Libidemic(後編)

「ムタヴォア……兄ちゃん前々から気になってたんだが、シーツ片付ける時だけどうしてお前のだけこんなにぐっちゃぐちゃなんだ?」

翌日。宿舎の一室でナイフヘッドは開口一番から妹もとい同型KAIJUのムタヴォアに尋ねた。彼の手元にある件のシーツは、確かに寝汗とは言い難いほど一部がやたらと濡れており、妙に生臭い。

「え?そ、それはその、寄生虫がいつの間にか私のベッドに侵入していましたのよ。全く…油断も隙もあったものではありませんわね」
「……そんな訳あるか。潰したんならそこらに液体が付いてるか、死骸が転がってるはずだろ。それにお前、ここ最近ずっと様子がおかしいぞ。何かあったんじゃないのか」
「べ、別に何もありませんわ……!」

はっきりと反論したものの、見るからにムタヴォアは動揺していた。普段は笑みを口元に湛えたまま余程の事がない限り動じない彼女だったが、今日に限っては明らかに声が震えている。……これは間違いなく何か隠し事をしているな。それも兄達に言えないような類のものだろう。その証拠に、いつの間にかムタヴォアの両頬にある6つ目が少し伏せているように見える。

「本当に大丈夫なのか?もし辛い事があるなら遠慮せずに言ってくれよ」
「だ、大丈夫です。私は至って健康体、ナイフヘッドおにーさまが気にする事でもありません」
「けどよぉ……」

訝しげにムタヴォアの視線に合わそうと屈み込むも、やはり目線を逸らされる。

(やっぱり何か隠してやがるな……よし、こうなったらコイツの神経同調ドリフトを読むしかねぇ)

実の兄弟間で同調ドリフトを読むのは少々気が引けたが、自分を含めたKAIJU達は地球侵略の際先に散った同胞達の記憶を読んで学習する特性上、嘘が吐けないように創られている。なのでどうしても本当の気持ちを知りたければ直接相手の脳内を読み取るしかないのだ。
ナイフヘッドは意を決すると、ムタヴォアに悟られないようにこっそりと、同調ドリフトを―――彼女の記憶を読んだ。
意識を集中する中、肌に触れる空気が水中にいるかの如き揺らめきを感じると辺りを見回す。そこにはターコイズブルーに染まった空間の中、ギシギシと軋む寝台の上でアマゾネスの如く鍛え上げられた躰を波打たたせ、時に顎を仰け反らせては藤鼠色の髪を振り乱し、びしょびしょになった自身の雌蕊を指先で弄り続ける彼女の姿があった。

『はっ…あぁあっ! だめぇ……もっとぉ、もっと欲しいのぉおおっ♥♥』

同調ドリフトの中のムタヴォアは脚をM字に開き、中心にある無垢な胎内へ指を幾本か挿入し、そそり立った陰核を掌で刺激しながら片方の空いた手で胸の先端部をつまんでは擦ったり引っ張ったりと貪欲で激しいまでの愛撫を続ける。そうしている内にやがて彼女は一際大きく喘ぐとそのまま絶頂が近いらしく、息遣いのペースが速くなると小刻みに震え始めた。
忽ち悲鳴のような声が上がったかと思えば暫く脱力して手足を投げ出す。終わったのかと思えば数分か経つと今度はうつ伏せになるなり、こちらに臀部を突き出す様な体勢で鋏を模したかのような尻尾を激しく振り動かし始める。
それはまるで、目の前にいる誰かにドロドロの雌蕊と桃花色の尻穴を見せつけ媚びているかのような光景だった。

『お兄様方ぁ♥ 私、もう我慢できませんわぁあっ♥♥ あふっ! くぅ゙ううん……』

何て光景だ。まさか、あのムタヴォアが、宿舎の皆が寝静まった頃に夜な夜なこんな事をしていたなんて……記憶の中の思わぬ光景にナイフヘッドは無意識に後ずさりし、生唾を飲み込んだ。
意識こそ青い空間の中だが、実際は当の本人であるムタヴォアが至近距離にいる以上こっそり記憶を覗いた事で彼女が気づくかもしれない。そう悟ると慌てて同調ドリフトを切る。恐る恐る前方を見ると、ムタヴォアは目を丸くしてこちらを覗き込んでいる。

「……おにーさま?」
「い、いや何でもねぇよ。とにかく、これからあんまりシーツ穢してくれるなよ。洗う手間がかかるんだからな」
「ご、ごめんなさい。以後気をつけますわ」

そう言ってムタヴォアは頭を下げると、早々とした足取りでヒール特有の靴音を立てながら寝室を出て行った。……とりあえずは誤魔化せたようだ。ナイフヘッドは安堵のため息をつくとシーツを剥した寝台に座り込み、先ほど同調ドリフト越しに見た淫猥なムタヴォアの姿を思い出しては悶々とし始めた。

尖兵KAIJUとして鍛え上げられた筋肉質の女体が大きく跳ね、両の肢と尻尾が激しく動く。きつく閉ざされた六本の瞼から恍惚の涙を流しつつ、常に笑顔を湛えた口許が嬌声と共にへにゃりと歪むと、そこからお嬢様言葉を交えて自分たち兄弟を呼ぶ。そして達する度に開かれた膣内からは時々水飛沫の如く潮が噴き出し、何度もシーツを穢しては意識を失うまで欲望のままに悶え続ける。今まで大人しく寝ていた彼女からは考えられないルーチンだ。
予想するにムタヴォアがここまで激しい自慰に目覚めたのは、恐らく真夜中に交尾中だった誰かの同調ドリフトを誤って読んでしまい、好奇心で見ている内に所謂もらい発情という奴に充てられたのだろう。創られてから今まで鍛錬一筋だった彼女にとって、初めての性欲処理に夢中になってしまうのも無理はない。

