ガシャガシャと、骨の鎖が頻りに揺れる音が聴覚を掻き毟る。その音源は、現在剥き出しの体表に赤い炭を塗られたグレイト・エイプ―――もといレッドストライプスに後ろから腰を打ち付けられ、尻からの苦痛と快楽に悶える怪獣王ゴジラからのものだ。
一方のオレはというと、これまたゴジラと同じような状況で骨の鎖に両腕を上げる形で縛られていて、眼前でそいつの痴態を眺めさせられている。
奴とは昔から続く一族の業から一方的に目を付けられるどころか、髑髏島を出たと知った時から半ば殺される手前まで追い詰められたりと散々な目に遭わされてきたが、そこに乱入してきた機械の獣撃破以降、ある意味で腐れ縁となった間柄だ。そんな怪獣の頂点に君臨する彼奴が、今やスカーキング率いる配下の一人に雌扱いされている。
何時もの威勢の良さは何処へ行ったのかと思うほど、今の彼はまるで快楽に打ち震えるように喘いでいた。猿轡で塞がれた口端からは唾液が零れ落ち、瞳には涙すら浮かんでいる。
普段なら男同士の性交なんざ、「気持ち悪い」とか「見るに耐えない」 という感情が込み上げるのだが、拘束されている以上はそうもいかない。決して逃げられない状態で陵辱を見せつけられている間にも、オレの中で怒りにも似た憎悪が湧き上がってくるのだ。
(クソ野郎共め……)
心中で悪態をつくも、猿どもはそれを嘲笑うかの如くゴジラを犯し続ける。奴らはもう完全に彼奴を”肉奴隷”としてしか見ていないようだ。
「オラァッ!もっとケツ締めろよ怪獣王サマァ!! それともこっちが好きかぁ!?」
「むぐぅっ!?♥♥ンぶぅっ! や゛め…ッ、んごぉおっ!♥♥」
レッドストライプスが勢いよく腰を振り下ろしては、大きい掌で臀部を激しく打ち据える。その度にゴジラの全身が大きく跳ね上がり、口から漏れ出す声音も先程より一層甘く蕩けたものへと変わっていく。
しかし、どれだけ淫靡な仕打ちを受けてもゴジラは痛い程に張り詰めた男根から精子を吐き出すことなどできない。というのも、ソレの根元には硬い蔓がキツく巻き付き、精液が逆流しないよう栓をしているからだ。
「ふぅっ!ふーッ……!!♥♥」
「どうした爺さん? 随分辛そうだなぁ? 白眼まで剥きかけてるぜ?」
レッドストライプスの一人が、指先でゴジラの男根の先端を軽く弾いた。それだけでゴジラは髪を振り乱すのを筆頭にビクンッと身体を大きく仰け反らせ、籠った喘ぎを漏らす。最早限界が近いのだろう、嫌々をするかの如く左右に尻を振って抵抗するも、それは逆に相手の嗜虐心を煽ることにしかならない。やがて、レッドストライプスが天を仰いで息を詰まらせた直後、ゴジラもまたキツく目を瞑って奴の絶頂を受け入れた。
「~~ッッッ!!!♥♥♥」
ゴジラの両手を拘束している骨の鎖がぴん、と張り、ぶるりと一際大きく痙攣すると共に項垂れてしまう。射精こそしていないものの、絶頂を迎えたのだろう。
「おぉ…っ、イったなぁ怪獣王サマ。へへへ、相棒の見てる前でケツマンコ掘られるのはどんな気分だぁ?」
「…………っ」
オレとゴジラの視線が交わる。金茶色の瞳は屈辱と羞恥に満ちていた。オレとて同じ気持ちだが、それでもまだ諦めてはいないらしい。その証拠に、こんな目に遭わされても彼の瞳には未だ強い光が宿っている。それが怪獣王としての矜持故なのか、それとも単に屈したくないという意地からくるものなのかはその鋭い双眸からして明らかだった。
そんな中、不意にゴジラを取り巻いているレッドストライプス達が狼狽え始めた。それはオレの背後に新たな気配が出現したからで、その正体は言うまでもなく、邪智暴虐の王―――そしてオレの同族であるグレイト・エイプを力と恐怖で抑圧している暴君・スカーキングからのものだった。
「ええ眺めやのぅ、若いの。ま、ワシらに逆らった罰としては少し軽い気もするがな」
このゲス野郎が。猿轡さえされていなければ、オレはそう言い返していたかもしれない。しかし唯一できることといえばスカーキングを睨み付け、敵意を示すことくらいだ。そんなオレの反応に、奴は鼻で笑うと細い五指で髪をぐっと掴んでくる。そのまま引き寄せられると、オレは無理矢理奴の方を向かされた。
