼を見開いてビクンッと全身を戦慄かせる。そんな反応も構わずコングは再び腰を引いては更に強く突き上げていくものだから堪らないといった様子で彼の背が仰け反った。

「ぁ゛っあッ!?♥ 嫌……嫌ぁっあぁああ゛っ!♥♥」

ああ、普段から威厳のある怪獣王が、止め処ない苦痛と色欲に溺れて目の前ではしたない声を上げている。しかも手までバタつかせて半ば恐慌状態に陥り、与えられる快楽からは逃れられずにいるではないか。
それが何故か妙に愛おしいというか――居た堪れない気持ちにさせられた私は彼の両手を捕らえ、所謂“恋人繋ぎ”というような形で強く握った。

「お゛ッ♥♥ かはッ♥ き、機龍、なにをッ……!?」
「落ち着いてください、ゴジラさん…私はここにいます。貴方からどんな痴態を、見せられても嫌いませんから……」

言いながらも自然と私の男根が硬さを取り戻していき、それを直に感じているゴジラは羞恥で真っ赤になった顔を俯かせる。
今までこっそり助けられた分、できる事はなるべくしてやりたい。……いや、それは建前に過ぎないのかもしれないが――彼の反応を見た途端、確かに酷く悶える彼に対して哀れみを感じたのだから仕方ないだろう。

「ふっ……機龍、アンタ格好良い事言うじゃねぇか。妬けるねぇ」
「そういう訳では……んッ♥」

コングに茶化されて抗議しようとした瞬間、彼の男根がゴジラの胎内に深く突き入れられた反動でまたもや自身が擦れ合い言葉に詰まる。

「あ゛ぁっ、あッ♥ だめっ、それ深い……んぉお゛ッ!♥♥」
「さーて、また2匹だけの世界に浸ってる所悪いが、そろそろ続きといくぜ?同時イキさせてやるから覚悟しとけよ」
「ひッ!?♥♥♥」

“同時イキ”という単語に私とゴジラが同時に恐怖を抱いた瞬間、また私の肉壺内に熱い異物が入ってきたかと思えばすぐ抜かれ、戸惑う間もなく間髪入れずに挿入される。上下から肉同士がぶつかり合う音が激しく響く中、互いの陰茎から精液混じりの先走り汁が飛び散る。

「はっ、ひッ♥ お゛ぉっ!?♥♥ あ゛ぁあぅうう゛う~~っ!♥♥」
「はぁんッ……♥ あぁあっ、あ♥んんぅうっ!♥♥」

私達の間で暴れる2本の男根は既に限界寸前で、しかもゴジラと私の肉壺をコングの男根が繰り返し交互にずぷっ、ぐぽぉっ!と貫いているものだから、正直気を抜いたらすぐにでもイってしまいそうになっている。
なんとか堪えようと反射的に入口をきゅうっと窄めるが、それが災いしてかコングは更に強く激しく肉壺を責め立ててくるので堪らない。そしてゴジラの方も同じく肉壁が激しく揺さぶられ、時に結腸に届きかねない程の勢いに苦しげな声を漏らしながら顔を仰け反らせていた。

「う゛ぅっ♥ぅんッ、はひぃいっ!♥♥ ご、ゴジラさぁんっ!♥♥」
「くぅうん……ッ!♥♥ う、あふぅっ♥♥ 機…りゅっ、あぁああ゛ぁッ!♥♥」

突き上げられて絶頂寸前に追われたかと思えばすぐ抜かれ、寸止めされるという地獄のような快楽責めにお互いがいよいよ焦燥し出す中、それと連動して男根がびくっ、びくっ、と痙攣しだす。最早身体を揺さぶられている事からくる刺激より肉壁越しに擦れ合っている感覚で達してしまいそうになるくらい焦れてしまい、今度こそ我慢がきかなくなっていた。

「あっ♥ あ゛あぁあっ!♥♥ もうだめ、イク……ッイきますぅっ!♥♥」
「はぁあ゛あぅッ!♥♥♥ ら゛めっイぐぅっ……イっぐうぅぅッ♥♥ あぁッ、ひああぁあ゛アぁ――っっ!!♥♥」

「ああ、いいぜ……同時にイってみせろよ」

コングの言葉を最後に更に強い力―――ゴジラの奥深くで何やら衝撃が走ると同時に、がら空きの私の肉壺が切なさを認知した感じた瞬間、激しい絶頂が訪れて意識が真っ白に染まる。

「「~~ッッ!♥♥♥あぁあぁ゛っあァああぁ゛〜〜っ!!!♥♥♥♥」」

咆哮をバックにぷしゃっ、びしゃ、と私の疑似男根から大量の白濁が迸り、私とゴジラの胸元を更に白く汚していく。同時に彼のソレも同様に痙攣しつつ、歓喜の露をどぷどぷと噴き上げていた。

「ぉ…っ♥ はっ、はぁっ……っ射精るの、止まらないぃ……」
「はへぇっ…♥ あがァあ゛……っ!♥♥」

結腸を深く穿たれ達した影響か、ゴジラは未だに身体を微かに痙攣させながら苦痛と喜悦が入り混じった瞳でぽろぽろと熱い涙を流している。私との間に挟まれた彼の男根からは断続的に噴射し続けているのでかなり強烈な快楽に痙攣も抑えきれなかったのだろう。

「っと、ちょっくら失礼するぜ」
「んへぇっ!?♥」

余韻に浸っている最中にコングの男根が私の肉壺内に無遠慮な勢いで突っ込まれ、そこでまた新たに絶頂を迎えてしまった。

「あ゛ぁあッ♥ な、何を……っ!?」
「こっちはまだ終わってねーんだよ。おらっ、奥で射精されてもう一回イけ!」
「ッ!?♥ やめっ、あ゛ァああッ!!♥♥」

その言葉と共に内部の一番奥で熱の塊を放たれる。量も勢いも我慢していた分強烈で、それでまた私も射精―――及び冷却水を噴いてしてしまい、身体を仰け反らせて達してしまう。

「ふっ、ぁ゛あっ♥ ぅううっ…! コング様のがナカにぃ……あ、あづぃいいっ♥♥」

身体が嫌悪感と恍惚でビクビクと跳ねる中、既に広がり過ぎた肉壺内がオーバーヒートを起こしかねない熱さの白濁で満たされ、アクメが長く感じられる。
熱い脈動を感じながらの絶頂に最早まともに喋る事もできず、思考が完全に蕩けてしまっている私がうわ言のように口走るとコングが愉しげに笑う。

「ははっ、所謂礼だよ。王サマ共々オレを逆指名してくれたアンタへのな。……はー、不意打ちで処女マ○コにぶちまけるの最高♪」
「あ……はぁ♥ っひどい…です……」

絶頂の余韻で震えながら恨み言を漏らす最中に、じゅぽっ、とすっかり昂りが治まったコングの男根が残滓を引きながら抜かれる。直後にすっかり脱力しきった私はくたっと糸の切れた操り人形よろしく、未だ恍惚状態で放心中のゴジラの胸元に倒れ込んでしまった。

「ひぎゃあっ!?」

偶然体液に塗れた彼の胸元に顔を埋める形になったせいで上から声がしたが、既に今までの激しいプレイによる代償故に、こちらには尻尾はおろか指一本動かす力など残っていない。

(まずい。すぐうごかないとゴジラさんたちにめいわくが……)

意識がほぼ強制的にスリープモードへ落ちる前に、上から十分過ぎるほど聞き覚えのある声で「重い」とか「退かせろ」等の言葉が聞こえてきた気もするが、認識する前にそのまま視界が暗転してしまうのだった。