偽りの王のキケンな悪魔祓い

「それで…どういうつもりで儂にこんなものを献上すると言うのかね? ラドン」
「や、やーねぇ、最近暑くなってきたし所謂クールビズって奴ですよ陛下。そのケープを羽織ったままならバレないと思いますわ」

他タイタンが無駄な争いをしないか見張るべく自らの支配地を散策していた所、突然上空からラドンが自分を呼びつつ飛来し、挨拶に混じって必要以上に媚び諂うような言葉をかけに来たのかと思いきや、唐突に差し出された「それ」にゴジラの怒髪天はピークを越えようとしていた。
というのもラドンが差し出してきたモノ、それは胸と股間部分の布面積がやたら小さく、後ろには悪魔の羽が生えている黒の紐ビキニだったからだ。しかもこの水着、背中の部分が殆ど空いており、腰部分から生えている尻尾を気にすることもなくすんなり装着可能という徹底ぶりである。
要するにこれはラドンからのプレゼントなどではなく、ただ単に自分がこのような破廉恥極まりない姿になる事を望んでいるのだ。一しきり悟ると威嚇も兼ねて更に言い放つ。

「お主…まさかとは思うがこれを儂に穿けと申すつもりなのか?」

問いかけつつ、背鰭がじわじわと輝くと同時に眼光は蒼く灯り、普段の穏やかな相貌から明らかに獲物を狩らんとしている敵対者の目つきへと変わりつつあった。久しぶりに見る王の怒りに思わずラドンの体が竦み上がる。
下手な回答をすればこの場でゴジラから放たれる蒼い焔で灰にされる。迸る殺気に身を焼かれそうになりながらも、ラドンは所謂「ゴマすり」モードになり、思い切り自身をへりくだしながら必死に返答した。

「あらぁ、そんな怖い顔しないで下さいよ陛下~! ほら、陛下はご存知ないかもしれませんけど今度アタシ達タイタンの間では『海開き』っていう行事があってですね? その時に皆がこういうカッコをして海辺で遊ぶんですよぉ~!」
「ほう…では訊くが、何故わざわざ海開きの時に何故儂までそのような姿をせねばならんのかね? そもそもお主は泳ぐ必要すらなかろうに……」
「えっ!?そ、それはあれですよ、ナ・キカから『一人だと寂しいから皆で泳ごう』と誘われてまして…あ、でも安心してくださいね陛下。別に女王を含めた全員を誘おうなんて思っちゃいないですから。それにもし陛下がこの格好をするのが嫌だと言うんでしたら、アタシ一人で行きますし……」

早口でまくし立てられて返す言葉がなく、燃えるような戦意の代わりに脱力と大きな溜息が漏れる。

「まあ良かろう…そこまで言うなら付き合ってやるわい。ただし、あくまでこれは海遊びの為だからのう……決してお主の趣味に付き合う訳ではないぞ? 良いな?」
「えぇもちろん分かっておりますとも。ささ、アタシは暫く離れてますから早速試しに着ちゃってくださいな」

王として生物系の頂点に君臨しているとはいえ、以前人間の罠に掛かって助けたナ・キカの誘いを含めたラドンの弁舌にまんまと丸め込まれてしまったゴジラ。自身のお人好しならぬタイタン好しの前に折れてしまった事を後悔するのもそこそこに、ラドンをいったん帰らせると渋々といった感じで物陰に隠れ、そこで一旦身に着けている衣服の一切を取り外し件のビキニを身に着けると長年に渡って鍛え上げられた筋骨隆々な腕をとりあえず上げてみる。
紐が忽ち肩や背中にキツく食い込んだのを皮切りに、はち切れそうな胸筋に至っては薄紅色の乳輪がビキニトップの横から顔をのぞかせている。
下の方も面積が小さいゆえに股間の部分が食い込んでしまい、前側は恥毛も交えてソコに収まるべきモノがボトムから徐にはみ出してしまっており、臀部部分に至ってはほぼ剥き出しに近く、いざ穿いてみただけでひどく羞恥心を煽られるデザインとなっている。
しかし何より目を惹くのは、やはり背中部分に位置するコウモリを模したかのような―――さながら、何時ぞやの宿敵の羽を思い起こさせるような形をした一対の黒い翼だろう。唯一そこだけ可愛らしいビジュアルなのが余計にゴジラの羞恥を煽った。

