猩々の宴/乱

「んへぇえっ!♥ くっお゛ぉぉぉんっ♥!」

あちこちで涙声混じりの嬌声と、グレイト・エイプらの謝罪を交えた呻き声が聞こえる。そして先程聞こえてきた声は、音源からして恐らくオオタチの方向だろう。しかし彼女―――否、彼女らを助ける余裕は今の儂にはなかった。何故なら後ろ手に拘束され、この娼館内で一番の大きさを誇る寝台の下にうつ伏せで転がされていたからだ。
本来ならこんな骨の鎖などあっさり引き千切られるものなのだが、そうも行かない。少しでも抵抗する素振りを見せれば寝台を陣取っているスカーキングの指示の下、陵辱を受けている同僚達の誰かが暴行を受ける羽目になる。それだけは避けたかった。

「クッカカカッ、あの性悪トカゲ女あっさり気ィやりよったわ! あんだけギャーギャー喚いてたのになァ!」
「ぐっ……」
「あぁん? 何やその目つきは? そんな態度取ってええんか? ウチの部下共はちょいと力あるからな…逆らえば己の可愛い同僚らがどうなっても知らんぞ?」

実際に各同僚達を集団で取り囲んで陵辱しているグレイト・エイプ達はコング程ではないにしろ全員が筋骨隆々であり、その気になれば彼女らの腕や脚の骨の一本や二本へし折ることくらい造作もない。しかし彼らの表情は一様に怯えていて、中には謝罪を繰り返しつつ律動を始める者まで居た。

「や、やめてくださいっ! もう少し手加減を―――ひゃあぁっ!?」

声の感じからして、キングシーサーがグレイト・エイプの一人に拘束され、犯されようとしているらしい。普段は一対一で誰にでも愛情深い接客を得意とする彼女だが、今回は四方を取り囲まれて陵辱されるという余りにも不得手な形で痴態を演じさせられていた。

「お、お願いですから、せめてゆっくり……女性器ほーみーが壊れちゃいますからぁっ!」

集団の見守る中で恐らく激しい律動を食らっているのか、キングシーサーの声には羞恥と苦痛が入り混じっている。
一方で、彼女の傍らで機龍は仰向けになったグレイト・エイプの上に乗せられ、尚且つ左右に佇む2体からそそり立つ男根を扱かせられる形で突き上げを受けていた。

「はぁ…ンっ、貴方がた…戯れも、っ程々に……あふっ♥」

機龍の声色からして『早く終われ』と言いたげだったものの、時々敏感な箇所を刺激されているらしく艶やかな喘ぎ声が漏れる。それを見越したのか下から突き上げている個体が機龍の腰に手を伸ばし、ガツガツと速度を上げるとびくりと身体が跳ねる。

「はへッ!? ちょ、ちょっとお客サマぁっ! あっ、ああぁっ!!」
「やる気出してもらわなきゃ困るんだよ。それにしても無愛想かと思ってたが、可愛い反応するじゃん」
「おいチンポ扱く手が止まってんぜ、機械人形。もっとしっかり奉仕してくれよ」

「す、すみません……! くうぅっ」

悔しげに謝罪しつつも両手で竿を擦り上げる。この様子だと、心中で悪態を吐いていようと直ぐに白濁をマーキングされるか、高みへ上り詰められるのは確実だろう。
すると今度は、機龍達とは別の方向から聞き慣れた声が聞こえてきた。

「はぁ、はぁ……あ、貴方達…っ! こんな事してタダで済むと思って……あうぅっ!♥」
「だ、だめぇえっ!♥ 今おっぱい吸うのだけはぁんっ!♥」

声の主は、この怪獣娼館で高級娼婦として扱われているスペースゴジラとマザーガイガリアンだった。彼女らは今、赤毛のグレイト・エイプ――スカーキングの親衛隊・レッドストライプスたちに仰向けに組み敷かれ、四肢と尻尾を拘束されていた。無理やり開かれたソコに、男根をずりずりと擦りつけられている。

「そんなの、擦り付けないでっ! 気持ち悪い……! わ、私が……こんな下劣な猿どもに……っ!」
「ふぅっ、ふーっ…! 終わったら、っ絶対にアンタ達をズタズタにしてあげるわぁん…っ!」

身体中を弄ばれ、そのたびに太腿を震わせる痴態を、容赦なく視姦される。普段は余裕綽々の彼女たちも、今は必死に歯噛みすることしかできなかった。
しかもレッドストライプスも、スカーキングの“お零れ”として、これまで何度も同族の雌を蹂躙してきたのだろう。半ばヒトに近い体格を活かし、奴譲りの卑劣な手口で、容赦なく責め立てていく。

「へへへ…流石は高級娼婦だけあっていいカラダしてんなぁ。感度まで一流だぜ。どうだい、俺達のテクは。アンタらが相手してきたニンゲン共よりかは自信があるんだけどな」
「おーおー、嬉しそうに乳輪膨らませやがって……ハメられながら吸ったらどうなるか診てみような。サイボーグのママさん」

