波打ち際の催眠淫戯

「プライベートビーチへのご案内?」

時刻は茜色の空の下、蜩の鳴き声がこだまする頃。ガメラが夕餉の支度をする中、息を弾ませながら買い物から帰ってきたトトに手渡された手紙にはそのような事が書かれていた。
まさか怪しい案内ではないだろうか。ガメラが首を傾げる中、トトは興奮気味に話を続ける。

「うん!買い物から帰ろうとしたら通りがかったバランさんから直接手紙を渡されてね。差出人不明だったからどうしようかと迷ってたけど、お姉さんと二人で読んで欲しいって言われたから大丈夫なはずだよ」

そう言って嬉しそうに手紙を渡された経緯を話すトトだが、その封筒は確かに宛先も差出人も書かれていない真っ白な代物であった。
しかしそんなことよりも気になる点が二つ。先ずは手紙の文面に記されていた「手荷物不要、レンタル代は一切無料です」の一文と、何より家のポストに投函すればいいものを何故かトトに直接手渡ししたという点だ。

「何故バランが直接お前に渡すんだ? あの真面目なはずの彼がこんな悪戯じみた事をするとは考えにくいのだが……」
「えーと…よくわかんないや。でもバランさん、地球の為に頑張っている君達へのサプライズだよと言ってたし、忘れないうちに明日行こうよ!」

何とも無邪気に笑うものだ。この子は本当にギャオス族を除いた他者の悪意というものを知らない。だからこそガメラはその純粋さが心配でもあった。だがここで断ればトトは悲しみながら酷く落ち込むだろう。それに向かった先で万一の事があれば身を挺してでもすぐに対処すればいいだけの事だ。
尚も期待に満ちた視線を送るトトにガメラは小さくため息をつくと、分かったと言って微笑むのだった。

 

 

翌日。真夏特有の刺すような暑さの中で飛行し、件のビーチへと向かった二人だったが、太陽が斜めに昇った頃になって漸く目的の場所に到着した。そこは青々とした森に囲まれた海岸であり、純白に近い色の砂浜はターコイズブルーとエメラルドグリーンを湛えた海原に侵食されている。波の音と共に潮風に乗って流れてくる香りは何とも言えない独特、しかし爽やかなものだった。
到着した早々、二人は陸辺りを見回した。最初に目についたのは森に寄り添うかのように木造の小屋が一軒建っており、その入り口付近にはご丁寧に『着替え・お食事はココでどうぞ』と書かれた看板がある。

「あれ、海の家なのかな?お姉ちゃん、入ってみようよ」

トトに手を引かれ、ガメラはその小屋に足を踏み入れる。内部はやはり誰も居らず、代わりに木造の内装と不釣り合いな機械が壁一面に設置されていた。それは三角形を重ねて構成された幾何学的な造形であり、宛ら万華鏡の内部を模したかのようなもので内部から発行している明りが複雑怪奇に入り乱れては消えていく。
海の家にしては随分大掛かりで奇妙なオブジェと思ったが、その傍らに透明なアクリル板が張られていた。文面にはこれまた丁寧な字で『音声認識システムです。こちらでお食事のご注文は勿論、遊び道具や日焼け止め、水着のレンタルも可能となっております。何か御用がありましたら備え付けのマイクに向かって喋ってください。では、良い休暇を!』と書かれている。
成程、確かにこれならば客と店員の会話を最小限に抑える事が可能であり、同時に店番も必要ないという訳か。感心しながら見回すガメラを他所に、トトはすっかり目を輝かせていた。

「凄いね、まるで秘密基地みたい! 早く水着注文しよっ♪」

そう言うなり、トトは機械に向かって声をかけた。直後、機械は無機質な甲高い音を立てると開けた三角形の入り口から綺麗に折りたたまれた子供用の水着を出した。

「へぇ、これが水着…可愛いなぁ」

トトは初めて見る水着に興味津々の様子。早速広げてみると、上下に分かれたセパレートタイプで胸元にはフリルがついている。色は淡いピンクで、スカート部分はパステルカラーの水色と白のボーダー柄だ。女子の心を掴んだいわゆる「ゆめかわ」系の色合いに、一層トトの目がきらきらと輝く。

