スペースゴジラの場合

ここ最近、ひどく私は不機嫌だ。というのもこのところ仕事に張り合いがないというか、マナーを知らないお客によく当たる気がする。わざわざ私を指名しておきながらいざ本番になると、そいつの意中の相手であろう女の名前を呼んで事に及ぶし、中には胸でヌイてあげた途端そのまま時間終了までダウンする奴もいるし、全く嫌になるわ。
もちろん私も娼館(ここ)でのお仕事は社会勉強として受けているのだけれど、こうも毎回ワンパターンでは飽き飽きしてくる。そんな中、同僚のマザーガイガリアンからこないだ娼館のすぐ近所にオープンした新しいお店の話を聞いた。なんでも、普通にお客のみならずここでの仕事で疲れた怪獣娼婦達をあの宇宙大怪獣・ドゴラが縦横無尽に伸びる触手を使って気持ち良く癒してくれるというらしい。触手という言葉で嫌な予感はしたけど、そういう下卑たプレイはなく寧ろマッサージに尽力するとか。それなら、ここらで気分転換するのも悪くないわね。

 

 

「ようこそいらっしゃいました、スペースゴジラ様」

出迎えてくれたのは、私よりも身長がやや低めながらこちらの目線に合わさるようにふよふよと浮いている件の宇宙怪獣だった。相変わらずクラゲみたいとはいえ、改めて見るとやっぱりその見た目は奇妙な姿形をしている。更に店内は本人の肩書に合わせて壁や天井に至るまで星々を模した壁紙が貼られており、宛らに私の生まれた宇宙空間を彷彿とさせる。

「初めまして、貴方の同僚様から話は伺っております。私がこのマッサージ店のオーナー兼施術士のドゴラです。今日は貴方のお疲れを癒やすために、精一杯おもてなしさせて頂きます」

オーナーはそう言って恭しく頭を下げた。それにしても同僚もといマザーガイガリアンてば一番乗りで来たばかりか、私の事を随分と喋っちゃったみたいね。
けれども、この娼館の周辺で最近できた施設なのは勿論、彼女の紹介ということでこの宇宙怪獣の施術を受けるのも悪くないかしら。
勧められたドリンクを飲みつつ一頻り説明を受けた後、マッサージルームに着くと早速施術が始まった。ドゴラは触手を伸ばすと私の身体をスキャニングしつつ、肩や肘、太腿などを軽くタッチしながら触診を行い始める。

「ふむ、だいぶお疲れのようですね。それではこちらへ」

アロマ特有の芳香が仄かに漂うベッドへ案内されると、既に私が寝そべる部分には背鰭に合わせて真ん中縦一列に穴が空いており、背中を預けても痛くないようになっている。見た目は人間の使うベッドと大差ないのに、いざ乗っかった途端壊れないか不安だったけれど、促されるがままうつ伏せに寝そべると真っ先にむにゅっ、と普段酷使されている私の胸がベッドに押し潰される。

「んっ……」

痛みと反動で思わず声が出てしまったが、それよりもうつ伏せに寝ていても息苦しさが無い事に気づいて少し感動してしまう。これまでマッサージとは無縁の生活を送ってきた私にとって、それは未知の感覚だった。

「どうかされましたか?」
「あ……いえ、思ったよりも身体が楽だったからつい声が出たのよ」
「そうですか。では、早速始めていきますね」

そう言うとドゴラは寝台の隅に置いてあるガラスボウルに自らの細い触手を中のオイルに漬けると、私の全身―――肩から首、肩甲骨辺り、脇腹と脚、太腿に至るまで撫で回していく。特に、私の生命線でもある肩の結晶の付け根や背鰭を触られる度に、ゾクゾクとした感覚に身体が震え、微かな吐息が漏れる。

「ん…ふっ、ふぁ……っ」

次第に声が抑えられなくなり、肩の結晶が心地よさにぼんやりと光る。そんな私の様子をドゴラは淡々と今度は臀部と太腿にもオイルを塗り、筋肉のコリを解していく。特に臀部や太ももは心地よさから尻尾がふよんふよんと勝手に揺れてしまう。

