ちばりよー!沖縄の獅子神さま

【キングシーサー(雌)】

名前にキングとついているが、れっきとした雌であり、沖縄の伝説怪獣。故郷で自身を崇める王家の末裔が台風で住まいを壊され、その復興資金を稼ぐために自ら娼館で働くことを決めた。
誰に対しても堂々とした態度で接し、相手を悦ばせることに全力を尽くすその姿勢は、まさに王の風格。その証拠に、彼女のふんわりした金色の体毛に触れることを目的に通う客も後を絶たない。
プレイは「敬語で導くご奉仕系」。鍛え抜かれた身体を活かした華麗なベッド技は必見だが、弱点は耳。あまりに夢中になると、つい故郷の沖縄訛りが漏れてしまうことも——。

 

 

 

「初めまして、お客様。私はキングシーサーと申します。この度はご指名ありがとうございます。今宵は貴方様のご満足頂けるよう、精一杯務めさせて頂きますね」

今回来たお客様はこの娼館では珍しい人間でした。体格としては、海人うみんちゅ宛らに逞しい肉体でもなければ見目麗しい容姿でもない、どこにでもいるような普通の男性です。けれどもそこいらの風俗店では飽き足らないのでしょう、わざわざ怪獣と性交したがる程にこの娼館まで足を運ぶ程ですから。
けれども、此処に勤めている目的―――大きな台風で私を崇めている国頭家親子が住んでいた家が半壊し、その復興費用を稼ぐために此処で働いている身としては、例えどのような御方であろうともお客様である限り誠心誠意奉仕させて頂きます。それがこちらなりの矜持ですから。

「緊張なさっているのですね? 心配はいりません、私に全てお任せください。きっと、お客様のお疲れも癒して差し上げます」

それでも不安になる気持ちが抑えられないのでしょう。彼の目が一瞬揺らぎました。ですが……私は怪獣娼館に勤める事へ自ら名乗り上げた身、お客様に不安を抱かせたまま最後まで奉仕するなど言語道断です。
なので私は彼を寝台にそっと仰向けに寝かせた後、しっかりと相手の目を見つめながら言います。

「大丈夫、大丈夫ですから。私を信じてください」

こうしてお客様のお顔を見ながら手を握ってあげると安心したのか緊張も解れていきます。手馴れていようと、やはり生まれたままの姿で行為に及ぶのは誰でも不安になってしまうもの。ましてや歯を剥き出しにした狛犬宛らの顔だと、余計に怖がってしまっても仕方のない事でしょう。
しかしながら、それでも彼は私を求めにやって来てくれたのです。ならばその期待と欲望には最大限に応えてこその怪獣娼婦であり、彼のご要望に応える責務を負っていると言えるのでないでしょうか。

「それでは参りますね、お客様。……どうか貴方様も気持ちよくなれますよう」

まずは手始めに彼の着ていたものを次々と脱がしていきます。力加減を間違えたら釦をブチブチと飛ばしてしまうばかりか布地まで引き裂いてしまいかねないので、手の動きは非常に慎重に。けれどもそれが緊張感を生み出しているのでしょうか、お客様は体を震わせながら私の一挙手一投足を為すがままに受け入れて下さっています。

「緊張なさっているのですか? ご安心ください。このキングシーサーが貴方様を“ようどれ”……じゃなくて極楽へお連れしますから」

お客様の緊張に釣られてしまったのでしょうか、私はつい故郷の沖縄語うちなーぐちが出てしまいました。これではいけません。
当館に来られたお客様は人語を話せる怪獣から唐突に漏れた方言なんて理解できない為に、「コイツはいきなり何を言ってるんだ?」なんて不審に思われてしまっても仕方がないです。気をつけねば……。
そんな事を考えつつも着々と手を動かしていきますと、ふとした弾みで私の自慢の金色体毛がお客様の露わになった素肌に触れてしまいました。そうしたら案の定、お客様は思わぬ感触に大きく反応しながら、ひとつ幸せそうな溜息を漏らしていました。

「あら…これは予想外でしたね。ふふっ、柔らかいのは嫌いじゃないですか?」

彼の吐息を聞いた私はつい嬉しくなり、少しイタズラ心が湧きました。
先ずは金の体毛を軽くひと房摘まみ、その先端で薄いピンク色の頂きをサワサワと弄ってみると案の定彼はすぐに背中をぴんと仰け反らし、息を詰まらせつつ如何にも気持ちよさげな反応を返してきてくれました。

