とある冷凍怪獣の獄中回想記

とある冷凍怪獣の獄中回想記/完

現在。シーモ「………という出来事があの穴蔵であったんです」コング「ま…マジかよ。だけどシーモ、あの陰険ハゲからやっと解放された事だし、これからオレがアンタをたっぷり幸せにしてやるからな」スーコ「???」(耳を塞がれているため理解できてない)【終】

とある冷凍怪獣の獄中回想記【淫語仕込み編】

「……モ、シーモ! 何時まで寝とるんじゃ!」事後の余韻で意識を飛ばして眠りに就いていた私の聴覚に誰かの声が届く。ハッとして瞼を開くと、目の前にはご主人であるスカーキングの顔があった。「お、おはようございます、ご主人…様」「おはようやないがな。ワシが呼んどるのに己は呑気に熟睡しとるなんて、ええご身分やのぅ?」「す、すみませんっ……!」慌てて謝罪すると共に頭を下げると、スカーキングはチッと舌打ちしなが

とある冷凍怪獣の獄中回想記

「シーモ、何ボケっとしとるんじゃ。何時もの挨拶忘れたんか?」「っ…ご主人、様……お待ちしておりました」長い腕を持った細い体躯の暴君から投げ掛けられた声に、私は目線だけで振り向きながら重々しく口を開いた。此処に繋がれた際、スカーキングにより無理やり覚え込まされた“挨拶”の言葉。本能的な抵抗感で少しでも詰まると、彼はすぐさま骨鞭の末端に結わえ付けてある青く尖った鉱石を翳し、強い光を灯らせては私の頭部に

とある冷凍怪獣の獄中回想記

遠い昔、蒼い光を湛えた怪獣の王と連携し、空の彼方から降臨してきた三つ首の怪獣を激闘の末凍らせ、手負いになった所を“ご主人様”―――もといスカーキング率いるグレイト・エイプの一味に「お前は強くて美しい」という理由で骨の首輪を嵌められ、光すら通さない穴蔵に繋がれてから幾年もの時が経ったのだろう。ゴツゴツした岩壁とマグマの滝越しから絶えず聞こえてくるのは、“ご主人様”とその取り巻き達が無理やり従わせてい