祝祭淫獄リミットゼロ/IV

「さてお前達……“食べて”良いぞ」

「マジかよ!?」
「やった! いただきま〜す!」

ニ首が弾かれたように目を輝かせた途端、左右の首が蛇のようにすばやくモスラへ迫る。

「っ、やめろっ……! あぁっ」

「へへっ……良い声で鳴くなぁ」
「もっとイジメたくなっちゃうね〜」

ニ首は左右交互から乳房に舌を這わせ、舐め上げ、敏感になった桃色の先端に蛇さながらの舌を巻き付けた。

「待っ――!」

モスラは鎖に繋がれた手足を必死に引き、身をよじるものの、それを阻む様に腹部の淫紋が激しく脈動する。

「……ッ!? あっ、ああぁあっ!!」

モスラの全身に電流のような快感が流れ、彼女は大きく背を仰け反らせて悶える。
その間にも彼らの舌は極上の砂糖菓子を味わうかのように舌をちろちろと転がしては、時折満足気に溜め息を吐く。それだけでも十分にモスラの性感を煽った。

「ひあぁああっ!? いや……やめてぇっ!」

モスラが涙を浮かべて訴えても、ニ首―――ニは突起だけでなく、乳房の輪郭や柔らかさを愉しむかのように舐め上げ、サンに至っては執拗に乳首だけを舌で転がして責め立てている。
それぞれの舌の動きは、まるでモスラの中の性感を無理矢理にでも呼び起こそうと言わんばかりだ。

「ん……っはぁ、やべぇなこれ……」
「美味しいね〜。それに反応も最高だし」

モスラの反応に気を良くした二首は、それぞれのタイミングで乳頭に甘噛みしたり舌先で弾いてみたりしては、いちいち反応を引き出そうとする。
そのたびに彼女は身体を震わせて身悶えた。

(駄目っ……絶対に、耐えないと……!)

体内の快楽を抑えようと必死に理性を保つが、それも時間の問題だった。
淫紋からの刺激と敏感な箇所への責めが着実に彼女の理性を蝕んでいき、その抵抗は徐々に弱まっていった。

「はぁ、はぁ……んっ……! く、ぅうっ……!」

モスラは荒く呼吸をしながら必死に理性を保つ。しかしそんな彼女の様子をニ首は見逃さない。二首は舌の動きを加速させ、それぞれが異なる責めで彼女を追い詰めていく。

「っあ、あぁあっ! いやぁっ!!」

モスラが快楽に抗いきれずに嬌声を上げた瞬間、淫紋の輝きが増した。同時にギドラが囁くように語りかけてくる。

「ククッ……女王サマ、今のはなかなか可愛らしい声だったぞ」
「っ……!」

(……しまった……!)

モスラは唇を噛むが、もう遅い。
ちゅぷちゅぷと二首の舌が乳房を這い回り、突起に巻き付いて扱いては吸い上げてくる。その度にモスラの下腹部が熱くなり、淫紋が光を放つ。

「っ……く、ぅうっ!」

ギドラはモスラの腹部を指先で撫でながら耳元で囁く。

「どうだ? 女王サマ。“彼奴”のいない今、存分に囀ってくれて構わんのだぞ?」
「だ……れが……ッ!」

(こんな奴らに、王を侮辱されたくない!)

モスラはギドラを睨みつける。しかし涙目になっている以上は、その眼光も意味がなかった。

「……全く、女王サマは意地を張るのがお好きなようだ。まぁいい、これから時間をかけてじっくりと堕としていけば良いだけのこと……」

途端に、ギドラの指先が淫紋の周囲をくるくると円を描くようになぞり始める。

「あ……ぁ、っ…! いやあぁっ……!」

雌蕊に直接触れた訳でもないのに、モスラの口からは甘い声が漏れる。
その一方でニ首の舌は、相変わらず乳房を這い回りながらその先端を執拗に舐め上げ、時折軽く歯を立てながら咀嚼するフリをする。その度に彼女は身体を跳ねさせ、鎖がガチャガチャと鈍い音を立てた。

「ん…っ、はぁ……っ! やめ……っ!」
「うん? どうした? どこか具合が悪いのか?」
「ちがっ……あぁっ!」

モスラが否定の言葉を口にすると、ニ首はわざとらしく乳房に歯を立てて軽く噛み付く。
その弱い痛みすら、今のモスラにとっては快楽でしかない。

(駄目……っ、こんな奴らに、負けちゃ……!)