「ほらほら、乳首ちーぬくびをこうやってされるのは気持ち良いですか? 人間の遊女じゅりを相手にしているとこういう事は滅多にありませんよね?」

またもや沖縄語うちなーぐちが出てしまいましたが、お客様は返事すら返せない程に息を荒げて感じ入っている様子です。うふふ、してやったり…ですね。
……おっと、また口を突いて出てしまいました。いけません、しっかりしなくては。その間にも私の手は動いていきます。
お客様の胸板を筋肉の向きに沿って優しくなぞったり、これまた金色の体毛に覆われたお腹に指を這わせたりすると彼は甘い声を漏らして身体をビクつかせます。その反応を見る度に、私もなんだかドキドキしてきてしまいました。

「ふふ……宜しければ私にもして頂けますか? 今みたいに楽しませてください」

そう言って私はゆっくりと彼を怖がらせない程度に向かい合うとツッ…と口付けました。最初は唇を合わせるだけの軽いものだったのですが、段々とお互いに舌を絡め合うようになっていきました。こうしていると種族違いながらまるで恋人と睦み合っているようで、なんだか胸の奥が温かくなっていくのを感じます。

「んっ♥ んぢゅるっ♥ はぁ……じゅぷっ」

舌だけでこんなに蕩けてしまいそうな程なのに、これが下のお口で男性器を受け入れるとなるとどれほどの快楽を得られるのでしょうか? それが今から楽しみで仕方がありません。そう思い始めると益々私の中で気持ちが昂っていき、相手の舌を弄ぶようにして吸い付き始めました。

「あむっ♥ んふ、ぷはっ……あぁむ」

ただそのままやられっぱなしになる事など当然無く、むしろ相手も私に負けじと舌を動かしてきたのですが、先程のイタズラの反動か彼の責め方がどうにも稚拙で可愛らしいせいで私の興奮は増す一方でした。
そんな中、お客様の手が私の腰を抱きしめるように回されました。これはいよいよ本腰を入れて奉仕できるという合図です。なので、私は一旦お客様の舌から口を離すと今度は首元に顔を寄せます。当然ながら、私の視界いっぱいには男性特有の半ば平たく汗ばんだ胸板が広がっていました。

「うふふ…逞しくって素敵ですよ、お客様」

不安がらせないように褒めつつ彼の身体にすりすりと顔を寄せ、胸板へ埋めると発情した若い雄の芳香が嗅覚を擽り、それだけで私の雌の部分も熱く潤っていきます。そろそろ頃合いでしょうかね。

「もっと貴方の逞しい身体を、私に感じさせて下さいまし……♥」

隠しきれない発情を吐息に乗せて囁くと、指先をお客様の下衣の出っ張った箇所―――熱を孕んで膨らんでいる部分へ這わせました。直後に彼はまたもや身体を大きく仰け反らせましたが、これは期待の表れでしょうか? だとしたらそれに応えて差し上げなくてはなりません。

「あらあら、こんなになるまで我慢なさっていたのですね。仕方ないヒト、そんなに私を求めて下さったのですか?」

彼は私の問い掛けに返答する事無く、ただただ小さくコクンと頷くだけ。ですが私はそれで十分満足です。何故なら彼の目には隠しきれない期待と欲望がありありと浮かんでいましたから。それを見てしまった以上、私もそれに応えてあげなくてはなりませんよね? 故に私は下衣を脱がすべく、ウエストのゴム部分に指先を入れていきました。その際に垣間見た彼の下着の膨らんだ箇所はほんのり湿っていたので、きっと私が思っていた以上に切羽詰まっているのでしょう。

「窮屈だったでしょう? でももう大丈夫です。今からこのキングシーサーが、たっぷりと発散させて差し上げますから……♥」

決してお客様から視線を逸らす事無く、私は彼の下衣を一気にずり下げました。すると眼前に現れたのは大きく反り返った太い棒状の肉塊で、その表面には血管が浮き出て脈打っていました。
それぞれ個体差はあれど熱く固いのは共通しているものの、今回はやけに大きい気がします。特に亀頭部分が大きく張り出している上に先端からはかなりの我慢汁を分泌しているのが窺えて、痛い程そそり立つ竿からはドクドクと脈動する音がします。

「うわぁ……すごい。こんなに腫れて苦しそうにしていましたら、さぞやお辛かったでしょうね?」

問いかけながら私は彼が顔を真っ赤にして頷くのを確認すると、指先でそっと先端に触れました。ほんの少しだけタッチすると開いた鈴口からつうっと垂れる半透明な粘液の感触があり、裏筋をなぞるとビクンと震え反応を見せます。
まるで海蛇イラブーのような反応を返してくるそれに少し怯みはしましたが、一方で私の中に眠る好奇心と本能が一気に燃え盛っていきます。だから私はもう止まれませんでした。

