あなぐら 其ノ餐

悪の怪獣を討伐するために日本中を飛び回っている最中、広々とした深緑の森の真ん中あたりに差し掛かったところでふと誰かが助けを呼んでいる気がして降り立つと、そこは橙色の着物を身にまとい、後頭部の髪を結った茶髪の幼い少女・トトと出会い、開口一番「お姉ちゃんを探して」と涙ながらに頼まれた。
何があったか教えてもらった所、そのお姉ちゃんは私と同じ「守護神」の名前を冠しているガメラと云い、彼女は修行の最中に森へ入ったまま行方不明になり、この数日は帰っていないという。
一通り話した所で再び泣きじゃくるトトを慰めた後、彼女を私の従者・フェアリーモスラに託し、「必ず貴方のお姉さんを連れて帰るから待ってて」と約束し、その場を後にした。

再び空を飛んでいる中、何時しか辺りは茜色が差し、それに合わせて深緑もまた朱に染まりつつあった。暗くなる視界の中で頭部の触覚をしきりに動かしながら根源を探った。すると、触覚が不審な気配を察するより先に視界に異様な光景―――周囲が朱から黒に変わりゆく中、そこは黄金色に灯っていた。
最初は人間が野営をしているのかと思ったが、それにしてはやたら煌々としている。明らかに自然のものではない。

罠かもしれないけど降りてみよう。そう思いつつ、私は件の地点へと音を立てないように静かに降り立った。

 

「此処ね…近づく度に悪の気配がする」

セラフィが降り立った先―――ぽっかりと空いた洞穴からは黄金色の光が溢れており、その明るさに思わず目を細めてしまいたくなる。
そして眩さとは裏腹に、デスギドラを筆頭としたギドラ族とはまた違った邪悪な気に足が竦みそうになるが、怯えていられない。恐らくこの先に「お姉ちゃん」が捕らえられているに違いないのだから。決意して一歩踏み出した途端、足に何かが絡みついた感触がしたと同時視界がぐるん、と反転した。

「っえ……!?」

草地に転ばされた事で背中に衝撃が走り、苦痛を感じる間もなく地面にくぎ付けにされる。思わず立ち上がろうとしたが、身体の自由が効かない。

(いや、何これ……!?)

動揺する間もなく四肢に赤い触手が一斉に巻き付いたことで、腕や脚はおろか指一本すら動かせない。まるで自分の身体が金縛りに遭ったかのような感覚だ。それでも唯一自由になる首を動かし、周囲を見回すと自分の足先――洞窟の前には無数の触手を辺りに漂わせた少女が立っていた。

「っうぐ、貴女、は…!」
「あら? 誰かと思えば綺麗な昆虫さんじゃない。こんな陰気臭い所に来て一体何の用かしら?」

余裕綽々と柔らかに響く音源――セラフィの視線の先に居たのは、自分と歳の変わらない美しい赤髪の少女だった。
しかし、眼前の少女はどういう訳か一糸纏わぬ姿で佇んでおり、腹部からは太陽を飲み込んだかの如く煌々とした明かりが灯っている。恐らくこれが先ほど見た怪光の正体であろう。
そんな彼女を見て、セラフィは確信した。端麗な容姿をしていても明らかに地球にとって邪悪な怪獣・ギャオスの眷属であり、その力も自分と同等かそれ以上である事を。
だが、それでも怯んではいられなかった。何故なら自分は地球を守る守護神獣、そしてトトと「必ず貴方のお姉さんを連れて帰る」と約束したのだから。自分に言い聞かせて何とか奮起し、精一杯声を上げる。

「私は……貴女の好きにはさせない! 絶対にガメラさんを助け出して見せるんだから!」
「ふぅん、あのチビ亀ちゃんに頼まれたってわけね。でも残念だけどもう遅いみたいよ? ガメラさんは既に私の中に取り込まれてしまったもの」
「っな……!?」

既にガメラが取り込まれている。それは即ち、彼女が邪神イリスの力によって捕食されてしまっているという事を意味する。
信じたくなかった事実を突き付けられ、動揺している隙を突いてイリスはセラフィの近くまで歩み寄ると、彼女の頬を優しく撫でる。その手つきは慈愛に満ちた聖母のように柔らかく優しいものだが、奥底に潜む狂気は隠しきれない程に濃厚なものだった。

「安心なさい、貴女も私の中で存分に可愛がってあげるわ……最初は痛くて辛いかもしれないけど、慣れればその内気持ち良くなる筈よ」
「ふざけないで…私は貴女に手籠めにされる覚えなんてないわ! 早くガメラさんを返しなさい!」

触手の束で全身を拘束されても尚気丈な態度を崩さないセラフィにイリスは徐に溜息を吐くと、何を思ったのか四つん這いになる形でセラフィに覆いかぶさる。
下に垂れたことで尖った乳房が胸を覆うビキニに触れ、淡い紅色の乳首がソレを布越しに捕らえたと思うと、そのまま形状を描くかのように弄ばれる。セラフィの背筋に甘美な悪寒が走った。

