Titan’s Party 終

「ぐ…うぅうっ!も、やめて、くれぇ……!」
「やーだね。そろそろ、ぶち撒けん…ぞっと!」

ベヒモスが震える足取りでラドンに導かれている事も露知れず、また新たな白濁がゴジラの体表に降り注がれた。けれどタイタン達の欲情を抑えるにはまだ足りない。というのも、宴の中心にいるゴジラは未だに達した様子はなかったのだから。
反面、やっと解放された口からは他の者達が出した多量の残穢が溢れており、今もなお繋がったままのメトシェラが腰を動かす度に掠れた嬌声が途絶えることなく漏れた。

「はっ、あぁ!も、突き…あげる、なぁ…!あ、ぅぐ、苦し……っ!」
「そう言われても俺はもう限界だ…!怪獣王、この場で孕んじまいな!」

本当は同性間の性交なのに孕みはしないのだが、これも怪獣王に対する一種の告白だ。そしてゴツン、とメトシェラの男根が腸の奥まで突き立てられた時、不規則な蠕動と共に多量の精液がゴジラの中に余す事無く注がれた。

「――――ッッ!!ぁ………!」

びくん、と体が仰け反るも、ギドラに犯された時と同様声を抑える事で、挿入中の相手に屈しない意思表示ができた反面、散々コブで擦り上げられた内部が焼けるように熱い。
余す事無く注ぎ切ったのを体感するとメトシェラは萎えた肉筒を引き抜き一息吐くと、お礼と言わんばかりにゴジラの頬を一舐めし、自らと顔を合わせた時と変わらない下劣な笑みを浮かべながら感想を告げる。

「んむっ……!」
「流石ギドラの情夫だけあって中々良かったぜ怪獣王。…俺のがアンタのお気に入りじゃなかったのが心残りだけどな」

やっぱコブ付きじゃ引かれるか、と言葉を続けようとした直後、上から聞こえてきた「オイ」との一言と共にメトシェラは顔を上げる。

「終わったんなら退けよ。こっちも……って、お口空いてんだっけ」
「こんな所で喧嘩するのも癪だし、二本突っ込んでやろうぜ」

今度は二体同時に口淫させるつもりらしく、十分ギンギンになったモノを剥き出しにする。どうやらひどく待たせていたようだ。
その様子にメトシェラは軽く舌打ちすると、そろそろと後退していった。

「ホント、若いのはせっかちだな……。じゃあな怪獣王、チャンスがあったらまた犯ろうぜ」

返す気すら微塵も起こらない別れの挨拶を最後に、メトシェラが身を翻して集団の中へ去ってゆくと、先程彼の撤退を促していた2体がゴジラの頭部に回った。
辛うじて自分と同じ二足怪獣という事は視認できたが、やはり表情は先ほど自分を犯していた奴と変わらずニヤニヤと厭らしい一笑を浮かべたままだ。

「お前達……それだけは…」

「知らねぇな~?後つっかえてんだから、お次はコイツを咥えてもらうぞ」
「連れの分までお願いなー?」

「なに……ぐ、うぐぅぅ!んお゛、ご…!」

がぽり、と二対の熱い怒張が触手よろしく入り込み、違ったタイミングで交互に抜き差しされる。先刻までの比にはならない苦しさに口角から粘ついた泡が漏れ出し、牙や口周りを涎で染め上げていった。
嘔吐感が止まらない。声にならない嗚咽を上げながら大きく餌付けばもっと欲していると思われたのか、余計に奥まで突き立てられた。

「ーッ!ーーッ!!」
「っと、二本同時はちょっと苦しかったかな?でも、この痙攣が……ん?」

後ろからのどよめきに相手の言葉が途絶え、片割れに至ってはただ一点を凝視した状態で膠着した。やがてどちらかの「何だありゃ」の一言と共に自身が抜かれる。

僅かの間ながらやっと無理やりな口淫が解かれた事で、辛うじて動かせる上半身を起こして見えた先はタイタンの中でも異彩を放つ巨躯を持ったベヒモスと、そんな彼の前を悠々と歩くラドンの姿だった。前者に至ってはもじもじした様子で片手で股座を抑えており、指の隙間からは赤黒くグロテスクに波打つソレが零れ落ちんばかりに存在を主張している。
その証拠に周囲から「マジかよ」「入りきるのか?」「さすがに無理だろ」との声が飛び交う。あのタイタン達を感嘆させる程大きいという事は、辺りから漂う不穏な空気から察しがついた。