(むぅ…流石にこのような姿は純粋に恥ずかしいな……だが仕方あるまい、これも配下達のため、ひいては王の矜持に掛けて頑張るしかないか)

自分に言い聞かせるように心の中で呟くと、せめてもの防御策としてケープを羽織る。これで多少なりとも露出を抑えられたと思ったが、やはり下部分は丸見えのままだ。
これなら尻尾を前に回して不自然になってでも秘部を隠そうかと思った矢先、その思考を打ち消す言葉が背後から飛んできた。

「ふむ…よく似合っているな。我の元から逃げた裏切り者・ラドンも、貴殿に対してなかなか良い贈り物をしてくれるとは……そう思わないかね、ゴジラ」
「ッ!? ギ、ギドラ!! 貴様いつの間にここに!!」

突然現れた宿敵に驚愕するゴジラ。先程まで気配を全く感じなかったというのに、一体どこに隠れていたというのか。だがそれよりも、今しがた自分が試着した破廉恥極まりない水着姿を見られてしまい、動揺を隠しきれない。

「クク…随分と涼しそうな姿じゃないか。あの気丈な女王サマが見たらさぞかし卒倒は間違いないだろうな」
「ぐぬ……! こ、この恰好はあくまでも海開きとやらをする為のものだ! 断じて貴様の為にこんな格好をしている訳ではないぞ!!」

図星を突かれつつも何とか誤魔化そうとするも、それはあまりにも無理があった。ケープで上半身の殆どが隠れているとはいえ、下は半ば全裸に近いというここまであられもない姿を見せておいて、この期に及んでまだしらを切れると思っているのか? そのあまりに滑稽すぎる宿敵の言い分に思わず失笑してしまう。

「くっ…フハハッ! おいおい、今更そんな見え透いた嘘をつくんじゃない。堅物の貴殿がこんな破廉恥極まりない格好をするとは、もしや淫らな悪魔が憑いているかも知れんな? それなら…ここで会ったのも何かの縁、直々にこの余が綺麗さっぱり“祓って”あげようじゃないか」
「何を言っ……ぐっ!」

間髪入れずに両手を、ギドラの肩に掛けているストラの先端から変化した左右の龍に固められ、そのまま勢いよく押し倒されてしまう。仰向けに倒れ込んだところへすかさず馬乗りになると、そのまま剥き出しの腹筋につ…と指先が這う。

「ん……ぁっ……」

その際どい感触に小さく声を上げてしまうゴジラだったが、すぐに唇を噛み締めて声を殺す。その反応に嗜虐的な笑みを浮かべながら、ギドラは更に指先の動きを強くした。
まずゴツゴツした感触を指先で愛でつつそこを上へゆっくりとなぞっていくと、やがて胸筋へと到達する。そこにある二つの突起物に触れ、今度は人差し指と中指でトップスの布ごと摘まみ、くいくいと弄ぶ。

「あっ…やめろっ……」

敏感な箇所を同時に責め立てられ、たまらず喘いでしまう。するとそこへ追い打ちをかけるかのようにして、ギドラの唇がその周辺へぢゅっと音を立ててそこに吸い付き、あからさまな赤い痕跡を残した。

「ん……はっ」
「ふむ、思ったよりここは感度が良いようだな。痕を付けただけでもう硬くなってきているぞ?」
「だ、黙れ…! そ、それより早く退かぬか! 貴様に構っている暇はないのだ!」
「その割には乗ってきているじゃないか。まだ前戯の段階だというのに、随分と期待しているように見えるが……これはどう説明するのかな?」
「くぅ……」

ギドラの言葉に何も言い返せない。実際彼の言う通り、肌は既に紅潮していて乳首は布越しながら既に固く勃起しており、乳輪すらもぷっくりと緩やかな膨らみを成している。
このままではマズイと思い、どうにか身体を動かそうとした途端突然両脚を持ち上げられ、股を大きく開かされると、その間にギドラの膝が入り込んできた。
そして次の瞬間、秘所に強烈な刺激が走った。まるで電流のような痺れる感覚に一瞬意識を失いかけるも、すぐに現実に引き戻されて目を見開く。見るとそこにはゴジラの急所を膝で押しているギドラの姿があった。