「ぐッ……!」
「フヒヒ、相変わらず威勢のいい小僧やの。ワシに反抗的な態度をとるのは感心せんが、そういうところは嫌いやないで」
「……」
「せやけど、今のお前はあのクソトカゲ同様ワシらの慰み者になる運命や。さっきから見とったが、あのゴジラとかいう奴も満更でも無さそうやし、近い内に堕ちるやろなぁ」
歪んだ笑みを絶やさぬまま、ぽつりぽつりと言葉を紡がれる。当然ながらそんなふざけた宣言を投げかけられたことにより、ゴジラもまた憎き暴君を睨み付けるも、スカーキングは愉快げに肩を揺らすばかりだ。
「……ッ」
「フン、怖い顔したって無駄じゃ。とっくにお前らは哀れな虜囚の身になっとるんやからなぁ」
オレの髪を掴んでいた手が離れると、暴君の気配が後ろに回る。一体何をする気だと思う間もなく、奴はオレの胸筋に触れてきた。
「っ……!?」
突然のことに思わず息を呑み、身を強張らせるも、奴は構わず手を這わせてくる。宛ら蛇のようにじっとりとした手つきで素肌を撫で回されると、ぞわりと肌が粟立った。
「雄相手に興味はないが、お前だけは特別や。彼奴が犯されとるのを見てムラムラしとったんやろ? 丁度ええ、あの怪獣王サマと同様に可愛がったるわい」
否定する間もなく耳元で囁かれると同時に、外套の下へと滑り込んだ指先が乳首を掠める。途端、甘い痺れが背筋を走り抜け、身体が小さく跳ね上がった。
「ふぅっ……!?♥♥♥」
「おぉ、敏感やなぁ。もうコリコリに勃起しとるやんけ」
「……っ……く、ぅ…!♥♥」
人差し指と親指で摘まれ、捏ねくりまわされる。この時改めて猿轡を噛まされているのが唯一の幸運だと思えた。もし声が出せる状態だったなら、間違いなくオレは情けない喘ぎを上げていただろう。しかし、そうなればこの忌々しいスカーキングの思う壺だ。何としてもそれだけは避けねばならない。
「フヒヒッ、雌みたいにええ反応するのう。その様子からすると、お前さんも肉便器としての才能あるんちゃうか?」
「……ッ、ぐ……!♥」
「ともかく、胸でイケるように徹底的に仕込んでやるからの。おい、とっとと再開しろや!コイツが興奮できるように、この怪獣王サマを徹底的に犯し尽くしたれよ?」
両乳首を弄りながら、スカーキングがレッドストライプス達に怒号を浴びせる。奴の言葉を受けたレッドストライプスはびくりと肩を震わせるなり、再びその内の一頭がゴジラの後ろに回ると、またもや彼の後孔に太い剛直を突き入れた。
「ん゛ぉ゛ッ!?!?♥♥♥」
瞬間、くぐもった呻きをバックに鎖の音がガシャガシャと鳴り響き、彼の体が激しく揺さぶられる。背後から激しく腰を打ち付けられ、ゴジラの両の脚からとろとろと先程射精された白濁が滴る。
「ぅごおッ…!!お゛、う゛…ッ、ぐゥ、オォ……ッ!」」
「クカカカッ、彼奴えらい感じとるようやなぁ。ま、無理もないわ。若いのは手加減を知らんからな」
向かいから肉を打ち付ける音に伴い、ずちゅ、ぬぢゅ、と卑猥な水音が響く中、スカーキングは相変わらずオレの胸筋を撫で回し、乳首を引っ掻いてくる。その度にオレは喉奥で低く鳴き、体を小さく痙攣させた。
「ぁぐっ……!♥♥♥」
「ええ具合に気分出してきとるのぅ。痛い程にビンビンやないか」
不意に乳首をギュッと強く摘まれる。その痛みに一瞬眉をしかめたものの、すぐにじんわりとした快楽が襲ってきて、堪らずくぐもった熱い吐息を漏らした。その間もスカーキングの手は止まることなく、胸筋をぐにぐにと揉みしだいたり乳輪をくるりとなぞったりしている。そしてそれは徐々に下へ降りていき、腹筋や臍といった箇所までもが愛撫され始めた。
「うぅ……ッ、く…!♥」
「なんや、思ったより感度がええのぅ。ここなんかは特に……クッヒヒヒヒッ、可愛いもんやなぁ」
耳障りな笑いが小虫の羽音よろしく聴覚を侵す。しかしそれに気を払うほどの余裕はなく、オレは荒く呼吸をしながらどうにかしてこの状況を打破する方法を考えていた。だがそんなものは当然の如く思い付かず、ただただ屈辱的な時間が過ぎていくだけだった。その間にも突起だけでなくかつてゴジラに付けられた線状の傷跡に指先を這わせられ、オレは身を捩って逃れようとする。