―――何処の誰だか知らねーけど、ウチの妹に余計な事教えやがって……。

万が一もしムタヴォアからそういう事に誘われたらどうしようか。考えを巡らせる中で肩を落とし溜息を吐いた瞬間、不意に後ろで扉が開く音が聞こえた。

「……やはり、読まれたのですね」

気配を悟られずに件の当事者が突然部屋に帰ってきた事で思わずナイフヘッドは我に返り、慌てて顔を上げた。そこにはいつもの笑みから一変、ひどく思いつめたようなムタヴォアが立っていた。

「な、何だよ?」
「驚かせてごめんなさい。さっきは嘘を吐いて本当に申し訳ありませんでした。シーツも、あんなに酷く汚してしまって……」
「あ、ああ…別にいいって。気にすんなよ」
「いえ、でも……」

会話を続けつつもムタヴォアは何を思ったのかゆっくりとこちらに歩を進め、次第にベッドとの距離が近くなってゆく。いきなり迫ってきたことに少しの恐怖を覚えたナイフヘッドは何とかムタヴォアの機嫌を直そうと言葉を紡ぐが、状況は変わらない。

「と、とにかくもう謝るんじゃねーよ。それに、その…あれだ。お前もそういう年頃なんだろ?筋トレだけじゃなくて他の事もやってみたいと思うのは何もおかしくねぇさ。……ほら、俺達だってクローンだけどれっきとした生き物だし、」

その言葉に足音が静まり返る。地雷を踏んだかもしれないが、これは何とも気まずい。
どうしたものかと考えていると、ムタヴォアがおもむろに口を開いた。

「…………私、実は自分で慰めるだけじゃ物足りなくなって…それでつい」
「へっ?」

ベッドの上で硬直したままで呆気に取られるナイフヘッドを、6つの青い目が真っ直ぐに捉える。

「おにーさま方とも実際の交尾をしてみたいと、思ってしまいましたの。だけど毎日顔を合わせている以上、そんな事を頼めるわけもなくて……。でも、レザーバック様やオオタチ様の交尾が毎晩繰り広げられていると思うと、私の子宮が疼いてしまうのです」
「ちょ、ちょっと待った!朝っぱらから何言って…落ち着けって!!」

原因は案の定あの夫婦がきっかけだったのかと即座に理解したものの、唐突に言い放たれたムタヴォアの言葉にナイフヘッドは先ほどより慌てるが、彼女は真顔のまま止まらない。更に距離を詰めると息吐く間もなく彼の身体にしがみつき、そのままマットレスだけの寝台に押し倒した。
まずい。これは本当にまずい。振り解こうにも既にムタヴォアの息は荒く貌は紅潮しており、その手はナイフヘッドの上半身に伸びようとしている。

「ムタヴォア、っ!?お前兄ちゃん相手に何やってんのか判って……てか、どこ触ってんだよ!」
「ごめんなさい…どう言われも私、私…もう我慢できませんの…!」

熱に浮かされたかのような声で返しつつムタヴォアはナイフヘッドをベッドに組み敷いたまま指先を股座に這わせ、尚且つ抵抗できないように彼の鍛え上げられた腹筋に頬ずりしてくるのでナイフヘッドは必死に押し返そうとするが、やはり眼前の妹は筋肉質な見た目に相応しい力強さで、片腕すら思うように動けない。

「あ…っ止めろっ……!」
「うふふ、感じていらっしゃるのですね。おにーさまったら、何て可愛らしいんでしょう」
「そんな訳……うっ」

――ヤバい。このままだとマジで一線超えちまう……!

欲情した女体特有の香りが鼻腔を擽る。ぎこちない愛撫も相まって思わず流されそうになるものの、血がつながっている以上は躰を許してはならない。いっそのこと自らが創られた際の“調整”を思い出して気が引けるが、ここはヘッド種KAIJU特有の複腕を出して妹を跳ね飛ばすか最悪蹴飛ばしてで振り解くべきかと思った矢先、突如入り口の方から自分達のよく知る声が響いた。

「話は“読ませて”もらったよ、二人とも」
「「!!?」」

二人が同時に向いた音源の先、そこに立っていたのは長兄のアックスヘッドだった。彼はこんな修羅場にも拘らず柔和な笑みを崩さず、ゆっくりとこちらに歩み寄ってくる。

「あ、兄貴……!」
「アックスヘッドお兄様、“見て”いらしたんですか……」
「うん、まぁね。何時までも君たちがなかなか部屋から出てこないから心配して来てみたんだけど……それにしてもムタヴォア、最近悩み事があると思ったら本当は君が心の底から僕達の事を慕ってくれていたなんて嬉しいよ。だから、」

悠々とした態度はそのままに、アックスヘッドはナイフヘッドに覆い被さったままのムタヴォアの両肩に手を置き、彼女を優しく引き剥がすと間髪入れずに自分の方へ振り向かせた。その表情は相変わらず穏やかだが、当のムタヴォアは気まずいムードを悟ったのか俯いたままで、しかも少し震えている。まるで図体の大きい強個体と対峙した小型KAIJUのような反応だ。
これからどうなる?と思った矢先、ムタヴォアの顎にアックスヘッドの手がつっと伸び、否が応にも彼と視線を合わせる形となる。