「く、くぅ……ッ」
「クク…随分と窮屈そうだな。今楽にしてやるから安心しろ」

優しい口調はそのままにギドラは妖しい笑みを浮かべると、何やら懐から茶色の硝子でできた小瓶を取り出した。薬品か香水と思わしきそれの蓋を開けると忽ち辺りに甘ったるい香りが漂い、鼻腔を擽る。

「それは……何だ?」
「ん? 気になるかね?これは人間が悪魔祓いの儀式に使う“魔除けの香油”というものだ。どうやら貴殿に憑いた悪魔は相当厄介らしい…故に、これを塗る事で直接取り除くことにしたのだよ」
「悪魔祓い…だと?」

聞き覚えのない不穏な単語を耳にし、途端に不安げな表情を見せる。そんな彼にギドラは微笑を浮かべたまま、小瓶を傾けた。
とろ、と重みのある雫が自身目掛けて垂れ、その冷たさにびくりとするも、存在を主張しているボトムス部分の布越しに芳醇な跡を残しただけで特に変化は見られない。

「なんだ…? 一体、何をした……?」
「そう焦らずとも、じきに分かるさ」

羞恥より先に疑問がゴジラの頭を埋め尽くす中、突如彼の躰の奥―――特に男根辺りを中心にしてどくん!と甲高い鼓動が響いた。

「はっ゛?! あぁあ゛っ!!」

不意に襲ってきた衝撃に目が見開き、たまらず悲鳴じみた声を上げる。だがそれはまだ始まりに過ぎなかったらしく、次なる異変は彼の全身を駆け巡った。
灼熱が全身を舐めるように広がったかと思えば乳首がトップスの布を突き破らんほどにぴぃん、とそそり立ち、全身から汗が噴き出る。股間はこれまたボトムスを千切らんばかりにビキビキと膨れあがり、何かが少し触れただけで今にも爆発してしまいそうな勢いだ。
そして、極めつけはギドラの膝による圧迫である。本来ならば苦痛しか感じない筈なのに何故か快楽を感じてしまい、余りの感覚から逃れるべく僅かに身じろぎしただけで彼は喘ぎ声を漏らした。

「あぐっ…あっ……あ゛ぁああ……ッ!」
「ほう、これは凄いな。この程度の量でこれ程までに乱れるとは……やはり貴殿は、悪魔に憑かれているようだ」

ふざけるな、自分は悪魔とやらに憑かれていない。抗議の言葉を上げようにも、体を包む煉獄の前には息も絶え絶えの嬌声に変換される。

「やめぇ…ッ、いい加減、膝を退けぬか……! くぅう……!!」
「ふん…別に我は大したことなどしていないのだが? ただ貴様の弱いところを突いているだけだぞ?」
「嘘を、吐くなぁ…! はっ、ん゙ふぅ……ッ」

顔を紅潮させながら乱れる宿敵が滑稽で、可笑しさに笑みが零れる。

「……クク、いい加減認めたらどうだ? 本当は軽くココを触れられただけでも狂いそうで仕方がないんだろう? 」

戯れに膝をぐにぐに動かされると、ゴジラは甲高い悲鳴を上げてびくびくと背中を仰け反らせる。
自身の先端からは落涙交じりで懇願するかのように白混じりの雫が滴り、ゴジラの下腹部に水たまりを成す。
このまま楽になりたい。だが、宿敵の前でましてやこの恰好のまま無様に射精することなど、自らの矜持が許さない。

「っ違う、俺は…貴様なぞに屈服するつもりなど…!」
「何と強情な奴だ。では、もう少し強くしてやるとしよう」

ギドラは呆れ交じり、けれどどこか期待に満ちた様子で言うなり膝を押し上げる力を更に増した。直後にその衝撃に呼応するかの如く、ゴジラの体はがくがくと震えだす。

「ひぃい!? あぁあ゛あ、やめ、やめて…くれ……ッ! これ以上は……壊れてしまう…ッ!!」
「なら、認めれば良い。貴殿は既に悪魔に魅入られた哀れな虜囚だと」
「いやだ…ッ、絶対に……「意地張ってないで素直になっちゃいなよ、すーなーお!」