「すっかり人気者ね、ベヒモス君?」
「そ…そうだね」
「恥ずかしがってちゃ、この先何もできないわよ。出してるのは皆だって同じよ」

ラドンに促されるまま、ベヒモスは毛むくじゃらの片手を退けると、解き放たれたかのようにぼるん、と擬音を立てて自身が白日の間に曝された。
先程挿入された男根とは比べ物にならないソレはまさしく異形そのもので、まるで自らの腕を象徴するかの如く赤く淫猥に腫れており、見るからに圧倒的な存在感を放っていた。

「は…っ…嘘だろ…!?」

無意識に血の気が引き、震えが来る。コレを後孔に突っ込まれたどうなる?自分は理性を保てるのか?

「お次はコレよ、怪獣王さん。ギドラ様だけじゃなくて、他の連中のチンポじゃもう満足しきれてないみたいだしねぇ。……ベヒモス、ぼけっと突っ立ってないで早いとこ容れちゃいなさい」
「や、やめろ!そんなモノ入れたら、俺は…!」

壊れてしまう、という言葉の前に周りのタイタン達がゴジラの両膝を抑えると、思い切り左右に割広げた。開かれた事で立ちかけた自身や、メトシェラの白濁が尚も垂れ落ちている肉洞がくっきりと露になり、それが一層周りを熱狂させる要因となった。ゴジラが暴れようにも四肢はがっちりと固定されており、微塵の抵抗を許そうともしない。

「ほらよ。容れるのはココだぜドデカいの。…ちょっと辛いだろうが、これも肉便器の役目だろ?」
「そうよ、臣下には平等に接しなきゃ。これもギドラ様のお赦しが出るまで、ね?」

「ラドン……貴様ら、離せ!こんな、こんなモノ、無理っ―――!」

抵抗空しくベヒモスが生唾を飲み込んだのを合図に、屹立したソレの切っ先がぐぐ、と蕾を押し広げる。更に歩を進めれば先程メトシェラによって注がれた多量の子種が潤滑油となり、大木の如し巨根が苦痛とわずかな快感を伴って内部に侵食してきた。
赤黒い巨木の受け皿にされたゴジラは全身を捻って僅かに逃げようとするも、地面に刺さって微動だにしない背鰭による戒めがそうさせてはくれない。
その中でも、腸の奥へ奥へと切っ先が侵入すればゴジラの腹部が妊婦よろしく次第に膨らんでゆき、歪な輪郭を形どる。
この有様にタイタン達は一層呆気に取られる者もいれば、一部どよめきつつベヒモス及びゴジラへと猥雑な罵倒を囃し立てて結合を促す。

「ッ……やめ、ぁ…が……!!」
「っく……ごめんよ、ゴジラさん!」

この謝罪が、ゴジラが正常な意識の中で聞いた最後の言葉だった。後は全ての器官が押しつぶされたような錯覚と、脳内でぶちんと何かが切れた音をきっかけに言い知れぬ衝撃が走った。

「お…がぁ!?あ、ぎ……ひいぃい!! ああ゛ぁあ――――ッ!!!」

咆哮した。王が、苦痛と快楽を入り混じえた絶叫を、この恥辱のフィールド上へと轟かせた。
接合の証として歪に盛り上がった腹部がボコン、と蠢く度に言い知れぬ絶頂が全身を駆け巡り、ベヒモスのモノと比べて貧弱にそそり立った雄蕊から白濁の露を何度も溢れさせた。
やがて男根が完全に入り切ってもゴジラの躰は痙攣したままで、唯一動く頭部を右往左往に振り被りながら悶えている。

