チハヤ、降る Last

こうして「穴」に戻り、潜るまでの間に繭の中で全ての思いを力に変えた。
グランドギドラ、まさかあの時切った尾から再生してたなんてね…でも、お前のネバーランドなんて絶対作らせない!
子供は世界の宝なんだ、お前に独り占めなんてさせてたまるか!
その三つ首を洗って待ってろ!
僕、いや…私が今、行ってやるっ!!

 

 

「いざ、今こそ我がネバーランドの建国の時!モスラ族の小娘無きこの世も口惜しいが、その隙間を汝等より齎された愛で埋め……」

 

「させるかああああああああああああああああああっ!!」

「くれ…?ナイカッ!!」

…こうしてあいつの後頭部を蹴飛ばして、分かった。
今の私なら…セラフィがくれた、この億千万年の思いの鎧を纏った私なら、勝てる!
命ある限り、望み捨てず……
だから、絶対また会おう…セラフィ!

「小癪な…むっ、もしや汝は先般のモスラ族の小娘か!生きていたとは、何と言う僥倖!若輩時代に一度倒されると言う、生き恥を晒した甲斐があったものだ!さぁ、今度こそ我と一つに……」
「お断りだよ。この鎧、脱ぐ気無いから…お前を倒すまで。
本当の戦いは、これからだ!!」

 

 

 

数年後、2017年・6月某日。
人間界・島根県、奉納山……

 

「さぁて、他の世界の怪獣はどんなもんかな。セラフィみたいなのがいて欲しいけど…!?」

「初めての「招待」…ねぇ、イム。あたし、他の世界の怪獣達やモスラ達と仲良くなれるかな?チハヤみたいな子がいたら……あっ、イム?ちょっと何処へ…!?」

「はっ…セラフィ!」
「…チハヤ?」

「また、会えた…!」

「ねぇ、早速だけど僕、セラフィに言いたい事があるんだ。」
「あたしも。だからチハヤ、一緒に言い合わない?」
「いいよ。じゃあ…」
「せーのっ!」

「「詳しく聞かせて、/貴女のいる世界。」」