「ぐっ、こいつら…! ちょっと待ちなさいって! さっさと抜いて……っあはあぁっ!♥ 」
「あひぃいいっ!♥ み…ミルク噴いちゃうぅんっ! 飲ませたくなんてないのにぃんっ!♥」

スペースゴジラとマザーガイガリアンは、思ったよりも近い場所にいた。そのせいで、レッドストライプスたちの執拗な打突音や、肉を擦りつけるいやらしい音がはっきりと響いてくる。それに抗うべく彼女らは悪態を吐いているものの、後々普段の接客中よろしく甘い声を漏らし始めるのも時間の問題だろう。
やがて、どこかで誰かが泣き叫び、不本意に絶頂する声が響く。そのたびに儂は無力感に苛まれ、目を伏せるしかなかった。

(皆……こんな事になってすまない)

「クッカカカッ! お前さんの同僚ども、ずいぶんと抱かれ慣れとるやないか? ま、せいぜい部下どもの乱痴気騒ぎでも眺めて、機嫌直せや」
「ッ……この、下衆が」

怒りのままにベッド越しに睨みつける。しかし、奴は意にも介さず鼻で笑うと、長い片足を高く掲げ、一息に踏みつけてきた。流石に骨を踏み砕かれるまではいかないものの、宛ら積年の恨みを込めたかのような圧力だ。

「うッ……!」
「そんな口叩いとる場合か? 部下から聞いたでぇ……ギドラの策略で、タイタンどもの性奴隷に堕ちたんやってな? かつて怪獣王と呼ばれた御方が、まぁ見事に落ちぶれたもんやのぉ」
「……黙れ」
「フヒヒ…悔しいかぁ? ド淫乱の元・怪獣王サマ」
「……黙れと言っている」
「ん〜、何やってぇ? ワシちょっと耳遠いんで聞こえんわ」

わざとらしく見え透いた嘘を吐きながら、ぐりぐりと頭を踏みにじる。痛みこそなかったが、それが余計に屈辱だった。
“性奴隷に堕ちた”という事実を、こんな外道に指摘され、嘲られ――怒りが、煮えたぎるように湧き上がる。それがピークに達した時、理性が止めるより先に咆哮交じりの怒声が自ずと溢れた。

「……ッ! 貴様ぁぁっ!!」
「おー怖い怖い。そんなデカい声出すなや、此処に居る全員が震え上がってまうやろ。なぁシーモ?」

わざとらしく足を退けつつ振り向いた先では、ベッドの上で白い巨躯を震わせて縮こまっているタイタン―――シーモの姿があった。怯えているのは儂の怒声によるものではなく、いつスカーキングの気まぐれであの鉱石を翳されるかもしれない恐怖と、眼前で繰り広げられている怪獣娼婦達への狂気じみた陵辱行為を直視できない故なのは明らかだった。

「はい……ご主人、様」
「クカカ、ほれ見ぃ元怪獣王サマ。お前のせいでワシの可愛いペットがすっかり怖気付いとるわ。……って、お前さん、下に転がされてりゃ全然見えんわな。どれ、もっと間近で見せたるさかい、はよ立てや」

そう言ってスカーキングの手が儂を縛っている骨の鎖をぐい、と引っ張り上げる。その際に無理矢理腕ごと後ろに引っ張られ、無理な方向に曲げられた肩に僅かな苦痛が走る。

「う……ッ!? あ゛…ッ!」
「ホレホレ、そのままでいると肩折れるぞ。それとも何や、この場で同僚らが苦しむ所見たいんか?」

痛みを堪え、剥き出しの牙を噛み締める。尻尾を地面に叩きつけるようにして、何とか立ち上がった。
だが――次の瞬間、鎖が強く引かれた。バランスを崩し、無様にベッドへ突っ伏す。瞬く間に黒い巨躯がさらけ出された。

「あぐっ!く……っ!」
「クカカッ、締まらん姿やな。この娼館は寝ながら客を出迎えるのが普通なんか?」
「う、うるさい……」
「おいおい、口の利き方までなっとらんぞ。こういう時は、頭を地べたに擦りつけて詫びるのが筋ってもんやろ? なぁ?」

余裕ぶった口調とは裏腹に、スカーキングの瞳には嗜虐的な光が宿っていた。その眼差しは、まるで『プライドなど捨ててさっさと謝罪しろ』とでも言わんばかりに、傲慢さを滲ませている。
今すぐにでも鎖を引き千切り、この猩々の喉笛に喰らいつきたい。だが――それをすれば、どうなるか。
答えは明白だった。
拒絶する本能を無理やり押さえ込み、屈辱に震える声で、ぽつぽつと謝罪の言葉を搾り出す。