「んっ……!♥ん、んん゛…っ……うぅ…♥」
「感じとるのは結構やが、こうも呻き声のままやとつまらんのぅ。そうやな、あっちの怪獣王サマにもお前の可愛い声を聞かせてやれや」
直後、スカーキングの両手がオレの猿轡を外す。解放された口で大きく息をつくと、すかさずくっと唇を噛む。絶対にコイツには屈しないという意思表示のつもりだったが、それが気に食わなかったらしく、スカーキングはチッと舌打ちをした。
「お前さん、反抗的すぎるやろ。ちぃとは従順になった方が身のためやで?」
「……はっ、誰が…」
「生意気な奴やなぁ……まぁええ。ならワシが教育し直したるわい」
スカーキングが数歩か下がる気配がすると、自らの肩に巻き付けてある骨鞭に手が伸び、ジャラジャラと音を立てる。
かつて奴と交戦した時、オレの左手に傷を付けたばかりか背中を打ち据え、首を絞めてきたそれ。まさかと思った次の瞬間、無防備な背中に鋭い一撃が走った。
「がっ……!!?」
思わず目を見開き、息が詰まるような苦痛に体が強張る。だが、続けざまに二度三度と鞭打たれる度に肌を裂かれ、肉を断たれるような激痛が走る。その痛みに思わず顔を歪めるが、スカーキングの攻撃は止まない。
「そらそら、もっと叫んでみろや!この若造がァッ!!」
「うぎっ!ぐっ、がぁ……!!」
立て続けに空を切り、何度も振り下ろされる鞭に、オレは背中を仰け反らせ堪らず悲鳴を上げる。当然ながらこの惨状をゴジラが見過ごす筈もなく、我に返ったかのようにこちらを視線を送ってくる。が、彼を取り囲んでいるレッドストライプスもまたそれを遮るように立ち塞がり、自身を扱き始めていた。
「集中するのはあっちの方じゃねぇだろ、怪獣王サマ。後々テメーの顔にマーキングしてやるから楽しみにしとけよ♪」
「んぐぉっ、ぐむぅう! んん゛~ッ!」
「それとも、さっきみたいにケツ掘られながら叩かれるのがお好みかぁ?おら、お望み通りにしてやろうじゃねーの!」
「うごぉおッ!?」
バチィン!と、臀部が打ち付けられるのと違った悲痛な音が響き渡る。尻たぶを平手で思い切り叩かれたのだ。ゴジラの体がガクガクと震える。
「おーおー、ものすごい締まるじゃねーか。俺のちんぽが食いちぎられそうだぜ」
「ぐぅ……! ぐっ、ぅ……」
「まだ気絶すんなよ。後がつっかえてるんだからな…!」
腰を打ち付ける音と交互に、尻を打ち据える乾いた破裂音が響く。その度ゴジラはビクンと体を跳ねさせ、口からくぐもった声を漏らしていた。雄猿共に揉みくちゃにされながらも恐らくオレの身を案じているのだろうが、それでも責苦が止まることはない。むしろスカーキングの鞭の一撃は更に激しくなり、その度にオレは体を震わせた。
「がはっ!ぐ、あ……! くそ、ッやめ…があああァッ!?」
「クッカカカッ、ええ声で哭くのう! まだまだこんなもんやないぞ、覚悟せいッ!」
背筋を駆け巡る痛みに、オレは獣のような叫びを上げてしまう。
スカーキングの鞭捌きは凄まじく、まるでオレの弱点を知り尽くしているかのような動きで責め立ててくる。しかもそれだけではなく、時々ズボンで覆われた臀部にも容赦なく打ち据えられる。
「うぐぁっ! んぎっ、ぐううゥッ! うあ゛あぁぁッ!!」
布が破られる恐怖と、背中から次々と生み出される苦痛。二つの感覚が混ざり合い、頭がおかしくなりそうだった。だが、幾ら暴君とて老いた身である以上はいつか体力の限界が訪れるはず。それまで耐えれば……。
「ほぉら、どうした若いの! お前さんもケツ振って善がり狂ってみんかい!」
「だ、誰が……ッぎあ゛ああぁぁッ!?」
口では強がっているものの、途切れ途切れに息が上がっているのが垣間見える。その証拠に鞭を打ち据えるスパンが徐々に長くなっていた。
そろそろスカーキングに疲れが出てきている。そう思った矢先、中々折れようとしないこちらの反応に業を煮やしたのか、不意に奴はひどく息を切らしながら一旦鞭を振るう手を止めた。
「はぁ……はぁ…ッ……。ははっ、どうした?もう終わりか…?」
