白と氷のゆりかご

最初にシーモから添い寝を誘われた時、「子供じゃないんだから」と苦笑して断った。けれど「日頃からお疲れでしょう」と言われ、結局は彼女の寝床へ足を運ぶことになった。
そして談笑するのもそこそこに気持ちが落ち着いたころ、お互いの衣服を脱ぐと布団に仰向けで寝かされ、唇を重ねていた。
互いの舌を絡め、体を少しずつ密着させる。冷たい素肌が胸板を滑り、擦れては撫でてくる。

「んん……っ! シーモ…っ♥」
「んは…っコング、さぁん……」

彼女はオレより頭一つ分背が高い。冷たさを纏いながらも柔らかな女体が、あっという間にオレを包み込む。
幾年にもわたって鍛えた肉体は熟した雌の匂いに絡め取られ、弛緩していった。

(やば……このままじゃシーモの躰に溺れちまう……!)

「ふぁ……っシーモ、ちょっと苦しい…」
「え……? あ、すみません。今離れますね」

指摘された途端、慌ててオレの横に添い寝する彼女。その拍子にたぷん…と豊満な乳房が揺れ、視線を奪った。

「っ………!」

何度見ても、その確かな質量はオレの視線を釘付けにさせるには十分すぎる代物だ。
思わず揉みしだきたくなる衝動に駆られるが、いきなりそれをやるとシーモに嫌われてしまう気がしてグッと堪えつつ、代わりに生唾を呑み込む。

「あ、相変わらずデカいな…シーモのおっぱい……っ」
「そうですね……貴方と何度も一緒に寝ていますけど、やっぱりじっくり見られると恥ずかしいです」
「あ、ああ。そう…だよな。でもオレは……好きだぜ」
「ふふ、ありがとうございます。私も貴方の逞しいお体、大好きですよ」

そう言ってシーモはオレの胸板に手を滑らせ、指先で乳首をつつく。

「う、お……ッ!」
「ふふ、殿方でもココは感じるんですね。可愛いです」

乳房がオレの肩を圧迫し、冷たい指先が刺激する。素肌に氷を這わされたかの如く快感に震えるとシーモは耳元で囁き、薄桃色の舌で乳首を転がしてきた。

「ふ……っ、ちょ、シーモ……! あ……っ!」
「んむ……っ♥」

舌先がちろちろと転がり、声が漏れる。それでも間髪入れず、彼女の指は胸の傷痕を愛おしむようになぞった。

「は……っ、くぅっ……シーモぉ…! それヤバいって……!」

慌てて拒んでも、湿ったリップ音が理性を削る。それが続くと女のような声が出てしまい、思わず喉元を晒すとシーモは顔を上げて微笑んだ。

「申し訳ございません。コングさんが余りにも可愛すぎるのでつい……」
「か、可愛すぎるって……オレだっていい歳だぞ。そんなこと言われると気恥ずかしいぜ」
「ふふ、揶揄ってなどいません。貴方を王として尊敬しているからこそ、愛してあげたいのです」

そう言って手は腹筋を通り越して下腹部へ。指先が膨らんだものを捉えるとズボン越しに輪郭をなぞった。

「うあ……っ!」
「あら? こちらも“お元気”のようですね」

全身がびくりと跳ねる中で、シーモはにこやかに微笑みながらファスナーを下ろし、下着越しから露わになった膨らみに触れた。

「あ……っ♥」

ひんやりとした掌がそっと触れると、声が漏れる。それにも彼女はひとつ溜息を吐くと、すりすりと優しく撫でながら目を輝かせた。

「ふふ…コングさんったら、こんなに」
「う……っ! おい、その触り方は……」
「あら? 出過ぎた真似でしたか? じゃあ、お詫びとして…」

右の乳房が迫り、オレの顔を包み込む。

「むぐ……っ!?」
「ほぉら、私のお胸……美味しいですか?」

答えられない。唇を塞ぐ乳首に抗えずに雄としての本能が勝ち、ためらいがちにちゅぱちゅぱと咥えて吸った。

「んむぅ…っ、んぐ……!」
「そうそう。その調子で吸ってください」

褒める様に撫でる手が頭に触れ、安心感が広がる。同時に下腹部は熱を増す。
その反応を間近で見たシーモは嬉しそうに脈打つ幹へ指先を絡め、上下に扱き始めた。

「ぐ…っ! あふ……っ!」
「んふふっ♥ 先っぽから、もうおつゆが出てますよ」

左手で敏感な場所を直接弄られ、耐え切れず声が漏れる。一方でオレに咥えられたままの果実は咥内でゆっくりと硬くなり、強く吸えばびくびくと反応した。
声を抑えるのは勿論、冷たい手の感触に酔わされ、一層顔を押し付ける。