「どうやら、だいぶ凝っているようですね。それではもっと解していきましょう」

私の臀部を撫で回していた触手がいきなり柔らかい感触に変わり、思わず「ひゃっ!?」と声を漏らす。自分でも予想だにしていない声が漏れてしまい、羞恥で顔が赤くなる。

「お気になさらず。声を出すのは気持ち良い証拠です。それに防音対策はしっかりしていますから、遠慮せずとも大丈夫ですよ」

そこまできちんと考えているのね……とドゴラの言葉に感心しつつ、安堵しきった溜息を吐くと再びされるがままになる。オイルを塗られた事でテカテカと光を反射する臀部は、ドゴラの手で撫でられる度に艶めかしい音と感触が伝わり、ただでさえ敏感になっている肌から全身の力が抜けていく。
仕事とはいえ、他のお客から受けた汚らわしい欲望のせいで蓄積された日頃の疲労と不快感がオイルによって溶けていくにつれ、羞恥心も薄れていき心地よさが上回る。

「ふぁ……っ」

結晶がまたもやぼんやりとピンクに灯り、蕩けたような声を漏らしながらふと顔を上げると、ドゴラが穏やかな手つきのまま触手の一本で私の頭を撫でてくる。頭を撫でられただけで褒められた気分になり、充足感を覚える私って……そう思いながらもこうして身体を委ねられるのは悪くないわね。いっそこの子を私の専属マッサージ師にしちゃおうかしら…と思っている内、不意に触手の切っ先が背鰭の隙間に入ってきた。

「んふっ…!? あっ、だめぇ…そこはぁ……!」

突然の不意打ちに私は思わず声を上げてしまったが、その手つきは壊れやすい宝石を磨き上げるかの如く、ただ形あるままに沿ってなぞり上げているだけで、それもしっかりと力加減を調整して痛みを感じないよう撫で回している。

「突然敏感な箇所をお触りしてしまって失礼しました。これもマッサージの一環ですよ」
「そ、そう……?」

私は何となく腑に落ちないまま施術を再開すると、今度は両脚や太ももをじっくりと触診する。さっきの不意打ちが尾を引いているせいか、変に意識をしてしまったけれどマッサージ自体はやはり気持ち良くて悪い気はしなかった。しかし、背鰭と太腿への愛撫には反応してしまうのかピクッピクッと尻尾が震えてしまう。そして再び触手の一本が脚の間に入ってくると、器用に鼠径部を覆うようにしてすりすりと上下に撫で上げてくる度にグチュリ、グチュリと粘ついた音が聴覚を侵す。

「ひゃっ、あぁ……んっ!」

あまりに甘美な刺激に耐え切れず私は再び声を上げてしまうも、その声は段々と熱っぽくなっていき顔は緩みきっている。これはオイルによる滑りによるものだと思い込むも、明らかに快感を得ていることに自己嫌悪しているのに身体はそれを否定するように残酷にも反応する。
私のこんな姿を同僚に見られたらどうなることか、と思った時ドゴラから声をかけられた。

「丁度頃合いなので、仰向けになって頂けますか?その方がマッサージの効果が出やすいので」
「え、えぇ……分かったわ」

蕩けた頭でなんとか返事をすると、すっかり解れた身体のまま寝転ぶ。背鰭がベッドの穴部分にすっぽりと嵌り、四肢を大の字に広げても落ちない位にはスペースが広い。
今度はドゴラが私の頭部を見下ろす形で回ると、触手にオイルを塗り直された上で仰向けになったまま天井を見上げると、水面に揺れるように淡い光を反射するシャンデリアが視界に飛び込んできて眩しさに目を細める。

「それでは再開しますね」

そう言って私の傍らに浮いているドゴラの触手が四本全身にまとわり付き、あちこちを揉み解し始める。特に仕事柄よく使っている胸は念入りに揉まれており、その度に飛沫を飛ばしてぷるんぷるんと揺れる。

「んんっ……♥」

マッサージの効果で感度が高まった乳房がドゴラの触手によってもみくちゃにされる度に、甘ったるい声が喉奥から漏れてしまう。思えば娼館に勤め出してからこんなに丁重に扱われた事は滅多に無かったなぁ、と思いながらも相手がドゴラという怪獣であることを今更ながら意識し始めてしまう。