ようやくできた束の間の休息。オレもまた荒い呼吸を整えつつ、余裕の笑みを浮かべる。とは言っても背中と臀部は執拗な鞭の殴打で流血を伴いながら酷く腫れ上がり、少しでも身動ぎすればヒリヒリと焼け付くような痛みを放っている。
そんな満身創痍の状態であるにも関わらず、オレは精一杯虚勢を張ってみせた。
「チッ……まぁだ減らず口を叩く元気はあるようじゃのう」
「フン、それはお互い様だろ。さっきまでの元気はどこへ行ったんだよ、このハゲ」
吐き捨てた一言にスカーキングの眉根がぴくりと動き、剥き出しの額に青筋が走る。同時に周囲の空気もピリつき始め、一触即発の気配が漂っていた。
「言うてくれるわ……なら、ちぃっと趣向を変えてみるかの」
「は…?」
刹那、スカーキングはおもむろにオレの足許に座り込んだかと思うと、鞭の殴打によって引き裂かれた箇所―――傷だらけの臀部へと五指を這わせてきた。
「ッ…テメェ、何を……!?」
「フヒヒッ、いい尻しとんのう。どれ……」
「あ……!?」
そのまま尻肉を鷲掴みにされ、思わず上擦った声が漏れ出てしまう。その際に幾重にも作られた傷口に染みたせいで鋭い痛みに顔をしかめた。
「ぐぅ…ッ! 触る、な……! そっちは…っ」
「それはできん相談やな。これからお前を雌にしてやるってのに…なァ?」
「なっ……!?」
耳を疑う間もなく、オレの臀部をしつこいまでに撫で回していたスカーキングの指先がぐっと双丘を割開く。途端、外気に晒された菊門が自ずとひくつくのを感じ、羞恥で全身が戦慄く。
「やめろ、この変態ジジィが! 一体何考えてやがる!?」
「そう喚くな。言ったやろ? 今からお前を雌にするんじゃ。あの怪獣王サマのようにな」
その言葉を聞いた途端、オレの全身からさあっと血の気が引くのを感じた。
今まで恋人を持ったことは疎か、肌を重ねることすら無縁だった。だからこそ、その衝撃は計り知れないものだった。
「お、おい…冗談だよな……?」
「クカカッ、ワシが冗談や酔狂でこんなことするわけなかろうて。ほれ、無駄口は後にして力抜かんかい」
冷たく言い放つと、スカーキングは自らの指に唾液を纏わせる。それをオレの後孔に押し当てると、無遠慮にぐぶぐぶと挿入してきた。
「んぁ……っ!!?」
「なぁに、心配せんでもすぐ気持ち良くなるわい。先程の鞭打ちよりは幾分かマシやろ?」
「ふざ、け…っ! ぐっ、あ……っ!」
苦痛を伴いながら体内に異物が侵入してくる感覚に、オレは歯を食い縛った。本来そこは排泄器官であって受け入れるようにはできていない。ましてや相手は老いぼれた雄だ。当然、快楽など微塵も感じられなかった。
「くぅ…っ! 抜け、よ……くそっ!」
「そうはいかんなぁ。孔を慣らしとるだけ、せめてもの慈悲やと思うんやな」
「うるせぇ、何が…慈悲ッ、だよ…! ぐっ、うぅうっ……!」
奴の戯言を一蹴するも、蛇の如く入ってきた指が奥にまで食い込み、苦痛と不快感が募る。やがて根元まで入り込むと、今度は中でぐりぐりと動かされ始めた。
「ひぃ、あ゛ぁァッ!? 痛ぇ…っ! くっ、ぁが…っ」
「痛いのは今のうちやぞ? それにしても、この未開通な処女マンコを暴く感覚は堪らんなぁ。もう一本入れてみるか」
「な…!? あぁ、あ゛……ッ!!」
二本目の指がぐぶぶっと卑猥な音を立てて挿入され、質量が増したことで苦しさが倍増する。しかも、知ってか知らずかわざと敏感な箇所を刺激してきて、骨の髄がじぃんと痺れるような感覚にオレはビクビクと身体を震わせた。
「やっ、あ゛…っ!? そこ、嫌だ……っ!」
「くくっ、解りやすい奴っちゃの。自分から弱点を口走っとるわい。ほれ、ココがええんか?」
「あ、あ……っ! くっ、ううぅッ! やめ、ろ……っ! うぁっ、あ゛ぁあ…っ♥♥」
グチュッ、ヌチャッと音を立てながら指が動く度に快感が走り、腰が浮く。けれど、背筋が反れると散々甚振られたそこから生じる苦痛に、蕩けた思考が現実に戻ってしまう。
(くそ…っ! こんなハゲジジィに弄ばれて嫌なはずなのに…なんで、オレ…女みたいな声が出ちまうんだよ……!)