「ねぇお姉ちゃん、私ちょっと着替えてくるね」
「あぁ、行ってこい」

すっかり上機嫌の様子で更衣室に入ったトトを見送ると、ガメラもまた機械に向かって水着を注文する。自らの性格上、先程トトが手にしたような水着のデザインは実際に着用すれば少し恥ずかしい気がしたが、浜辺には案内状にもあったプライベートビーチと記されてあるだけに人間の影すら見当たらない。目線を気にする必要がないなら少し冒険してみるのも有りか。そう思いつつ、出されたレンタル水着を見ると……その見た目に硬直した。

「…………何だこれは」

思わず声が震え、愕然とした言葉が出る。というのも、目の前に出てきたのは紐で構成されたような白のマイクロビキニと極小サイズのパンツだった。それも各部分は布面積が非常に少なく、着ようものなら胸はほぼ丸出しの上に忽ち尻に食い込んでしまうような代物。
こんなものを着ろと言うのか?冗談じゃない。トトの教育に悪い上にいくら何でもこんな破廉恥な格好など出来る訳がない。そもそも自分は女だ。こんな露出度の高い衣装を着るくらいならいっそ泳がないまま何時もの着物で過ごしていた方がまだマシだ。

「……お姉ちゃん、どうかな?」

唖然としている中で不意に背後からトトの声に振り向くと、そこには先程の可愛らしい水着に身を包んだトトの姿があった。少し恥ずかしそうにしていたものの、健康的な肌も相まったその姿は年相応の少女そのもので、とても愛くるしいものだった。

「あ…あぁ、よく似合っているぞ」
「えへへ…ありがと。お姉ちゃんは着替えないの?折角だから一緒に泳ごうよ!」
「……その事なんだが」
「……?どうしたのお姉ちゃん?」

トトが不思議そうに首を傾げる中、ガメラは先程注文した水着をこの場で広げてみせる。途端にトトは言葉を失い、思わず顔を真っ赤にして手で目を隠す。無理もない。彼女が目にしたのは、着れば確実にほぼ裸体にしか見えない過激なデザインの水着だったのだから。

「……すまない、私にはこれを着る勇気は無い」
「そ、そうだよね……」

トトは気まずそうに苦笑いを浮かべると、ガメラは再び機械に向き直る。目的は勿論、今度こそ健全な海水浴をする事である。

「私に合う水着、今度はトトの目の毒にならないものを頼む」

再び鳴る音に、次は先程の様な破廉恥な見た目の紐ビキニでないことを祈りつつ三角形の入り口を見る。そこには一着の水着が置かれており、ガメラはそれを手に取り広げると……安堵のため息をつく。

―――良かった……普通のモノだ。

現れたのはトトと同様にセパレートタイプの水着。ただし色は黒で胸元には白いリボンがついており、スカート部分にはふわふわのフリルがついていた。これならばトトに悪影響は出ないだろう。
先程破廉恥なモノが出たのは機械のアクシデントだったのかもしれない。疑念を抱くのもそこそこにガメラは『目の毒でない』方の水着を手にするとトトと入れ替わりに更衣室へと向かっていった。

「お姉ちゃん、やっぱり可愛いね。凄い似合ってるよ」
「ありがとう。トトも凄く可愛らしいな」

互いに褒め合いながら、二人は早速水着姿になると小屋の外へ飛び出した。勿論片手には海で遊べるように先程の機械で注文した大きめの浮き輪を抱えている。因みに日焼け対策としてオイルは既に塗ってある。

「う~ん!気持ちいい!!」
「あぁ……やはり海は良いものだな。心が洗われるようだ」

入道雲を湛えた真っ青な晴天の下、潮風を浴び白波の音を聞き、レンタル用のサンダル越しに熱い砂浜を踏みしめる。それだけでも、毎日がギャオス族(特にイリスやジーダス)との奮闘続きだった二人にとっては至福の時間だった。

「さぁトト、誰もいないことだし泳ぐとしようか」
「うんっ!」

ガメラの言葉にトトは元気良く返事をするや否や、そのまま勢いよく海に駆け出す。そんなトトの後を追いかけるようにガメラもまた海の中に入っていき、海水をかけ合ったり砂山を作ったりと、まるで本当の姉妹若しくは母娘のように仲良く遊び始めた。