「ん……! んむぅ……っ」
「はぁ……もう、赤ちゃんみたいで可愛いですね♥」

「赤ちゃん」と言われて思わず思考が正気に戻る。
同族はもちろんのこと、ましてや怪獣王ゴジラには絶対見せられない姿だと気づくも、溜まりに溜まった性欲を溶かすかのような愛撫によってそんな躊躇いはじわじわと溶かされてしまい、かえって心地よさが混じる。

(ま、いいか……。今はシーモと二人っきりだ。流石にバレることなんてねーか)

部屋には乳房を吸うリップ音と、ペニスを篭絡している淫らな水音が交互に響く。
息苦しさと交互に絶え間ない快楽に絡め取られ、オレの理性はもう残っていない。

「うぶぅ…っ! んっ、ふーっ、んあぁ……っ!♥」
「あら? 段々と声が可愛くなってきましたね。両方で気持ち良くなってください」

(やべぇ……もう限界だ……!)

びくびくとペニスが震え、鈴口から白濁したカウパーがとろりと溢れ始める。
その感触に危機感を覚えたオレは叫び声を防ぐつもりでシーモの乳輪を咥える力を強めた矢先、不意に背筋に甘い電流が迸った。

「うぐぅ…っ!んぉ、っ、んむうぅぅ……ッ!!♥♥」
「あは……っ、いいですよ。このまま達してください」

その言葉を合図に腰が浮き、声がくぐもる。
爆ぜた快楽の前では罪悪感さえ波に呑まれて消えていった。

「む……ッ!! あふっ……っ♥」

シーモの指先に握り締められたモノが爆ぜ、どくり、びゅっ、びゅくくっ!♥と音を立てて解放される。
熱を孕み、固く聳え勃ったモノから勢いよく白いクリームを迸らせれば、にゅるりとした感触が何よりも気持ち良くて堪らなかった。

「あぁ…なんて力強いんでしょう♥ ふふ、こんなに沢山……」
「は…ッ! うぁ……んぶぅ……!」

(すげぇ……自分でするより、ずっと全然気持ちいい……)

射精後の余韻に浸りつつ、乳房から口を離す。呼吸を荒く整えるオレを、シーモはそっと抱き留めた。

「はぁ……っ、シーモ……アンタの手、汚しちまってゴメンな」
「お気になさらず。コングさんこそ、お疲れ様です」

労う声と撫でる掌、そして慈愛に満ちた抱擁が心地よく、また胸に顔を埋めた。

「んむ……」
「あら、まだ甘え足りませんか?本当に可愛らしいですね」
「ほっとけ。オレだってたまには甘えたっていいだろ?」
「ええ、勿論です。いつでも甘えてくださいね」

髑髏島で生まれた時―――両親はコング族を守る為に島に蔓延るスカルクローラーの殲滅に必死でオレを構う暇もなかったし、母に抱かれる時間がわずかだった幼い日々を思い出す。
今はただ、柔らかい雪に包まれたかのような温もりに包まれて瞼が重くなる。

「あら、眠くなっちゃいました?」
「あ、いや……」

(まずい、また子供扱いされちまう)

否定しようにも眠気で口が回らない。そんな中、彼女は相も変わらずオレの髪を梳きつつ撫でながら囁いた。

「……もし目覚めたら次は私にも“して”頂けませんか?」
「え……?」
「……なんて、冗談です。おやすみなさい」

とはいえ、紅潮した肌が彼女の興奮を物語っていた。

「ああ、お休み…………なーんて、言う訳ねーだろ?」
「え……?」

直後、オレはシーモの腰に手を回すと、そのまま強引に引き寄せる。
「きゃっ!」と小さな悲鳴を上げて驚く彼女を宥めるつもりでオレはシーモをぎゅうっと抱きしめ、胸板で乳房を押し潰す。

「へへっ、さっきの礼として寝かさないぜ。シーモ」
「もう……仕方ないですね」

悪戯っぽく笑いながらも、決してシーモを怖がらせないように力を抜くのを合図に、彼女は瞼を閉じてキスを受け入れた―――。






END.

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