「クカカッ、ええ反応しよるわ。この感じようやと、あの怪獣王サマ同様淫乱の素質があるかもしれんのう」
「は……? んな訳、ッ!? あ゛あぁッ!?!?」
反論の隙も与えず、体内を掻き回していた指の動きが激しくなり、前立腺を掠めた瞬間オレは背筋を仰け反らせた。
「ほぅ……見付けたで、お前さんの性感帯」
「ひっ!? だめ、だ…っ!♥ 抜け、っ抜いてくれぇ……ッ! くぅあ゛あぁッ!!♥♥」
グリッ、ゴリュッ! と容赦なくソコを抉られては押し潰され、目の前で火花が散る。あまりの刺激の強さにガチガチと歯が鳴り、全身が痙攣した。そんなオレの反応を楽しむかのように、スカーキングは責めの手を緩めず執拗にソコばかりを圧してくる。しかも細く長い指である以上、一度的確に弱点を見付けられたら逃れることは容易ではない。
「ひぐっ♥やめろ、やめてくれ……っ! 頼む、からぁ…ッ! こ、んな姿…っゴジラにだけはぁ……!♥♥」
「あん? 何を今更…あの怪獣王サマはもう堕とされとるやろが。お前さんも後少しでそうなるんじゃ、観念せぇよ」
「やっ、いやだ……! オレはまだ……っ! うあぁあ゛あッ!?」
必死に懇願するも聞き入れられず、それどころか三本目まで入ってきて更に激しく抜き挿しされた。その衝撃に目を大きく見開き、口をはくはくさせながら喘ぎ悶える。
(あ……あ、あ…っ! ダメだ、このままじゃ本当に堕ちちまう……ッ!!)
快楽と恐怖がまぜこぜになり、臆してキツく目を閉じるものの、それは何の気休めにもならなかった。むしろ自分から視界を塞いだことで他の感覚が研ぎ澄まされてしまったらしく、オレの後孔を犯しているスカーキングの指が三本も入っていることを意識してしまい、無意識のうちに締め付ける。
「お? 随分強く食い付いてくるのぅ。 もうイキそうなんか?」
「ッ!?ち、違……っ! ぐっ、あぁあ゛あ……っ!♥」
否定しようとも、身体は正直だった。その証拠に唯一無傷なズボンの前側ははち切れんばかりに膨らんでおり、それに気づいたスカーキングは揶揄するように余った片手で撫で回す。
「あ、あ…っ! ソコ触る、な……っんぁ、あ…っ!」
「ふっ、強情張っても無駄やぞ? 少し撫でただけでお前さんのマラがビクビク震えとるわい」
布越しに熱い感覚が伝わってきた途端、腰が跳ねた。先走りが溢れ、下着に染みて冷たい感覚が広がる。同時に強い羞恥心が湧き上がり、オレは目を潤ませる。
このままではいけない。何とかこの状況を打破するべく、ガシャガシャと鎖を必死で鳴らすも相変わらず千切れないばかりか、男根を撫で回しているスカーキングの手は先端ばかりを刺激する。
下手したらこの場で無様に達するかもしれない。そんな焦燥に駆られる間もなく唇を噛んでいると、突然スカーキングが「誰か手の空いてる奴おるか!?」という怒号を上げたため、我に返ってハッとする。
「はい! 直ちに参ります!」
数秒か置いて呼ばれた方向―――ゴジラを取り囲み、思い思いのやり方で陵辱しているレッドストライプス達の一人が駆け寄ってきた。
よく見ると、そいつはオレがスーコの案内で初めてこの洞窟に来た際、過酷な労働で疲弊したせいで岩を落としてしまったグレイト・エイプの一体に暴行と怒号を浴びせていた、いわゆる監督と思わしき個体だった。
余りにも理不尽な状況を見かねたオレは、そのミスをしたグレイト・エイプに手を差し伸べると、一連のやり取りを見ていた監督に詰め寄られる形でいきなり罵詈雑言を浴びせられた。が、聞くに耐えない暴言を聞かされ、黙らせる形でオレはつい監督に一発をお見舞いしたが、そのせいで取り巻き共からスカーキングを呼ばれる事態になった。
殴られた奴はてっきりあれから昏倒したままだと思っていたが、まさかこんな最悪な形で再会するとは。案の定スカーキングにされるがままのオレを見て、そいつは下卑た笑みを浮かべると舌舐めずりをする。