「ん…っ! ふ、ぁ……っ! やだぁ…ッ!」

モスラは必死に理性を保とうと身を捩る。しかし皮肉にも、唯一できる体勢は腰を浮かせて淫らに踊ることだけ。そんなモスラの様子を二首は嘲りながら見上げる。

「あれ、なんでヤダって言ってるの?」
「嫌がってねーで、素直になっちまえよ」

「そ、んなこと……っうぅっ!」

彼女が暴れれば鎖が軋み、寝台のスプリングですらもギシギシと音を立てる度に、ギドラの嗜虐心とモスラの羞恥心を煽る。
少しでも気を抜けば愛撫だけで達しそうになってしまう程に彼女の性感が高まりつつある中、ギドラはわざと爪を―――それも淫紋の中心部分に軽く立てた。

「ひぅっ!? や、っやめてぇ……!」
「くっくっ……早く堕ちてしまえよ、女王サマ。そうすれば、楽になれるぞ?」

ギドラはモスラの腹部に爪を食い込ませながら、囁くように―――けれどどこか苛立ったように語りかける。
それは毒蛇が獲物に牙を突き立て、官能という名の毒液を流し込むようにモスラの理性を蝕んでいった。

「あ……っ、や、ぁあっ! だめぇっ……!」

モスラは鎖を引き千切らんばかりに暴れようとするが、ギドラは彼女の抵抗を嘲笑うかのように爪に力を込めて淫紋をぐっと押し込んだ。
途端、胎内の奥底から、或いはニ首が攻めていた乳房からも止めどない快楽が頭まで一気に突き抜け、モスラは無意識に背を反らし、大きく腰を浮かせた。

「あ……っ! あぁあっ!!」

びくん、びくん、とモスラの身体が何度も痙攣した。
跳ねる度、鎖が何度も激しく音を立てて揺れ動き、甲高い金属音が室内に響き渡ると彼女の中で燻っていた熱が急速に勢いを増していった。
その様子を見ていたギドラは愉快そうに目を細める。

「ほう…? 激しく踊ってくれるな」

そう言って彼は指先をさらに強く押し付けると、ぐりゅっと捻るように動かした。

「ひぃいっ!? ふぁああぁぁっっ!!」

一際大きな悲鳴を上げた後、ガクンッと身体が脱力したように崩れ落ちる。同時に激しい水音と共に愛液が溢れ出し、内腿を濡らす。

(嘘……私、またイっちゃった……!)

モスラは呆然としながらその事実を受け入れるしかなかった。
波が何度も全身を叩く度に全身から力が抜け、必死に耐えてきたのにギドラの手によって簡単に達してしまった。

(こんな……こんなのって……!)

悔しさと恥ずかしさで涙が溢れるが、それでも快楽は容赦なく押し寄せて来る。

「あ……っ! あぅ、んんんっ!!」

モスラは唇を噛んでその刺激に耐えようとするも、淫紋からの甘い疼きは止まらない。それどころかどんどん強くなっていき、まるで彼女の身体を支配するかのようにその毒素を高めていく。

(だめ……これ以上感じたら、戻れなく……なる)

淫紋の疼きと性感によって身体の奥底から、ぞくぞくとした快感が込み上げてきて止まらない。このままでは自分の身体も心もどこまで堕ちてしまうのか分からず、それが怖くて仕方が無かった。

「派手に達したな、女王サマ」
「……っ…ふざけないで……!」
「威勢だけは立派だが、その乱れた姿のせいで全然怖くはないな。むしろ誘っているようにしか見えん」

ギドラに嘲笑われ、モスラの顔が朱に染まる。その様子を見たニ首も一旦乳房への愛撫を止めると、興奮したように舌なめずりをした。

「キヒヒっ、こんな時でもそそるねぇ…女王サマ」
「君がイく所、鱗が逆立つほど最高だったよ。乳首もこんなに腫れちゃってさ」

サンが言うように、彼女の突起は彼らに散々弄ばれたせいで赤くぷっくりと勃ち上がり、淫らにその存在を醸し出していた。

「くっ……見るなっ……!」

モスラは羞恥に頰を染め、顔を背ける。しかしニ首はそんな彼女の反応を面白がるように笑った。

「あっはははっ、女王サマってば照れてる〜」
「いっつもゴジラにそんな顔を見せてるのか? 羨ましいなぁ」
「う…うるさい!」

モスラはキッと睨みつけ、二首はまた愉しげに笑う。そこをギドラが手で制すると、彼は再び彼女の顎に指先を添え、自分の方へ向かせた。

「そう怒るな、女王サマ。……しかしまぁ、その強情さは嫌いではない」

ギドラはモスラの顎から首筋にかけてゆっくりと撫で上げる。すると彼女は小さく身体を震わせた。

「っ……!」
「さて……そろそろ次の段階に入るとしようか。……貴殿が我々の雌となる為の儀式だ」

そう言ってギドラはモスラを抱き寄せ、鎖骨に舌を這わす。
首許に近い箇所に粘膜が触れた刹那、背筋を舐めるようなぞくりとした感覚に襲われ、モスラは身体を震わせた。

「んぅっ……!」

抵抗しようにも両腕には鎖が食い込むばかりで拘束具はビクともしない。それでも彼女は必死に逃れようとする。しかしそれを嘲笑うように彼の指先は乳房や腹筋、そして淫紋を通り越し、唯一彼女が履いている箇所へ触れた。

「っ……あ、やぁっ……!」
(そこは、駄目……!)