「っ!? いやっ……!」
「うふふ、随分敏感なのね。来れば判るわ。貴女も…ガメラさんと一緒に気持ち良くなれば、きっと素直になれるでしょうね」

柔和なトーンを崩さないままで言いつつイリスがセラフィから離れ、次の瞬間――先程から煌々としたきらめきを湛えている彼女の腹部が開かれた。内部は尚も、眩い光を放ったままで中の様子は見えない。

「さぁ、入ってきなさい……可愛い邪魔者虫ケラさん」

イリスの言葉と共に腹の中の空間から幾本かの触手が伸びてきて、鈍く艶めく先端はセラフィの眼前へと迫る。叫び声を上げる間もない内に四肢がソレに捕らわれたと思った刹那――彼女の意識もまた煌めく闇へと落ちていった。

 

 

 

 

此処は、何処だろう。
視界が暗闇に包まれている。身体を動かそうとしてもまるで動かない。ただ、微かに聞こえるのは自分の心臓の音と、呼吸音。それだけ。

―――あたし、どうしたんだろう……。

ガメラを助けるべく邪悪な気配を追って洞窟に差し掛かろうとした矢先、触手に捕らわれたかと思うと成す術もないままに全裸の少女――邪神イリスに捕まってしまい、体内に引きずり込まれてしまったのだ。恐らく今の自分の状態はイリスの体内にある異空間に閉じ込められているのだろう。未だぼやける頭ではありながら冷静に推測しつつ、何とか気怠い体を起こして辺りを見回す。
手に触れた地面の感触は妙な柔らかさがあり、膝を付けば沈み込む感覚がする。こんなものに足元をすくわれないようにするためにも、頭部の触角を頼りにこの奇妙な空間内で唯一生きているであろう気配を探す。

「ガメラさん…貴女は私が必ず助け出すわ」

意を決して一歩を踏み出そうとした矢先、その歩みを邪魔せんばかりに忽ち視界が眩い光に覆われ、思わずセラフィの目が眩んだ。

――うぅ…何これ……。

目蓋越しに眼球へ突き刺さるような一面の白に悶えるも、数秒のうちにやがて光は徐々に弱まっていき、徐々にセラフィの周囲が映し出される。
まず最初に見えたのは、自分が今立っている場所。そこは奇妙な凹凸を描いた朱黒い肉の荒野が一面に広がっており、聞こえる音といえば重低音の如し規則的な鼓動音を奏でている。
外の世界ではありえないような異様な空間内に臆するよりも先に一番目を引いたのは、イリスと同様一糸纏わぬ状態のままに上から万歳をされた形で吊るされた女性だった。その女性はセラフィと同じような緑の髪色をしており、彼女と同等かそれ以上の豊満な乳房を晒し、閉じられた両脚の間からは透明な液体を流している。ただし気絶しているのか、貌は俯いたままで表情はうかがい知れない。
沈黙している彼女に、セラフィは直感した。この女性が、トトの言っていたお姉さん―――ガメラであると。

「ガメラさん…!」

お互いの距離は数十歩踏み出せば辿り着ける距離だ。漸く救出対象を見つけたことで安堵し、ガメラの元に歩み寄ろうとした途端、両足首に何かが巻き付いた。見ればそれは赤黒い触手であり、もがく間もなく後ろに引っ張られる。

「きゃあっ!?」

不意打ちを食らったこともあり、セラフィはそのまま転倒して四つん這いになってしまう。それでも触手を解こうと足掻くも、今度は両手にも上から同様の物が絡みつき、瞬く間に宛ら蝶が羽を広げた形で拘束されてしまう。

「放して……っ!私は、ガメラさんを助け、ないと…!」

気丈な態度を崩さず懸命に抵抗を試みるものの、そんなセラフィを嘲笑うかのように無数の触手が彼女の身体を這いずり回り始めた。粘液塗れの先端がパレオの中に潜り込み、下着を引き千切らんばかりにぐいぐいと引っ張る。
上の方も同様に、粘液をまとった触手が右往左往に這いまわり、特にたわわな谷間へたどり着いたソレは内側から紐を断ち切り、粘液に塗れた無残な布切れへと変えてゆく。下着もまた同様に、数本の触手が入り込んだことで受けきれなり、呆気なく引き裂かれた。

「いやぁあっ! やめてぇっ! 」

体を蹂躙される恐怖で本能的に出た悲鳴をバックに、パレオ以外に露わになった白い肌―――特に女性にとっては真っ先に隠すべき乳房を守ろうと、触手の戒めを解こうとするも腕ごと拘束されているために叶わない。寧ろ身じろぎすればするほどに触手が身体に食い込み、セラフィの四肢を一層軋ませる結果にしかならなかった。
その間にも触手は剥き出しになった腹部や乳房、更には臀部を這いまわり、奇妙な感覚をこの哀れな守護神獣に与え続ける。

―――嫌っ……こんな……ことって……!