「お姉ちゃん、こっちだよー」
「待ってくれトト、あまり遠くに行くな」
「大丈夫だってばぁ♪」

トトが楽しそうに笑みを浮かべて、両手で海水を掬いながらガメラの方に向かって放水する。その度に彼女の顔にしょっぱい水がかかり、ガメラもまた負けじとトトに水を掛ける。

「やったな、トト」
「お返しだよ、お姉ちゃん!」

お互いに晴れた笑顔を見せあい、特にガメラは童心に帰ったかの如く無邪気に笑う。だが、その楽しいやり取りはトトのお腹から鳴った音で終わりを迎えた。

「…あれ?お昼ご飯まだ食べてなかったっけ?」
「すまない、すっかり忘れていたな……」
「じゃあこれからランチにしよっか。小屋の中で色々注文できるみたいだし」
「そうだな」

一旦海遊びを中止した二人は小屋の中に戻ると早速先程の機械の前に立ち、お互いに食べたい物を注文する。ガメラは夏野菜入りのカレーライス、トトは焼きそば。飲み物は冷えた麦茶とコーラを頼んだ。その後数分も経たずして甲高い音を合図に、先程水着を始めとした海遊び用の一式を出した三角形の入り口から彼女達が注文した料理が紙ナプキンを携えてお盆に乗って出てくる。

「凄く早いね…この料理誰が作ってるんだろう?」
「判らないな。だが、従業員はきっと何処かに居る筈だ」
「そっか……あー、もう我慢できないよー!」
「私もだ。では頂こう」

従業員の存在を気に掛けるのをそこそこに各々食事を取り、備え付けのテーブルに乗せると先ずガメラが木製のスプーンを手に取り、トトは割りばしを手に取る。そして同時に手を合わせて「いただきます」と言うと早速彼女達は目の前に置かれた自分の昼食を食べ始めた。

「お姉ちゃん、美味しい?」
「あぁ、とても美味しいぞ。トトの方はどうだ?」
「うん!お姉ちゃんが何時も作ってる料理みたいで凄くおいしいよ!」

満面の笑みで答えるトトの表情を見てガメラは微笑した。
ここへの案内状は差出人不明の上、「レンタル代などは一切無料です」の文面に一時期は何者かの罠を疑ったが、今となっては本当にただ自分達の為に作られた場所なのだと思える。だからこそ余計に嬉しい。
スパイスの芳香が染み込んだ夏野菜とカレー特有の辛みを堪能しつつ黙々と食べる中、トトははた、と食べる手を止める。

「お姉ちゃん、お口汚れてる」
「ん?……すまないなトト」

トトに指摘され、ガメラは備え付けの紙ナプキンを手に取り、口許を拭う。どうやら自分はカレーを零した事に気づかないまま無意識のうちに貪っていてしまったらしい。余程空腹だったようだ。
ともあれ外敵に邪魔される事もなく、何時までもこの楽園の如し緩やかな時間が続いて欲しい。心中で願いつつガメラがグラスに注がれた麦茶を口にすると、先に焼きそばとコーラを綺麗に平らげたトトが「ごちそうさま」の一言で食事を終え、食器をまとめ始めた。

「もう終わったのか」
「うん。だって早く泳ぎたいもん」
「そうか……なら、私も食べてしまおうか」

そう言いつつガメラは再び残りのカレーを口に運ぶと、トトと同じように綺麗に完食した。
姿の見えない従業員の為にせめて軽く食器をまとめ、一端休憩も兼ねて小屋の外に出ると二人は砂浜に腰を下ろして一息つくことにした。

「ふぅ……お姉ちゃん、ここに来て良かったね」
「あぁ、此処まで綺麗なビーチは中々お目にかかれないからな」
「それに、こうして二人でのんびり出来るしね!」
「そうだな」

手紙での一時的なお誘いとはいえ、できるならこの近くに住居を構え根を下ろしたいぐらいである。無論、それが出来ない事は重々承知しているが。
そんな中、遊び疲れた上に昼食をたっぷり食べた影響なのかトトがひとつ大きな欠伸をした。