「あっ……ゃぁっ♥」

むにゅん、むにぃと揉みしだかれる度に身体が芯から蕩けそうな快感がじんわりと伝わってきて、“接客時”に出しているような嬌声が抑え切れなくなる。

「どうですか? 気持ち良いですか?」

問いかけつつもドゴラの触手は容赦なく私の胸をむにゅむにゅ、ぐにぐにと揉んだり先端を突くようにして責めてくる。返事をしたいのに絶妙な所をぐりぐりと刺激されるせいで思考がまとまらない。

「んぅっ…! はぁ……っ♥」

問いに応える代わりに甘い吐息が漏れ、無意識に顎が仰け反る。乳房を揉まれる度に下半身にじんわりと甘い疼きが走るのに、ドゴラは全く意に介した様子もなく大胆に触手で根元ごと揉まれたかと思えば、そのまま先端に向かって搾り取るように乳腺を揉みほぐされる。そうして乳房全体をまんべんなくマッサージされている内に段々と呼吸は荒くなっていき、軽い発情を繰り返しているように頭の中がふわふわしてくる。

「ひゃうっ♥ あぁっ……そこぉっ…!」

まだ性器にも触れてもいないのに、ただ胸だけを責められているだけで秘部がジクジクと疼き始めて、私の口から更なる愛撫を強請る甘い声が漏れ続ける。それに反応して、触手の先がオイルを塗り込まれたぬるぬるの乳房から乳腺までマッサージする度に身体が勝手に痙攣し、声を出す度に頭が蕩けそうになる。

「どうしましたか?」

ドゴラが心配そうな口調で私に問いかけつつ、私の胸から一旦触手がにゅるん、と離れた。喪失感ともどかしさから反射的に「あ……」と物欲しそうな声が漏れてしまい、私は羞恥に顔を真っ赤にしながら慌てて言い繕う。

「な、何でもないわ…マッサージが気持ち良すぎてつい声が出ただけよ」
「そうですか、そう仰られるなら私としても光栄です。けれども我慢は体に毒、痛かったり辛かったりした時は遠慮せずに言ってくださいね」

ドゴラの言葉に私は無言で頷くと、再び触手が私の胸へと伸びてくる。そして今度は乳房の付け根辺りからむぎゅ、と絡めとるとそのままオイルの滑りに任せ、時に頂部分をぐりぐりと押し込むようにマッサージする。

「あうっ…!あっ……んぅっ……!」

絶え間ない刺激に思わず声が上擦るも、構わずに今度は片側につき2本ずつの触手が乳房を覆う。外側から内側へと、むにゅり、むにゅりと円を描くように揉みしだく度に下半身に甘い疼きが走る。

「はぁ……んっ♥ 胸、気持ち良いわ…もっと……」

私は無意識のうちに口から求める言葉が漏れていた事に気づかないままドゴラの触手に身を任せる。決して絶頂には届かない、けれども身体には十分すぎる快楽に身を沈めていくうちに理性は溶けきっていき、熱っぽい吐息を零しながら無意識に下半身をくねらせる。

「はぁ…っ♥」

太腿が少し動いただけでも「ぐちゃり」と粘ついた音が立つ。決してオイルの滑りだけではない、マッサージという癒やしの媚薬にひどく発情させられた証だ。
今や私の秘部はすっかり濡れそぼり、そこから分泌された大量の愛液がまるで失禁さながらにトロトロと溢れてるのが感覚で分かる。胸だけでここまで乱れるなんて我ながら珍しいと思いつつも、躰の芯からゾワゾワと這い上がってくる快感に最早抵抗は出来なかった。

「はぁ…♥ はあっ……」

いつの間にか私は甘い吐息を漏らしながら胸を愛撫する触手に意識を集中していた。理性はとっくに溶かされて、口からは本能のまま、宛ら吹きっぱなしの管楽器みたいに止めどない嬌声を漏らし続ける。

(嘘…このままだと胸だけでイカされちゃう……♥ お○んこに触られてもないのに、こんなぁ…っ♥)

吐息が途切れ途切れに変わり、腰を浮かせて触手によるマッサージを受け入れる。それでもなお、ドゴラの触手は「我慢しないで」と言いたげに尚も胸の疲れを絞り出すかのように上下へ器用に扱くのをやめない。