「カハッ!あがァッ!ぅ、んあぁああッ!!」

「何時まで喘いでんだよ、もう入りきったぜ?」
「てゆーかガキ孕んじまったみてぇだな、この腹。触ると押し返してきやがる」

ぐいぐいと誰かが手でそこを圧迫すると、奇妙な弾力を持って押し返される。見るからにゴツそうな体表だと思っていたが、意外な柔肉を湛えていたとは意外だった。
片やラドンは先刻至近距離で繰り広げられた壮絶な連結絵図に軽い絶頂を覚えつつ、自分も宴に加わりたい衝動を堪えながらベヒモスに投げかけた。

「……凄いわ。こんなデカいの飲み込んでも血が出てないなんて、怪獣王様は一体どういう体の仕組みしてるんだか。アンタはどう?初めてを王に捧げた気分は?」
「よ、よくわかんないけど、腰がムズムズするよぉ…!」
「それで良いのよ。後はアンタの思う存分に動かしちゃいなさい」

怪獣王が壊れるかベヒモスが果てるか。片腿を拘束していた両の翼を離すと、ラドンは去り際に「精々壊れちゃダメよ」とゴジラに告げ、元の場所へと飛び去って行った。
直後にあのありえないサイズの巨根を、怪獣王が己の後孔でずっぽりと根深く飲み込んだ光景に圧倒されたタイタン達が正気を取り戻す。各々の股座に生えた男根は強い興奮により此処に来た時より硬く屹立している。
これから何が起こるのは明白だった。

「あ…あ゛……はぁう゛っ!んお゛ォッ!」

巨獣達による淫獄に絶望感を味わう間もなく、せめて目線だけで制止を懇願する前に数体のタイタン達がゴジラを再び取り囲む。一瞬のうちに状態部分が覆いつくされた反面、代わりとしてベヒモスが突きあげる度に凹凸を成している腹部があぶれた彼らの注目を集めた。
挿入しているベヒモスに続き、自分達もまた皮膚越しながら孕ませようとする魂胆も含まれているのだろう。思い思いに自身を激しく扱いている。

ただし、唯一開きっぱなしの口だけはトロ顔を拝むのとその付随物として淫猥なハーモニーを奏でさせるために、敢えてブツを咥えさせないでおいた。

「すっげぇ…幾らでもヌけるぞこりゃ。どうだ、一方的にぶっかけられる気分は?」
「ぎあァッ!が、ぅあ!ヤメ…っ、は、はへ、はへぇぇ…!」
「あぁ?何が『はへぇ』だよ、すっかりぶっ壊れちまってるじゃねぇか!オイ怪獣王、しっかり気合い入れて俺らのチンポ扱けや!」

「は、ん゛ん……っ!」

自慰をしていた一匹から叱責されて無理やり怒張を握らされるも、今のゴジラにとっては唐突に差し出された異物でしかなく、今は全身からこみ上げる苦痛から逃れるべくただ無意識に擦り続けた。
掌からは先走りの汁がぐちゅぐちゅと卑猥な水音を立てて、幹の滑りを一層激しいものにさせてゆく。

「認識してねーようだがやれば出来るだろ怪獣王。このまま俺がイクまでシコってろよ」
「ふぅ…っんんっ……あひぃぃ!?」

下腹部の衝撃に、ゴジラの意識がまた現実へ戻された。
熱気に煽られ、漸くやる気になったベヒモスが強く突くと腸ごときゅんきゅんと蠕動し、腰を引けば異物感を待ち侘びているかの如くヒクヒク締め付けてくるゴジラの内壁を気に入ったらしく、他の連中と同様容赦ない抽迭を続けた。その度にゴジラの下腹部がくっきりと不定形な波紋を模し、物理的なパルスを断続的に刻む。

「う、うごかす、なぁ…!はっ、ぁ゛、も…腹がぁ……おなかがぁ!」

「すご…っ、交尾ってこんなに、気持ち良いんだ…腰が止まらない…!」
「そうだろ。良かったな、良い番が見つかってよ。後はこの肉便器に思いっきりぶちまけてやれ」
「それにしても、あの怪獣王様がこんな声上げてよがるなんてなぁ。こりゃ無様通り越して哀れだぜ」