「ここまで猛っているならば話は早いですね。私が鎮めて差し上げますから、そのままでいて下さいね?」

そう言うや否や、私はお客様の肉棒を両手でくっと握り締めるとゆっくり上下に動かしていきます。彼の口からは短く詰まった呻き声が断続的に上がり始める中、私の雌蕊からもドキドキと熱く疼く感覚がありました。恐らく加虐心から来るものでしょうが、今はそんな事に気を割いている余裕などありません。私の役目はこのお客様の昂りを鎮める事であり、それだけに集中しなければなりませんから。
それにしてもこの方、本当に凄いですね。少し触っただけなのにもう私の指先がベトベトになってしまいましたし、一側強く脈打つ肉塊からは更に粘液が溢れ出てきますしで、殊更に雌の部分がうずうずと熱くなります。

「はっさみよー、ちびらーさいびーんやーとても素晴らしいです……」

小声ながら思わず沖縄語うちなーぐちが漏れ出してしまうほど、彼の愚息は私の中で存在感を増しています。その太さたるや、まるで丸太の如き逞しさ。それでいてなかなかの長さもあるため、片手で掴んでも先端部分が飛び出てしまう程の大口径を誇るのです。また表面は充血しきった肉色で非常に艶めかしく、熱さは宛ら良い食べ頃になった豚足テビチ宛ら、手触りも滑らかとくれば否応なく期待に胸が膨らみます。

でーじあちこーこーとっても熱い…こんなのに貫かれたら、私……)

考えただけでも身体が震えてしまいます。恐らくこのまま彼を受け入れれば、今まで経験した事のない程の強烈な快楽を得られるのでしょうね。コレが胎内を前後するのを想像しただけで下腹部の奥がキュンと疼いてしまい、じゅんっ…♥と熱いものが滲み出すのを感じました。いけないいけない……今ここで妄想に浸っている暇なんてありませんね。
気を取り直した私は感嘆の代わりにひとつ溜息を吐くと、引き続きお客様の欲棒を上下に擦ったり、根元から先端までゆっくりと搾るみたいに圧をかけたりしていきました。その度にお客様の口からは荒い吐息と共に嬌声が漏れ出ていきます。ああ、何卒我慢なさらずにその可愛らしいお声と絶頂する所を見せてくださいませ。

「どうですかお客様、私キングシーサーの指遣いはお気に召して頂けましたか? もう十分濡れてきましたので、今度は違った責め方で愉しませて差し上げますね」

言うや否や私は再び片手で自らの鬣部分から伸びる毛をひと房摘まむと、その先端で彼の男根の輪郭をなぞるかのように優しく這わせていきました。毛先が軽く触れるか触れないか、その程度の微妙な力加減で彼の亀頭だけでなく裏筋や雁首といった敏感な箇所を中心に刺激を与えていきます。
それだけでお客様の背筋にはぞくぞくとした感覚が走っているのか全身がビクリと跳ね上がり、次第に呼吸もどんどんと荒くなっていきました。どうやら相当に効いているご様子ですね。これは良い兆候です、もっと悦んで頂きましょう。

「このぐらいの強さでどうです? それとも此方の方がお好みでしょうか?」

時々問いかけるのを忘れずに触れればよく震える箇所を重点的に毛先でつつくと、その度にお客様の口からは苦悶と悦楽の入り交じった声が漏れ出て私の聴覚を刺激していきます。まるで脳に直接訴えかけるような甘く切ない嬌声に、私は思わずうっとりと聞き惚れてしまいました。

(あぁ……なんて可愛い声なんでしょう)

気が付けば私もお股を隠すかの如く太腿をもじもじさせてしまっていましたが、今は後回し。彼を少しでも満足させられるよう手を緩めずに責め続けなくては。思案している内にお客様はさらに呼吸が荒くなり、突然涙声で私の名前を呼んできました。
何事かと思って表情を窺うと、意外な事に彼の目尻からは涙が浮かんできています。