「お兄様…?」
「怖がらないで。お返しにこれから自慰なんかで満足できない位、僕達が良くしてあげるよ」

告白にも似たその言葉にムタヴォアは一瞬呆気に取られたような顔をしたが、彼から出た“自慰”という言葉にかあっと赤面してしまい、弁明の言葉を紡ごうとする。

「お兄様ったら、そんな…何を仰って……んむっ!?」

言い終わる前にアックスヘッドの唇によって、ムタヴォアのそれは塞がれてしまう。
言い訳なんて要らないと言わんばかりの貪るようなキスが続く中、怒涛の様ないきなりの展開に呆気に取られていたナイフヘッドは漸く我に返ると急いでベッドから立ち上がり、唐突にムタヴォアの肩を掴んだ。

「っ!?お、おにーさ……」

掴んだ先がびくりと反応したものの、それにも構わずに妹の表情を見ると予想位以上に紅潮しており、尚且つ引き剥がされた反動で未だ今の状況が掴めないまま目を見開いている。

「おい兄貴、これはいくら何でもやり過ぎだ!俺達クローンだって血の繋がった兄弟なんだぞ!流石に一線超えるなんて……」
「…? 何を言っているんだい、ブラザー。兄弟同士で繋がっちゃいけないなんて所詮は地上で決められた下らない掟だろ? 僕はただ、ムタヴォアのお願い事を聞いてあげようとしているだけだよ」
「でも…これはいくらなんでも……」

「おにーさま方、こんな時に諍いはいけませんわ。どうか仲良くして下さいませ」

二人の言い争いを鎮め、間に割って入るかの如く屈み込んだムタヴォアの両手が兄達の股座に触れ、すりすりとズボン越しに愛撫していく。予測すらできなかった唐突な行為に思わずナイフヘッドの口が止まるが、一方のアックスヘッドは動揺する様子すら見せない。

「ごめんね、こんな時にヒートアップする所だったよ」
「……嘘だろ?お前ら、こんな朝から盛る気かよ?ホントに冗談じゃないって…」
「大丈夫ですよナイフヘッドおにーさま。後の事は忘れて、こちらに集中しましょ?」
「でも……俺達、一応は実の兄弟なんだぞ?」

制止しようにも反論は許さないと言わんばかりにムタヴォアは手を器用に動かし、一層愛撫を強める。それに合わせて彼らの息遣いが露になっていった。

「ふふっ、おにーさまったらこんな状況でもお堅いのですね。レザーバック様方も元々はクローン同士なんだし、今更気にすることでもないでしょう?」
「うんうん。ムタヴォアもそう言ってるんだし、それにブラザー…君だって本当はしたいんじゃなかったかい?」
「そ、そりゃあ……」

本当の事を言えば先程ムタヴォアに組み敷かれた時、彼女の狂おしいまでの同調ドリフトが自分にも強烈に流れ込んできており、正直なところ自分もムラついていた。けれど、だからといってこんな状況で……という思いもあり、どうしたらいいかわからず戸惑っていると、不意にムタヴォアの指先が互いのズボンのファスナーを捉えた。

「お、おいっ、ムタヴォア!」
「お静かに。おにーさまったら文句は仰っていてもココは外に出たがっているみたいですから、早く出して差し上げないと可哀想ですものね」
「だ、ダメだって…「そうだね、この場で揉めていても終わらないし、何よりこのままだと君とブラザーが辛そうだ」

今にも自分の急所が妹の手によって曝け出されようとしているのにアックスヘッドは相変わらず余裕のある態度を見せつつ、ただされるがままになっている。その様子とムタヴォアの言葉にナイフヘッドは遂に観念したように溜息をつくと、アックスヘッドと同じように、しゃがんだままの妹に全てを委ねた。

「……わかったよ、お前の好きにしてくれ」
「ありがとうございます、おにーさま」

改めて兄達の同意を得たムタヴォアは嬉々とした様子で早速とばかりにナイフヘッドとアックスヘッドのズボンを脱がせ始めた。
緑とグレーの厚い布地が床に落ち、露になった下着に手をかけ躊躇もなく下ろすと、ぼるん、と擬音が上がりそうな勢いで兄達の赤黒い逸物が飛び出す。それを目の当たりにしてムタヴォアは一瞬言葉を失い目を丸くしたが、すぐに微笑みを浮かべるとそのまま交互にまじまじと観察をし始めた。

「ああ、実物を見るのは初めてだったね。どう?」
「それはもう…思った通りお二方のモノは立派ですわね♥ レザーバック様のようにコブが生えていなくて安心しました」
「コブ?あ、当たり前だろ…そんなの付いてたらケガするっての。つーか、何でそんな事知ってんだ?」
「だって……あのお二方と同調ドリフトした時に見えるんですもの。レザーバック様に突かれる度、オオタチ様の膣内であの無数のコブが何度も出入りしているんですけど、その時のあの人ったらとても気持ちよさそうに喘ぐんです。普通なら痛くてたまらないのに不思議なものですね」

ムタヴォアから告げられた言葉に二人は唖然とする。レザーバックの男根が巨根どころかコブ付きの凶器さながらだったのと、妻のオオタチがあの小柄な体格の割にそんな物騒なモノを己の大事な箇所に平然と受け入れ、痛がるどころか歓喜に悶えていたとは。改めてカテゴリー4に属するKAIJU達の耐久性に関心した。
しかし考えを巡らせるのも束の間、突如剥き出しにされた男根に生温かい感触が走った事でナイフヘッドの思考は現実に戻された。というのも、ソコには漸く与えられた餌を目の当たりにした獣さながらにムタヴォアが舌を伸ばし、咥内から水音を立てて交互に二本の男根を愛撫していたからだ。