「ふぁ~……何だか眠たくなってきちゃった。ねぇ、ちょっとだけお昼寝しちゃ駄目かな?」
「構わない。さっき沢山遊んだし、ゆっくり休むといい」
「ありがとう。それじゃあ私小屋に戻って少しの間眠るね……お休みなさい」
「あぁ、おやすみ」

ガメラの言葉を背にトトは踵を返し、小屋の中へと戻っていった。浜辺にはガメラ一人だけが残される。

――さて、私はどうするべきか。

浜辺に一人残されたガメラはふと周囲を見渡す。周囲には誰もいない。プライベートビーチというだけあって、自分以外の客の姿は何処にもなかった。

――まぁ、いいか。どうせ誰も居ないんだし……暑いが少し瞑想でもしよう。

万が一誰かが来てもすぐ判るだろうと思い、ガメラは目を閉じて座禅を組む。周囲の喧騒からは離れ、波の音と風の音だけが聞こえる空間で心を落ち着かせていく。暫くすると、先程まで感じなかった眠気が急に襲い掛かってきた。日に焼けるのを承知でこのまま眠ってしまおうかと一瞬考えたその時、背後から声が聞こえた。

「久しぶりだなぁ、ガメラちゃん。俺らからのご案内、じっくり楽しんでいただけましたか?なんてな」

来訪者から放たれた聞き覚えがある声にガメラが音源を凝視すれば、そこにはかつてループ前―――自分がヒトを模す姿になる前に打ち破ったはずの宇宙怪獣、ジグラとバイラスの姿があった。思わぬ来客に、彼女は思わず深緑色の目を見開く。

「ジグラにバイラス……何故お前達が此処に!?」
「まぁ、細かい事は気にしない気にしない。折角来たんだから楽しまなきゃ損だって!」
「因縁や堅苦しい事は抜きにして…あれだけ妹と楽しそうにしていたんだから、我々とも交流を図ろうではないか」

振りほどこうと抵抗するものの、身体にも纏わりついた吸盤付きの触手は水着を捲し上げると晒された彼女の豊満な乳房を揉みしだき、もう片方の触手が脚を這い回る。全身を愛撫されながらもガメラが震えながら耐え続けていると、やがてバイラスが触手の先端で乳首を軽く弾いた。

「あひっ!?くっ……離せっ!」
「余り暴れるな、ガメラ。ここで大声を出したり必殺技を放とうものなら可愛い妹が起きてしまうぞ?」
「……っ」

甘いテノールボイスが耳元で囁かれ、ガメラは抵抗を止める。確かに今此処で騒ぎを起こしてトトを起こそうものならば、彼女にまで危険が及ぶかもしれない。それだけは何としても避けなければならない。
ガメラは唇を噛み締めて屈辱に耐えようとするも、それを許さないかの如く触手の先端が乳首にまとわり付き、きゅうぅ……と音を立てて強く吸引してくる。
その瞬間、彼女は電流でも流されたかのように身体を大きく震わせた。今まで毎日修行か家事、時々ギャオス族との諍いの日々だったガメラにとって、男と肌を重ねる経験など皆無に等しい。故に男に胸を触られるだけで頭がどうにかなりそうな程感じてしまい、口から漏れる喘ぎ声を抑える事が出来なかった。

「あぐ……ふぁああぁっ!」
「ククッ、中々良い声で啼いてくれるな。お前のそんな表情、初めて見たぞ?」
「うるさい……黙れっ……!」
「相変わらず可愛げがないな…ほぉら、今度は此処だ」
「んあっ!?」

バイラスが別の触手で秘所に触れる。水着越しで一筋の割れ目をなぞるように這わせ、そのまま上下に擦られるだけで彼女は腰砕けになり、一層脚は硬く閉じられ、震えが強くなる。

「くぅう…っさわ、るなぁ……やだ、止めろっ…!」
「まだ脱がしてもないのに随分と感じているな。そんなに気持ちいいのか?」
「ち、違う……私は決して、っ感じてなど…いない…!」
「ふぅん……その割には湿った音が立っているのだが?よく見せろ」

語尾の部分でバイラスはジグラに目配せをすると同時、脚に絡みついた触手を動かし、ガメラの両膝を左右に大きく開かせる。まだボトムスを履いているとはいえ黒の布地はしとどに濡れており、バイラスの言う通り彼女が快楽を感じているのは明らかであった。