認めたくない。救出対象は眼前にいるのに何もできないなんて。悔恨で涙が溢れ、雫が肉の地面に落ちようとした刹那胸を弄んでいた触手が乳房の上で螺旋を描き、突起を中心にして自由自在に引っ張り上げる。

「あぅっ…だめ、ぇ……胸、引っ張らないでぇ…!」

セラフィの拒絶に満ちた言葉など無視するように、触手は更に強く胸を引っ張る。そこから触手の先端が口のようにぱっくりと開き、そこから更に数本の触手が伸びて彼女のそそり立った頂に吸い付き始めた。
そこからは乳飲み子が母乳を欲するかの如くじゅくじゅくと音が上がり、それと交えて上ずった嬌声がセラフィの口から溢れた。

「あひっ……!? そ、そこは駄目ぇえっ! おかしく、なるからぁ…!」

これまで味わってきたことのない感覚が全身を支配していく。触手の吸引力は凄まじく、乳輪全体を包み込んでは搾るように激しく揉みほぐす一方で、先端の敏感な部分を集中的に責め立ててくる。しかもそれだけに留まらず、パレオに隠れた秘所への愛撫もまた一切の容赦を見せる事はなかった。秘裂に潜り込んだ一本の触手が突如繊毛を生やしたかと思えばブラシを模した形状に変化し、包皮に覆われた牝豆をぷるんと擦り上げた。

「ひゃうんっ?! やだぁ…あっ、あっ、はげし……っ♥」

こんなの、戻れなくなってしまいそう。
不意に牝豆を擦られた事で反射的に出た甲高い悲鳴も、すぐに悦楽の色を帯びた喘ぎに変わってしまう。
腰をくねらせ、淫靡に悶えるセラフィを感じて調子づいたのか触手の動きはより激しいものへと変わる。散々弄られた秘所からは愛液が絶え間なく噴き出していた。
そしてソコが更なる被虐を望んだ末の終わりに身を震わせ、セラフィもまた今から訪れる果てに身を落とそうとしていた。

―――も、無理っ…あたし耐えられないよぉ……!ごめんなさい、ガメラ、さん……。

ガメラを助けられないどころか絶え間ない快楽に負け、不可抗力の絶頂に身をゆだねようとした途端、突如自分のものとは違う嬌声が耳を劈いた。

「はっ、あぁっ! い…良いっ!もっと、もっとぉ♥ 私のナカを、ごりごりしてくれぇっ♥」

ガメラの声だった。
あの凛々しく気高い守護神であるはずの彼女が、今や蕩けた声色で更なる蹂躙を強請っている。思わぬ展開に絶頂の波が引いたセラフィは思わず目を見開いた。そこには―――いつの間にか触手によって両足を開かされ、頻りに雌蕊と後孔を貫かれているガメラの姿があった。

「ガメラ、さん…? 嘘…どうして」
「ああぁっ、すごひぃ……! 気持ちいいっ! ああん、ナカが、子宮が壊れてしまうぅっ!!」

既にガメラの意識は絶え間ない触手凌辱による快感で支配されているらしく、ソレらの規則的な律動に合わせて顔を仰け反らせながら躰をのたうち回らせて狂喜する姿にセラフィは絶叫してしまう。

「いやぁっ! そんなっ! なんで、あんなにされて気持ち良さそうなの……?」

信じられなかった。彼女は地球の守護神であり、同時にトトの姉―――血は繋がっていないものの、唯一たった一人の家族なのだ。それが何故、本来忌むべき相手の中でこのような痴態を晒しているのか。眼前の光景を理解できないセラフィは目の前の現実を否定したくて仕方がなかった。

「あがっ! ぁ、だめえぇぇ! 今ぐぽぐぽされたらぁ♥ あへぇっ! あふぅうぅんっ!!」

ガメラの哀願をよそに触手はセラフィに見せつけるように彼女の前で抽挿を繰り返し、膣内を自在に掻き回される度ガメラは悦びに満ちた声を上げ、ついに埋まった触手の隙間から白濁とした粘液を噴出させて達した。
甘美な悲鳴を上げつつびくびくとガメラの躰は痙攣し、未だに目線を逸らせないままのセラフィの眼前で壮絶な絶頂絵図を描く。

―――何てこと……私も、何れはあんな風に乱れ狂ってしまうの?

