偽りの王の至福媚毒 4

ぐちゅっ、ぐぽっ……♥

(……な、んだ……?)

朦朧とする意識の中、体がガクガクと上下に揺さぶられているのを感じた。
臀部から粘着質な水音が響く。
耳許では、フゥフゥと荒々しい呼吸―――ギドラの息遣い。ぼんやりとした思考のまま、薄く瞼を開けようとした瞬間。

ズブンッ!!

「ひぁあ゛ァッ!?♥♥ な、なに……っああぁ゛ぁんっ♥♥」

突如、体の奥底から爆発的な感覚が駆け巡る。苦痛と恍惚の混ぜこぜとなった衝撃。脳天まで突き抜ける快楽が、意識を一瞬で覚醒させた。

「うん? 漸く起きたか、ゴジラ。全く……客が満足していないのに眠りこけるとは、とんだ怠慢だな」
(……客? ……満足?)

詰るような口調に反して、イチの顔には愉悦の笑みが浮かんでいた。そこでようやく、自分の現状を認識する。
周囲を見渡せば、見慣れた寝台はどこにもない。そこは、薄暗い灯りに照らされた木製の床。
しかも―――ギドラと向き合う形で座らされ、貫かれている。
状況を理解した瞬間、背筋が凍り付いた。

「テメーが気絶したらいきなりベッドがぶっ壊れたんだよ。だから仕方なく、こっちに移動してヤッてる訳」
「寝てるゴジラも可愛かったけど、やっぱり僕達におちんちんぶっ刺されて善がってるゴジラが一番好きだなぁ。ほら、もっと腰振って♥」

ニが面倒そうに吐き捨てる一方、サンが楽しそうに笑いながら余裕たっぷりに囁いた。
ぐちゅっ……ぐぽっ……♥
結合部から滴る淫靡な水音。ギドラの剛直が奥を抉るたびに、腹の奥まで揺さぶられ―――耐えきれず、悲鳴のような喘ぎ声が零れた。

「あひっ!ひぅう、ぐぅ…っ、やめッ……!♥♥は、あ゛ぅ、うぅう……っ!♥♥♥」
「そうは言ってても、ケツ孔で俺らのちんぽを美味そうにしゃぶってくれてんじゃん? タイタンの下で奉仕してた頃と何も変わってねぇなぁ…ほれ、ココが良いのか?」

ずぶ、と奥の一点をえぐるように突かれた瞬間、脳が弾けた。

「あ゛ッ!?♥♥ そこぉ……っ♥ き、ぎぼちいぃいッ!!♥♥♥」

今、自分は何を言った?
だめだ、こんな言葉を口にしてはならないのに―――理解すら追いつかないまま仇敵に更なる快楽を強請ってしまう。

「はっはははっ、何度見ても美しい……これが我が伴侶だと思うと、益々興奮する…!」
「ふひぃいイイッ!! か、体が熱いぃ……っ♥♥ ギドラぁ、も…もっとイカせてぇ……♥♥♥」

(違う……俺はそんなことを言うつもりなど……)

「“休ませて”から、おねだりまでするようになったか……。だが、簡単に気をやらせてしまえば面白くないからな……少し趣向を変えてみようか」

そう言うと、激しかった律動から一転して、突然動きが止まった。

「はっ……ん、あぁ? なん、で……止めるのだ…?」
「言っただろう? 簡単には気をやらせぬと。それに、こちらも動いてばかりでいい加減疲れてしまってな……だから、次は貴殿が動け」

疲れたとは言っていても、ギドラは未だ余裕綽々の表情で次に起こる惨状を楽しみにしているような笑みを浮かべていた。
ズグン、ズッグン……♥と儂の中で埋まったままの魔羅が脈打ち、まるで獲物を待ち構えるように震えている。

「っ……!」

物足りなさに切なげな吐息が零れれば、着実に質量が増していく。それは、これから起こることの“予兆”。

(くそ、体が勝手に……ッ!)