「ちょっ…合図もなくしゃぶんなって!くぅっ、し、舌が…!」
「はぁ……ンッ、ちゅぷ、れろぉ……んふふ、無駄なお喋りは禁物ですよ、おにーさま♥ 今は私と気持ち良くなる事しか、考えては駄目ですからね? んぶっ♥♥」

そう言ってムタヴォアは集中するかの如くつっと目を閉じ、同調ドリフト越しのオオタチを真似るかのようにナイフヘッド自身に舌を優しく這わせると裏筋をれろれろと舐め上げる。その内に舌先が先端に辿りつけば鈴口を軽くつつき、徐に亀頭を飲み込んだ直後ゆっくりと喉奥まで迎え入れ、たまに息苦しさと塩辛さに呻き声を上げつつも時々ギリギリまで引き抜き、先走り液と唾液の滑りを借りてまた根本近くまで食む。
初めてとは思えない予想外のテクにナイフヘッドはびくり、と背筋が仰け反り、反射的に腰を引こうとするもまたムタヴォアの口腔による拘束に捕らえられてしまい、初めて悶絶の声が上がった。

「ぐああっ!やべぇ…それ、エグいって……!」
「何だかんだでたまらないみたいだね、ブラザー。自分の手でするよりずっと格別だろう?…ねぇムタヴォア、夢中になるのも良いけど僕の方もお願い」
「ぷはぁっ…はい、アックスヘッドお兄様♥では、失礼しますね……ん゙、くぅ……っ!」

再びぐぽ、と淫らな水音がムタヴォアの口許から響く。今度はアックスヘッドの男根を根元深くまで口に含み、そのまま喉の奥を使って愛撫していく。ナイフヘッドより若干一回り大きいソレに息苦しさを感じつつ、それでも懸命に舌を這わせ、時折強く吸う。直後に咥内いっぱいに支配したままのを肉棒はムタヴォアの喉で締め付けられ、更に膨張する。

「んぉ゛っ、うぶうぅ…!」

異物感と息苦しさにムタヴォアは反射的に口を離しそうになるが、お返しに音を立てて舐め回せばびくん、とモノごと震え、時々アックスヘッドから呻き声が上がる。その様はまるで自分の拙い愛撫に喜んでいるようで嬉しくなってしまう。
こんなに血管をくっきりと湛えた肉の凶器達を自分の穴という穴に捩じ込まれ、牡が満足するまで目いっぱい犯されるなんて……考えるだけで背中がゾクゾクし、履いたままのレザーショートパンツから愛液が漏れ出し、太腿と床を雌のフェロモンで湿らせていく。

(ああん…欲しい♥ 上のお口だけじゃもう我慢ができませんわ♥)

想いが止まらなくなったのかアックスヘッドのモノから糸を引きつつ一旦口を離し、青い唾液と先走りの汁で淫靡に光る二本の男根をシコシコと扱きつつ、ムタヴォアは息遣いも露に熱っぽい視線で二人を仰ぎながら懇願した。
二人の生唾を飲み込む音が部屋にこだまする。

「い、良いよな兄貴」
「ああ、勿論さ。寧ろ拒む理由なんてないだろ?」

顔を見合わせて言い合うと二人は同時にムタヴォアの手を引き、ベッドの上に座らせた。その時太腿から垂れる愛液が「ぐちゃり」と音を立て、如何に彼女がどれほど興奮しているのかを伝えてくる。

「マジかよ…俺らのをしゃぶっただけでもうこんなに……」
「待ちきれないんだね、ムタヴォア。君に奉仕されている間僕達が先に持ってかれそうだったよ」
「んふ…♥ だって、お二方が交尾に同意してくれたんですもの。私だって、嬉しくて仕方ありませんわ♥」

そう言ってムタヴォアは兄達の見守る中、黒光りするレザーパンツの側面にあるボタンを外すと寝台の端に脱ぎ捨てた。忽ち噎せ返る程の牝の匂いが辺りに立ち込めると同時、失禁さながらに愛液で濡れそぼった秘所が露になり、その源泉にはヒダが幾重にも重なった藤色の雌蕊がひくついている。

「ほら、見えるでしょう?お願い…この毎日毎晩疼いてはしたないココに、どうかお二方のご立派な武器をお納めください……♥」

羞恥が残っているのか震える肢が徐々に開かれ、どろどろに濡れそぼった膣口と後孔が露になる。
目の前で繰り広げられる淫靡なお誘いと相まって淫らに囁くムタヴォアの言葉と、止まぬ彼女の「欲しい。好き。愛おしい」という同調ドリフトがアックスヘッド達の脳内を頻りに侵食し、二人の男根を痛いほど張り詰めさせる。ここまで来たら妹……ではなく、自分達のつがいを満足させる事に専念せねば。
先ず動き出したのはアックスヘッドだった。ブーツの靴音を踏み鳴らしてムタヴォアの下腹部に近づくと、何の躊躇いもなく指先で雌蕊を軽く開く。

「んっ♥♥」
「ココはもう準備万端だね。お尻まで濡らして……ほんと可愛い」
「(兄貴の奴、のっけからイイ所占拠しやがって…)それじゃ、俺はこっちから行かせてもらおうかな」