「前はよくも俺の顔面に素敵な一撃をくれたなぁ、ええ!? クソ野郎が!」
「……ッうるさい、見るな…っ!」
相変わらず声だけは耳障りな程にデカい。それだけならまだ良かったのだが、口調とは裏腹にその視線はこちらの股座に注がれており、思わず身を捩る。
「それでスカーキング様、どうするんですか?」
「あ? 見りゃ判るやろ。コイツの“前”を剥け。今にも窮屈そうにしとるからな」
余りにも屈辱的すぎる命令に、オレはカッとなって身を捩ろうとする。が、スカーキングの方に振り向こうとした途端、そいつは返事と共に躊躇もせずオレのベルトに手を掛け、カチャリと音を立てて外してきた。
「な……っ! やめろ、触んじゃねぇ!」
「は? 何だよ、テメェがやったように顔面に一発食らいてぇのか? 大人しくしてろよ」
「……ッ!!」
ドスを効かせた返答に、オレは歯噛みしながらも抵抗を諦めるしかなかった。そしてしゅるりとベルトが外されるとズボンを下着ごとズリ降ろされ、下半身が露わになる。
「へぇ…随分立派なもん持ってんじゃねーか。これで女泣かせてるのか? あぁ?」
「うっ……く…ッ!」
女を泣かせている。何の事かは理解できなかったが、男根の有り様を揶揄されたお陰で下腹部に甘い疼きが走る。奴の言う通りオレのモノは既に勃起しており、先走りが溢れているのが自分でも分かった。
悔しい。だが、それと同じくらいの羞恥心が身を焦がすのを自覚する前に、後孔に埋まったままの指がぐねぐねと動き始める。
「んぉ…ッ!? あぁ……っ! ひぁ、ぁああっ! くあぁあ゛あああっ!♥♥」
ぐちゅりと音が立つほど乱暴に中を掻き回される度、びくんと腰が跳ね上がり、脳天まで貫くような快感が全身を支配する。しかしそれでも肝心の箇所に触れられていないせいで絶頂に達する事は出来ず、快楽はジワジワと蓄積されてゆく。
「おい、くっちゃべるのはそこまでにして早よコイツの胸弄らんかい。ただし魔羅には決して触れるなよ?」
「は、はい!」
スカーキングの低い声に、レッドストライプスは先程の威勢とは打って変わり慌てて返事をすると、両手でオレの胸筋に手を這わせてきた。
途端、ぞくっと背筋が震え上がる。
「……っく、ぅう…っ!♥♥ やめ…っさ、触るな、ってぇ…っ!」
「ハッ、良いザマだな。俺様に恥をかかせた分、たっぷり楽しませて貰おうじゃねぇか」
「ぐっ…やめろッ! やめてくれぇ……ッ! くぅ、ぅっ!♥♥ あぁあ゛っ!♥♥ ひぐぅうう…ッ!!♥♥♥」
ぐりゅっ、ごりっ、とスカーキングに強く前立腺を押し潰されるのと同時に、乳首が指先でコリコリと乱暴に擦られる。敏感なニ箇所を執拗に責められては背筋に甘美な稲妻が走り、頭が真っ白になった。
「クッカカカッ、また締め付けてきおって! そんなに胸責めが気に入ったんか? 今に己の魔羅を扱くだけでは満足できん体にしてやるでな……!」
「ふぅっ、ぅぐっ! くそ、ぉ……っ! こんな…っ、嫌だぁ……っ!あぁあ゛あぁっ! やめろぉ……ッ!!」
絶頂から逃れるべく尻を振れば奥を貫かれ、胸筋への愛撫を振り解こうとすればぎゅっと強く捻られ、その都度身体中に痛みと快楽が入り混じった感覚が走る。
身を焦がす程に屈辱的だった。だが同時に、どうしようもない程に興奮している自分がいた。
「はっははは! チンポ触れられてもないのにイキかけてんじゃねぇか! このド変態野郎が!」
「違う……これは……ッ!♥♥」
「変態か…そういや己、先程はワシを変態ジジィなどとほざきおったな。その生意気な口が二度と叩けんように、たっぷりと狂わせたるさかいになァ……!」