耳元で声がした。ギドラ族特有の左右に擡げている龍達の声だ。先程のは口調から察するに自分から見て左の方―――トリアで、次に右の首――デュオの声が自分を嘲笑する。

「そうだぜ。わざわざあの妙な匂いのオイルを使ってまでお前を祓ってあげてんだぞ? これ以上俺らを苛立たせんなよ、王サマぁ?」

「うる、さい……っ! 黙れ…ッ」
「そう言うなお前達。悪魔祓いは始まったばかりなんだ、このまま簡単に終わってもつまらんだろう?」
「キヒヒッ、そうだな。コイツに憑いた悪魔がオイル掛けられた位であっさり逃げちゃ面白くねぇよなぁっ! キッヒッヒ!」

デュオの嘲笑が木霊した途端、ギドラの膝が最期の瞬間を捉えた。ごつ、とぱんぱんに張った蜜嚢を容赦なく押し潰され、捻られる。
刹那、視界は真っ白に染まり、耐え忍んでいた意識は遥か彼方に飛んでいく。
絶頂だ。
しかもこれまでで一番の快感と衝撃に、ゴジラの思考回路はスパークし、何も考えられなくなる。

「あ゛ぁあああ…ッ!! 射精るうぅっ!!!」

びゅるっ、びゅーっ!どくん、どくん……っ!
とうとう堪えきれずにゴジラは雄としての絶頂を迎えてしまい、同時に大量の精液が噴水の如く噴き出され、ギドラの膝や自身の腹筋を白く汚す。

「うーわっ、もうイっちゃったんだ!やっぱり君にはスケベな悪魔が憑いてるんだねぇ。素直にならなかったのも、そいつのせいじゃない?」
「ち、違…うぅ……! 何を戯けた事を…っ!」

トリアのわざとらしい引き気味な声が耳に届く。
反論したいものの、一度吐精してしまった体は力が抜けて思うように動かず、ただ弱々しく悪態を吐く事しか出来ない。
そんな中でトリアが今にも噴出したソレを舐めたそうに目を輝かせるも、ギドラがそれを制止した。

「まぁ待て。この様子だとまだ悪魔の気配を感じる。味わうのは祓ってからにしろ。
それにしても、ゴジラ…香油の効果もあるがやはり貴殿の精子は濃厚だな。王としての義務故に今までまともに処理もできなかっただろう?そのせいか? 」
「くぅう……ッ、貴様…!!」

謂れのない“悪魔祓い”とやらに痴態を揶揄された羞恥と屈辱に歯噛みするも、まだあの香油の効果は残っているらしく未だに体は熱を伴ってずくずくと疼いており、声すら満足に出せなかった。
そんなゴジラの様子を見て取ったのかギドラはくすりと笑みを浮かべると、先刻からゴジラの両腕を拘束していたデュオ達に声をかける。

「お前達。もういいぞ」

「あ? もう終わりなのかよ? つまんねぇなぁ。トリア、戻るぞ」
「はいはいっと。ったく…ボクもうちょっと見ていたかったんだけどなぁ、悪魔祓い」

各々悪態を吐きながら首達はギドラの肩にまとっているストラに戻る。
それを確認するとギドラは一旦膝を離し、未だ動けずにいるゴジラの躰をいとも容易く裏返し、こちらに臀部を突き出す形で四つん這いにさせた。

「な、何を…!?」

これから起こる事に恐怖を感じ取り、咄嵯に逃げようとするも時既に遅し。ギドラの目線を痛い程浴びているボトムス越しの蕾はひくひくと戦慄き、ゴジラの意志とは反対にこれからされる被虐を待ち望んでいるかのように見えた。

「ぐっ…!」
「前を弄られているだけでもうこんなになるとは…次はココに逃げ込んだか」

ギドラは再びあの小瓶を取り出すと徐にボトムスを横にずらし、窄まった蕾に直接残りの分の液体を注ぎ込む。冷たい感触に一瞬だけ身を強張らせるも、香油は敏感な箇所に容赦なく入り込み、甘い匂いを漂わせながら体内に染み込んでゆく。

「く…あぁあ゙…!やめぇ……ッ!」

このままだと狂ってしまう。せめてもの抵抗に苦し紛れで尻尾を振り回そうとするも、ギドラは片手でいとも簡単に掴み、暴れるそれの動きを封じた。

「ハッ、無駄だ。貴殿は我が手中にあるのだ。ほら、そろそろ効いてきただろう? 素直になった方が楽になるぞ?」
「誰が、そんな……っはひっ?! んぁあ゙ぁああぁぁーーっ!!」