「ひぃっ……!」
「おーおー、随分と濡らしてくれるじゃないか。ガメラちゃん、もしかして俺らの事好きになってきたんじゃないのか?」
「ば、っ馬鹿を言うな…誰が貴様らなんかに……!」

ジグラに指摘され、羞恥に頬を染めたガメラが反論する。だがその反応こそが答えであり、ジグラは口角を上げた後に屈み込むと、ボトムスの上から彼女の急所に指を這わせた。

「おいジグラ…っ、何をするつもりだ?」
「決まってんだろう、こうするんだよ…っと」

言い放つと同時に彼は躊躇なく水着を横にズラすと芽吹きかけの肉豆をカプリと甘噛みした。
突然訪れた快感にガメラは思わず甲高い悲鳴を上げ、身体を大きく仰け反らせる。

「あぁあんっ!? やめ…どこ、舐めて……ひうぅっ!」

更にジグラは舌先で彼女の敏感な突起物を転がすように舐め回し、時折軽く齧るように歯を立ててくる。彼の唾液と自分の分泌液で雌蕊がじっとりと湿っていく感覚に、ガメラは背筋に走る悪寒を抑えられなかった。

「凄いな、のっけからこんなに腫らして……ガメラちゃんの秘豆、甘くて最高だよ」
「あぁ…っ! ふざけるな、この変態宇宙人が……!」
「美しい俺に対して変態とは失礼だなぁ…それじゃ意地っ張りなアンタの為に、これから素直になる魔法掛けよっか」

直後、ジグラの被っている赤い珠の部分から橙色の眩い光が放たれ、ガメラは咄嵯に目を瞑ろうとする。だが光は彼女を包み込んだ瞬間、身体の奥底に何かが染み込んでいくような奇妙な感覚を覚え、数秒もしない内に思わぬ言葉を伴った甘い嬌声が自然と口を突いた。

「じ、ジグラ様ぁ…私、貴方がたの下僕になりますぅ♥♥ だから、ご無礼をとったお詫びとして、どうか私のお○んこを思う存分舐めて弄んでくださいませぇえっ♥」

何時の間にか蕩け切った表情のガメラの深緑色の目には桃色のハートが煌々と宿っており、しかも自分の性格上絶対口に出せないような淫猥な台詞を吐いた事に激しい困惑を覚えていた。

――な、何だ? 何故こんな事を言わなければならないんだ? どうして私は奴らを喜ばせるような台詞を……。

考えている間にもジグラの愛撫は再開され、剥き出しになった陰核に絶え間ない口撃が加えられていく。最初は小刻みだった喘ぎも徐々に間隔が短くなり、気付けば彼女は更なる快感を求め、触手による拘束の中で僅かに動く腰をくねらせていた。

「ふぁあああっ♥ おまめぇ、すっごく良いですぅ……っ! もっとぉ、そこ、吸ってくださいぃいいっ!」
「すっかりノッて来たじゃないか、ガメラ♪ 俺らが見てる前で盛大にイキまくってくれよ……!」
「私も忘れるなよ。催眠術が解ける前に今すぐトドメを刺してやろう」

直後、バイラスの触手がガメラの勃起しきった乳首を吸いながら思い切り乳房ごと上に持ち上げ、同時にジグラの方も秘豆を親指で擦り上げる。胸と雌の弱点を同時に強く責められたガメラは体を仰け反らしつつ絶頂し、絶叫をバックに勢いよく雌蕊から歓喜の徴を吹き出した。

「ひぎっ…いやぁああああぁっ!! イッグゥウウッ!!!♥♥♥」

びゅるっ、ぶしゃぁぁぁぁぁっ! クジラの潮吹きよろしく凄まじい量の飛沫がガメラの雌蕊を愛撫していたジグラの軍帽を落としかねない勢いで飛び散り、その衝撃で彼は思わず身を離してしまう。遮るもののなくなった潮は次第に浜辺の砂地を濡らし、ガメラの股下に大きな水溜りを作っていった。