でも、ガメラ同様に触手の挿入を胎内に許してしまえば自分は守護神獣ではなくなり、光線の一つも撃てないただの淫乱な雌になってしまうだろう。
それは嫌だ。だけどこのままだと自分も地上に出る術がないまま、触手の餌食になる。そうなる前に唯一無事だった触覚に念を込めてクロスヒート・レーザーを撃とうとした瞬間不意に止まっていたはずの繊毛の愛撫が律動を始めた。

「はひぃいいっ!? またそこぉっ?! や、やだぁっ! こんなの、おかしくなっちゃうぅ!」

先程までよりも激しい動きで秘所を責め立てられ、セラフィの口から悲鳴が上がる。やがて、再び押し寄せてくる絶頂の予感に耐えきれず身構えようとした時、今度は嬌声を上げ続けていることで閉じ切ることのできない口許に別の触手が潜り込んできた。

「ひゃめっ! はいってこな……! おぶぅっ♥」

拒否する間もなく忽ち口腔を埋め尽くされ、まともな呼吸すらままならない中、更に喉奥にまで切っ先を突き入れられる。感触といえばぶにぶにとしていてとても生臭く、味わっていると気が狂いそうだ。

「ぉぼ…っうぐぐぅ…!ん゛ん……!」

乱暴な侵入に体が震え、悶える内にどろりとした液体がセラフィの喉を浸した。

「おぼぉっ♥ ごぶっ、ごきゅごぎゅ……ごくっ」

苦みと甘ったるさを交えた奇妙な液体を吐き出そうとしたものの、口を塞がれているせいでそれも叶わず、嚥下するしかなかった。強制的に飲み込まされた粘液は瞬く間にセラフィの体中に浸透していく。
暫くすると、ある程度液体を注ぎ込んだ触手はちゅるりとセラフィの口から抜け、直後に彼女の噎せる声が辺りに木霊した。

――これってもしかして、毒? あたし、こんなひどい恰好のままで死ぬの……!?

絶望した刹那、体内に染み込んだ粘液が凄まじい熱を発し、粘膜を刺激する。その感覚はまるで、自らの意志とは裏腹に無理やり発情させられたかのようだった。

「はぁ…ん、何これぇ…熱い…! あ、ああぁっ! だめぇ…っ、こんなの、我慢できないよぉ……」

未だ何者の侵入を許したことがない子宮の奥が疼く。膣壁も腸管も燃え上がるように熱くなり、全身から汗が噴き出す。セラフィは耐え切れず腰をくねらせ、先程から秘裂を淫猥になぞり続けている触手に更なる愛撫を懇願した……が、そこまでだった。突如としてソレの動きが止まった。

「あっ…そんなぁ、どうしてぇ……?」

つい先刻まではあんなにも激しく動いてくれたというのに、今はぴくりとも動かない。それどころか、今までは感じ取れていた脈打つような鼓動も、今ではすっかり沈黙している。

「お願い……もっと動いてぇ…このままだと私、どうにかなっちゃいそうだよ……!」

くいくいと、僅かに動く腰を動かしておねだりするも微動だにしない。

「ねぇ、お願いだからぁ…っ!」

セラフィの涙を流してまでの哀願など知った事ではないと言わんばかりに触手は尚も硬直したままだ。すると、再びガメラの嬌声が彼女の聴覚を劈いた。

「はひっ♥ しゅごいっ! またイっちゃう! イクッ、イっくうぅ~!!」

触手に凌辱されるガメラの痴態を目にした途端、セラフィの背筋をぞくぞくとした快感が駆け抜け、子宮がきゅんきゅんと疼き始める。
自分も、あんな風にされたい。孔という孔を犯されて、めちゃくちゃにされてしまいたい……!

「はぁ…はぁ……。はうぅ…っ」

荒い息遣いで絶頂の余韻に浸るガメラを見つめながら、セラフィも無意識のうちに止まっている触手に股座を擦り付ける。
欲しい。雌蕊の表面だけじゃ足りない。頻りに疼いているナカも、眼前のガメラみたいに散々突かれまくって満たして欲しい。

―――だめ、何を考えているの。こんなおぞましいモノに処女を貫かれたら私は守護神獣じゃなくなるのよ。でも、近くでこんなの見せられたら我慢できないじゃない…!

「ふぅっ♥ はうっ、あぁ……っ、すごぉい…♥ ぁがあっ?! 少し、休ませへぇぇ♥♥」

成す術もなく乱れ悶えるガメラを肴に一層敏感になった雌蕊が更なる疼きを湛え、地面には彼女の垂らした愛液が宛ら失禁の如く水たまりを作っている。焦らしに焦らしを重ねられ、セラフィの理性は今にも最後の一線を越えようとしていた。
そんな中もう何度目かになるかも判らないガメラの絶頂を目にした途端、不意にセラフィは宙に上げられたままの拳をぐ、と握り締める。

――もう、どうなってもいい…♥ この気持ち悪いモノに処女を奪われても、それでいい……!

「ぉ、願い…しますぅ…! 私も、ガメラさんみたいにめちゃくちゃにして……このままだと、どうにかなりそう…!」

顔を紅潮させ、涙目で触手に媚びるセラフィの表情には最早誇り高き守護神獣の面影は無かった。
遂に招かれざる待望の時が来た。それまで微動だにしなかった触手がぐに、と鎌首を持ち上げ、セラフィの秘所に狙いを定める。

――来る…来てくれる…っ、これでやっと楽になれる……!!