「んぁぁっ♥ はぁ……んんっ♥」

ピチャッ、ニチャッと湿った水音が室内で響き渡る。けれども快楽を求めて無意識にその腰は浮き上がっていき、胸が上下交互に動かされただけでも子宮がキュンキュンとうねる。

(だ、だめ…これ以上は本当におっぱいでおかしくなりそう…っ! もう我慢できないぃっ♥♥)
「んっ! あっ♥ いやっ!♥ イッ……イク! イっちゃうぅうううっ♥♥」

甘い咆哮を轟かせ、思いっきり全身の筋肉を強張らせると一際激しく乳房を震わせて絶頂した。股間からは止めどなく愛液が溢れてびくんびくんと痙攣する度に、弾みで太腿やシーツにも吹きこぼれてしまう。
今までお客から受けたどんな見せ掛けだけの愛撫より深く甘く、全身で至高の快楽を感じながら意識を飛ばしそうになる中、もしもドゴラの触手が私の秘所を責めたら……? という欲望で靄がかかっていく。

「はぁ…はあっ……はぁぁ……♥」

未だに余韻の収まらぬ甘イキに息が絶え絶えとなりつつも、触手が離れると次第に四肢の筋肉が弛緩して長い絶頂から解放された事を理解する。その度に秘部からはどろりと粘り気の強い愛液が溢れ出し、淫らに後孔すらも伝いながらシーツを染め上げていく。

「この乱れ具合から見るに、お胸が相当凝っていましたね。いかがでしたか? 貴方が良ければここで終了となりますが、希望次第ではもっと続ける事もできますよ?」

質問されつつ、腰付近をモミモミと揉みほぐされるとその動きに合わせて身体をくねらせ、満足そうな嬌声を上げてしまう。

「あんっ♥ え、えぇ……悪いけどもう少しお願いできるかしら」
「畏まりました。ではもっと気持ち良くさせてさしあげますね」

そう言い終えると同時にドゴラは私の胸部で浮遊したままに触手を伸ばすと、お望みの箇所―――つまりオイルもなく濡れに濡れそぼった秘部へと迫る。触手から来るであろう快楽に備えて全身をだらりと弛緩させていると、忽ち幾本かの触手は既にべとべとの花弁へと迫り、半ば開いた女性器をじっくりと辿ってゆく。

「くふっ、あぅうっ♥」

決して挿入はしない、なのに絶妙な快楽を引き出す力加減。ドゴラの触手が私を愛しむように恥丘へソフトタッチを繰り返すたびに身体が痙攣し、いかに私という雌怪獣がドゴラの手によって骨抜きにされているか、下腹部や腰骨がうずうずとしながら夢中になっている様子でわかってしまう。
やがて恥じらいよりも先に心を許したように両脚を開くと、尚も続く絶妙なマッサージと先程の乳房絶頂により、もうびっしょりと熱い露を垂れ流しのソコが露わとなってしまう。

「んんっ♥ あぁっ、そこ……弄ってぇっ♥ あぁん♥♥」

花弁に触れられる度に身体中の筋肉から力が抜け、甘い息を荒げつつ与えられる快楽に没頭していく。愛撫をおねだりするように腰を揺すると、陰核を覆っていた包皮がぷりんっ♥と器用に捲られ、剥き出しになった発情突起を左右から優しくコリコリ♥と扱かれる。

「あ゙あぁぁあぁぁぁ~~ッ♥♥♥♥」

蕩けるような声と法悦の叫びを同時に漏らしながら再び甘イキして、花蜜がどぴゅっ♥と音を立ててベッドも床も濡らす。同時に陰唇への愛撫も激しくなり、挿入こそしないものの触手の先端部がザラついている媚肉を可愛がる。

「はぅんっ♥♥ い…イイっ♥気持ち良いわっ♥♥ おちんちんより気持ちイイぃいっ♥♥」

特にグリグリと小刻みにクリをしごかれるたびにキュン♥とした快感が胎の奥に伝わり、なけなしの理性を削っていく。本当に入れる気はないのか触手はある程度をストロークした時点で優しく撫ぜる程度の強さに戻り、尚も一センチにも届かない焦れったさを生ませ、秘部を更にとろとろに蕩かせる。