スカーキングが低く呟くと殺気にも似た怒気が背中を舐り、本能的に恐怖を感じる前に指の本数が四本と、更に増えた。それも只前立腺を圧しているだけでなく、ぐりぐりと左右に強く捏ね回したり、時折内部でぐぱぁ♥と拡げられたりと、多種多様の責めで翻弄される。その度にオレはビクビクと腰を震わせながら情けない声を上げるしか出来なかった。
「かはっ、あ゛ぁあああ……っ!♥♥♥ひぃいっ♥♥ やめ…ッ!そこ、だけはぁ……ッ♥ らめっ……っ!お゛ッ、ぁあッ♥♥」
「ほぅ? 馬鹿に声が可愛らしくなってきたのぅ。四本咥え込んでも余裕とは、中々素質あるでお前さん」
「ふ、ふざけ…っ!テメェら、後で絶対ブッ飛ばして……ひぎッ!? あぁあ゛あ あぁあッ!!♥♥♥」
憎まれ口を叩く間も無く、再び乳首を摘まれる。しかも今度は上下に強く引っ張られ、ビリリとした刺激が走った。
痛い筈なのに気持ちいい。まるで神経を直接弄られているような錯覚に陥り、オレはガチガチと歯を鳴らしながら悶絶した。
「何だってぇ? こんな蕩けた面で凄まれても説得力ねーっての」
「うるさ……あ゛ひぃっ! くぅうう……ッ!♥♥」
きゅっきゅっと断続的に両方の乳頭を弄られる度、上半身に甘い痺れが走り、自然と胸を突き出してしまう。するとすかさず片方の乳首に爪を立てられて、鋭い痛みと共にじわじわと快感が滲み出てきた。
「くそぉ、いい加減離れろってぇ……ッ、あっ、んんッ……♥」
「フヒヒヒッ、そろそろ己の肉孔がヒクヒクしてきたぞ。お前がケツ穴で気をやる所見届けてやるさかい、安心してイけや!」
言葉が終わらない内に、スカーキングの指先がずん、と最奥まで突き立てられる。瞬間、視界が真っ白に染まり、全身に電流が流れたかのような衝撃が駆け巡った。
(な、んだこれ……っ!!?)
今まで味わった事のない未知の感覚―――宛ら骨の髄を炙りかねないような灼熱の悦楽がオレの全身に汗を噴出させた瞬間、全身を叩き付けるような凄まじい感覚が訪れた。
「ひっ…いっ、……っっ!! あぁっ…あ゛っ、んあ゛ ぁああ~~~ッ!!♥♥♥」
脳味噌の奥で莫大な快楽物質が溢れ出し、無意識に放たれた咆哮を合図に、オレの胸を弄っていた奴の気配が退く。それと同時にぶるりと身を震わせると、オレの腰から下はまるで自分の物ではないかのように小刻みに痙攣していた。
その度に尿道の奥から精液が勢い良く迸り、地面をぱたたと汚す。だが、達したばかりで痙攣が止まない後孔をスカーキングの指が掻き回す度に脳天を突き上げるような快楽により、腰がガクガクと浮く。
「おー、すげぇイキっぷりだな。良かったなぁ、スカーキング様に女にしてもらえてよ!」
「あ、あぁ…っ、んぅ……っ!ち、が……オレ、はぁっ……!」
「何が違うんだよ。ほら、まだこんなにちんぽビンビンじゃねーか」
「あひぃいっ!♥ だ、だめ……っ! 言うなぁ…っ!」
絶頂の余韻に浸るのを許されないまま、二人の嘲笑が思考回路を現実に戻す。
屈辱的な筈なのに、初めて味わう解放感に頭がぼーっとしてしまい、全身が汚辱に塗れた甘い毒に侵食される。
「ヒャッハハハハッ、壮絶なイキっぷりやのう!ほれほれどうじゃ、もっと哭いてみろや!」
「ひゃめろぉ……やめろってぇ! っぎひぃいっ!? あぁ、あ、っあ゛あ……!!♥♥」
ぐぽ、ぐちゃっ、ぐちゅっ。指で肉壁を強く擦られる度に、未だ勃ったままのペニスがびくびくと脈打ち、先端からは透明な汁が溢れ出す。射精したばかりで辛いというのに、スカーキングは嘲笑交じりに尚も内部で指をぐるりと回し、時折わざと中で開いては空気を入れてくる。その刺激にオレは悲鳴を上げて身悶えた。
「お゛ッ!?♥♥ た…頼む、もう抜けぇ……っ! ふぁああっ♥♥」
「何を言うとる。ココはワシのデカマラを喰わせる為に拡張しとるんやぞ。しっかり拡げとかんと、後々辛い思いするのは己やで?」
今、何と言った?