「…………ッ! 無礼を働いて、っ申し訳ない…」
「あぁん? ちいとも聞こえへんのぅ?もうちっと声を張り上げて言えや」
「……ぐ、うぅ…ッ! も、申し訳ありませんでしたッ!」

屈辱に全身が戦慄くのを感じつつ、どうにか謝罪の言葉を絞り出す。当然ながら、スカーキングは勝ち誇ったように笑う。そして、さっきまでの傲慢な態度から一転――長い五指を儂の頭に這わせた。
ねちっこく、慈しむようになぞる。何度も、何度も。

「フヒヒヒ、判ればええんや。だが、どうも誠意が足らんな。ここは一つ、お前さんの態度で示してもらおうか」
「ど、どういう意味だ……ッ」
「言葉通りの意味じゃ。ほれ、そこで這いつくばっとれ。……おいシーモ、ちぃとこっち来いや。」
「は、はい!」

奴が呼ぶと、シーモがびくりと身を震わせて顔を上げる。恐らくこれから何が行われるか理解したのだろう、その声色は恐怖に歪んでいた。

「シーモ、さっきコイツの怒鳴り声でビクついとったやろ。まっこと可哀想にのう。せやから――この元・怪獣王サマが、お詫びにお前を“慰めて”くれるそうや。……嬉しいやろ?」

思わず己の耳を疑った。
怒りで迂闊に大声を出してしまったのはともかく、此処での“慰める”と言えば即ち躰を重ねることを意味する。突き付けられた問いにシーモが絶句する中、またもや無関係な者を巻き込む憤りと困惑でスカーキングを睨むも、奴は彼女の反論よりも先にまるで儂を馬鹿にするかのような嘲笑を浮かべた。

「いえ、別に私は怖がってなんて…」
「ん〜? そうは言っても誰がどう見ても、怖がっとるようにしか見えんぞ?それに元怪獣王サマ、ワシは何もおかしな事は言うとらんで。此処は怪獣娼館、怪獣おどれらが客から報酬貰ってヤりまくるのは当然の事やろ。違うかぁ?」
「それは……ッ」
「クカカッ、そういう訳やから早よ己の誠意見せんかい。ここでシーモが苦しむ所が見たいんか?」

そう言ってスカーキングはあの鉱石をシーモの方へ翳すと、青い光を薄ぼんやりと灯らせ始めた。それを見たシーモの表情は一気に青ざめる。

「ひっ…!?い、嫌です!それだけは……!」
「やろ?ワシの可愛いペットが「痛いのは嫌だ」と言うとるさかい、早よコイツとサカり合えや。なぁ、元・怪獣王サマよぉ?」
「ぐっ……! わ、分かった」

歯軋りしながら了承すると、スカーキングは満足げにニヤリと笑い、鉱石を持つ手をゆっくりと引っ込めた。そして、代わりに儂の手を戒めていた骨の鎖を解く。
ようやく両手は自由になった。だが――この状況では、何の意味もなさない。その内ピンク色の冷たいシーツの上で四つん這いになったままシーモの元に近寄ると、彼女は相変わらず怯えた様子で儂の表情を伺ってきた。

「まさかこんな形で其方と再会するとはな、シーモ」
「ゴジラさん……そ、その…」
「臆する必要はない。今は奴の言う通り、互いに身体を交えて“楽しむ”だけだ。……先程は怖がらせてすまなかったな。もう大丈夫だ」
「……うん」

暗に“今は無理でもどうにかしてこの状況を打破してやる”という意味を込めて励ますと、シーモは震える声色で小さく呟きながら俯き加減でゆっくりと顔を上げた。その時に映った藍玉の双眼は不安が拭えないのか怯えが滲んでおり、表情すら未だ覇気が出ないままだ。

「……っ」

怯えるシーモの姿を見ていると、憐れみと共に――胸の奥底から怒りがふつふつと湧き上がる。
スカーキング。
長きにわたって彼女を弄び、玩具扱いしてきた、この外道猩々に対する怒りだ。
拳に力がこもる。奥歯を、強く噛み締める。
だが、今すぐに反逆を実行すればどうなるか分からないほど愚かではない。闇雲に動けば彼女のみならず他の怪獣娼婦達まで危険に晒されてしまうのだ。そんな中、我々が小声で再会を愛おしんでいるのに痺れを切らしたのか奴は苛立ち混じりに口を開いた。

「おいコラ、何をコソコソくっちゃべってんねん。ワシを待たせるんか?さっさと寝転んで始めんかい」
「ッ…! 判っている……では」

本心から従う気など毛頭ない。だが、今は耐えるしかない。
シーモとの会話を遮られた苛立ちを押し殺し、なるべくスカーキングから離れた場所で、彼女と共に横たわる。
柔らかくも冷たいシーツの感覚が左半身から伝わってくると、シーモは漸く儂と向き合える安心感からかすぐさま互いの吐息がかかる距離にまで顔をもたげてきた。