再び立ち上ってきた灼熱に背を仰け反らせ甘い咆哮が上がった。熱さから逃れるべく腰をくねらせて身悶えする中、不意に後孔から何かーーギドラの指先がゆっくりと内部へ侵入してきた。
入り口から中まで既に充分過ぎる程に香油でてらてらと濡れているそこは難なく二本の太いソレを飲み込み、忽ち根元まで深く突き刺さる。

「あ……っ! あぁああっ! やめっ、やめてくれ……ッ! ひぃいッ!!」
「ほら、もっと腰を上げろ。でないと悪魔が逃げてしまうぞ?」

そう言いながらもぐりぐりと中を掻き回し、内壁を擦り上げる。その度にゴジラの口からは悲鳴のような喘ぎが漏れ、びくんびくんっと体が跳ね上がる。
だが、それでもなおギドラは執拗に攻め続け、三本目の指を侵入させた。
太く長い指が中でばらばらに動き回り、前立腺を掠める度、ゴジラは堪らず背筋を仰け反らせ、甲高い声で哭いた。

「あぁあああ……ッ! やめっ、嫌だぁあ! そこばかり、無理ぃっ! また、イってしまう……っ!!」
「ほう? やっとしおらしく囀るようになったか。流石は魔除けの香油、この厄介な淫魔には効果覿面だな」
「ちがっ、違うっ! これはっ、ぁあんっ! 貴様が無理矢理…っ!! やめぇ…っあぁあああーッ!!!」

否定の言葉を口にするも、それとは裏腹にゴジラの体は徐々に快楽に屈服しつつあった。
ずりゅずりゅと、香油の滑りで思わぬところに指先が入り込み、ぎりぎりと食いつく。下手すればこのままギドラの指先ごと腸内で飲み込んでしまいそうに思えた。

「ふふ、この辺りか」
「……ひっ!?」

不意に指先がとある一点を探り当て、ゴジラは思わず声を上げる。

「……ここだな? 」
「違っ! そ、そこは…っ! あぁああッ!!」

ギドラがそこを突くと、途端にゴジラの体は電流でも流されたかのように大きく震えた。
あまりの衝撃に一瞬意識が飛びかけるも、なんとか堪える。
ギドラはそんなゴジラの反応を楽しむように、まるで潜んでいる何か――居ないはずの淫魔を探し当てるかのように、その部分を何度も責め立てる。
その度に、彼の口からは甘い吐息が漏れた。

「んん……ッ♥ はっ…ふぅうっ、んぅ゛う…!」
「どうした? 随分気持ち良さそうだな」
「うるさ……っ、あぁあッ! ひぃいっ! あ゛ぁあ――っ!!」
「素直になれ。認めれば楽になれるぞ? 我の手にかかって果てたいのだろう?」
「だ…誰がっ、貴様なぞに……! んはっ、あぁああっ!だめ……もう…っ、あ゙ぁぁ……ッ!」

絶え間ない熱と快楽に耐えて太腿がぶるぶる震え、汗がじっとりと滲む。尻尾がぴくぴくと痙攣し、背中が弓なりに仰け反った。
絶頂寸前のところでギリギリ耐えていると、ギドラは何を思ったのか、一旦中から指を引き抜いた。

―――っ…終わったのか?

ようやく解放されたと思ったのも束の間、今度は両足を抱え上げられたかと思えば膝の裏に腕を通され、まるで荷物でも抱えるかのように軽々と持ち上げられる。こうなれば当然秘部が必然的に割り広げられ、宛ら幼児が親の手で用を足すような体勢を取らされてしまう。

「ぐ……っ! 離せ…、下ろせっ……!!」
「そう言う割にここは正直だな。指だけじゃ飽き足らずこんなにも物欲しげにヒクつかせて…こうなれば、余のモノで直接淫魔を祓うしかないな」
「何……っ!?」

ギドラは尻尾を器用に動かしてズボンの前を寛げると、既に臨戦態勢に入っている己自身を取り出し、先端だけで香油が染み込んだボトムスを横に退け、そのままゆっくりと挿入していく。

「あ……ああ…………」

圧倒的な質量を前に、ゴジラは思わず目を見開いた。だが、それ以上に驚いたのは――二股に分かれた肉の凶器がしてくる感覚だった。
亀頭が今にもソレらを飲み込もうとした瞬間、ゴジラは身を強張らせる。