コイツのモノを、オレの中に…?冗談じゃない。そんなもの入れたくもない。だが、もし本当に挿れる気なら、オレは―――。
「ふっ、ビビって声も出んようやのぅ。お望み通り、今抜いたるぞ」
「……ぁ……!」
ずるり、と太い指が抜かれる感触に背筋が粟立つ。思わず声を漏らしてしまった自分に舌打ちをしたい気分だ。こんな外道の指に良いように翻弄されるなど一生の不覚だというのに。
しかし、異物が抜かれたということはこれからスカーキングの男根を挿入されるということだ。そう考えるだけで奴が「もう行け」と部下に促す声が遠く聞こえる程に怖気が走り、身震いしてしまう。
(クソが……!)
「フヒヒヒヒ、安心せい。最初は痛いかもしれんがすぐに良くなるわい」
遠ざかる足音と共にスカーキングが下卑た笑い声を上げると、片手が自身の前布に伸びる。はらりと解かれてまろび出たソレは、大木にまとわりつく蔓の如く表面に脈々と血管を浮き立たせており、触れてもいないのに我慢汁を滲ませつつ、既に硬くそそり立っていた。
「……っ」
こちらのペニスより一回りも大きいどころか、少し離れているのに熱気すら感じる程猛々しく怒張した肉塊に息を飲む。あんなものがオレの中に入ってくるなど、考えたくもなかった。しかし残酷にもソレは割り広げられた臀部の間に潜り込み、硬く張り詰めた裏筋で後孔の縁をなぞり始めた。
「あぁっ、嫌だ……! 止めろ……っ!!」
恐怖で喉が引き攣り、上擦った声で制止を求める。しかし奴は止める素振りも見せず、尚もずりずりと雁首が入り口を舐り回してくる。せめてもの抵抗として腰を揺らすも、それはただの挑発行為も同然で、更に赤々とした怒張の体温が密着してくる。
「ほぅ…? 腰まで振っておねだりしおって……そんなに欲しいんか? ん?」
「は…? バッカじゃねーの? こんなブッといの、欲しくもねぇっての……ッ!」
嘲笑まじりの言葉に強がりも交えて言い返すが、そこでふと腰の動きが止まる。まさかと思いながら恐る恐る背後を振り返ろうとした途端、先程甚振られた背中に「じゅぐっ」と生暖かい何かが張ってきた。
「ひぅっ……!?」
出来たての傷跡をなぞるかの如く這い回る感覚に全身が総毛立ち、悲鳴じみた声が上がる。咄嵯に背筋を反らすも、すぐさまちゅううっと吸い付かれる。耳障りなリップ音が怖気を震わせ、熱い吐息が生傷に染みた。
(このジジィ、傷口を……!?)
「はぁっ…はぁっ……!クソ、っ気色悪ぃんだよぉ…っ! あ、あぁ、んん…ッ!♥」
背筋を走るおぞましい感覚から逃れようと背筋をくねらせて身悶えるが、鎖の戒めに阻まれてどうすることも出来ない。その間にもざらついたスカーキングの舌が執拗に肌を擦り、痛みと共に甘い疼きをもたらす。
やがて奴の口が離れると今度は反対側にしゃぶりつかれた。舌先でチロチロと傷口を突く度、甘い疼きを残してオレの理性を蝕んでいく。必死に堪えようとするものの、反対に尻の間に挟まっている怒張が不意に離れ、今度は菊穴に沿って前後し出した。
「はひっ……♥ あ、ああっ……!♥ やめ、ろ……っ! ひ、ひぐぅっ♥」
まるで口付けでもするかのように先端でソコを突かれた瞬間、ぞわぞわとした快感が沸き起こり、思わず媚びるような声が漏れてしまう。慌てて唇を引き結ぶも、唾液が傷口に染み込んで余計に痛みが増し、また喘いでしまう。
「はっ、あぁ……っ!♥ あ ああっ……!♥ やめ、っ……!♥」
気持ち悪いはずなのに、口での愛撫を受けた余韻は何故か甘い痛みを伴いながら快楽を燻らせ、思考力を鈍らせる。その間も奴の肉茎はドクドクと脈打ち、結合を求めるかのようにずりずりと撫で付けられる。
(嫌だ……こんな外道の一物なんか、入れられたくない…!)
そう思うのに体はどんどん熱を帯びていく一方で、もっと強い刺激を求めてしまいそうになる。それが酷く惨めで、同時に悔しかった。
しかしスカーキングはこちらの心境など知る由もなく、舌なめずりをして亀頭を入り口に押し当ててくる。