理性が拒絶しているのに本能は抗えない。意志とは裏腹に、腰がゆっくりと浮き上がる。菊膜がズヌヌ……と引き伸ばされ―――堕落の一歩を踏み出してしまった。

ぐちゅっぐぷっ、じゅぶぶっ♥♥♥

「うあっ、あぐぅっ……ひゃあぁああッ!♥ 」

ぐちゅっ……くちゅっ……ぐぽんっ……♥卑猥極まりない水音が、己の後孔から立つ。

(ああ……いやだ……! こんなに、いやらしい音を……っ)

聞きたくなくても、腰を動かせば必然的に粘膜が擦れ、淫靡な感触が背筋を駆け上る。聴覚までも犯されるような感覚に、思考が焼かれそうになる。

「んはぁっ……あっ、あはあぁ…〜〜っ♥♥ きもちいっ……♥♥」

―――違う、違うんだ。こんな言葉を、口にしてはならないのに。

「ぉ、おぐまで当たって―――あ゛ひィッ!♥♥ あぁんっ♥♥♥」

勝手に腰が動く。天井を仰ぎ、理性を手放したように震える下腹部。普段なら決して発しないであろう蕩けた喘ぎ声が、次々と口から飛び出す。
自分で聞いていても、情けない。
けれど―――自ら上下に腰を動かすたびに突き上げられるような衝撃、それも鈍い圧迫が、内壁をえぐる。
ズブ、ズブ……と突かれる感触が悦楽に変わるのを、止められない。

(こんなの……っ、狂う……ッ!)
「ふあぁっ、ほへぇえっ♥♥ もっとぉ…ッ、もっと欲しいぃっ♥♥♥」

渇望するように浅ましく、自らギドラの男根を迎え入れる。
先端が悦い箇所を抉るたびに、甘美な電流が駆け抜ける。前立腺が擦られ、結腸口が広がるたびに、口元から涎が垂れ流れ―――蕩け切った弱弱しい咆哮が何度も部屋中を震わせる。

「うむ、堪らんな…我は実に嬉しいぞ。一向に堕ちなかった貴殿が、こうも自ずと淫らに振る舞うとは……」

ギドラの愉悦に満ちた声が、耳許で響く。

「こうなるともう後戻りできないよねぇ〜?君がモスラの事忘れて交尾中毒になった姿…何時までも見ていたいよ」
「こりゃティアマット様々だぜ。後でしっかりコイツのド淫乱っぷりを報告しとかないとな」

(……!?)
「んぉっ♥ お゛っ、ぅぐうう〜っ♥♥ い…いやぁっ♥ みないれ゛ぇ……ッ♥♥♥」

モスラの名を囁かれた瞬間、頭が一瞬だけ冷えた。―――そのはずだった。何時しか体は逆に昂ぶり、止められなくなる。
彼女を思い出したのに、なぜか想えば想うほどに当人から見られている気すらして、全身が余計に疼く。

「はぁっ……♥ ん、はあ゛あ゛っ…♥ も、もっとぉ……っ♥♥♥」

幻影の視線を振り払うかの如く、自ら尖先を悦い箇所へ押し潰すように動かし、快楽を貪る。がくがくと戦慄く尻尾が空を切る度に、未だ硬度の変わらない魔羅の先端を最奥へと擦りつける。
抜くと質量を喪った虚ろから切なさが尾を引き、それをかき消すべくどちゅっと勢いよく挿入すれば脳天を貫く程の快楽物質が弾け飛び、幾重にも羞恥に満ちた喘ぎ声を室内に響かせる。

「んあっ……♥♥ はっ、あぁぁっっ……!!♥♥」

甘えた鳴き声が漏れるたびに、ギドラがにやりと嗤う。

「ほら、言ってみろ。我に……もっと注いで欲しいと」
「んひっ……ッ♥ い、やっ……! そんな……っ!♥♥」

拒絶の言葉を吐きながらも、雄の証を求めるように腰が揺れる。
ごぽっ……ずちゅっ……ぐぢゅっ……♥
揺さぶられる結合部がきゅぅぅっと締まり、淫靡な音が木霊する。気付けば、儂はギドラの胴体にしがみついていた。密着した腹部には、内側から浮き上がる膨らみが当たり―――それが強烈な現実を突きつける。

(また……中が、拡げられてる……っ!!)