「本当に久しぶりだな。遠い昔ギドラを封印して以来か? 幾星霜経とうと、その強さも美しさも全く変わっていないな」
「あ、ありがとうございます。貴方も何か事情があって此処にいるみたいですけど、変わらずお元気そうで安心しました。私は…見ての通り、あのスカーキングに捕らえられてしまってもう長いですがね」
「……そうか。それは酷く難儀しているな。しかし安心するが良い。俺が居る以上お前のことは絶対助けてみせる。だから――」

言葉を続ける前にスカーキングの舌打ちが聞こえたのを合図に、儂は不意打ちという形でシーモの半開きになった口へと己の唇を重ねた。

「ンッ!? んぅう……っ!」

いきなりの事に驚いたシーモだったがすぐに雰囲気を察したらしく、ひと呼吸置いてそのまま貪るように自らの柔らかな舌を絡めてきた。
昔と変わらず温厚な性格からは想像がつかないほどの情熱的な接吻に一瞬たじろいでしまうものの、こちらからも負けじと彼女の咥内中を舐り尽くす。

「んちゅ…んんっ……はぁっ…ぅん…♥」
「んっ、ふぁっ……んぶぅっ……♥」
「クッカカカッ! ええぞええぞ! もっと音立てて、舌絡めぇやァ!肉奴隷同士、仲睦まじいことやのぅ?」
「……っ!」

スカーキングの哄笑と罵声に、シーモの肩がびくりと跳ねる。だが、決して彼女の意識を奴の方へ向かせはしない。
今までの恐怖と屈辱を――少しでも癒やすために。
儂はそっと、自分の尻尾を彼女のそれに絡めた。そして、意識的に水音を立てながら、深い口づけを繰り返す。

「はむっ…れろぉ……♥ ぷはぁ…シーモぉ……んんぅっ♥」
「くちゅ…っぅむ……ふぅ、ンっ……ゴジラ、さん…♥」

シーモが甘く震える声で名前を呼び、儂の手を強く握り締める。
それに応えるように、さらに身体を密着させた。
スカーキング以外の体温――温もりが、肌に触れる。
それに安堵したのか、シーモは喉奥から甘えた声を洩らしながら、そっと後ろ脚を擦り寄せてきた。

「うっ……!」

途端、シーモの太腿の感触が儂のそれと絡まると下腹部に軽い痺れがじんと伝わる。その時『ぐちゅ』と粘液質な音が耳に入ってきたことで、彼女の秘部は既に濡れていると確信する。恐らく今繰り広げられている濃厚な接吻で相当に興奮してしまったのだろう。それを誤魔化すかの如く自らの舌を上下に動かし、こちらの舌をれろれろと転がしてくる。

「ん、くっ♥ はぁ、うぅん……」

シーモの口から漏れた冷たくも仄かに温い吐息が咥内だけでなく首元にまでかかり、背筋がぞくりと震え上がる。その傍らで儂の逸物も彼女の興奮に当てられたか、若しくはこれまでの陵辱による爪痕故かドクドクと熱を帯び始め、独りでに硬くそそり立つ。
このままでは、まずい。――色々な意味で。
だが、少しでも動けば、必然的に彼女との密着が深まってしまう。
逸物の熱が増していくのを感じる。
どうにか意識を逸らそうとするも、粘膜を這う柔らかな感触と微かに温い吐息が、否応なしに欲情を煽る。

(こ、これ以上刺激されては駄目だ。何とかして抑えねば……)

それはシーモも同じことを考えていたようで、ふと彼女は我に返り少し躊躇いながらも、名残惜しそうにゆっくりと唇を離した。

「ぷはっ……はぁ、はぁ………」

荒い吐息が絡み合う中、舌先に太めの銀糸がひとつ伸び――やがて、プツンと切れた。
まるで、長年連れ添った番のような光景。
だが、実際は恋人ですらない。スカーキングの命令で無理やり、こうさせられているだけの関係だ。
それに――かつて、敵対すらしていた相手。そして自分が今から何をされようとしているのか……そんな複雑な心境が表情に出てしまったらしく、シーモが儂の方に心配そうな眼差しを向けてくる中、スカーキングの嘲笑が聴覚を突いた。

「おいおい、すっかり出来上がっとるようやのぅ? 特に、元怪獣王サマよぉ……お前さんのマラはヤケに張り切っとるやないか」
「ッ……!」

スカーキングの言葉通り、既に己の肉棒はシーモとの長い接吻と甘い吐息によって完全に勃起してしまい、先端から溢れる透明な汁が重力に従ってシーツに滴り落ちている。この状態ではスカーキングに何と言われようと反論できるはずもなく、悔しさから目を背け牙を食いしばっていると彼は愉快げに笑い出した。

「クカカカッ……まぁまぁ、そんな気まずそうな顔すんなや。
安心せぇ、お前さんのソレをシーモに挿れさせる気はないでぇ?
だが、そんなもん見せられたら、ワシも我慢ならんわ。……ほれ、二匹とも、さっさと脚開かんかい」