既に王としての矜持を保てなくなり奴隷へと堕ちたコイツはイク時にどんな絶叫を上げるのだろうか。皆がその瞬間を心待ちにしていた。勢いづいた誰かが唾液を垂らしながら胸板に噛み付くと、雌のような甲高い絶叫を上げてゴジラの上体が仰け反った。
そんな中で、自分が突く度に戦慄く終わりなき肉壁の誘いに耐え切れなくなったのかベヒモスの息が自然と荒くなり、緩やかだった腰の動きが一段と早くなる。

「おご、っおほぉ゛ぉ゛、が、は…はげし…っ!やべでぇ゛、まら゛…まら゛いぐぅぅう!」
「はっ、う…ゴジラさん…!最高だよ……辛いのはもう少しだから、オラの子種全部飲んで!」
「そんな、イッた、ばかり………ひぃぎゃぁ゛あ!!?」

もう何度目かも判らない絶頂に悶えるゴジラの懇願をよそにグボグボと抽迭が激しくなり、一切の返答は塞がれた。そして無情にも蠢き続ける肉洞が熱を帯びて、番から放たれるを今か今かと待ち侘びる。
一方でゴジラの躰中へ渡る愛撫にあぶれてしまった者達の自慰もまた、二体が淫猥に交わり合う最高潮の姿に火が着いたらしく各々手を動かす速度にも更なる拍車がかかっている。

「そろそろ出すぞ、怪獣王さん!」「しっかり浴びろよな!」「種付け決めてやれよ、ベヒモス!」
「んん…っ、も……で、射精るぅう!ぐぅおあぁぁあっあぁあ!!」

「ひぎ…っ、が、ぁ……あぁあ゛ああぁぁっ!ひぃああ゛ぁぁぁあ゛あァァッ―――――!!」

達した余韻を味わえないままに最後の一突きがもたらした、強制的に呼び起こされた絶頂。多量に注がれたベヒモスの精液を受け止める度にナカが別のものを宿されたかのように胎動する。
そして全員分の獣慾を全身で隈なく浴びながら、ゴジラは相も変わらずトロ顔で白目を剥きつつ、計り知れない壮絶な恍惚へと意識を堕としていった―――。

 

「は…あ゛ぅぅ……はひぃぃ……」

雁首につっかえて難儀したが、それも数秒の間だけでごぽん、と下品な音を立ててベヒモスの巨根が抜かれた。
異物のなくなった怪獣王の肉洞はぽっかりと空いていて、未だに閉じ切らない様子だ。赤く腫れあがった縁はゆっくりヒクつき、空ろになったそこから尚も多量の白濁を垂れ流していた。
元の体色がわからない程ぐちゃぐちゃにされた全身をタイタン達に視姦され、一向に治まらないオーガズムの余韻に浸りながらも、ゴジラは胸を上下させてか細い吐息を漏らし続ける。

「ナカが丸見えになってんぜ。血も出てないとかすげぇな」
「ありゃ戻らねぇかもな」
「さて、次は……あ?」

順番待ちのタイタン達の眼前に、三つ首の影が横切り、全員はこの場で立ち尽くした。当事者もとい偽りの王が、今翼を広げて動いたからだ。
宴には一切加わらず、しかし最後まで王の痴態を余す事無く観覧していたギドラが、ゴジラの横に立つ。左の首に至っては汚い物でも見るかのような表情で目を背けており、右の首は侮蔑の目で見下ろしているが、唯一真ん中の首だけはゴジラの空ろになった瞳をしっかりと見据え、これまでにない甘ったるい声で囁く。

「良い姿になったものだな。普通は汚らわしいと思うだろうが、今のままが一番美しいぞ」
「は、はへぇ゛ぇぇ………はっ、はぁ………」
「さてゴジラ…この間に何度達した?誰のモノが良かったのだ?貴殿の声ではっきりと、皆の衆に聞かせてやれ」