真っ先に下の方を占拠した兄に内心嫉妬したものの、ナイフヘッドもまた彼女の“お誘い”に最後の理性が丸ごと吹っ飛んだらしく、兄に続く形で後ろからムタヴォアを抱きすくめた。忽ち汗だくで紅潮した女体の柔らかさを堪能すると同時に、程良い大きさの乳房をふたつ揉み解しては時々固くなった突起を指先でコリコリと刺激し、気まぐれにぎゅっと引っ張る。

「ひゃんっ! あぁ、お…おにーさまぁ♥」
「ははっ、早速良い反応してくれんじゃねーかムタヴォア。自分でおっぱい弄繰り回すより、こうやってされてる方がずっと好みだろ?」
「あ、あぅ…♥はい……たまりませんわぁ♥もっとぉ…もっと、弄ってぇ♥」
「こっちも忘れないでよ?」

追い打ちを掛けるようにアックスヘッドは指先でムタヴォアの後孔を両方から抉じ開け、膣とは違い未開通の箇所へと熱く滾った舌を這わせ、「じゅぐっ」と音を立てつつ内部へ侵入してきた。途端、彼女は大きく仰け反って悲鳴を上げて無意識に彼の頭を太腿で挟んでしまう。しかしその瞬間、逃がさないと言わんばかりにナイフヘッドがムタヴォアの胸の先端を何度も弾いてくるものだから無意識に力が抜け、肢が開いてしまう。

「あぁあっ!? や…やだぁ! お尻っ、だめですぅ!ぬいて、抜いてくださいぃっ!」

思い通りにならない展開に腰をガクガクと震わせ、涙目で兄達に媚びるも状況は変わらない。それどころか二人は朝から一方的に行為に持ち込まれたお返しなのか、尚も意地悪な笑みを浮かべつつ思い思いの方法で愛撫を続ける。

「駄目だよムタヴォア…こんなに淫らに誘ってきた以上は、後ろも気持ちよくなってもらわないと不公平じゃないか」
「そうだぜ。それにさ、さっき兄ちゃんの事無理やり押し倒したお返しとして、前の初めては俺が頂いてもいいよな?」
「ぁひっ! ち、違うのおにーさま……私は別に、貴男に刃向かったつもりじゃ…!」
「ん〜〜?」

まだ抗うつもりか。ナイフヘッドの指先がぎゅうっと両乳首を上に摘み上げ、た途端、ムタヴォアはその快感に全身を大きく震わせた。

「あはぁああぁっ!♥」
「おぉ、可愛い声出せるじゃん♪もっと聞かせてくれよ。今のうちに胸でイケるようにしてやるからさ」
「やっ、あ…い、いけませ……っひゃぅううっ!♥♥ 掻き回さないでぇ!」
「そうは言っててもこっちは凄く美味しそうに咥え込んでるんだけどねぇ…それに、お愉しみは後で取っておかないとね♪」
「そん、なぁ……あふぅっ♥ こんなの、嫌ぁあ…!」

何時の間にか舌での愛撫を止めたアックスヘッドが今度はムタヴォアの腸内を引っ掻き回し始める。どうやら前の穴に触れる気はないらしい。
本当は膣内で目いっぱい満足させて欲しいのに。けれどムタヴォアの思いも空しく、再びナイフヘッドが執拗に乳首を攻め立て始める中、じわりと全身に快楽が溢れ始めた。直後ムタヴォアの息遣いが露になると同時、彼女は脳内で「好き、好き、好きぃ……♥」という感情と強烈な恋慕を、兄達の神経同調ドリフトへ流す。
やがて、その思いに応えんばかりにアックスヘッドが後孔に埋めていた二本の指をぐぱぁ、と強く開いた瞬間、手付かずの雌蕊がひくひくと別の生き物のように波打ち、僅かな飛沫が上がった。
絶頂が近い。それを察したアックスヘッドは唐突に指を引き抜き、一旦ムタヴォアから身体ごと離れる。

「あひぃっ!っな、何で…お兄様、どうしてぇ?」
「もう十分に解れたけど、まだお尻でイッちゃダメだよ。前の穴はブラザーが貰うんだから」
「え?……あっ」

アックスヘッドの言葉の意味を理解したのか、ムタヴォアは顔を真っ赤にして俯いた。先程彼の告げた「お愉しみは後で」とはこういう意味だったのか。

「それじゃ、僕は傍で見てるから愉しんできてね」
「へいへい」

兄に促されるままナイフヘッドは胸の愛撫を止めるとムタヴォアを寝台に押し倒し、既に準備万端といった様子で彼女に覆いかぶさる形に向き合う。
先程妹に奉仕してもらった男根は愛撫の興奮も重なって、本来のKAIJUに戻った時の衝角部分並に力強くそそり立っており、今や受け入れてくれる番を求めて目視でも判る程にビクンビクンと脈打っていた。

「あぁ…やっと来たのですね。何だかドキドキしちゃいます」
「そうだな。そろそろいいか?……って、今更訊く必要も無いよな」
「……はい」
「よし…それじゃあ行くぜ」

アックスヘッドが見守る中ナイフヘッドの言葉を引き金にずぷん、と肉同士がぶつかる鈍く重い音が部屋中に響いた。
忽ち焦らしに焦らされた無垢の膣内が剛直で激しく擦られ、強烈な歓喜の余りムタヴォアは脳内が蕩けてしまうような感覚と悦びに甘い嬌声を上げる。

「はぅうううっ!……おっ、おにーさまのが、私の奥までぇ…♥♥ 腰が、浮いて…♥」
「っ……すげぇな、血も出てないどころかのっけから締め付けてきやがって…味わってる所悪いけど、動くぞ」