「うぁああぁ…っやだぁ、見るなぁ…!見ないでぇ……!」

嗚咽を漏らし項垂れるガメラだっだが、ジグラは気にも留めることなくその顎を掴み強引に正面に向けると、そのまま彼女の唇を奪った。

「んむぅっ!? んぐっ、むうぅ……!」

突然の出来事に驚く暇もなくジグラに舌を差し込まれ、歯茎の裏から喉奥までを余す所なく舐られる。お互いの舌と舌がねちっこく絡み合い、粘液が混じり合う音と互いの息遣いだけが耳に響き渡り、それがより一層ガメラを羞恥心で追い詰めていった。

「んん゛、ちゅぷ…はぁ、はぁ……!」
「んはっ……どうだ? イカされた後でのキスは…最高だろう?」
「はぁ…はぁ……ふざけ、な…お前なんかと……」

一時的に催眠術を掛けたにも関わらず、解いた瞬間漏れた悪態にジグラはわざとらしく肩を竦める。

「相変わらず怖いねぇ。でもさぁ……そんな強情な態度取ってたらさ、此処におチビちゃんを呼んでアンタと同じ事させてやろうか?」
「なっ……」
「それは面白い提案だな。お前の妹が泣いて嫌がり、私達の名を叫ぶ様を見てみたいものだ」

勿論バイラス達にはトトを手篭めにするつもりは更々無く、子供好きのガメラを精神的に追い込む為だけに提案したに過ぎない。
だがガメラにとって妹同然であるトトに手を出すという言葉には思わず頭の中が冷めた反面、ふつふつと湧き上がる憤りに触手で戒められた拳が強く握りしめられる。

「この、っ外道共が…!」
「何とでも言えよ。俺らは侵略宇宙人なんだぜ?いちいち手段なんて選んでられねぇんだよ」
「そういう事だ。それに私は前の世界でお前に玩具にされ、ジグラに至っては背鰭を楽器代わりにされた屈辱がある。その代償、きっちり払ってもらうぞ」

言葉が終わらないうちに触手の拘束が解かれるとガメラの体が白い砂地に落とされる。真っ先に膝に走った痛みに顔を歪め、立ち上がろうとするも、ジグラが仁王立ちさながらに彼女の前に立ち塞がった。

「さぁて…そんじゃ始めようぜ。当然拒否権ない事はわかってるよな?」

不敵な笑みを浮かべつつベルトを外すと、ジグラの股座からいきり立った男根がぶるん、と刀身を露わにする。それを目にしたガメラの表情が恐怖に引き攣っていくのを見ながら彼は彼女の髪をぐい、と掴むと、無理矢理自分の方へと引き寄せた。

「う……ッ!」
「嫌がる顔すんなって。前の世界で俺を散々コケにしてくれた詫びとして、先ずはコレに挨拶しろよ」
「っ…誰が……!」
「聞こえなかったのか?あんまり待たせると、あのおチビちゃん呼んじゃうぜ?」
「くっ…!」

その言葉にガメラは悔しげに唇を噛み目を瞑ると、罵倒の代わりに無言でゆっくりと唇を開き、眼前のモノに口付けた。
ちゅぷ…ちゅぷ……じゅぷぷぷぷ……。
ジグラの男根の先端を口に含み、舌先で鈴口をちろちろと舐める。そして亀頭全体を唾液で濡らすと、今度は裏筋に沿って根元まで舐め下ろしていく。その間ジグラは時折彼女の後頭部を押さえ付け、まるで急かすかのように振舞う。

「オイ、そんなんじゃ終わんねぇっての。ちゃんと喉奥まで呑み込んで、しっかり奉仕しろ」
「おごっ!? ぐ…ん゛ぅう……!」

息苦しさに耐え兼ねて反射的に吐き出そうとするも、それを見越したジグラが更に奥へと押し込み、強制的に嚥下させるように喉を突く。堪らず目尻には涙が滲み、苦悶に満ちた表情で嘔吐きそうになるも、それもまた彼を楽しませるだけの結果に終わり、無慈悲にも口腔内を犯す動きが激しくなっていくばかりだった。その間にも磯の香りと生臭い感覚、そしてドクドクと脈打つ感覚が内部を支配し、思わず嘔吐しそうになるも必死で堪える。