「ま、待て…! 今挿れられたら……っ、ひぐ、ッあがああああァ―――ッ!!!」

制止の声など聞き入れられず、そのまま一気に貫かれた。
ずぶずぶと突き刺さり、赤く熟れた腸壁を拡げるばかりか前立腺を押し潰す。熱を求めて穴倉に入り込む蛇の如く侵食を許すそれにゴジラは見開いた目から涙を流し、開いた口から洩れる涎で顎髭を濡らしてゆく。

「あ…っ、あ゛……! はへぇえ゙…っ♥」
「ふふ、良い顔だ。実に美しい」
「やめ…っ、見るなぁ……!!」
「それはできぬ願いだな。もっと見せてくれ」

その一言を引き金に、漸く律動を始めたギドラの腰の動きに合わせて、ゴジラの張り詰めた男根が雫を垂らしながらボトムスの布ごとぷるん、ぷるんと揺れ動く。まして今の彼は両足をほぼ真上に上げられて身動きが取れない状態。結合部分から垂れる先走りの汁と香油の雫が宛ら歓喜を示す愛液のようにも思えて、その様がまたギドラの加虐心を煽ってゆく。

「ははは、随分と悦んでいるようだな。だがまだまだ足りない。もっともっと我を感じさせてやる」
「ふざ、けるな……っ! 誰が貴様に…っ! あ゛ぁああっ! ひぃいいッ! そこ……っ、突くなぁあ゛あっ!!」
「ほぅ、ここが良いのか? なら望み通り突いてやろう」
「ちが……っ! 違っ、そこは…っ、お゛っ、奥まで、おくまで来るゔぅうゥ~ッ♥♥♥」

弱点を執拗に責め立てられ、年老とは思えないような掠れた甘ったるい声を漏らしつつ、舌を突き出して悶える。完全に抜かない程度に腰を落とすと息が漏れ、奥に進めば甲高い悲鳴のような嬌声が上がり、今やゴジラは淫魔というよりも、偽りの王の手の中で思うがままに淫靡な音色を奏でる楽器へと化していた。

「ふっはははっ、やはり貴殿は最高だな。我をここまで愉しませるとは…これも淫魔の為せる業か?」
「あぁぁっ♥♥ んひぃいっ♥♥ そ、そんなわけ……っ♥ ある、はずが……ッ!」
「ほう、まだ認めないのか?……ならば、これはどうだ」

ぐちゅうぅうっ!!ぐりぐり、ごちゅんごちゅんごちゅんっ!!! 剛直が更に強く押し込まれ、ゴジラの深いところを刺激する。その度に目の前に火花が散るような快感に襲われ、理性を手放してしまいそうになる。

「はへぇえっ!? ひぃっ♥ ひゃめろぉおっ♥♥ これ以上、はぁっ♥♥ あぁあぁあ゙ああぁ゙ああ―――っ!!!」
「ふむ、淫魔じゃないとは云い張ってもその反応では如何せん説得力がないな。……まぁ、それではつまらぬしな」

未だ余裕綽々のギドラを前にして、ゴジラは呻くような喘ぎ声を漏らしつつ悔しさに歯噛みする。だがそうしている間にも、ギドラは己の腰を上下に動かし、ゴジラの肉壺を犯し続けていた。

(おのれ……このまま、奴の好きにされてたまるか…! だが、もう……)

痛いほどにそそり立った自身が小さなボトムスをしきりに押しているせいで精子が染み込み、履いている紐を引き千切らんばかりにギシギシと軋ませている。もしこのまま達してしまえば間違いなく紐は切れ、無残な布切れと化したビキニは覆っていた箇所を曝け出してしまうだろう。その時ギドラに何を言われるかは容易く想像がつく。
最早ここまでか。そんな中、ふとギドラの肩越しに何者かの声が飛んできた。

「ねぇ貴男、こんなところで何してるですか?」

ギドラは一瞬動きを止め、音源の方へ背後を一瞥した。そこには蛸を模したかのような小柄な女性もといタイタヌスの一人、ナ・キカが立っていた。
実は彼女、「一人だと寂しいから皆で泳ごう」と理由を付け、ラドンを介してゴジラに秘蔵の淫魔ビキニを手渡した張本人である。

ーー何故ナ・キカが此処に? だが、見られたらマズい……!