待ち望んでいた瞬間を想像しただけで達してしまいそうな程の昂りを覚える。
ぐぷん、と先端が頭を埋め、今や愛液を垂れ流し続けて拒むもののなくなった奥へと割り割いてゆく。

「あ、あぁ……入って、くるぅ……っ! すごいぃ……っ、あぁん!♥♥」

自然と声が漏れてしまい、ずぶ、と残っていた分が更に埋没する。胎内からの違和感を拒む間もなく、セラフィはこれまで感じたことの無いような凄まじい快楽に襲われた。

――あぁっ、入ってくる……触手があたしの中に入ってくるよぉ……! なんて圧迫感…なのに、不思議と痛くないなんて…。

「はじめてを捧げる際は痛みを伴う」とかつて怪獣島に住んでいた頃に、幼い自分達に教鞭を振るっていた師のマンダは言っていたが、それどころか今まで味わったことのない悦楽が子宮から脳髄までを駆け巡る。

「あはぁ…はいった、全部入っちゃったぁ……♥ こんなに太いのがお腹いっぱいに……ひぎぃ!?」

触手の侵入はそこで止まらなかった。根元から枝分かれした細い触手が、まるで独立した生物のように膣内を押し広げながら進む。既に子宮口付近まで到達していた剛直の先端部分が更に深く押し込まれ、子宮口をこじ開けられた。
本来なら激烈な痛みを感じるはずのそれは、しかし今のセラフィにとっては心地好いものでしかなかった。

――きたぁ…っ、もっと奥まで来てぇ……っ!もっと乱暴にしてぇ…っ!

「あひっ?! うっ嘘おおぉっ! しゅごいぃい! お腹の中、かき回されてるうぅ~!!♥」

敏感な箇所が擦れ、捲られ、抜かれそうになる、それらの動作を狭い肉筒の中で前後左右に繰り返され振りたくられる触手の刺激にセラフィは獣じみた声で喘いだ。

「あひぃいぃぃっ!こんなの無理ぃい! あたし壊れちゃう! こわれちゃうよぉ~!」

子宮を内側から突き上げられて意識が飛びそうになるほどの衝撃に、セラフィの瞳からは涙が零れる。そして彼女の乱れ具合に勢いに便乗したのか、乳房を吸っていた触手もまた、激しい吸引を再開した。

「あへぁっ?! おっぱいもそんなに強く吸われたらぁ、ほんとにおかしくなるぅ~!」

乳首に食いついた触手は今度は母乳を求める赤子のように強く吸い上げたかと思うと、一気に乳首ごと噛み潰すかのごとく激しく咀咬し始める。

「はうぅっ、あ゛、あひぃ……っっ♥」

乳首を甘噛みされ、かと思えば思い切り嚙み潰されそうな感覚に気を取られた瞬間、ごつ、と先端部分が奥を貫き……その一撃がトドメとなった。体の芯に快楽のパルスが染み渡り、しまいめには脳内をもじりじりと焦がす。

――あ、だめ、これだめ、ほんとにだめ、もう戻れなくなっちゃうぅ……!!!

「っひ、あ゛、あぁぁあ……――――――っ」

抵抗する間もなく、身体の奥底で何かが弾ける感覚。汗と粘液に塗れた体が何度も波打ち、脳内と視界が真っ白に染まる。

――これが、絶頂……? こんな、気持ちいいなんて……♥

計り知れぬ快感に体が痙攣し、挿れられたままの分を除いて体に纏わりついていた触手がセラフィの躰を離れるも、尻を高くつき出し、四つん這いで地面に力なく崩れ落ちた彼女は、もはやガメラを助けようという気力を保つことが出来なかった。

「はぁっ、はぁ…♥ すごいぃ、気持ちよかったぁ……♥」

初めての体験に満足そうに微笑む。だが、彼女の更なる痴態を曝け出す時間はまだ始まったばかりだった。気怠さで少し身じろぎした瞬間、じゅぽじゅぽという水音が現実に引き戻し、達したばかりの胎内で埋まったままの触手が前後に蠢き、緩い快感をセラフィに与え続けた。

「あっ、んっ、まだ動いてる……! あたしの中でまた、暴れてるよぉ……!」

子宮口から触手の先端が引き抜かれたかと思えば、再び最深部まで貫かれる。反動でセラフィの閉じ切らない口からは吐息と嬌声が漏れた。

「はぁっ、はぁっ、は、はやく、早くちょうだいぃ…! もっと私を、快楽で満たしてぇ…!」

ガメラさん同様に堕ちてしまった事と守護神獣でなくなった事、両方の出来事が重なりセラフィの精神は既に崩壊寸前だった。それらの喪失感から来る自暴自棄から来る懇願に応えるかのように、触手は自由自在に中を掻き回し、抉り、更なる快楽地獄に叩き込む。

――あぁ、もっと欲しい……っ! もっと、もっとぉ……!!