「……ああ」
「は、はい…わかりました……ご主人、様」

スカーキングの命令に従い、ほぼ同時に脚を開く。
シーモは――従順に。儂は――不本意に。当然ながら儂の太腿の裏に刻まれている“軌跡”を示す傷痕が露わになり、それを目の当たりにしたスカーキングはわざとらしく舌なめずりをしてみせる。

「へぇ……こりゃまたエグいのぅ。随分刻まれとるやないか。――ちゅうことは、相当な数、抱かれてきたっちゅうわけやなぁ? ん? 元王サマ?」
「……見るな、下郎」

羞恥の代わりに睨み付ける態勢を崩さないまま悪態を漏らすも、当の本人は気に留めず寧ろ興味津々を顔に描いたまま近付けてきた。

「おー怖っ。だが、お前さんだけやなくて、あの同僚どもも散々ヤられとるんやろ?ほんならワシらがやっとることも、そう変わらんのとちゃうかぁ?」
「……黙れ。貴様らのはただの強姦だろうが」
「……ふんっ、相変わらず口だけは達者やのぅ?まぁ、ワシは雄を犯る趣味はないが、ええ機会や。この娼館で唯一の男娼サマが、どれだけ淫乱か……たっぷり味見させてもらうでぇ?」

語りつつスカーキングは己の長い指を唾液で湿らせたかと思うと、そのまま二本を強引にぐぶぐぶと内部へ突き入れてきた。しかも既に切っ先が前立腺近くにまで達しており、ぐりゅっ、と強めに押し潰されれば自ずと腰が大きく跳ね上がる。

「!? やめ―――ッはぁ゛ッ♥ ……はぁ゛ッ♥ あぐぅっ、んんっ! ぉ……ッさ、触るなぁっ! あ゛ッ……あぁ…ッ♥」
「クカカッ……これじゃ、まるでオマンコと変わらんのぅ? さすがは、数え切れんほどのタイタンどもに犯られとっただけのことはあるわ」
「っ……違う…! これは…貴様が、無理矢理ッ……!」
「ええんか? あんまり意地張っとるとシーモや他の連中がどうなっても知らんぞ?」

スカーキングの言う通り、先ほどから周りで他の怪獣達がグレイト・エイプらと激しく絡み合っている一方、自分だけでも奴の抵抗の意として何とか耐えなければと思っていたが、それを続けていれば確実にシーモにも危害が及ぶ。そんな展開だけは避けねばと必死に策を巡らせるも、スカーキングの技巧の前ではあっさりとその思考すらも打ち砕かれた。
先ず全体を小刻みに震わせ抜き差しするだけでは飽き足らず、時々手首を回しては執拗に弱い箇所目掛けてぐりぐりと捩じ込んでくる。

「か……はぁ゛ッ♥ んひぃっ……お゛おっ……! そ、そこ……ッ♥ だ、め……だァッ……! く、ぁあっ……あ゛ぅ゛ッ♥」
「フヒヒ……ほぉ、ええ声で鳴くなぁ元王サマ。ココが気持ちええんやろ? ほれほれ」
「はぁっ……! んぉ……ッ♥ く、くそぉ…っ……!!」

散々開発された敏感な地点をぐぽぐぽと抉られ、自然と上擦った甘い吐息が漏れ出てしまう。しかし、こんな卑猥な声を傍らのシーモや怪獣娼婦達に聞かせるのだけは御免だと、牙を噛み締めて懸命に耐えた。だが、そんな抵抗は無駄だと言わんばかりに、スカーキングの手つきは次第に大胆かつ悪い意味で的確なものへと変貌していく。

「コラコラ、何我慢しとんねん。もっと素直になれや雄淫売がよ」
「なっ…だ、誰が――ッんぉお゛おっ!?♥」

途端、奴は儂の反論を遮るように三本目の指を挿入してきた。流石にこれには耐えきれず、ソコから甘い痺れが走る度に喉奥からは甲高い悲鳴が上がってしまう。

「くぉ……ッ! やめっ、それ以上…は、入らん…ッ!」
「おいおい、まだ三本しか入ってへんぞ? そんなんで根を上げてたらワシのデカマラなんざとても受け止められへんのぅ?」
「だ、黙れぇっ……! こ、これ以上、っ俺の中に入ってくるな…!!」

侵入してくる指先を止めるべく何とか肉壁を強く食い締めるものの、かえってそれが仇となり、結果的に奴の指が入口付近でぐぱぁ♥と開いた事で、儂は思わず裏返った声を出してしまった。

「ぐあぁっ…!?」
「ほぉ……? こりゃまた、えらい締めつけてくるのぅ? お前さんの下の口はどうも、“もっとして”とおねだりしとるで」
「ち、違っ…俺は、そんな……ッ!」
「まぁええ。その強情さは嫌いやないで。だからこそ、もっと楽しめるんやけどなァ……?」