そう言い放つとナイフヘッドはムタヴォアの震える両足を掴んで割開き、躊躇もなく一気に腰を打ち付けた。
ズブゥッ!と一際激しい衝撃にムタヴォアの目線が宙に浮き上がり、間髪入れずに全て抜かれる直前まで引き摺られたところで最奥にまで戻される怒濤のピストンが何度も何度も繰り返され、寝台が大きな軋みを上げる。その度にムタヴォアの口から「あひっ、あんっ、ふぁっ♥」と快楽に満ちた悲鳴が上がる。

「しゅごいぃ♥ これぇ、ずっと待っていましたのぉ♥ おにーさまぁ、もっとぉお♥♥」
「だろうな。指なんかより断然違うだろ? これからとろっとろに甘えさせてやるから、期待しとけよ」
「はひぃ、んん゛っ…うぶっ♥ んちゅ……っ!」

ナイフヘッドの激しい責めに合わさり、彼に唇を奪われたムタヴォアは舌を絡ませ合う濃厚なキスに夢中になる。敏感な咥内を擦られ、互いの唾液を交換しあう内に思考回路すらもぐちゃぐちゃに溶かされていき、無意識に尻尾が絡み合う。その間にも膣内の抽挿は休むことは無く、子宮口を突かれるたび全身を電流が流れるような刺激が走り抜ける。

「ん゙んっ! ぅ…むぐ…っ!」
(あ、頭の中真っ白になって、何も考えられなくなってしまいます……♥)

既に意識が飛びそうな程気持ち良いのに、それでもまだ足りないとばかりに身体は貪欲に快感を求め、両脚をナイフヘッドの背中に絡める。その反動で彼の腰が前に進み、胎内の奥深くに固く張り詰めた肉の凶器が強く食い込んだ。

「ーーー〜〜っっ゙!!?」

子宮を押し上げられる程により深く挿入され、あまりの衝撃に声にならない叫びを上げた。今までの記憶が吹っ飛ぶかのような錯覚に襲われつつもムタヴォアは脚の力を強め、一層深く繋がると更なる悦楽を欲した。

「ん゙んぐっ! ゔぅっ…はぁ、っおにーさまぁ♥♥ もっと私を、めちゃくちゃにしてくださいませぇ♥♥♥」
「りょーかいリム♪可愛い妹ちゃんの為ならば…と言いたい所だけど……悪ぃな。兄貴が既に限界らしいんだわ。ちょっと立つぞ」
「あぅうっ♥」

怪獣芸人の口調を若干出しつつも、荒い息遣いが絶えないナイフヘッドは一端ムタヴォアの体を強く抱き寄せると、未だ繋がったまま軽々と持ち上げる。ずん、と膣内に衝撃が走り、彼女から息が詰まったかのような嬌声が上がったもののナイフヘッドは意にも介さない。そして所謂駅弁という体勢のままベッドの縁で座り込んでいるアックスヘッドに向き直ると、彼に見せつけるかの如く両手で尻を掴み上げ左右に割り開いた。直後に彼の視界にはナイフヘッドのモノを咥え込んでいることで伸び切った薄紅の花弁と歓喜の蜜がちらりと見えると同時、桃花色のヒクつく肉洞が丸見えになる。

「兄貴、そろそろ頃合いだぜ。ココにブチ込んでやれよ」
「いっ…嫌ぁ、お尻の穴っ…見ないでぇ♥ 流石に恥ずかしいです…」
「おやおや…ムタヴォアったら口ではそんな事言ってるけど、本当は僕に余す所なく見て貰えて嬉しいんでしょ?同調ドリフト越しにも“もっと頂戴”って強請ってるよ」
「そんな、違いま、すぅっ♥ あんっ……そこぉ…♥♥」

拒否する口を黙らせるかの如くずちゅ、と膣穴を突かれ、甘えたような嬌声が上がる。その最中にアックスヘッドはムタヴォア達と距離を詰めると彼女の後孔に自身を這わせる。
切っ先で入り口を軽くつつくように挿入したフリをしてはすぐに出て行き、時には張った裏筋でずりずりと擦られる。それだけでもムタヴォアはもどかしさに太腿を震わせて感じてしまい、ナイフヘッドの首に抱き着いて切なげな吐息を漏らした。

「あはっ、やだぁ……♥ はやく、はやくぅ…♥」

前の穴だけでも十分なのに未開通の後孔も埋められたらどうなるのか。考えるだけで恐怖より先に疼きが増し、ムタヴォアは唯一動かせる尻尾を揺らしながら早くしてとアックスヘッドを促す。
しかしアックスヘッドは彼女の同調ドリフトが激しく求めているにも関わらず、わざと焦らすように入り口付近を行ったり来たりしては時折浅い場所へ入り込もうとするが、決してそれ以上は進もうとはしない。
というのも、彼の本心は実弟達のうぶで濃厚な交合いをもっと見たくてたまらないからだ。その証拠として自身の背筋は二人が繋がった時点で絶えず粟立ち、萎える事を知らない男根は触れてもいないのに燃え盛るような熱を持ったまま臍に反り返りそうな程に怒張を増し、このまま立っているだけでも達してしまいそうな程の強烈な欲情に支配されていた。
やがて先端からじわり、と白濁した雫が滲んだ瞬間、意を決したのかアックスヘッドは軽く溜息を吐くと片手でモノを持ち直し、ぴたりと後孔に熱い肉杭の切っ先を刺す。