「ど、どうかなさいましたか? 私何か粗相を……!?」

慌てて声をかける私に彼は小さく首を横に振りました。どうやら違うみたいですが、何が原因なのでしょうか?
私の疑問はやたらとベタつく毛先を見た途端に解消されました。お客様の肉棒の先から溢れ出た我慢汁がしどとに滴り始め、それは彼の肉竿くーがを伝って玉袋や太ももの付け根にまで及んでいました。それはつまり彼の限界が近いという事です。二つの意味で嬉し泣きするほどまで私の手淫もとい毛先責めを気に入ってくれたと考えると、なんだか私の方も嬉しくなってきちゃいますね。

「あっ…もう射精しそうなのですね? 宜しいのですよ、お客様が我慢する必要なんてありませんから……思う存分このキングシーサーに掛けてくださいませ♥」

その言葉と共に、お客様はまるで女の子の様な上ずった声で返事した途端、我慢が解かれた逸物の先から勢い良く白濁液が噴出しました。
それはとても濃厚で量も多く、私の胸や顔のみならず、自慢の鬣にもどぷんっ、びちゃっ……と掛かると忽ち重力に従って垂れ落ちていきます。

「わぁ……でーじ、んじたんすごい、出た♥」

あまりにも多く勢いが良かったので最初こそ驚きましたが、それでも嫌な気持ちは全くありません。寧ろ嬉し泣きしつつこんなにも大量に出して下さったという事は、それだけ気持ち良かったという証拠でもありますからね。それが私には堪らなく嬉しかったのです。
そんな思いで見つめているとお客様は少し恥ずかしそうに顔を背けてしまいました。多分今の絶頂でお疲れになられたのでしょうね。これは少し休憩を挟んだ方が良さそう……と思った矢先、お客様が息を整えて手招きしてきました。一体何でしょう?と四つん這いのまま彼の懐に近寄ると、必然的に彼を跨ぐ形になった途端、何を思ったのかお客様は自らの両手で私の無防備なお尻ツィビに触れてきました。

「ひゃあっ!?」

突然訪れた刺激に驚き、つい間の抜けた声が出てしまいました。けれどもお客様はそれすら愉しんでいるのか、今度は両手で円を描く様に揉み込んできました。程よく引き締まった私の臀部がお客様の大きな手によって体毛を掻き分けられ、尻肉がぐにぐにと形を変える度に全身を走る甘い疼きが少し怖く感じて、またもや彼に縋る様に抱き着いてしまいます。

「あっ、やだぁ…そこ……だめぇっ♥」

先程の仕返しと言いたげな乱暴な尻揉みに、自然と口からは嬌声が漏れてしまっていました。ぐにゅ♥と強めに揉むだけでは飽き足らず、時折指先が臀部の谷間や尻尾の付け根にも触れてくるので堪りません。その度に私の甘ったるい嬌声をもっと聞きたいと言いたげに、わざと敏感な部分ばかりを狙ってくるのです。

「あふっ…お、お客様ってば、ちょっと…触り過ぎですよぉ……っ!♥♥」

ヒトの世界で言うとセクハラとか痴漢と呼ぶ行為に等しいのに、どういう訳かその行為が不思議と嫌ではなく、寧ろもっとして欲しいとすら思っていました。特に尻尾の付け根付近を触られるとそこがぴくぴくと反応してしまい、腰がふるっと揺れてしまいます。

(あっ♥ そこ、弱いのにぃ♥ い、いけません…このままだと私、とっても変な気分になっちゃいそう……)

ただお尻を揉まれているだけなのに、感じている箇所を的確に突くような絶妙な触り具合で腰が小刻みに動いてしまう程でした。それが恥ずかしくてどうにか我慢しようとしているのですが、時々雌蕊から明らかに発情した証である「ぐちゃり」といういやらしくて粘っこい水音が聞こえてしまいます。
それが恥ずかしくて思わずお客様の首に抱き着いてしまうのですが、寧ろこちらが恥じらえば恥じらう程彼は気に入るようで一層嬉しそうに微笑みながらより強くソコだけを揉んできます。

「ひゃんっ……あぁ…♥」

その行為に堪らず私が身悶えしていると今度は胸元目掛けて顔を埋めてきます。そこはスペースゴジラさんの乳房よりもずっと慎ましやかなお胸を隠すかの如くそれぞれの頂に体毛が渦巻いており、もしかしてココも揉むのでは?と予想する前に、その蒸れて汗ばんだ谷間をすうっと嗅がれてしまいました。

「うそ、そんな……っ♥」
(こんなに近くで嗅がれるだなんて……とっても恥ずかしいです)