「ね、ねぇっ♥ ナカも入って良いのよぉ……っ! お〇んこもコリコリしてぇっ♥♥」

おねだりする様に脚を思い切り開き、腰をへこへことさせながら甘ったるい声でねだる。もはや普段から噂されている“女帝怪獣サマ”という肩書や地位などは一切なく、欲情したただ一匹の雌でしかなかった。

「畏まりました。少し様子を見てからでしたが、そこまで仰られるのでしたら処置致します。それにしても貴方の秘部はかなり乗り気な様ですね」

相も変わらず淡々とした口調で返されると、先程陰唇をなぞっていた触手がにゅるん♥と胎内に入る。指やおちんちんより遥かにサイズは細かったものの、それらは的確に肉襞をひとつひとつ舐り、敏感な箇所をコリコリしごいては快感を引き出してくる。

「んっ♥ あ゙ふぅうっ♥♥ だめぇ…っソコ良過ぎる……のぉ♥♥」

どうしてこんなに弱い所を知っているのかと疑問に思う間もなく快感が腰を揺さぶり、ぐちゅっ、ぢゅぷっと激しい音を奏でながら愛液が飛沫をあげていくたびに、触手がぞろぞろとうねる。最早これが気持ちの良い事以外何も考えられなくなってしまっていた。

「はぁあん♥ とけちゃうぅ…んっ♥♥」

そのあまりの気持ちよさにもう呂律も回らなくなっている。普段ならば「他者の前なのにみっともない」と自分を叱りつける所ではあるが、快楽に堕ちきってしまった今となってはそれすらどうでも良かった。

(あぁっ♥♥ こんな不様にイカされてるのに、もっとお○んこがイキたがってるぅ…っ♥♥)

人より遥かに鋭い感覚を持つ怪獣だからこそ、今まで感じたことの無い快楽への期待で全身が昂ぶってしまう。そうして無意識のうちに自分から腰を振ったりくねらせたりすると、それが余計にドゴラの“神業”を誘い、上下左右からグリグリと押しつけるような愛撫が襲い掛かる。

「んひいぃ…っ♥♥ ダメ、ぇえっ!♥おかしくなっちゃうぅううっ♥♥」
「構いませんよ。貴方の溜まりに溜まりきったものを思う存分出して下さい。満足するまで、私の触手でお手伝いさせていただきます」

ドゴラに促されると同時に、胎に潜り込んでいた触手がまるで愛液ばかりか、その溜まりに溜まりきったものとやらを今掻き出すかの如くじゅぷっ、ぬぷっ!と強烈な愛撫を開始する。

「ひあぁっ!?♥♥ あぐっ、うあぁぁあぁっ!♥♥♥」

強烈な快感から逃れようと躰を反らせるも、触手は一向に逃す気などないらしい。むしろ追い打ちをかけるように更に激しくなる抽迭とクリ扱きが私を快楽地獄へと追いやり、不意に悦楽の許容量を超えた秘所から最早何度めかもわからない潮吹き―――それも雄の射精に匹敵するほどの量の潮が尿道口から勢い良く迸った。

「い゙ッ!?♥♥ っゔ、 あぁあぁぁあああ~~っ♥♥ またイぐぅううっ♥♥ お漏らし止まらないのぉおっ♥♥♥」

ぷしっ! ぶじゅーっ!と濁音と共に雌蕊から潮を思いっきり噴き出し、その余りの心地良さに身体中の筋肉が悦びに仰け反る。特に太腿は激しく痙攣していて、まるで「この悦びから逃げられるなら何だってする」とばかりに尚もガクガクと腰が浮き、お尻や秘所が左右に突き出てしまう。

「あ゙〜……♥ あ゙ひぃい…っ♥」

ようやくそのアクメ奔流が止まった頃には完全に全身が弛緩していて、息を荒げつつ秘部から大量の愛液が零れ落ちている。既に瞳は焦点を失い、口からはだらしなく舌が突き出たままだ。

「これで処置は完了です。お疲れ様でした」

そんな私を労うようなドゴラの声すらも遠く聞こえる位に全身が甘く蕩けきっており、頭がぽやーっとしていたままで瞼が自然と落ちていった。

 

 

目を開けると、そこは先程の処置室ではなくどうやら控室の様で、橙色のダウンライトで照らされた薄暗い部屋だった。

(あら……私ったら寝てたのかしら)