このまま振り向かないでくれ、と祈ったが、幸いにもギドラはその場から動かないままで律動を続けており、双頭の凶器に後孔を貫かれている自らの姿はよく見えなかった。
その一方でナ・キカは今現在偽りの王に躰を貪られている“誰か”の姿を想像して目を丸くした。
まさか、全世界に存在するタイタン達にとっての宿敵がお忍びで地球に降臨したばかりか、そこに居合わせた“誰か”と情事そのものを繰り広げていたとは。
思わぬ有様に戸惑ったままの彼女に、ギドラは小さく鼻を鳴らすと再び前方に向き直り、何かを悟ったのかにやりと口元を歪めた。

「ふっ、なるほどな。そういう事か……!」
「ちょ、ちょっと待つです。私、全然話が見えないのですが?」

ナ・キカが首を傾げるとギドラは彼女に視線を向けたまま、ゆっくりと腰を引いた。そして……どぢゅんっ!!!と一際大きな音がしたかと思うと、ギドラの腕の中にいる“誰か”は引き裂かれる様な悲鳴を上げた。

「ひぎぃいいィイイッ!!?」
「ふん、先に我が来たのが運の尽きだったようだな。今我はコイツの中にいるしぶとい悪魔を追い祓っている所だ。下手すれば君にも取り憑くかもしれぬから、さっさと立ち去るが良い」

もっともらしい事を云いつつも、律動は尚も止まず結合部分からは『どづっ!ずぶっずぶずぶずぶっ!!!』とはしたない音を立てつつ、まるで目の前のナ・キカに聞かせるかのように勢い良く抽挿を繰り返した。同時に肉と肉が激しくぶつかり合う音が響き渡り、先走り汁と香油が混じり合ったものが泡立ちながら接合部から溢れ出る。
それを間近で聞かせられれば当然、ナ・キカとしてはたまったものではない。しかも“誰か”こと鳴きしきる嬌声で漸く判断できた“王”の反応は、彼女の予想を大きく裏切るものだった。

「いぁあ゛ぁああっ♥ あひィ♥ お゛ッ、ほぉおおぉッッ♥♥」

ナ・キカの視線をギドラの肩越しに感じながらゴジラは身体を仰け反らせ、今までにない蕩けた甲高い悲鳴を上げるとそのままガクンガクンっと痙攣し出した。そんな彼の反応を楽しむようにギドラの腰使いはさらに激しくなり、その動きに合わせ、淫らな音と肉同士がぶつかる激しい衝撃が辺り一帯に轟く。
そのやり取りにナ・キカは怒りを顕に自らの武器である8本の触手を自らの周囲に広げると、敵わないと判っていながらも目の前の略奪者もといギドラに威嚇した。

「お前…ふざけるんじゃないです!王は私が、この触手で…「立ち去れと、言っただろう?」

言い終える前に、こちらを振り向いたギドラの殺気に満ちた眼光がナ・キカの全身を射抜いた途端、彼女は言葉を失った。まるで蛇睨みにでも遭ったかのような感覚に恐怖を覚え、やむを得ず触手を下ろすも、ギドラは彼女の動向など全く認知しない様子ですぐさまゴジラに視線を戻すと再び激しいピストンを再開した。
どぢゅんっ!ぐちゅ、ぐりぃいっ!!ぐぽっ、ぐぽぉっ!!! 王達による狂気じみた余りの激しい交わりぶりに、そして耳を劈く擬音に自らの負けを察したナ・キカは目にじっとりと雫を浮かばせて悔しそうに歯噛みすると、捨て台詞と共に来た道を走り出した。

「お、覚えてなさいです!王を横取りしたお前にいつか絶っ対一泡吹かせてやるんだから!!」
「ふはははははっ!一応誉め言葉として受け取っておくぞ、小娘が!」

ギドラの勝ち誇ったかのような高笑いを背に聞きつつナ・キカは屈辱に顔を歪ませ嗚咽を抑えながら一刻も早くこの場から離れるために全力で駆け続けた。
彼女の姿が見えなくなっても尚、ギドラの上下運動は繰り返されていた。しかし先程までと違い、彼は明らかに楽しんでいる様子だった。