閉ざされた肉の空間で二体の牝獣による狂乱の宴は、まだまだ続く。

 

 

 

 

 

「んふっ、ンン…うふふ、二人とも私の中でいっぱい楽しんでたのに、外に出したら早速コレにむしゃぶりついちゃうんだから…とことん欲張りなのね」

「むっ……何を言っているんだ、私をこんな淫乱にしたのはお前だろうが、イリス」
「そうよ。じゅるっ、貴女のお陰で私守護神獣じゃなくなったんだから、責任取ってよね」

イリスの股座に群がり、獣が水か蜜をすするかの如し音を立てつつも二人は悪態を吐きながら奉仕する。というのも、ソコには立派にそそり立った男根が生えていたからだ。
イリスはギャオスの変異体・亜種として存在している。だが同時に、不思議な生殖機能を持った特殊な個体でもあった。自身の理性では抑えられないような大きな発情が来た時、自らの意思に反して男根が生えてくる。こうなれば必然的に相手は女性に限定される事になるのだが――今ちょうどその相手がいた。かつて自分を討ち取った宿敵と、そんな彼女と雰囲気が良く似たインファント島最後の希望である守護神獣。
地球を邪悪な侵略怪獣から護る立場の気高く凛々しかった彼女達が、今や邪神の下で一糸纏わぬ姿のまま先程まで散々嬲ってくれたお返しとばかりに男根を口で、時に手を使って自在に虐め抜く。今まで自分の種族を苦しめてきた宿敵が陥落してしまった征服感に、イリスの口元は相変わらず笑みを湛えたままだった。

「くぅっ、お口だけは達者ね…でも、そんなんじゃいつまで経っても私を満足させられないわよ?」

「ふん、黙っていろ。お前こそ、先刻までの威勢の良さはどうした? んぐっ…ほら、ここが良いんだろう?」
「ガメラさ…っあぅっ♥ はぅぅうううう~んっ♥♥」

ガメラはイリスの男根を自らの豊満な乳房でホールドすると、ちょこんと飛び出た亀頭に舌をちろちろと這わせて激しく入り口を刺激する。更に、傍らであぶれていたセラフィは下から片手でイリスの蜜嚢を揉み解しながら、今にも噴き出すであろう子種を絞り出すかの如く淫靡な攻撃を与えていく。

「うぅっ、あ、貴女達…こっちが大人しくしてれば二人がかりでここまでして、っ後で覚えておきなさいぃ…っ!」
「はいはい、無駄口叩かないの。ガメラさんと一緒に貴女のお射精見ててあげるから、遠慮なく出しちゃってね?」

ぐ、とセラフィに強く蜜嚢を扱かれ、思わずイリスの躰がびくびくと仰け反る。これには彼女も耐え切れず唇から馴らされた猫のような甘い嬌声が漏れた。

「あ゛ーっ♥そこ、いい……っ! 凄い気持ち良いのぉぉおおっ♥♥♥」

生えたての男根を乳肉で挟まれ、揉まれるという執拗な責めに悶絶し、イリスは身体を震わせる。
絶頂の予感が近付いてくる。喘ぎ声も次第に大きくなっていき、やがて……その時が訪れた。

「あっ、あ゛ぁぁああぁっ♥♥♥ 射精るっ、射精ちゃうわあぁっ! ガメラさんっ、セラフィ…私の精液、残らず受け止めてぇえっ!♥」

どびゅるるっ、ぶしゅっ! 断末魔に似た絶頂の咆哮を響かせつつ、イリスの男根から噴水の如し白濁液が勢い良く噴出し、セラフィとガメラの顔に降り注ぐ。しかし、彼女達はそれを嫌がる事無く顔に付いたものを指で掬い、時に口移しも交えて舐め取り始めた。

「んむっ…あは♥ ガメラさんの言う通りね。この味は、本当に美味しい……」
「そうだろう? コレを飲んでいたらイリスに処女を奪われたことなどどうでも良くなってしまったんだ。セラフィ、お前も同じだと思っていたが違ったのか?」
「えぇ。最初はショックだったけど、今は貴女みたいにもう何もかもどうでも良いの…。またイリスさんの精液を飲めただけで幸せだもの…♥」
「そう…良かったじゃない、セラフィ。最初は私の邪魔をしてきたから殺してやろうかと思ったけど……思ったより可愛い反応するからすっかり気に入っちゃったわ。これで貴女も私の虜になったわけね」

イリスの言葉を背にセラフィは彼女の男根を愛おし気に撫で上げながら、こくりと首を縦に振った。ガメラもまた、新たにこのあなぐらの住人となったセラフィを慈愛の眼差しで見つめると、彼女の頭を優しく撫でる。
その後、改めて新たな主にお礼をするべく彼女達は徐に平らな所で横になり――ガメラは仰向けに、セラフィは四つん這いに――各々目の前の邪神に処女を奪い去られた時と同じはしたない恰好で熱を孕んている秘部を広げ、2人がかりで奉仕した男根の挿入を今か今かと待っている。

「イリス…私はそろそろ我慢ができないんだ。だから、頼む…お前のモノでココを埋めてくれ♥」
「あたしも…さっき飲まされたせいで躰が熱いの…♥ だから、イリスさんのであたしのナカ貫いてぇ…♥」