「……ッ…!」

問いかけても返ってきたのは僅かな喘ぎ声で、これでは返答にならない。それもそのはず、そんな事は嬲られ続けた故に細かく覚えていない上に、ゴジラにはもう答える気力すら残っていなかったのだから。
一方で、期待していた返答を虚しく返されて憤りを籠めつつ舌打ちした直後、ギドラは徐に右足を上げ、間髪入れずにゴジラの腹部へと鉄槌の如く振り下ろした。
踏んだ先からドボッ、と爆発にも似た音が辺りに木霊し、注がれた白濁が後孔と口内からも濁流の如く飛び出してくる。

「ごブォッ!!ぉ…ぼ……おげぇ゛……ッ」

不意に訪れた強烈な衝撃にゴジラは潰されたカエルの如し呻き声を漏らし、両目を見開かせてびくびくと体を波打たたせる。背を仰け反らせば埋まった背鰭がギシギシと音を立てる。
黙っていると本気で踏み潰す気だ。その間にも残滓の海は広がってゆく。
混濁する意識の中で堕ちた怪獣王は疲れ切った体に鞭打ち、ギドラの足を退けるべく片手を動かそうとするものの、それを見過ごさなかった相手の尻尾で弾き飛ばされ、逆らう事も敵わずびちゃっと濁った水音を立てて掌を落とす。
そして少しでも時間が経つ毎に強く踏み躙られる。最早逃げ場はなかった。

「ごぼ、うぐぉお…!げブッ…がはァ……」

「汚ねーな、まだ出てんぞ」
「もしかしたらお尻に注がれた分も入ってるんじゃないかなぁ?」
「聞こえなかったのか?余の質問に答えてもらわないと、骨ごと砕くぞ」

語尾と共に足をぐりぐり回し、開きっぱなしの両穴から、そして鼻孔からも白濁を漏らし続ける。
続けていると窒息していまうのも時間の問題だ。虐めるのをそこそこに少し足の力を緩めれば多少解放された安堵からか、ゴジラはひとつごぼ、と咳き込み、先程ギドラに指示された言葉を紡ぎ出した。

「……っべ、べひもす、しゃんのが、よかったれ゛ひゅぅぅ……♥ ぶっといのでずぼずぼ突かれまくってぇ、な゛んろ゛もイキまくって、どーにかなりそうれ゛したぁ……」

必死に絞り出した回答が、ギドラの聴覚を満たした。
本当は答えなんてどうでも良かった。長年の宿敵が蕩けた声を漏らしながら体中の穴という穴から汚辱を垂れ流している醜態を晒し、剰え自分の思うがままになっている。この揺るがない達成感は自らが氷の中に封印されて以降味わった事がない。

「……ククッ、よくぞ言えたな。ゴジラ…!」

あの怪獣王が呂律の回らない言葉で必死に返答した可笑しさと、何よりそいつを奈落へと落としたという事実を実らせた為に高笑いが零れそうだったが何とか堪え、ゴジラの下顎を蛇の如し二股の舌で軽く舐め上げた直後、「後は存分に愉しめ」との一言と共にギドラは飛び立った。
後には雑踏をバックにゴジラの拒絶の声が空しく虚空に反響したが、これも心地良い音楽だ。できればずっと聞いていたいのだが、自分にはまだやる事があった。
ラドンもまた唐突に再開された宴を前にして呆気に取られていたが、主がこの場から離れたのを見て我に返り、慌てた様子で翼を広げると、明星が輝きつつある夕闇の空を一直線に飛翔しているギドラへと追いつく。

「陛下、良いんですか?貴方様の本命なんでしょ?」
「構わん。配下達の肉便器となった王を“女王”に見せつける為にも準備は必要だ。…まさかここまで早く堕ちるとは思わなかったがな」
「ですよね~。ベヒモスがあんなモノ持ってたなんて、アタシもびっくり…」
「黙ってろ。兄貴の思考が遮られるだろーが」
「は、はいぃぃ!」