「んぶっ…ごぼ、っ…んぉ゛、っ……!」
「よしよし、上手くなってきたじゃねぇか。もしかしてギャオス達やジャイガーにもこんな風にしゃぶってんのか?」

かつて自分が討ち取ってきた敵怪獣達の名前を出されてガメラの体がぴくりと身じろぎする。が、ジグラはそれを見逃さず、彼女の頭部に投げ掛ける。

「その反応、やっぱりあいつらにも同じ事してやってんだな。なら、俺らがヤッても問題無い訳だ」
「ち…違う、そんな訳ある筈無いだろっ!?」
「どうだか。それより、こっちはまだ口離して良いとは言ってないぞ。素直に従えないなら、また魔法掛ける必要あるな」
「やめ……止めろっ! あぁっ!?」

再び軍帽の紅い珠部分が輝き、ガメラの全身を容赦なく貫く。忽ち彼女は拒む間もなく抵抗の意志を失う代わりに深緑色の目の中にハートを灯らせると、発情した牝宛らに頬を上気させ始めた。

(あぁ……駄目だ……もう、何も考えられないぃ……)

思考回路が徐々に鈍っていく中、彼女は目の前の肉槍に舌を這わせ、口一杯に頬張る。すると頭上から「そうそう、良い子だね~」と何処か子供をあやすような口調の声が降り、それが余計にガメラの自尊心を傷つけたが、それ以前に心にもない言葉が無意識に口を突いて出た。

「………ごめんなさぁい♥ 私、ギャオス族だろうと誰でも躰を開いてしまうとっても淫乱な守護神なのですぅ…♥ だから、ジグラ様…貴男のその聖なるおちんぽで、私をめいっぱい辱めて、ナカに種付けして下さい…♥♥」

息遣いも露わに、先程舐めしゃぶっていた男根を優しく指でなぞりながらガメラが懇願する。
こんなはずじゃないのに口や体が勝手に動いてしまう。けれど発情に導かれるがままに手は男根を撫でさすり、ジグラの目を真っ直ぐに見つめて媚びる。
催眠術ありきとはいえ、その堕ちた姿にジグラは歪んだ笑みを浮かべると再び彼女の髪に指先を這わせ、勝ち誇ったように言い放った。

「やっと自分の立場を理解したか。それじゃあ、この後どうしたら良いか判るよな?」
「はい…先程は無礼な口を訊いて申し訳ありませんでした♥ 代わりに、貴男様が満足するまでご奉仕させて頂きますぅ……んん゛っ♥♥」

ぢゅぽっ、とガメラの口が再び男根をすっぽり咥え込み、時に根本を手で扱きながら懸命に愛撫する。ガメラの塞がれた唇からは溢れ出た唾液が顎に垂れ落ち、砂地にシミを作り出す。
ジグラはそれを意に介する様子は無く、むしろ一層嗜虐心を強めたかのように彼女の後頭部に手を当てて一気に押し込んだ。

「んぶぅっ!?ん ゙っ、んぐぅうっ!!」
(苦しい…息ができない……!)

口内を埋める巨大な異物に呼吸を阻害されながらも必死に歯を立てないようにし、何とか舌で刺激を与えようと試みる。だがそんな彼女の健気な抵抗を他所に、喉奥への異物感による強い刺激を受けた反動でガメラの目尻に生理的な涙が大量に浮かんでいく。けれどもジグラはそれに構う事無く、彼女の結われた髪を一層強く掴んで前後に揺すり続けた。

「はっ、前の世界で甲羅を斬られた時の痛みに比べりゃ、この程度何ともないだろ?それとも…本当は激しくされるのがお好みだったか?」
「がふっ! ん゛ん゛ぅ、ぉごっ、うぶぅぅっ!!」

挑発めいた台詞を投げ掛けられ、ガメラの目に怒りの色が宿っていくものの、それも一瞬で喉を覆う圧迫感と催眠術の前には彼女の中で崩れ去ってしまった。
ずぷっ、ぬちゅっ、じゅぽっ、という唾液混じりの水音と共に、ジグラの男根の先端から滲むカウパー液とガメラの口から漏れ出した粘液、そして生理的な涙とが混ざり合い、彼女の顎と首元を汚していく。
苦しい。このままだと窒息させられてしまう。ジグラの狂気すら感じる強制奉仕にガメラの心が折れそうになった途端、ふと彼女の傍らにバイラスの影が射した。