2人の濡れた秘部が露になった事で洞窟内に牝の匂いが溢れ、ガメラに至っては淫らな樹液が後孔を伝うまでに垂れていて、セラフィもソレで内腿を濡らし時に白い糸を地面に引きながら邪神へ求愛する。
元守護神達が淫らな格好で寝そべり、あまつさえ妖艶な笑みを浮かべて求愛している正に桃源郷への入り口にも等しい光景にイリスの背筋が恍惚に包まれ、彼女の怒張が触れてもないのに熱を帯びてそそり立ち、目の前の結合相手を求めてどくんどくんと波打った。

「はぁ……二人ともさっきまで私に好き放題やってたくせにすっかり出来上がってるみたいね。良いわよ、私がこれからたっぷり可愛がってあげる♥♥」

先ずは前の世界で自分を打ち倒した憎く恋焦がれた相手だ。ガメラの腰を掴むと、躊躇なく一気に男根を突き刺した。途端にガメラは蕩けた笑みを浮かべると同時、歓喜の声を上げながら身体を大きく跳ねさせる。

「ひぃいいんっ♥ きたぁ、おまえのが、奥まで来たぁあああっ♥♥♥」
「あははははっ、すっごい締め付け…っ! 触手よりハマるでしょ? セラフィの方はどうかしら?」

このまま鳴かせるのも十分だったが、語尾の部分でセラフィの方を向くと彼女は蕩けた顔でハァハァと息を荒げながら自分達の睦み合いに釘付けになったまま、秘部に手を伸ばしてぐちゅぐちゅと弄んでいる。その目は物欲しそうだ。
愉しみはあとで取っておこう。ガメラの肉体を味わうのもそこそこにイリスは未だに欲情が治まる事のない怒張を引き抜くと、今度は自分で慰めるほどに飢えていたセラフィの膣内に突き入れた。こちらも違和感を感じる間もないままガメラ同様に悲鳴を上げると共に、全身を震わせている。

「あ゛~~~っ♥ 凄い、これすごぉいっ……! こんなに太いモノ、触手にはなかったのにぃ…!」
「あら、そうなの? なら…自分で慰める必要がないように太いのでたっくさん掻き回してあげないとね♥」
「あ、あはっ♥ お願いしますぅ……っ! あなたの、その極太おちんぽで、私を犯してくださいぃ♥♥」

イリスの容赦無いピストン運動により、女体特有のむっちりした肉体同士で起こる破裂音をバックにセラフィは獣のような喘ぎ声を上げて悶える。だが、それは苦痛ではなく快楽によるもの。セラフィの表情には苦しみの色は無く、ただひたすらに悦びに打ち震えていた。
尻肉を掴み、緩急を付けつつ奥を先端でぐりぐりと抉れば悲鳴交じりに深緑の髪が振り乱れ、頭部が仰け反る。

「んぎぃっ! し、子宮がぁ…ぐにぐにされてるぅ! ぉごっ、あ゛、コレしゅごいよぉお!♥」
「まだ挿入したばっかりなのにすっかり病みつきね…食いついて離さないわ」

このまま極上の女体を味わっているのも悪くないが、所詮部外者に射精するのは自身の気が済まない。傍目にガメラの方を見ると、彼女もまたセラフィ同様に片手を秘部に這わせ、反対の手で豊満な乳房を揉みしだいている。その目は涙で潤んでいて、今に泣き出してもおかしくなさそうだ。
そんな堕ちた宿敵の求愛にイリスはニヤリと笑うと、ずるん、とセラフィの胎内から男根を引き抜き、再びガメラの膣内に挿入した。

「はへぇっ?! ぁ゛、またいきなりぃ…っ!♥」
「ほらっ、どう? 捻じ込まれるの気持ちいいでしょう?」
「うぐっ、うん、きもちいい…っ! でも、たりないんだ…もっと、もっと欲しい……っ!」
「ガメラさんったらワガママねぇ。それじゃ、こうしましょうか」

放っておけば自慰を始めてしまう程に自分を求めてくる牝達へ呆れ交じりに呟くと、イリスの腹部が煌々とした灯を湛えつつ中から数本の触手が飛び出した。
内2本の切っ先はセラフィの雌穴と後孔に、余った数本かはガメラの乳房に巻き付いて頂を嬲り、彼女達を更なる快楽の海へと沈めてゆく。

「ひゃあああんっ!? なに、これぇえ……!? 触手、そんなところにまでぇえ…♥」
「はひぃいい!? わ、私のおっぱいが吸われてるぅ…乳首、こりこりって虐められてるぅ……♥」

二箇所同時に犯される快感にセラフィは深緑色の髪を振り乱して舌を突き出しながら悶絶し、ガメラも触手による全身愛撫に頭を振り被り、甲高い声で叫ぶ。そんな二人を眺めながら、イリスも満足げに微笑むと更に激しく動き出した。
二人の女体を触手で弄りながら、自らも腰を動かして責め立てるその姿は正に邪神―――否淫魔そのもの。
今まで正義面していた元守護神達の淫らに乱れ狂う様を見る事が、今やどんな生物のエネルギーを吸い取る事よりも至上の喜びだ。自然と腰のストロークが激しくなり、それに合わさって眼前で悶える少女達に淫靡なハーモニーを奏でさせる。