「あぁんっ♥♥」
「ふふ、君ったらほんと甘えん坊だね。ブラザーもこのまま待たせちゃ気の毒だし……じゃあ、そろそろ僕も楽しませて貰おうかな。ムタヴォア、怪我しないためにも力抜いててね」
「は、はいぃっ♥ お兄様、きてくださ……っん゙ひぃいぃい゙ぃぃっ!!?」

待ち望んでいた挿入感と同時に、埋められた雌蕊と後孔から凄まじい快感と圧迫感が襲う。兄達に抱えられ挟まれた状態でムタヴォアは一瞬にして絶頂へと達し、2つのぱんぱんに埋まった孔が頻りにビクビクと波打つ。

「あ……あぁ゙…ァ…♥♥」

そんな彼女に構わずアックスヘッドとナイフヘッドはそのまま彼女を上下左右に揺らしたり前後運動を繰り返す。おまけに先走り液で溢れかえっていて滑りやすくなっていたのもあって、各々の奥を突く度にじゅぷっ♥ぶちゅっ♥ぐぽっ♥ぬちっ♥と卑猥な音が聞こえてきた。

「あっ、あ゙ひぃい、なんて、っあ゙ついのぉ…♥ お兄様方ぁ♥♥んひっ、きもちいいですぅ♥」
「へっ…初の二穴責めが気に入ったみたいで何よりだぜ、ムタヴォア。
それにしても兄貴、こんな時に散々焦らすなんて……締め付けが強過ぎて、下手すりゃ俺もイキそうになってたぞ」
「ははは、ごめん。愛し合う君達が可愛くてさ、つい意地悪したくなったんだ。お詫びとして今度ブラザーが地上に行くのを反対しないから、許してくれるかい?」
「お、おぅ。そりゃ有り難い話だけど、今はこっちに集中しなきゃ、な!」
「ひっ!? はへえ゙ぇっ♥♥」

兄との雑談を一旦打ち切るとナイフヘッドは再び激しくムタヴォアの膣内への抽挿を再開し始めた。直後にそれに応えるようにアックスヘッドも腰を動かし、ムタヴォアの結腸付近にまで自身をぐっと押し込んでいく。途端に彼女は顎を仰け反らせると同時に六つの瞳を上に向き、尚且つ舌を突き出して蕩けた笑顔になると熱に浮かされるかのように蕩けた咆哮を上げた。

「あ゛〜〜〜♥♥♥ぁ、あ゛♥♥ だめぇ、お○んこ溶けちゃいますぅう♥♥ん゙ぉおおっ♥♥ おほぉおおぉっ♥♥」

最早自分が何を言っているのかさえわかっていないようで、ムタヴォアの口から発せられる声にはただ快感の叫び声しか存在していない。
その間にもそれぞれの孔に埋まった剛直は尚も焼け付く様な熱さを帯びていて、どちゅどちゅと彼女の内部を前後に亘って押し広げており、絶えず押し寄せる快楽と苦痛にムタヴォアの脳内はとっくに真っ白に染まり上がっていた。

「あ、はぁ、あ゙あぁっ♥♥♥ お…おちんぽがぁ、私の奥まで響いてましゅうぅっ♥♥♥ もっとぉ♥ もっと突いて、イカへてくらひゃいぃぃっ♥♥♥」
「ははっ、こんなんならもう自慰する必要もねーな。ケツもま○こも同時に塞がれて十分幸せだろ?」
「は…はいぃっ♥ 私、今…アンティバース内で1番幸せですぅぅ♥♥♥」
「ふふ、それは良かったね。僕も嬉しいよ。さて、そろそろラストスパートといこうかな……っ!」

ムタヴォアの返答に満足げな笑みを浮かべたアックスヘッドは、両手でムタヴォアの臀部を鷲掴みにすると、そのまま抑えていた衝動に任せてどちゅどちゅと最奥部を突き上げ始める。

「んはぁあっ! は、激しいぃっ♥ ふ……ふかすぎるのぉおっ!♥♥」

互いの先端が肉壁越しにごりゅっとぶつかり、その度にムタヴォアの体内で激しい火花が弾け、絶頂への秒読みを告げるかの如く焼け付いた理性へと散らし始める。

「あっあっ、んあっあ゙ぁあ!らめ、またイク、イッちゃうぅぅっ♥ お…おにーさま方ぁ、私と一緒…一緒にぃいいい♥♥♥」

最早限界が近いムタヴォアは涙声になりながらも必死で懇願し、自分からも腰を僅かに揺らして兄達の射精を少しでも早めようと胎内がぐにゅぐにゅ蠢く。
当然ながら、妹から醸し出される極上の媚肉拘束に二人が耐えられるはずもなく、ほぼ揃って「射精る……っ♥」という合図を口にした途端に剛直が同時に膨張したかと思うと、次の瞬間には熱い迸りがムタヴォアの体内へと注がれた。

「ああぁぁあああっ! い…イグゥウウッ!!♥♥ イっひゃいまひゅぅぅううぅぅうっ♥♥♥」

子宮口と結腸口ににぴったりとくっついた鈴口からそれぞれ大量の精液が放たれ、忽ちムタヴォアは絶頂の絶頂へと達した。

―――あ、熱いぃぃ…! イキながらまたイクなんてぇ……これ、クセになっちゃいそうです♥

仰け反ったままの筋肉質な女体がわなわなと震え、六つの青眼も瞼を下ろしたり見開いたりと焦点が定まっていない。抱きかかえられ狭まったまま「あ、あ゛ぁ……」と声にならない声を零しながら、絶頂感に酔い痴れるように小刻みに痙攣を繰り返す中、ナイフヘッドとアックスヘッドも最後の一滴まで注ぎ込むかのように、ゆっくりと腰を前後させる。