「少しやり過ぎだぞ、ジグラ。私も参加させてもらおう」
「お? 悪い、つい調子に乗ってしまったな」

ずるり、と一旦男根から口を離され、ガメラが酸素を求めて荒い呼吸を繰り返す。しかし、休む暇はなかった。
バイラスもまた、ジグラ達のやり取りを見て興奮し始めていたのか既に怒張しきった肉棒を取り出しており、それをガメラに見せ付ける様にしながら彼女に言った。

「どうした?私のは口に含まなくていいのか? 心の底から欲しくて堪らないのだろう?」
「あ……はぁ…っ♥」

目の前でビクビクと脈打つ男根に釘付けになりながら、ガメラはうっとりと表情を蕩けさせる。
触手とは違う生々しい感触を持つソレが今から新たに自分の咥内を犯すという背徳感と、未だ理性を拘束したままの催眠術により、ガメラは一心不乱に舌を伸ばして丁寧に舐め回し始めた。亀頭、カリ裏、竿の部分に至るまで余す所なく唾液を塗し、時には口内に頬張り、余った一方を片手で扱きあげたりとまるで好物を愛でて味わうの様に堪能しているその姿は正に淫猥そのもので、ジグラとバイラスはそんな彼女の痴態に思わず笑みを浮かべていた。

「私の手の中でこんなにビクビクして…んっ♥ あぁ、どちらも何て逞しいのでしょう……♥」

恍惚とした表情で自然と褒め称える言葉が出てしまう。それ程までに彼等の男根は逞しく、そして熱かった。こんなモノを挿入されたら…子宮や後孔を貫かれた挙句またイカされたら……と思うと背筋がぞわりと粟立つ。だがその一方で、ガメラの一かけら残された理性では、言葉とは真逆の思いが頻りに渦巻いていた。

(くぅ…忌々しい!この私がこのような卑劣な輩に…だが、体が勝手に動いてしまう……!)

噛み千切ろうとしても舌が勝手に蠢き、互いの男根に這い絡み付いていく。悔しさで涙が溢れたが、その表情には隠し切れない悦びの色がありありと浮かんでいた。
こんなモノ、咥えたくもない。けれども催眠と先程の絶頂で引き起こされた牝の本能は、今すぐにでも雄を味わいたいとばかりに肉体を動かしている。そして何よりも屈辱的なのは……ジグラ達の男根を前にすると子宮が疼いて仕方がないのだ。その証拠に胸の心拍数はうるさい程に鳴り響き、雌蕊は再び既に蜜でぐしょ濡れになって、ボトムスの布で受け切れない程に垂れてしまっている。

(あぁ…駄目だ…こんなに騒いだらトトが起きてしまうのに、もう我慢出来ない……♥)

そんな葛藤を抱きつつも、最早体は快楽を求める事しか考えられなくなっていた。剥き出しの乳首は既に硬くなり始め、汗ばんだ躰からは噎せ返るような芳香を放っている。このまま何もせずにいれば、やがて意識が飛んでしまいそうな程の衝動に駆られていた。
そんなガメラの心境を見透かすかのように、どちらかが小さな笑い声を上げた。

「随分上手くなってきたではないか、ガメラ。本当はそろそろ、結合を待ち望んでいるんじゃないのか?」
「っ……!?」

バイラスの声が鼓膜を打ち、我に返ると同時羞恥で頭がどうにかなりそうだった。けれど、鋼鉄の如く怒張している二本の自身を奉仕している内に、自らの抑えている牝が頻りに被虐を強請り始めてガメラは心中で葛藤する。
早く終わって欲しいと思う反面、もっと滅茶苦茶にして欲しいと願う自分がいる。
もういっそこのまま二人を受け入れ、快楽に溺れるまま獣となってしまおうか?口で愛撫していたバイラスのモノを一旦離すと、手で二本のモノを扱き上げつつ、ガメラは彼らの顔を仰ぐと、そこには獲物を狙う狩人の様な視線と欲望に満ち溢れた邪悪な笑顔があった。