本来ならこの執拗な尻揉みといい、恥ずかしいならすぐにでも引き剥がすべきなのでしょうけど寧ろヒトの持ち得る感覚器官で沢山私を感じたいという健気さに胸を打たれ、一旦ひと呼吸して落ち着くと彼の後頭部に指を軽く這わせます。

「もう、お客様ったら…そんなに私の匂いがお気に召したのですか?」

呆れるより先に微笑ましさすら感じて問い掛けると、お客様は肯定するようにこくんっと大きく頷いてくれました。その様子が余りにも甘えた盛りのお子様わらばーみたいで可愛らしいものだから、思わず彼の頭を一層撫でて差し上げます。

「ふふふっ……貴方ってばでーじ…とても甘えん坊ですね。良いですよ、貴方の心ゆくまでもっと甘えてくださいな♥」

私の投げかけに彼は嬉しそうに微笑みながら、再び私を抱きしめてきました。息が詰まりかねない意外な力強さに一瞬驚きましたが、寧ろその抱擁が心地よいとすら思えます。
雌のフェロモンに誘われ魅了される雄の如く、彼はすんすんと鼻を鳴らしながら私を抱擁したまま離さない。ただそうやって存分に身体を堪能されているうちに、私も母性が昂ってくるのを感じました。

「ふふっ、ほーりーほーりーいい子いい子♥」

私の腕の中にすっぽり治まる程平均的なその身体を抱きしめ返すように力を加えながら頭を撫でると、彼は一層すりすりと甘えてきます。
先程の嬉し泣きといい、本当に純粋で可愛らしいお人ですね。そんな愛らしさに思わず破顔しそうになる程頬が緩んでしまいましたが、本番が終わらない限り接客している以上はそんな姿は見せられませんからね。どうにか我慢しつつ、そのまましばらく髪を指先で梳き、背中をぽんぽんしたりしていると不意にお客様がこちらを見上げてきました。

「どうされました? お客様。私の温もりがお気に召しましたか?」

問うと、彼は目を細めて小さく頷きました。その動作がまた可愛らしくてもっとしてあげたくなります…が、その前に一旦大人しくなっていたはずの彼の一物がむくりと硬さを取り戻している事に気が付きました。
どうやら休憩も兼ねて戯れている間に、私の体温と芳香に充てられたのか雄としての興奮を抑えられなくなっているようですね。こんな時は一体どうしましょう……と敢えて考えていた矢先に、ふと私の中に名案が浮かびました。

「もし宜しければ、次は私が下のお口でご奉仕する側になってみましょうか?」

唐突な提案に驚いたのかお客様は目を丸くしていましたが、やがて私の意図を察したらしく小さく頷く仕草を見せてくれました。どうやらご承諾頂けたようですので早速始めましょう。
なるべくお客様に負担を掛けさせない様に私は再び彼を仰向けに寝かせたまま、その下腹部に向き合って乗っかる形になりました。交尾中ヒートアップした拍子にお客様が潰れない様に、適度に体重を掛けていけばもう我慢できないと言いたげに早速その手が伸ばされてきました。
最初は胸部や腹部といった個所を優しく撫でられるだけでしたが徐々にエスカレートしていき、今度は太腿をくすぐられる様な感覚に身をよじらせてしまいます。

「あっ……もう、お客様ったら…まだ挿入れてもないのに、そんなに触らないでくださいよぅ…」

口ではイタズラを窘める様に言いながらも、内心私はとてもドキドキしていました。それは決して嫌悪感ではなく寧ろ悦びに近いもので、その証拠に秘裂からは熱い汁がとろりと溢れ出るのを感じていました。それが太腿を伝って零れていく感覚にすら反応してしまい、下腹部の奥がきゅんっと疼きます。

(あぁ……早々からこれではいけませんね)

今はまだ挿入すらしていないというのに昂りを抑えきれないなんてはしたない事ですが、こればかりはどうしようもありません。自ずと肉弁がくぱぁ♥と開き、中から濃厚な雌の匂いが立ち込めてきます。それは胸元の芳香とは比べ物にならない程に濃厚で蠱惑的であり、すっかり発情した雄にとっては逆らえるはずもありません。実際催淫剤宛らに強い効果を持つフェロモンの源泉に、お客様の視線は自ずとソコへ釘付けになっていました。