寝ぼけ眼で体を起こすと毛布がくの字に撓み、私の身体に被せられていた事が分かる。体の火照りは取れていたものの、あれだけ恥ずかしい言葉を喚きつつ乱れていたにも関わらず身体は綺麗に清められており、例のオイルや噴き散らかした愛液の残滓一切は全て処理されていた。

(本当に夢みたいだったわ。あれほど気持ち良くされたのは初めてだし……)

体もだけど特に丹念に処置された胸は、このマッサージ店に来た頃より心なしか軽くなった気がして、少し不思議な気分になる。

(そういえばドゴラはどこかしら)

そう思い視線を周囲へ巡らすと、ちょうど部屋へ入って来る彼の姿があった。「あっ」という間に私の側に寄るとそっと手を差し伸べて立ち上がらせてくれる。

「お目覚めになられましたか、気分は如何です?」

相変わらず抑揚の無い淡々とした声が掛けられる。あんな破廉恥な作業を終えても尚物怖じせずに話せる彼の態度を改めて尊敬しつつもそのおかげで少しだけ落ち着きを取り戻す。体を動かすと寝起き故か気だるい感覚に襲われ、足が地に着いた途端に大きくよろけてしまった。

「おっと、大丈夫ですか」

すかさずドゴラの腕が私を抱きとめる。見た目通りの華奢な細腕からは想像出来ないほどの力で私の躰を引き寄せるとそのまま懐へ抱きとめてくれた。

「あっ…ごめんなさい。少しフラついただけで、もう大丈夫だから」

彼から離れようとやんわりと身をもぎ離すと、ドゴラは心配そうに余りの触手をしゅんと下げていた。どうやら本気で心配してくれたらしく、その様子に思わず笑みがこぼれてしまう。

「ありがとう。優しいのね」
「いえいえ、当店のサービスの一環ですのでお気になさらず」

そう言いつつ再度手を差し伸べ、今度こそ立ち上がる。その場で凛と胸を張るとやはり全身が軽くなっていて、おまけにモヤモヤした気分は勿論下腹部も心なしかすっきりした気がする。

「こんなに軽いのはいつ以来かしらね。お陰様で肩こりも楽になったわ」
「それは何よりです。思う存分体も楽になったでしょうし、気分も晴れ晴れとなられたようで何よりです」
「ええ。ドゴラ、貴方のおかげよ。本当にありがとう。ところで相談があるのだけど、もし良かったら私専属のマッサージ師にならない?」

自分でもなんて冗談めいた事を口走ってるんだろう、と内心苦笑してたんだけどドゴラは身動ぎもせずいつもと同じ淡々とした口調で「お気持ちだけ受け取っておきます」と答える。まぁそういう所が宇宙怪獣らしいといえばらしいのだけれど。

「冗談よ。ただ本当に肩こりも治ったし楽にもなったからお礼を言いたかっただけ」
「左様でございますか。貴方様からのお礼のお言葉、ありがたく頂戴いたします。ところで私からも折入って相談があるのですが……」
「何かしら?」

そこからドゴラは続けた。このマッサージ店は開業したてで客が少なく、場所が半ば裏路地宛らに寂れた所にあるため誰も足を運ばない事。なので貴方の勤めている怪獣娼館のルールに反するかもしれないが、もし良ければ同僚かお客にここの存在を宣伝してくれないだろうか、と。

「……そんな事で良いの? 良いわよ、恩返しになってくれるなら」
「ありがとうございます。貴方様がいれば、我がマッサージ店も繁盛していく事でしょう。何卒これからも御贔屓にお願いいたします」

そう言い終えた所で深々と一礼をし、頭を上げるとドゴラの全身は喜びを現すかの如くネオンみたいに輝いていた。

「こちらこそ、ご贔屓によろしくお願いね」

釣られて私も笑顔で告げるとドゴラは満足気に頷き、私の手をそっと取って店外へと誘う。
これから娼館の仕事は変わらず大変だろうけど、疲れが溜まったらここのお世話になろうと思いつつ、事が終われば“ドゴラのお願い”をお客に伝えるか、娼館の同僚達に伝えるか考えていた。

さて……これから誰をお誘いしようかしらね?