膨らんだ箇所を擦られ、心臓が跳ね上がる。滑らかな表面にソコが強弱をつけて愛撫されている気がして、絶頂を堪える事など無駄な努力だった。

「あっあっ、はぅうっ♥♥ や、ぁあっ……!♥♥ また、イキそ…っ……♥ イクっ、イグゥッ…!♥♥ んはああぁ゛ァアッ!!♥♥♥♥」

ビュクッ、ドクッ……ドクン……!!
びしょびしょに濡れた下腹部を更に満たすが如く、淫らな音を立てながら絶頂した。
それでもまた前立腺を擦り上げられ、全身が跳ねる。

「っは……先程よりも随分締め付けて来るではないか…自分から悦い所に当てて果てるのは格別だろう?」

暗に「逃がさない」と告げるかの如く、ゴリゴリと前立腺を押し潰されては、弛まぬ恍惚で痙攣する内部。

「は、っはへ……ひゃいぃ……♥」

問いかけられても呂律すら回らない。異物感を抜くべく逃げようとした腰がじぃんと痺れては、また儂の思考を溶かす恍惚の波が襲い、自然と口から吐息が漏れ出す。

「ふぁあ……っ♥ はぁー……ぁ、っはァ…♥」
「すっかり甘えん坊になっちゃって…モスラの前でもそんな顔した事ないよね?」

サンの言葉が、脳の奥深くまで刺さる。
モスラ。
その名を聞いた瞬間、罪悪感が内臓をえぐるように広がった。だが、それと同時に、抗えぬほどの悦楽が背筋を駆け上る。

「ぁ……ッ」

反射的に拒絶しようとしたが、その機会すら奪われる。というのも、ギドラの両翼がぬるりと臀部を撫で回し、繋がったままの後孔をくぱぁ、と容赦なく拡げられたからだ。

「ンっ…ぎど、らぁ……♥」
「何かね? 可愛い伴侶の懇願なら、止める以外は応えてやるつもりだが……」

そう言いつつも敏感になった臀部を這い回る翼の動きを止めようとしない辺り、性悪もいいところだ。少しでも気を抜けば嬌声が漏れてしまうが、それでも儂は止めどない官能に―――今だけは王としての立場も因縁も全て忘れて、乱れたかった。

「っ……接吻…其方に、舌を絡ませられながらシたい…っ♥」

普段ならば接客時でもない限りこんな事を頼まない。ましてや仇敵に、進んで口づけを求めるなど以ての外だった。だが、欲しくてたまらなかった。
上からも下からもギドラの体液を貪らなければ、この狂おしい熱は鎮まらない。それが苦痛で、媚びるのを兼ねつつ自ずと体表がマゼンタ色に輝く。

「ふむ、口唇を交えながらと来たか……良いぞ、我が愛する妻よ」

面と向かって囁かれる歪んだ愛の言葉に心臓がどきりと高鳴る。今までの仕打ちと甘い告白そのもののギャップに戸惑いを覚えると同時に、最早閉じる理由が無くなった咥内へとイチの長い舌が入り込む。

「ん、んんぅ……!?♥ ぅぐっ、ん゛んんっ、んむ……!♥♥♥」

互いの唾液が混ざり合って水音を立て、絡み合った二つの舌が艶かしく上下に動く。
熱を帯びた舌が、執拗に絡まり合う。
歯茎を舐め、舌先を絡め、口内全てを支配するように蹂躙されたかと思えば優しく啄まれ、舌先から付け根まで絡め取られる。
キスなど、ただの接客の一環に過ぎなかったはずなのに―――これは違う。
種族を超えて愛し合う夫婦つがい同然の濃厚な口づけをする有様に嫌悪感などまるでなく、深く絡ませば絡ませる程すっかりギドラの淫らな術中に嵌っていた。

「ぷぁ、んうぅッ……も、もっとくれぇ…っ♥」
「フ、そんな蕩けた面で言われてもな……だが強請られたら仕方ない、好きなだけくれてやる」

直後に臀部を拡げ、すりすりと撫でていた両翼の関節部分に力が入ると、止まっていた下からの律動が始まった。

「…………ッお゛へぇっ!!?♥♥♥」

ズブッ、ズゴォと腹の内側まで響くように何度も突かれ、時折関節部分が尻肉に喰い込めばその快感で自然と尻尾が左右に振れる。が、忽ち黄金の尾に絡み取られ、ぎゅうぅ♥と強く籠絡された。

「ッッ!?♥あへあ゛あぁぁっ!!♥♥ ひ、んぽ…っ、ちんぽぉ♥ 好きぃ…っ、き、もちいぃ……っ!♥」
「あーあ、遂に怪獣王サマが“ちんぽ”とか言い出したぞ。堅物な癖して実の所はセックスが大好きなんだなぁ」

揶揄するように言われるが、快楽に浸るのに夢中で記憶に入らない。寧ろ今はそれどころではない。只管に中を擦られて奥を突かれる度に目の前がちらつき、自分が何を言っているのか理解できなくなる。