直後、スカーキングは余った片手で懐から下げている青い鉱石を、今度はシーモの開かれた雌蕊に近付ける。当然ながら彼女は自分にとって苦痛しか与えられないそれを秘部に当たるか当たらないかの絶妙な距離に翳され、喉から引き攣った声が漏れ出た。

「ひっ…!? お許しを……!ご主人様、今…それだけは、どうか……!」
「クカカッ、遠慮すんなや。これから、お前の慕っとる元怪獣王サマと、一緒に気持ちよぉ~くなれるんやからなぁ?ほれ、大人しく、受け入れぇや」
「っあ…や、やめろスカーキング! か…っ彼女だけはっ……!」

雌にとって非常に大事な箇所へと苦痛を与えられるのかと思い、今すぐスカーキングを止めようと無理矢理体を起こそうとしたのも虚しく、忽ちシーモのソコを目掛けて煌々とした無機質な青い光が灯った。
途端、彼女の開かれた口からこれまでにない絶叫が迸った。
それは他の同僚たちの嬌声すらかき消すような、悲痛な叫び――。忽ち部屋中に響き渡り、こちらの聴覚を裂くように響く。

「やっ……やだぁっ! お…お止めください、スカーキングさまぁっ! あぁっ、あ、ぁ…っんぁぁあ゛っ……いやあ゛ぁあっっ!!♥♥」

彼女の咆哮も虚しく、鉱石の光が強く輝く度に慎ましやかな陰核は包皮からはみ出ん程に肥大化していき、最早こちらから視認できるまでに膨れ上がっていた。更には煌めきによる副産物なのか性感度が相当に上がっているらしく、開かれた雌蕊からは失禁と見まごう程の愛液がダラダラと尻尾を伝って溢れ落ちる。

「あ゛……っかひっ…♥! 嫌ぁぁ…っこんな、酷いぃ……ッ!」
「フヒヒッ、どうや? これで、この雄淫売と、お揃いになったで。良かったなぁ、シーモよ」

悪辣な笑みを浮かべつつ、スカーキングの指が陰核を強めにぴん、と弾くとシーモはビクンッと身体を震わせ、涙混じりの声を上げた。

「ひぎィッ!?♥ ご主人様、やめて……もうやめてぇッ♥」
「な、なんて事を…! いい加減にやめろ! これ以上は本当に―――うぁあ゛ああァっ!?」

抗議の声を上げる間も無く、再び儂の肉孔に入ったままのスカーキングの指先によって、前立腺をずりずりとなぞられてしまう。そればかりかもう片方の手は鉱石から打って変わり、今にもシーモの開いた雌蕊に伸びようとしており、これから彼女へ繰り広げられる苛めに流石の自分も焦燥感を募らせた。

「い…いやぁ……っ! だめ、ゴジラさんの前でだけはこんなの、見られたくないのにぃっ…!♥♥」
「クッ…!や、やめろぉっ……! 頼む、やめてくれスカーキング! シーモには手を出さないでくれ!!」
「……フヒっ、何や元怪獣王サマ。そんなにこのエロトカゲが大事か? コイツがお前さんが放ったらかしとる間に、コイツはもう欲求不満でたまらんみたいやのぅ?」
「なっ……それは……!」

実際にスカーキングの起こした外的要因があったとはいえ、シーモの言動とは裏腹に彼女の秘部は濡れきっており、時折欲情に満ちた視線を自分に向けていたのは事実だった。
その目線は「感じたくない」という反面、時折「そっちばかり感じていて狡い」と言いたげに切なげなもので、本人がそれを思っていないにしても涙目になっている事で儂を責めている様にも見えてしまい、胸の奥がズキリと痛み出す。

「っ…違う、俺はそんなつもりでは……」
「クカカッ、まだすっとぼける気か?己のせいでコイツも苦しい思いしとるんやぞ。こういう時は、さっさと素直になるのが“礼儀”ってモンやろ」

言葉を続けている間にもスカーキングは指先でシーモの秘部に軽く触れては離し、また触れる。その度毎に彼女は「ふぁあぁっ♥」と甘美な声を上げ、腰を艶めかしく揺らし突き出す。それは今まで聞いたことのない様な蕩けきった嬌声で、否応なしに雄の性感を煽る引き金でもあった。

「ほれ、もう待ち切れへんのやろ? さてシーモ…これからどうして欲しいんや? 要望があるなら一応聞いてやるで」
「そ、そんなの…言えるわけ、ない…じゃないですか……!」
「へー、そうかい。下の口は涎垂らして、おねだりしとんのになぁ」
「っ、だめ、そっちは……あぅ、ひゃぁ゛あ゛んっ!♥♥」