「あらあら、そんなに物欲しそうな目をされなくても大丈夫ですよ。すぐに慰めて差し上げますからね」

そう言いながら私は自らの手で満開の仏桑華アカバナーよろしく熟れた割れ目を左右に広げ、ほぼ垂直にそそり立った肉茎を美味しく捕食する様を見せつけてあげました。当然ながらお客様はゴクリと喉を鳴らし、少し上体を起こすと興味津々といった様子でその箇所を見つめてきます。
そんなに見られたら恥ずかしいな…と思いつつ私はゆっくりと腰を落としていき、まずは先端部分を割れ目の中へ押し付けます。当然既に十分すぎる程に濡れそぼったソコは何の抵抗もなく彼のモノを受け入れていきますが、それでも決して一気に体重は掛けず慎重に挿入していきます。

「あん…っ、あぁっ♥ み、見えてますか? 私のここ……ぅうんっ♥」

肉壁を押し広げられる感覚と共に息苦しさで声が漏れてしまいますが、それはお客様も同じ様で顔を紅潮させつつ、息も顕にして何度も頷きます。

「ふふっ、良かった……♥ それでは、改めて始めますね?」

息遣い交じりに告げると私はそのまま腰をゆっくりと下ろしていきます。直後、先程まで入り口付近で浅く抽挿を繰り返していた亀頭が徐々に肉襞を舐り、ぐぶぐぶと音を立てて奥へと押し込まれていきました。

「んっ…くぅっ、あぁあっ!♥♥」

敏感な箇所を掠めて挿入ってくる感覚に、堪らず甘い声が漏れ出ていきました。何度誰かと身体を重ねても慣れる事のない異物感と、お腹を内側から圧迫されるこの感覚に思わず息が詰まってしまいます。それでもしっかりと根元まで咥え込んだ証としてお客様の恥骨と私の臀部がぴったり密着し、ドクンドクンという熱く定期的な脈打ちまでもが花弁越しにしっかり伝わってきました。

「はぁっ…はぁっ…♥ ふふっ…全部、入りましたね……♥♥」

この時点で私の子宮はぐいっと押し上げられている上に、モノの感覚が胎内をぱんぱんに満たしています。一時ながら彼を独占するかの如く全てを包み込んでいるその場所をそっと自分の指先で撫でてあげてみると、彼自身も唐突に結合箇所をなぞられて驚いたらしく絶句したような引き攣った声をあげていました。そんな初な様子があまりにも可愛く思えて笑いそうになるのを必死に堪えながら、私は下腹部に少し力を加えます。

「くぅ……う゛んっ♥」

途端、ビクッと彼の雄身が跳ね、次にお腹の奥底から脈打つ感触を感じ取りました。どうやら挿れただけでもう既に感じてしまっている様ですね。でも下手したら、お客様が私より先に達してしまうかもしれません。なので私はこちらの太腿を撫でていた彼の両手を恋人繋ぎでぎゅっと握りながら、悪戯っぽく笑みを浮かべて囁きました。

「んふっ…心配なさらないでくださいませ、お客様。これから私と一緒に気持ち良くなるだけですから、ね♥」

言っている間にも軽く腰を動かしただけで、お客様は私の手をぐっと握り返してきました。先程の抱擁に見せた甘えた盛りの子供わらばーから一転、恋人うむやーさながらの仕草に私は更に気分が良くなります。

(あきさみよー、でーじかなさんすごく可愛い…♥)

そんなお客様の様子に愛おしさを感じながら、私はそのままゆっくりと腰を上下に動かしていく事にしました。始めはゆっくりと前後に揺らす様に動かしながら、次第にテンポを上げていきます。ばちゅっ、ぐちゅっ♥と下から水音が鳴り響きますが気になりませんし、寧ろ私にとってもそれが興奮材料になるのです。

「んっ、ふぁ♥ ひゃあんっ! き、聞こえてますか? 私達の、ぅんっ♥ あ、愛し合ってる音…凄くいい具合に…っ立ってますよ?♥」

羞恥を共有する為に喘ぎながら訊くと、彼もまたハァハァと息荒く必死に返事しました。声の調子からして歓喜の海に溺れているのが伺え、剰え再び嬉し泣きしそうな様子に見ているこちらも思わずごくりと生唾を飲み込んでしまいます。
その拍子に思わずきゅん♥と心が軽く音を立てましたが、まだ絶頂するには早いです。先程体中をめいっぱい愛でられた分、しっかりと私の女性器ほーみーも甘やかしてもらわないと割に合いませんからね。故に少々意地悪ですが、代償をねだるかのようにもう一度僅かに腰を浮かせてから少し間を置き、ずんっ、と一際強く打ち付けてやりました。