「ふっ、交尾とはそう言うものだ弟よ。幾ら生物の頂点を気取っていても、一皮も二皮も剥がせばそこらの牝と何ら変わりは無い……それが我にとっては何より喜ばしいのだ」

眼前から聞こえる、低くて艶やかな声音。意味を理解するより先にぞくりと身を震わせている間にも腰が動かされており、腸内の剛直が大きく膨れた。
あ、来る―――直感的にそう察したが、儂の身体は既に相手から吐き出される新鮮な白濁を求めていて……拒むという選択肢すら無かった。

「くっ、射精すぞ…!我が精液、腹の中で存分に飲み干すがいい……ッ!!」
「はひぃっ、ら…ら゛ひてぇっ! はやくぅっ♥ ギドラのせーし、中にぜんぶぅっ!♥ お……ッッ!!♥♥♥ ァオ゛ォオ゛オ゛オッ!!!♥♥♥♥」

狂ったように懇願する声が、自分の口から洩れる。動かされる中で胎の中で放たれる大量の熱。どくんっ!と鼓動に合わせて注がれ、それを貪るように収縮し吸い上げたと同時に、相手が噴き出した体液で床がまた汚れる事も気にしないで“雌”しての絶頂を迎える。

「あっ、ああぁっ……!! イグ……気持ち良いぃ…っはぁああ……あ゛あア ッ…♥♥♥♥」

視界全体が快楽に染め上げられた瞬間、記憶すら真っ白になる程の法悦に満たされ、遺伝子ごと雄としての機能を失う感覚があった。
そもそも初めから子を宿す器官なんて存在しないのに、孕まされて間もない雌のような錯覚に陥ってしまう。ギドラの精を一滴たりとも無駄にしないよう内壁をきゅうんっ♥と締め付けた後でも律動は続き、結合箇所からは泡立つ液体がゴプゴプと漏れ出た。

「お゛ッ、お゛ひぃ……♥ ぎどらぁ…♥ 好き、すきぃっ♥♥♥ はなれないれぇ゛……!」

ぐちゃ、ねちょ、と水音が響き渡りながら再開された責めは止まること無く、前立腺や結腸といったあらゆる性感帯をゆるゆると突き上げられる。その度に絶え間ない甘イキで儂の思考が掻き消されていくのを感じた。

「ふふっ、こんな状態になっても締め付けを絶やさぬとはいたく健気な奴め。お前が他の客相手に乱れて奉仕する所を想像しただけで嫉妬してしまいそうだ。……おい、苦しそうな顔をするな。我が手を緩めるとでも思ったか?」

ギドラの視線が真っ直ぐに儂を射抜き、全身に絡みつく。宛ら絡め取った獲物を逃がさない蛇のように、しゅるり……と喉元を這うその舌が、体温を奪うようにぞくりとした感触を残す。

「いいか、貴殿はもう我のものだ。他の者のために泣くな。目を瞑っていないで我だけを見ていろ……そうだ、もっとだ……」
「あ゛ぁ~…ッ♥♥ ら゛めぇ……っこわれりゅぅ♥♥ んぉおおぉッ♥♥♥」

グリィと最奥を擦られ、それと連動したかのような甘い痺れに襲われると共に勢い良く潮が飛び出る。先程から軽く失禁も交えて何度も果てているが、まだ止まらない。牡丹色に輝いた全身が蛍の求愛よろしくぽやぽやと明滅し、頭の中には「好き、気持ち良い」といった単純な感情が浮かんだり消えていく。

「っ……ぎ、どらぁ……♥ どうして…やめ……やめられ、な、いっ……!♥♥」
「くくく、可愛らしいな。この調子ではモスラに合わせる顔がないだろうに…」

不意にモスラの名前を出されたものの、今の儂には彼女を思い出す余裕は無かった。ギドラから出された条件を破ってでも彼女を助けたいのに、この身体が快楽に屈してしまっているからだ。しかし逃げなければならない。抗わねばならない。そんなことは、分かっているのに──。

「はぁ、あぁぁ……♥」

脳が焼き切れるほどの快楽に、身体は無意識にギドラへと縋る。こんなはずではなかった。モスラを助けるために、不本意ながらここにいるはずなのに。
それなのに奥を抉られるたびに、抗う気持ちはかき消され、代わりに恍惚とした吐息だけが零れる。