ひくひくと震える花弁をなぞられ、けれど挿入しない絶妙な弄り具合にシーモは悶え続ける。その度に彼女の尻尾も淫らに動き、焦らされた秘部は更なる刺激を求めんと自らひくん、と揺れ動く始末だった。
だがスカーキングの長い指先は一度たりとも胎内に挿れる事は無く、ただ花弁の輪郭をなぞり続けるだけ。飽くまで焦らしに焦らしを重ね、彼女自身から絶頂を乞う言葉を言わせるのが目的らしい。
当然その間もシーモは何度も達しそうになるが、気をやりかける直前でスカーキングは嘲るように鼻で笑うと、すぐに愛液の絡んだ指先を放してしまう。

「はっ……あぁ…っ♥! やっ……やだぁ、っ意地悪しないでぇ…!♥」
「あぁ? そらお前が空気読まんからやろ。そうやな…そこの怪獣男娼サマに聞こえるように『イかせてください』って可愛かわゆぅ~く、お願いしてみろや」
「……っ」

一瞬、躊躇いを見せたシーモの瞳が、ゆっくりと儂の方へ向けられる。
――途端に、熱っぽく潤んだ。
まるで、許しを乞うように、涙を湛えた対の藍玉。
それは、雄としての劣情を呼び起こすと同時に、抑えがたい罪悪感を突きつけてきた。

「くっ……!」
(駄目だ、シーモ……そんな目で俺を見ないでくれ……!)

…分かっている。
ここで拒んでも、この地獄は終わらない。むしろ――延々と続くだけだ。
先程シーモに下された言葉を言わない限り、スカーキングは絶対に焦らしという淫らな拷問をやめないのを理解している上で、ずっと彼女に矛先を向けるだろう。
だからこそ、ここはシーモの望むままにする他無いのだ。肯定と拒絶感の入り交じった複雑な感情を抱きつつ、無言で強く頷くと彼女当人は意を決したかのように唇を噛み、そして――

「お、お願いします……ご主人、様ぁ……! どうか…私も、イカせて下さいませぇ…っ♥」

媚びた涙声でスカーキングから目を離さずに哀願を始める。その声色には先程よりも甘く、むしろ期待感に満ちたものだ。

「そこまで可愛く強請られると断る訳にもいかんなぁ……ええやろ、お前も、この雄淫売サマと一緒にたっぷりイカせたるわ」

言葉が終わらない内にスカーキングは満足気―――もとい自分の思惑通りになった事に笑うと、シーモの蜜壺に一気に三本、指を挿れた。こちらとは違ってあっさりと根元に至るまで咥え込んでしまったどころか直々に奥まで嬲られているらしく、既に蕩けた嬌声が断続的に漏れる。

「んぁぁあっ♥!? ゆ、指ぃ……♥ そんな奥まで……っ、あっ……あぁぁっ♥」
「フヒヒッ、のっけから一気に呑み込みおって貪欲な奴っちゃの! おら、ここが良いんやろ!?」

ぐちゅっ、じゅぼじゅぼとこちらに聞かせる様に卑猥な水音を立てて膣内が掻き回され、同時に儂の肉孔もまた激しく抽挿を繰り返される。まるで、同時凌辱そのものだった。
儂とシーモの巨体がのたうち回り、揺れるたびに寝台がギシギシと悲鳴を上げる。

「はへっ、はひィいいっ!♥ イッ、イキそうぅっ♥ ご、ご主人さまぁっ♥♥! あ゛ぁっ、だめぇえ! ゴジラさんの前なのにぃ……!♥♥♥」
「ひ、ッぐ…! も、もう……やめろッ……♥♥ んぉお゛っ、ぅ……あ゛ぁああァ~~っ!!♥♥」

シーモの淫靡な叫びと、それと呼応するように響く獣染みた声。二つの咆哮が意味するものは明白であり、互いが絶頂を迎えかけているという証だった。
逃れられない衝動が、体の奥底から駆け巡る。
――その時、不意にシーモの掌が儂の手を重ねた。
まるで恋人のように、そっと指を絡めてくる。それは宛ら儂を落ち着かせるためのものか、或いは望まぬ快楽と絶頂から来る不安によるものか。どちらにせよ、何があっても決して離さないように互いを固く握り締めた途端、共に快楽の頂点へと達した。

「「う、あ゛あぁあ゛ぁぁぁアぁっ……!!!♥♥♥」」

儂の逸物から、白濁が激しく迸る。
弾けるように、脈打ち、幾度も放たれる精液。
それに呼応するようにシーモの雌蕊が、大量の潮を噴き上げた。
開かれた両の脚がガクガクと震え、その表情はすっかり蕩け切っていた。

「んひっ、ふぁぁっ♥ あ、っはぁ……ん…♥」
「はぁー…はぁ……おのれぇ……ッ!!」

息を荒げつつも絶頂の余韻に浸る中、これまた見計らったかの如く同時に互いを苛めていたスカーキングの指がずるり、と引き抜かれる。その感覚にさえ身震いしてしまうが、それでもどうにか理性を保ちながら、再びスカーキングの方を睨みつけた。