「あ゛ーっ♥ また、イっちゃう…! イリスさんの見てる前で無様にイキますぅうっ♥」
「イリス、イリスぅ……好きぃ! 好きだ、だからもっとしてくれぇ……♥」
「ふふん、そうやって素直になってくれるととっても嬉しいわガメラさん。さぁ、二人とも一緒にイかせてあげるわ…!!」

触手の抽迭を止めないままにイリスはガメラに覆い被さるように前屈みになると、ごつ、とガメラの胎内に丸ごと肉鞘を埋めてしまうまで男根を突き刺した。
瞬間、二人は一際大きな絶叫を上げながら絶頂を迎え、イリスもまたガメラの最奥で精を解き放つ。同時にセラフィの両孔に突き刺さり、ぐぽぐぽと前後運動を繰り返している触手達もまた同様だった。

「んああぁあ゛あぁっ!! ぁ、ぁあ゛っ、ひぃ…っいりす、さああ゛ぁあんっ♥♥!!!」
「ひぎぃいいいっ♥ 出てる、お前のせーえきがあたしの中にぃい! あああっ、なんて量だ……お腹の中いっぱいになるぅうう♥♥♥」

胎内を満たされていく感覚にセラフィは目を見開きながらも悦びの声を上げ、ガメラは涙を零しながらも嬉々として邪神の奔流を受け入れる。
やがて長い射精が終わると、イリスは息を整えつつゆっくりと、けれどどこか名残惜しそうに男根を引き抜いた。
直後に激しい交合いで疲れ切ったガメラとセラフィの躰がどさり、と崩れ落ち、止まない息遣いが牝の匂いと入り混じり、暗澹とした洞窟内に木霊する。
胸がしきりに上下する中、セラフィは恍惚が抜けないままでありながらも、ふとある事を思い出した。

―――そういえば私、何でここに来たんだっけ…?確か、トトちゃんに頼まれてイリスの棲処を突き止めて、それで……。

そこまで考えたところでセラフィはハッとなり、絶頂したばかりの気怠い体を叱責して慌てて仰向けになると、慌てて上体を上げた。

「そ、そうだ! トトちゃん―――」
「……ああ、その事か。私もあの子をどうしようか考えていた所だ」

どうやらガメラもトトの事を気にかけていたらしく、穏やかな笑みを口元に湛えつつぽつりと呟く。
けれども、このまま生まれたままの姿で出迎えるのは気恥ずかしいらしく、ため息交じりに「流石にこんな恰好ではな…」と苦笑した。そんな中、イリスが口を挟む。

「ここに加えれば良いんじゃない?最初はかつての貴女達みたいに泣いて嫌がるだろうけど、ガメラさんと同じように堕ちてしまえば寂しい思いもしなくなるわよ」

さらっと返答された提案にガメラは少し考え込み、それから小さく首肯するとイリスの方へ視線を向けた。

「それなら私は構わないぞ。なぁに、私と一緒に気持ち良くなればあの子でも十分馴染める筈だ」

子供好きであるはずのガメラの了承にセラフィは一瞬だけ躊躇うような仕草を見せたが、すぐに決心がついたのか、「そうね」と短く答えた。
此処にいれば、宿敵のギドラ族と交戦することもなくひたすら触手で気持ち良くしてもらえる。それどころか貫かれている最中は嫌な事―――処女喪失を始め、幼馴染のミニラの失踪とグランドギドラの殺戮により父親と妹を失い、更に現在のグリーンモスラになる直前、突如として現れたデスギドラに母親を殺された過去を忘れられるからだ。今更外の世界に何の未練があるのだろう。
色々と思考を巡らせたところでセラフィは吹っ切れた笑みを浮かべると、今度は自分からイリスに投げかける。

「ねぇイリスさん、フェアリーも一緒で良いかしら? トトちゃんの元に預けてあるんだけど、あの子そろそろ私が居なくなって心細いと思うの。妖精だからとても小さいけど、迷惑しない?」
「勿論よ。例え小さくても、若くて可愛い女の子なら誰でも歓迎してるわ」

笑顔交じりの優しい返答にセラフィの表情がぱぁっと輝き、隣で寝そべっているガメラに目を向ける。彼女もまた、今まで見た事のないような穏やかな表情でこちらを見つめ返していた。

「ガメラさん、これで私達もう寂しくはないね」
「そうだな」

寝そべったままお互いに手を繋ぎ見つめ合いながら微笑み合うと、再び眼前のイリスに向かって改めて向き直る。

――これからよろしくお願いします。イリス様♥

二人の告白に近い言葉にイリスは満足げに―――金色の両目に歪な弧を描きながら頬を緩ませると、ゆっくりと彼女達の全身に触手を絡ませ、再び自らの体内へと取り入れるのだった。