「ふっ、ふぅうっ…クククっ……はははははっ! まさかあの小娘が貴殿を弄びたがっていたとはな! 或いは、彼奴が淫魔の気配を察して此処に来たかは知れぬが、何にせよ他の連中が貴殿の邪気に当てられて乗り込まれる前に、これから我の“聖”液で清めてやろう」
「ひゃめろッ…それだけはぁ……あ゛ぁああっ♥♥♥」
「駄目だ。貴殿の身体に巣食っている淫らな邪悪を取り除くまでは止めぬ。しっかり受け止めるのだぞ」

直後、中でビキィっと固くなった双頭の剛直が同時に肉壺を押し上げ、次の瞬間熱い飛沫がゴジラの中を迸った。

「ぅぎぃいいッ!? ぁ、あ゛あっ、ああぁあ゛―――!!!」

ドクンドクンと脈打つ怒張の動きに合わせて、ゴポォっと白濁とした粘液が逆流する。それが前立腺を叩く度に脳天を貫くような快楽が襲ってきて、そのあまりの気持ち良さにゴジラの口からは絶叫じみた喘ぎ声が漏れ出た。と同時、悦楽に暴れ回る男根を抑えきれなくなったボトムスの紐がとうとう千切れ、忽ち隠すものが喪失したソコからはギドラの絶頂に呼応するかのように大量の精液が噴き出す。

「クハハっ、とうとう破れてしまったか。こんなにも盛大に射精するばかりか、尚も未練がましくきゅうきゅうと締め付けて……何と浅ましい奴よ」
「はひぃぃ……あ゛ーっ、あ゛ーっ…♥ まだ、っまだイっておるのにぃ♥♥♥ こ、こんなぁ゙……!」

ギドラの言葉責めにすら感じてしまうのか、ゴジラは男根から再びぶぴゅっ、ブビュルルッと射精しながら頻りに狭まれた身体を震わせた。彼の蕩けた顔は涙で濡れ、口の端からは唾液が垂れ流しになっているという酷い有様だが、それでも自らの躰を駆け巡る恍惚は止まらない。

「ぁ……っ…はぁ、あ゙……♥♥」
「貴殿は本当に我を愉しませてくれるな。褒美をくれてやらねばなるまい」

そう言うなりギドラは腰を動かすのを止め、自身を一旦抜くと抱え上げていた両脚を下ろし、その場に横たえた。
凌辱され続けたお陰でゴジラの後孔は真っ赤に腫れ上がり、手を飲み込んでしまいそうな程にぽっかりと開いた虚からは泥を孕んだ濁流の如し音を立てながらゴポゴポと精液を垂れ流している。それだけでも先程まで行われていた“悪魔祓い”の激しさを物語っていた。
そんな中でも改めてようやく解放されたかと思ったのも束の間、今度はギドラの手が予備として持ってきたのであろうあの魔除けの香油が詰まった小瓶を懐から取り出した。
それを間近で見た瞬間、体を襲う気怠い恍惚感に息を整えていたゴジラの顔が恐怖で引き攣り、赤橙色の目が見開く。

「おい…それは……!」
「クク、これが怖いのであろう? だが安心しろ。今から我が貴殿の身体を隅々まで清めてやるだけだ」

勿論清めるなんて真っ赤な嘘だ。これから訪れる反応への期待にギドラはニヤリと笑いつつ、その中身を掌の上にぶちまける。この量を躰の敏感な何処かに塗布されれば……どうなるかは予想がつく。

「や、やめっ……ひぃっ!?」
「大丈夫だ。すぐに良くしてやる」

言葉が終わらないうちに火照った胸筋に伸びると容赦なく揉まれ、突起ごと直接香油塗れにされる。そのままソコをぐりぐりと指先で押し潰した途端にそこからじんわりと甘い痺れが広がっていき、ゴジラは思わず「んんぅ……」と艶っぽい吐息を漏らした。

「ふふ、随分と感じているようだな。あれだけ注いだのにまだ淫魔が貴殿から離れないとは、相当事は深刻と見える」
「ふ、っふざけた事を…あぅ! まだ、足りぬというのか…!?」
「当然だ。貴殿の身体は我の“聖”液を求めているのだからな」
「そんな……やめーーーひぐぅううっ♥♥♥」

どうやら早速香油の効き目が現れてきたらしい。反論よりも先に善がり声が上がると、再びギドラの“悪魔祓い”は再開されたのだった―――。