「んひゃっ♥ あ、あぁ…! でーじ、やっさぁ♥♥」

膣内に鈍い衝撃が走ったことで無意識に沖縄語うちなーぐちが漏れたと共に幾度目かのお客様の悲鳴が上がりました。しかしこれだけでは終わりません。私はもっとお客様を視覚的にも気持ち良くしてあげる為に、結合部分を中心に腰をくねらせて淫らな踊りを披露しました。
此処に勤めている同僚のマザーガイガリアンさん程に自身の長身を生かした美しく淫靡な動きではありませんが、私もまたれっきとした怪獣娼婦。例えるならまるで狩りや漁でもするかの様な腰遣いでお客様を翻弄していきます。

「はぁ、っあん♥ あぁっ!♥♥ ほぅら、まだまだ夜は長いですよ? ちばりよー、ちばりよー♪頑張れ、頑張れ

彼には応援の意味で投げ掛けた「ちばりよー」の意味が通じたのかも定かではありませんが、私の淫靡な踊りを目の当たりにすればやはり涙目で嬌声を漏らし、ただ必死に首を縦に振って肯定の意を示してきます。
実際私が何度もお客様を激励しつつ腰を上下に揺する度に、埋まったままの雄身は主の悲鳴をバックにビクビクと脈打ち、今にもはち切れんばかりに膨らんでいます。

「ふふっ、そんなに焦らないでくださいな、お客様。 ちゃんと頑張れば好きなだけ射精させてあげますからね?」

いよいよ我慢も限界も近くなっているのでしょう。最後の追い込みとばかり、私は彼の両手をぎゅっと強く握りながら、腰の動きに緩急をつけていきます。こうなると私もお客様同様に嬌声を漏らしてしまう羽目になってしまいますが、今はそれがまた心地よく感じてしまい、雌襞全体が痙攣を繰り返し始めます。

(あぁっ、気を抜いたら私もイキそう…♥ ずくんずくんって、お腹が疼いてる……!)
「んあぁっ、あ゛っ♥ はあぁんっ! お、お客様ぁ…気持ち良いですか? ふふっ、もし耐えられなかったら何時でも私の胎内で果ててくださ……んひぃっ!!?♥」

不意に下からどちゅっと突き上げられ、今度は私が鳴かされる番でした。
このままお客様が達するかと思って完全に油断していました。戸惑う間もなく奥まで貫かれた途端、甲高い嬌声が私から上がり、強い快楽が尾を引きます。その時胎内が熱く滾る男根をきゅうっと締め付けた弾みで余計にモノの形がはっきり判ってしまい、その逞しさと雄々しさに私の雌蕊全体も……ああっ駄目です!不意打ちされたせいでお腹の奥が切なくて堪らない……!!♥♥

「ひゃんっ! あ゛ぅうっ♥ だ、だめぇ、お客様ぁ…! 私も、もう……!♥♥」

根を上げて果てようとした刹那、お客様が頻りに繰り出す力強い抽挿に私は自慢の鬣すらも振り乱しつつ半ば悲鳴に近い嬌声を上げ、我を忘れた獣の如く互いに腰を振り乱します。

「あ、あぁっ!♥ あ゛ぁんっ♥♥ は、激しっ…!♥ でーじ、いーあんべぇ気持ち良いっ♥♥」

ぐちゅっ、どちゅっ、ずちゅっと卑猥な水音が絶頂へ近付くに連れて高らかに鳴り響く中、握り合っている手も互いに強く絡み合い、達するまでは絶対に離したくないと言いたげに指を絡めていきます。
それは私もお客様も同様で、今や愛液とカウパー塗れで一体化している結合部分がかっかと熱を帯び、今にもソコから溶けて混ざり合ってしまうかのような錯覚に陥ると男根が膨張し、敏感になった胎内中の肉襞が限界―――もとい同時絶頂を予兆しました。

「あ、あぁっ♥ イぐっ……!♥ お客様ぁ、私もイキそうですっ♥♥ お願い、いっしょに…一緒にぃ……っん゛あ゛ぁあぁあっ!!♥♥♥♥」

子宮がぐにぃっ、と押し上げられ、その入り口と鈴口が接吻を交わすかのような感覚が襲いかかった途端、私の胎内でびゅるっ!どぷどぷぅっ!!♥♥と激しい奔流が子宮に向けて注ぎ込まれました。
跨ったまま仰け反った腹筋がぶるぶると戦慄き、開きっぱなしの口からは抑えの効かなくなった吐息と微かな嬌声が漏れるばかりです。