「あ……っ♥ やだ……や、だぁ……♥」

抗いたいはずなのに、抗えない。快楽の波が押し寄せるたびに、自分が怪獣王であることさえ曖昧になっていく。『こんなの間違っている』と心のどこかで叫びながらも、身体はまるでそれを求めてしまうかのように、歓喜に震えていた。
だからこそ、涙が溢れた。

「今…っ彼女の名前を出されると……ぅっ、うぅぅ……!」
「フッ……空気を乱してすまなかったな。しかし安心しろ、貴殿が奴を思い出す度に我は必ず繋ぎ止めるつもりだからな……何者にも絶対に邪魔はさせん」

耳元で囁かれた束縛の誓いにも脳髄にまで深く浸み込み、全身を突き刺さんばかりの歪んだ好意に心臓の鼓動が速くなる。嗚咽を漏らす間にニとサンの舌がこちらの咥内を舐り回すと意識が覚醒し、またもや新たな絶頂を予感させた刹那――ごぽ、と悦楽の飛沫が腹の中を舐め尽くした。

「ッ゙〜〜〜!!?♥♥♥ んぢゅぅぅっ♥♥ んふぅう゛……ぅぅ゛んッ!!♥♥♥」

「イク」という言葉さえ紡げずに絶頂を迎え、またもや呆気なく達してしまう。だがギドラは一切手加減しようとせずこちらの口内を犯し続け、その最中で二股のペニスを激しく前後させるものだから酸欠にもなりかねない上に、先程出された精液の臭いが一層室内を満たし、頭がクラクラしてきた。

(く…苦し……息が、出来ん……!!)

それでも酸素を取り入れるべく大きく口を開ければ再び左右の首が咥内中を舐り、その刺激にすら感じてしまう。流されないようにするべくなんとか堪えるが、ひたすらに五感を炙り続ける狂気じみた快楽が少しずつ理性を蝕んでいき、何時しか自分からニとサンの顎に優しく手を添えると、またもやそれぞれに濃い接吻を与えてしまっていた。

「はぁっ…っはふっ…!んっ……ちゅぷっ……ンゥ……っ♥♥♥」
「弟達にも奉仕するとは、なかなか積極的ではないか。流石に少しは学習できたという訳か?」

応える代わりに蕩けた視線を返せばイチはくつりと笑い、その振動ですら心地良く思ってしまう。このままイキ殺されても良い。快楽に狂い溺れてしまいたい……。あれこれと淫らな思考を脳裏に浮かべている内に、後孔から異物感が消えた。

「ふぁあ……っ♥♥♥」

抜かれる、ということはみっともなく雄汁を排泄してしまうと察したのも束の間、ごぽぉ、ごぷごぷ、と塊の如し濃厚さを保った精液が溢れ、体―――特に下半身を震わせつつ達してしまう。
それを目の当たりにしたサンからも「まだイキまくってる」と笑われる始末であり、反論どころかまともな思考回路さえも失われつつあった。

「ひあぁあ……で、出てるぅ…♥ 見るなっ……! これ以上、はっ……あっ♥んふぅう…ぅぅぅ~…っ♥♥♥」
「ふはは、恥じらっていても満更ではないのだろう? 事が終わっても暫くの間は粗末なモノで満足できない身体になるであろうな」
「や……ちが…ぁ……♥」

否定の言葉を口にするが、心中では快感を肯定していた。モスラを含めたタイタン達の目の前でギドラの性奴隷として奉仕させられ、何度もアクメさせられた時以上の快楽が全身を支配し、もはやまともに言葉すら紡ぐことが出来なくなっていた。

(駄目、だ……今は何がなんでも起きていないとならぬのに………)

幾度も達して気絶してもまた犯される。それだけは回避したく必死になって意識を保とうとするが、全身を覆う絶頂の余韻と気怠さ、そして睡魔までは振り払うことが出来ない。
今は逃げないと……けれどもまぶたが……重い……。
そうだ。接客している身として、何か大事なもの…思い出さなければ……。
なのに思考は蕩け、深い闇に溺れるように──。
ふと、視界の端に何かの破片が転がるのが見えた。それはギドラの体に隠れるように、床の上で微かに光を反射している。

(……あれは……?)

思考が霞む意識の中で、それが何なのかを掴みかける。しかし脳がそれを認識するよりも早く、意識が暗闇に引きずり込まれるように落ちていった──。