「ひぅ゙っ♥ あ、あぁ……せーえきしゅごひぃい…♥♥」
「っ…くぅ……!♥ こんなもんで、十分かな?」
「そうだね。僕も体力が持たないよ」

ナイフヘッドの一言に二本の自身が膣内と後孔から引き抜かれ、絶頂によって蕩けた表情をしたムタヴォアが息を整えつつ小さく声を上げた。それを合図に、雌蕊から注がれた白濁がどろりと滴り落ちてくるのを感じながら、彼女は優しく寝台に寝かされる。

「ん……っ」

右にはナイフヘッド、左にはアックスヘッドが添い寝する形で、まるで疲れきったムタヴォアを看取るかの如く二人揃って見つめてきた。

「はぁ…はぁ……やだ、そんなに見つめると照れちゃいますわ♥ また搾り取っちゃいますよ?」
「お前なぁ…こんな時でも口だけは一丁前だな?」
「まぁまぁ、それでこそ僕達の妹だよ。ところで、お尻も前の穴も痛くないかい?大丈夫?」
「はい♥ まだ少しだけジンジンしますが……私のナカでお兄様方の精液がたぷたぷと揺れていて、ちょっとでも動いたら溢れてきそうです」

何時もの笑顔で返しつつ、自分の下腹部を撫でながら答える。その表情は実に幸せそうだ。そんな彼女の姿に、二人は互いに顔を見合わせ苦笑した。

「ば、馬鹿…露骨に恥ずかしい事言うんじゃねぇよ。 俺達ならともかく、同調ドリフト越しに誰かが聞いてたらどうすんだ?」
「あははっ、ブラザーってば固いこと気にしないでよ。本当は君だって似たような感想が欲しかったんでしょ?」
「うっ……それは」

アックスヘッドに指摘され、思わずナイフヘッドは口篭って顔を背ける。その様子にムタヴォアは笑顔のままで続けた。

「ふふっ、いいじゃありませんか。尖兵の私達も時にはこうやって体を激しく求め合う…それがお兄様方と私の同調ドリフトをより深める事になるんですから♥」
「あーもう、わかったよ。ったく、仕方ねぇ奴だなお前は……」
「素直じゃないなぁ。ま、そこが可愛いんだけどね」
「ありがとうございます、お二方♪」

そう言いながら三人は互いの手を取り合い、再び体を寄せ合ってキスをする。

「「「ん……ちゅ♥ はむぅ♥」」」

その場で三人は互いに舌を絡め、それと同時にアックスヘッドの手がムタヴォアの下肢を這い、ナイフヘッドは彼女の乳房と腹筋を愛撫し、そしてムタヴォアの両手は彼らの男根を扱き上げる。その行為によって生じる刺激で二人は微かな吐息を漏らし、下腹部に孕み始めた熱を感じつつ更に深く唇を重ねた。

「んっ、くふ……お兄様方……愛していますわ」
「ああ、兄ちゃんもだ。んむっ…何時までも一緒に居ような」
「僕も同じだよ。どんな事があっても、ン…っ君達を誰よりも、愛してる」
「えへ……嬉しいです♥」

―――また一緒に繋がりましょうね、お兄様方♥♥

三人が欲望の赴くまま、体を求め合う時間はまだまだ続きそうだ。

 

 

 

『あはぁ……♥♥ んあ、あ゛ぁああぁあっ♥♥』
『すっかりお尻の穴も馴染んちゃったね。ココが良いのかい、ムタヴォア?』
『ひぅう♥♥や、やらぁ♥♥おひり壊れちゃうぅぅ♥♥』

『ほぉら、コレがジプシーナントカっていう奴を致命傷に陥らせた程のキッツい突き上げだ、リム! 奥をぐりぐりされるの、堪んねぇよなぁ?♥』
『んぃいっ!あ、あ゙あぁ……っ♥こ、これ、すごすぎますぅ…♥♥』

「あの子達、また始めちゃってるわよ。元はといえば私の発情が引き金だったんだけど、こんな昼間から元気よね……」
「オオタチのせいじゃねぇさ。あいつらが勝手に盛り上がってるだけだろ?しっかし、飯も食わずに何回抜く気なんだか」

三人の絡み合う様を同調越しに見つつ、オオタチとレザーバックは呆れたように会話を交わす。もっとも、二人とも口ではそう言いつつもその顔は非常に嬉しげだ。

「でも、あの様子だと暫くかかりそうよ。先に食事の準備をしましょうか」
「だな。今日は久しぶりにお前の料理が食いたい。頼めるか?」
「ふふん♪もちろんよ。その後は……ね?」

返答の最中にも3人の欲情に当てられたのか、レザーバックがいやらしさ満点で太腿を撫で回してくるのにも関わらず、オオタチは笑顔のままで答えた。

「あぁ、勿論だ。その後は……だろ?へへっ、楽しみにしてるぜ」
「うん…私もよ♥ コタチがお昼寝したあとによろしくね?」

後日、彼らの桃色に満ちた同調ドリフトが全KAIJU達に伝わったせいで彼らが次々と発情してしまい、アンティバースの至る所で咆哮交じりの嬌声が上がる事となり、この時を境にプリカーサー命令の下二丁目から派遣されたドローンイェーガー達が止めに奔走したのは別の話。

 

 


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