右の首に叱責され、ラドンはビクリと体を強張らせて上ずった返事を返した。その様子に左の首はクスクス笑う中、真ん中の首だけは変わらず動じない様子である考えを巡らせていた。
この巨獣達の宴を、捕らわれの女王―――我々に健気にも逆らったあの生意気な虫に見せつけてやろう。彼女は尚も蟷螂の鎌を振り下ろして結果が見えている反抗を続けるのか?それとも絶望の余り折れてしまうだろうか?もし怪獣王が女王の登場で正気に戻ったら、性処理を奴にも担当させてやろうか―――様々な策を講じる中で、ギドラの口角は自然と歪な三日月を湛えてゆくのだった。

 

 

 

 

数日後――――――。

 

「これは、一体…なんで…!?」

モスラがラドンに連れられた場所、そこはすべてが始まった場所――激闘の中でゴジラの背びれが地面に刺さって動けなくなり、ラドンを退けて彼に加勢しようとした際、王の命と引き換えに自分が人質に取られたあの日から何も状況が変わっていなかった。
ただ、大きな違いは―――周囲にはゴジラの甘ったるい嬌声が響き渡っていて、それに呼応するかのように各々自慰を行っている順番待ちのタイタン達が彼を取り囲んでおり、更にパンパンと音がし続ける下腹部には雄の個体・アムルックが己の腕を伸ばして拘束しながら腰を動かし、ゴジラの後孔を何度も抉っている。
それだけではない。仰向けになった彼の頭部には他の個体に呼び寄せられたのか、雌のタイタン――ニューMUTOが彼の顔に跨り、愛液を飲ませるばかりか時々敏感になった局部全体を舌で弄らせていたりと、倒錯した光景が繰り広げられていた。
今私は、何を見せられているの?初めて此処に来るモスラにとって眼前の光景は正に王に対して狂気且つ冒涜そのものでしかない。視界がぐにゃりと歪みつつある中、その慕っていた王の嬌声が不意に響き渡り、思考が現実に戻された。

「うぐっ、うぶ、んむぅう♥ ぉぼ…っ!」
「っく、こんなガバガバになっておいて何発搾りとりゃ気が済むんだよ、淫乱が!そっちはどうだ?」

「あんっ!はぁ、っ……ウフフ、こっちも良い感じよ。どう、怪獣王?あたしの愛液の味は?」
「じゅぷっ、とて、も゛っ、おいじい、れじゅううぅ~♥ っぶじゅるるるりゅぅぅ♥♥」
「はひっ!?ちょっと、こんなの反則よぉ…っ!周りにも聞かれてるじゃないの……そぉ~れっ!」
「~~~~ッッッ!!♥♥♥」

お仕置きと言わんばかりにニューMUTOがぐい、と強く腰を落とすと、突然の窒息感で生命の危機を感じたのか、びゅるっと力ない放物線を描いてゴジラ自身から透明な液体が放出された。
所謂潮吹きというものなのだろうか、緩い絶頂にゴジラの脚が跳ねる中、下腹部を犯したままのアムルックは達した様子を見せず未だに腰を打ち続ける。時たまゴリゴリと奥まで押し込めば、ゴジラはびくびくと顎を痙攣させながら呻き声を返し、終わらない快感に悶えた。

「あらあら、朝からやってるわね~。見ての通りよ、女王様。愛しの王様は半ば不眠不休でタイタン達の性処理担当オモチャとして働いているのよ。初めて来るアンタにはちょっと刺激が強かったかしら?」
「いや…嫌……だめ…こんな事が、許されて良い訳がありません!すぐ止めさせるのです!」
「えぇ~?そんな事言われても、今更止めようがないしどうにもならないわよ。本人もすっかりこの境遇に慣れたみたいだし」

ゴジラの方に視線をやれば、彼は心なしか王としての使命を任された時よりも生き生きしているような気がする。というのも、今まで伴侶を共にしてこんな恍惚としたゴジラの笑顔は見た事がなかったから。
やがて二体のタイタンがほぼ同時に達した後、アムルックの方は少し不満足な様子でゴジラの下腹部から離れ、一方のニューMUTOに至っては番のいない鬱憤を晴らせて満足した表情で、太ももから残蜜を垂らしながら引き上げる。

