史上最大のラジオ番組「ゴジラジオ!」in京都 1

「‐」モスラ『…と、言うわけで始まりました今回の「ゴジラジオ」!司会はわたくし、美しき地球(ほし)の守り神ことモスラと、アシスタントのゴジラ・バランがお送りします。』

「‐」ゴジラ『ちょっとまてよ!これ、おれのらじおだぞ!アシスタントはお前の方だろ!』

「‐」バラン『仕様も無い…』

「‐」モスラ『まあまあ、そう言わずに。もうすぐ皆様お待ちかねのゴジラの誕生日なんですから…あっ、貴方(「‐」ゴジラ)の誕生日はもうとっくに過ぎてしまいましたけど。』

「‐」ゴジラ『うっ…べ、べつに呉爾羅だってちがうたんじょうびだから、気にしてねぇし。』

「‐」バラン『独自設定が仇と為ったな。其れに十壱月参日は本来「文化の日」で在ると、シュンが言って居た。ニンゲンの文化など、如何でもいいが。』

「‐」モスラ『バランは本当に、いつまでも一言憎まれ口を叩く癖が抜けませんわね。そう言いながらこうしてここに来ているツンデレさが人気の一つなのでしょうけど。』

「‐」バラン『五月蝿い!良いから早急に始めろ!』

「‐」ゴジラ『おれもねどこにのこして来たチャイルドが気になるし…じゃあ、はじめるぜ!』

「‐」モスラ『この番組は、ジャバンテレビ、怪獣島村役場、特生自衛隊本部、ラドン旅館の提供でお送り致しますわ。』

 

☆☆☆

「‐」モスラ『さて、今日はゴジラ生誕特別企画としてこのコーナー一本で行こうと思いますわ!』

「さけべ!おれのあたしのG・O・D!」

 

「‐」モスラ『このコーナーはリスナーの皆様から募集した、聞いて欲しい最近の出来事や悩みをわたくし達が代弁し、ついでに一言突っ込んだりするコーナーです。』

「‐」ゴジラ『えっ?きょうこれだけなのか?』

「‐」バラン『段々と混乱の坩堝に落ちて行くのが、目に見えて居るな…』

「‐」モスラ『何を言いますか。ゴジラ誕生祭はファンの皆様と作るファンメイドな日なんですのよ?それなら、ファンの声を優先するのは当然ではありませんか。』

「‐」バラン『否、我等の相手はカイジュウだぞ?』

「‐」ゴジラ『なんでもいいから、はじめようぜ!さいしょはおれからだ!えっと…ペンネーム…これ、なんてよむんだ?』

「‐」バラン『全く、此の程度の漢字も分からんのか。』

「‐」ゴジラ「お前みたいに、かんじ使えばいいわけじゃねぇんだよ!」

「‐」モスラ『しょうがないですわね。代わりにわたくしが読みますわ。
えっと、ペンネーム「死(DEATH)魏怒羅」さんから……』

 

ケー!オレはデスギドラのブラウニー!
聞け!このスタジオにいるモスラ一族の女とトカゲ二匹!
オレは人間とコンクリートとお姫サマ以外のモスラ一族が大嫌いだ!よってこのスタジオごとお前らを爆破して公開処刑(ジェノサイド)にし、モスラ一族やその他怪獣や人間共への見せしめにしてやる!
楽しみに待ってろ、お姫サマァ!ケー!」

 

「‐」モスラ「…これは爆破予告、ですか?』

「‐」バラン『否、宣戦布告だな。然し「お姫サマ」とは…若しや、アンバーの事か!?』

「‐」モスラ『残念ながら違いますわ。彼の言う「お姫サマ」はセラフィと言う、彼やゴジラ・レッドと同じ世界にいるモスラの事です。』

「‐」バラン『然うか。ならば安心だが…何処かヒジュラス(婆羅陀魏さん宅オリジ怪獣)を思い出す不愉快さだな。』

「‐」ゴジラ『えっと、デスギドラ…あっ、そうだ!前にJr.からレオのたんじょうびパーティーでひどいことしたやつの話はきいたことある!けど、なんかこいつはかわいいなまえだな。』

「‐」モスラ『まあ、イタズラなら無視するだけですし、本当にやる気ならお相手になって差し上げるだけですわ。』

「‐」バラン『私をトカゲと愚弄したからには、其れ相応の目に遭って貰うぞ…!』
「‐」ゴジラ『おれ、とかげじゃなくてゴジラなんだけど…』

「‐」モスラ『さて!気分を変えて、次のお便りに…あら、ゴジラ。このお便り、貴方宛に来てますわよ?』

「‐」ゴジラ『おれに?だれからなんだ?』

「‐」モスラ『えっと…ペンネーム「グラマラス・クイーン」さんから…』

 

「はじめまして、チャイルドパパ。スペースゴジラのクリスよ。
レッドから話は聞いたけど、童顔でパパだなんてもう最高じゃない!
まだまだ色々経験不足みたいだから、私の所に来てくれたらあんな事やこんな事、たっぷり教えてア・ゲ・ル♪
あっ、そうだ!チャイルド君も連れてきてくれたら、親子丼も楽しめるわぁ…。
なるべく、早く返事を頂戴ね。それじゃ……」

 

「‐」モスラ『…こんなものっ!!』

ビリッ!

「‐」ゴジラ『ああっ!なにすんだよモスラ!』

「‐」モスラ『こんなわたくし達の世界にふさわしくない不健全なもの、わたくしが許しませんわ!』

「‐」バラン『幾つか意味の分からん単語は有ったが、如何わしい文章なのは事実だな。』

「‐」モスラ『聞いた事がありますわ…ゴジラ・レッドの世界にその躰と色気を使って可愛げのある怪獣ばかりを狙う、女王のようなふしだらなスペースゴジラがいると!』

「‐」ゴジラ『女スペゴジか!なんか会ってみ…』

「‐」モスラ『許しませんわよ?いいですか、今後一切このふしだらゴジラに会ってはいけません。偶然会っても逃げる!ましてやチャイルドは絶対関わらせない!よろしいですわね?』

「‐」ゴジラ「お…おう。」
「‐」バラン『……』

 

☆☆☆

「‐」モスラ『…こほん!さて、次のお便りに行きましょう。
ペンネーム、「風来のバラン」さんから…

 

「ちょっと一つ、拙僧の悩みを聞いてはくれないか。
拙僧には、生涯を賭けても出会えない程の同志がいる…だが、拙僧はよりにもよって同志と同じおなごを好きになってしまったのだ。
拙僧は同志との絆を優先するべきなのか、それともこの恋心を優先すべきなのか…どうかご指導願いたい。
最後に一言…お主が好きだぁーっ!!お主が欲しーいっ!!あんばぁぁぁぁぁっ!!

 

「‐」バラン『…同志よ、何故斯う為った…!』

「‐」モスラ『やはり、そうですわよね?正直分かる方にはバレバレですわよ、これ。』

「‐」ゴジラ『えっ?バランなのはたしかなんだろ?でもバランもけっこうふえて来たからな…だれなんだ?』

「‐」バラン『…単純なのが時に救いに為る事も、有るのだな。』

「‐」モスラ『一緒に行動したり、話も聞いているはずなのですが…まあ、いいですわ。とりあえず、わたくしの予想が正しければ貴方の恋は九分九厘成就する事はありませんので、故郷に帰る機会を増やして新しい恋を探す方が、貴方と相手の為になると思いますわー(棒)』

「‐」バラン『感情も抑揚も無い無機質な喋り方は止めろ。一応は同志だ…例え此れ程に無様で有ろうと、同志なのだ…!』