「ん゛っ……お゛ぉっ♥♥ い、いーあんべぇ、とぅまらん気持ち良いの、止まらない♥♥ でーじ…あちこーこぉぉ凄く熱いぃ…♥♥♥」

堪え切れなかった快楽の残滓がほろほろと涙と共に零れていき、行為中は進んで発さないと決めた方言が自ずと口から突いて出る度に、私の小さな矜持が崩れていく気がしました。
お客様にとっては聞いたことすらない方言での嬌声はさぞ珍妙に聞こえる事でしょう。けれど今の私にはそれを恥じる余裕すらなく、ただこの快楽に酔いしれる他ありません。しかしそれも彼にとっては愛嬌と捉えたのか、私の喘ぎ混じりの訴えも愛しそうに聞いているようでした。
その証拠にお客様は漸く落ち着いたのか一旦恋人繋ぎを解くと、今度は力が抜けた私の上体を優しく抱き締め、獅子耳を含めた頭を撫で始めました。その弾みで自身が抜かれてしまいましたが、まるで『大丈夫』『可愛い』と言ってくれている様なその仕草に私はすっかり虜になってしまいます。

「はぁ……んあっ♥ うちゃくお客、様ぁ……♥♥ わんねー私はでーじうっさんとても嬉しいの…♥ さーやーさーやー、撫でてなーひんもっと……♥♥」

行為後の疲れで息遣いも顕に、しなだれると同時甘える様に擦り寄っておねだりをすると彼は意味が通じたのか、快く応えてくれました。
お互い汗だくにも拘らず、疲れ切った肉体を慈しみ合う抱擁に私は一つ深い溜息を吐いてヒト特有の体温を感じます。

(予想外の言動をしてしまったのに不審がらないなんて…本当に優しい方ですね)

そんな彼の表裏がない慈悲に触れた途端、不意に胸の奥がきゅうっと締め付けられるような感覚に襲われました。
先程まで感じていた恍惚と羞恥とは別の……何故だか胸が一杯になるような感情を覚え、頬が熱くなるのを感じます。

(な、なんでしょうこの感じは……?)

所謂恋心というものかも知れませんが、私は本来人々から守護神と崇められている怪獣である上に、どんな感情を抱こうと一夜限りの愛と判っている以上本当の意味で誰かを愛する事も愛される事も赦されません。ですから今抱いたこの気持ちも、多分一時の気の迷いに過ぎないはずです。
されど今は、今だけは……種族の枠を越えてお客様に愛されたい。その気持ちで胸一杯でした。

(これではどっちが甘えん坊ふんでーなのか判りませんね……♥)

幸せで満ち足りた気持ちに包まれながら私は静かに目を閉じようとした途端、不意に一夜限りの愛の終わりを示すアラームが部屋に鳴り響きました。

「ん……もう時間、ですか……」

名残惜しいですが、お客様から指定された以上は仕方がありません。一応お客様の希望で延長も出来ますが、今回は乱れに乱れてしまったのでお客様の身体と懐にご迷惑をおかけするかも知れませんし、何より私もへとへとで再開する体力も残っておりません。それを察したのかお客様は寂しげな表情を浮かべつつも、またもや私の頭を撫でてくれました。

「大丈夫ですよ、お客様。次に私をご指名頂ければ、また一晩だけながらお相手させて差し上げますから……ね♥」

言ってから彼の額にそっと口付けし、私の方から抱き締めます。その行動に彼は一瞬驚いたものの直ぐに笑みを浮かべつつぎゅっと抱き返してくれました。

(ふふっ、彼ったらすっかり私に夢中になってしまいましたね。再びお会いするのが楽しみです♪)
「さて、そろそろお別れのお時間ですね。……というか、立てますか?」

抱擁を解くと案の定、彼はすっかり骨抜きにされてしまったせいで寝台から上手く立てないらしく、見かねて私が彼の身体を抱き起こしてからお見送りをします。勿論彼にお召し物を持たせるのも忘れずに。

「それでは改めてお客様。本日は私キングシーサーをご指名頂き、誠にありがとうございました。また機会があれば、この場でたくさん遊びましょうね?」

彼が軽い後処理をし、衣服を身に纏った頃合いを見てお辞儀をしながら微笑むと、彼も照れ臭そうにしながらも笑みを浮かべてくれました。
私を崇めている国頭親子の家屋を復興する為の目標金額にはまだ遠いものの、それでもこの調子でお客を取れればきっと早いうちに達成出来るはず。その間にもこうやって誰かに愛される日々が続けば良いなと願いつつ、お客様を見送った私は静かにドアを閉めました。