「やれやれ、他の奴がぶち込むまでにはそのガバ穴治しとけよ」
「あたしは結構良かったけどね?またよろしくね~、淫乱王様。キャハッ!」

相反した感想を述べて二体がこの離脱し、その場に一体残されたゴジラは絶頂の余韻もそこそこにすぐさま呆けた表情になると、肉体に纏わりついていた喪失感から忽ち切ない表情になり、周囲を見渡しつつはしたない猥語を吐いてまでも更なる被虐を望んだ。

「やら゛ぁ、ちんぽ、ちんぽまだ抜いちゃやだぁ♥ 誰でも良いから、もっど犯してぇぇ♥」
「待ちなさい。アンタにお客さんよ、元怪獣王様。…ほら、挨拶してらっしゃい」

今にも卒倒しそうなモスラを急き立たせ、前に追いやる。その際に彼女の折りたたまれた翅がぷるぷると震えており、今にも身を潰されそうな絶望に打ちひしがれているのは手に取るように分かった。
そして震える視界でモスラが見たもの―――王と離れ離れになって以来久々に見たゴジラの躰は怪獣達の頂点とは思えない位に汚されており、威厳の証である黒い表皮は無数の白濁が――時間が経ちすぎてカピカピに乾燥しているものや、未だに粘っこさを残してこびり付いているものまで、様々なパターンを形成していた。
一体どのくらいのタイタン達が王に群がり、今日に至るまで散々に犯し尽くしてきたのだろう。想像しただけで発狂しそうだ。
そんな中で、不意に自分と目が合う。

「……もす…ら…?」
「王よ、怪獣達を統べる使命はどうされたのですか!?今すぐ正気に戻って!私からの、お願いです…!」

彼女の嘆きを皮切りにしばしの沈黙が、辺りを包む。ましてや相手は怪獣の女王、嘲笑ったり下手な真似をすれば刺されるかもしれない不安で誰もが動けないでいる。
一方でゴジラは思わぬ来客に目を見開く傍ら、久方ぶりの思考を巡らせていた。
自分が凌辱されるきっかけとなった時から唯一忘れずにいた女王は一切の無傷でいるではないか。なのに、どうして彼女は自分を見て涙目になっているんだろう?

それならできる事は一つ、この開発し尽くされた体で慰めてやらなきゃ。

安堵も含め、新たに出来た使命にゴジラはふっと溜息を吐くと先刻まで嬲られた時と変わらない蕩けた笑顔を浮かべて、モスラ達を宴へと誘う。

「二匹ともこっちへ来て俺と一緒に、たっくさん気持ち良くなろうよ…君らの場所なら、今空いてるよぉ?♥♥」

秘部を曝け出し、特に散々嬲り尽くされた肉洞はベヒモスに穿たれた時より拡がっており、数えきれないほど種付けを決められた暗い孔からはごぽごぽと白と黄色が混ざったマーブルの残滓が垂れ続けている。露になった両肢には他のタイタンが抜いた回数分を刻まれた爪跡が残っていて、そこにうっすらと浮かぶ赫が痛々しい。
曝け出された事で立ち込める牡の噎せ返る臭いが辺りを覆ったものの、それはゴジラの性感とモスラの悲哀を煽っただけに過ぎない。

「そんな……王……目を、覚まして…………!」
「あ~あ、泣いちゃった。でもアタシ達幸運よねぇ…珍しくアイツから誘われた事だし、元気出しなさい」

感動とは程遠い歪な再会になってしまったが、これも世間知らずの女王には良いクスリだ。地面に突っ伏して嗚咽を漏らすモスラを見下ろしてラドンはほくそ笑む。
それにモスラだけでなく自分にも王からのご指名が入ったんだ、なし崩し的にギドラの付き人にされて以降全く碌な事がなかったが、久方ぶりの幸運である。
数日ぶりに有り付く怪獣王への欲情に身を任せつつ、ラドンもまた意気揚々と宴へと足を踏み入れていった――――。

 

 

 

 

 


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