モスラは必死に足を閉じようとするが、鎖のせいでそれは叶わない。ギドラの指先が下着越しに秘裂をなぞるように動くと、それだけでも甘い刺激となって彼女の身体を駆け巡る。

「……ほう? 女王サマでもここを弄られると弱いようだな」

ギドラの言葉にモスラの顔がカッと赤くなる。
それでも彼女は、誇りを守るように姿勢を正す。

「……ち、違います!」
「ほう? では、“ここに触れることを赦されるのは王だけ”などという古い観念でも抱いているのか。……くくくっ」
「……っ!」

挑発の笑みに、モスラは唇を強く噛んだ。
脳裏に、遠い昔の記憶がよぎる。

──ゴジラと過ごした、たった一夜のこと。
不器用で、互いにまだ不慣れだった。それでも彼の手は優しく、触れ合う体の温もりは確かだった。
ぎこちなさ、破瓜の痛み。そして、互いに交わした小さな愛の言葉。
そのすべてが、モスラにとっては“彼と共有した時間”として確かに心に残っていた。

だが今、ギドラの指先は違う。
そこにあるのは優しさではなく、彼女の奥底に隠した“女としての本能”を暴き出そうとするような、冷たくも見透かすような圧。
その感覚が、モスラをさらに追い詰めた。

「わ…私は……王以外に……っ!」
「……図星か」

ギドラはモスラの言葉を遮るように彼女の下着を横にずらし、割れ目に指を滑り込ませた。
そこから蛇が這い回るように直接秘裂に触れては、ゆっくりと上下に動かし始める。

「ひぁっ! あぅううっ!!」
「ふぅん? 想像以上に粘り気のある蜜が溢れているな。少し動かしただけで、こんなに音が聞こえてくる」

言葉を続けつつ、ほんのり熱を孕んだ指先が花弁をなぞっては愛液を掬い上げるように上下すると、にちゃ、ぬちっと卑猥な音が鳴り響き、モスラの顔がますます赤く染まった。

「くっ……っあ! いやぁっ! さわ、らないでぇっ……!!」
「嘘を吐くな。『もっと触って欲しい』の間違いではないのか?」

ギドラはモスラの言葉に笑いながら応え、ひくひくと指先にまとわりつく花弁の柔らかさを愉しむかのようになぞった。

「く……ぅうっ!」

モスラは歯噛みしながらも、声を上げまいと必死に耐えようとするが、ギドラの手は花弁だけでなく硬くなった陰核を捕らえれば、ぐりぐりと圧し潰す。

「あ、あぁあっ! そこ、だめぇっ!」

雌にとって最も敏感な箇所への強い刺激に、モスラは悲鳴を上げた。

「すっかりココも、貴殿の針と寸分違わぬ硬さだな。少し触れただけでも押し返してきて……」
「だ、だまれっ! この、痴れ者……っ!」

これ以上言われてしまったら、本当に自分が王以外の雄に反応してしまうのを認めてしまいそうになる。
しかしギドラはモスラの言葉を遮るように彼女の秘裂に指先を挿入した。そしてゆっくりと中を探るように動かし始めると、モスラは身体を仰け反らせて身悶える。

「ひぃぁあっ!? や、やめ……抜いてぇっ!」
「ククッ……予想以上に熱いな」

ギドラの指の動きに合わせてくちゅくちゅと淫らな水音が鳴り響き、モスラは目を瞑って嫌々と全身を振って快楽を逃がそうとする。しかし、四肢を戒めている鎖が金属音を立てるだけで、彼女の抵抗を無に帰した。

「あ、あぁっ! いやっ、いやぁっ!」
「ふふ……ココが弱点なのか? 少し押しただけで強く指を締め付けてくるぞ」

ギドラはモスラの秘裂に挿入したままの指を軽く曲げ、ざらついた天井を指の腹で撫でるように動かす。その間にも再び淫紋がぼんやりと灯り、その光が強くなる度にモスラの中に甘い感覚が溜まっていく。

「だめ……そこ、ばっかりぃっ……!」
「そう言われては弱点を告げているようなものだろう……だが、それでこそ愉しみ甲斐がある」

冷酷な言葉が精神を炙り、指の動きはより激しさを増せば淫紋が輝きを増し、モスラの思考を桃色に染め上げていく。

「あ……っ、やぁっ! だめぇっ!」
「頑固な女王サマには、もっと快楽を与えてやらんとな」
「っ!? ひ……っ、あ、あぁあっ!!」

モスラが悲鳴を上げると同時に、ギドラは指の動きを速める。同時に淫紋の輝きも強くなり、彼女の身体に甘い疼きが蓄積されていく。
ぐぽぐぽと、花弁が淫猥な悲鳴と共にギドラの指によって蹂躙され、モスラは腰を跳ねさせた。
もはや限界が近い。胎内がびくびくと震える中、モスラは自ずと自らの果てを口走っていた。

「や、あ、あぁっ!! だめぇっ! いっちゃ、う……!」
「……そうか。なら、一旦止めるか」

何を思ったのか、ギドラは肉壺からずるり、と指を引き抜く。
当然ながら、絶頂間近だったモスラは突然起こった喪失感に思わずひくん、と腰を揺らしてしまう。