「ほぉ~~? あんだけイキ散らかしたのにまだそんな面してられるんか。大した胆力やのぅ、元王サマ」
「……っ! き、貴様……ッ!!」
「せやけど、まだ終わったとは言ってへんで? ほれ、見てみぃ」

そう言って、スカーキングは先程シーモの雌蕊を弄り絶頂させていた右手を下腹部に持っていく。そこには―――自らが『デカマラ』と称する程の大きさを誇る男根が腹部に付くほど反り返っており、脈々とした血管を浮き立たせて脈打っている。
己の細い体躯に反して予想外に主張してくる肉凶器へ思わず絶句する中、奴は訊かれてもいないのに言葉を続ける。

「くふふ……言うとくがなぁ、ワシは媚薬も精力剤も必要ないんや。日頃から雌猿どもやシーモをコレで散々甚振っとるおかげでなァ……ほれ、見てみぃ? この自慢のモノが……今から、お前さんのナカを味わうんやでぇ?」

言葉尻に続くにつれてスカーキングの吐息が荒くなっていき、脈打つモノの先端からカウパーの雫が垂れ始める。その光景を目にし、思わず儂の全身から血の気が引いていく。
それはシーモにも確認できたようで、日頃から自分の胎内を汚し尽くすそれを見たくないがばかりにぐっと目を瞑り、顔を背けて視線を逸らしている。

「や……やめろ……!! それだけは――――」
「フヒッ、男娼が客の要望を撥ね付けてどうすんねん。先程よりもっと気持ちよう喘がせたるからな……なぁ、元怪獣王サマよぉ?」

不安で思わずシーモの手を握り締めてしまうも、それは彼女も同じらしく指先に力が入るのを感じる。そして儂が余韻で脱力しているのをいいことにスカーキングの両手が足首をぐっと掴んで垂直に持ち上げ、股座を大きく開かせ秘部を露にさせる。
先程まで奴に弄くられた肉孔は儂の意志と反して独りでにヒクつき、指よりも更に太いモノを欲しているようにも見えて、それがスカーキングの嘲笑を誘う。

「う……ッ!」
「フヒヒヒ、こっちは既にお待ちかねと言った所やな。それじゃ……挿れるで?」
「なっ…!? 嫌だ、よせっ! やめろぉおおっ!!」

制止の声を無視して、先端がゆっくりと焦らすかの如く挿入されていく。指とは比べものにならない太さの剛茎が後孔を強引に押し広げ、少しずつ、だが確実に襞中の襞を舐ってくる。

「く、うぅ…! っ゛〜〜…! か、はァッ……ひぅう゛ッ…!!」
「おぉ~……! こりゃまた、ええ名器やのぅ……。裂けるか思うたが、のっけからあちこち吸い付きよるでぇ? フフッ、こりゃあ存分に楽しませてもらえそうやなぁ……?」
「っぐ……ぁ、この゛…っ外道、がぁ……ッ!!」

ずぶ、ずぷと音が聞こえる度に、奴の亀頭が肉壁を押し広げる感覚が否応なく伝わってくる。毎回されていても早々に慣れない異物感と圧迫感に思考回路が炙られ、思わず歯噛みしながら悶えることしかできない。
そしてある程度押し込むと、牡を包む肉篭絡を堪能しているのかこの場でため息をつき、結合部分を厭らしくなぞった。

「はぁ……気ぃ抜いたらすぐに搾り取られそうやのう。やけど、今すぐ己に極楽見せてやるから覚悟しいや。ほれぇ、ぶち込んだるでェッ!!」

直後、スカーキングの下腹部がずどん、と腹の底にまで響くような衝撃に見舞われる。途端に揺れた弾みでシーモと繋がっていた手が離れてしまったが、刹那に襲ってきた苦痛と痺れに上書きされ、すぐに我に返った。

「かはっ…!? あ゛っ―――あ゛ぁ゛ああぁっ!!♥♥」

想定外の質量に顎が仰け反り、両目を見開いて絶叫する。しかし余韻を与える間もなく奴の男根は奥深くまで肉壁を抉り、ソコからまた新たな痺れが生じると儂の腸内がきゅんと戦慄き、残酷にも奴の形を覚えてしまう。

「あっあ゛……ッがはァ…ッ♥ い゛ぁああ゛……♥♥」
「はっははは、えらい具合良さそうな声上げよって。ほれ、ココがええんか?」
「ひぎぃいっ! あ゛ひっ、やめぇえ―――ッッッ!!?♥」

追い込みをかけるかの如く、ばちゅっ、ばちっ、パァン!と肌同士が激しくぶつかり合う音が高らかに立ち、呼応すればするほどスカーキングの動きが激しさを増していく。まるで飢えきった獣宛らにひたすら快楽を求めて貪るような動きに、身体だけでなく心までも激しく揺さぶられる。確実に雌を泣かせるように太さも長さも特化したソレは、まさに凶器そのものだった。

「ぐぅッ、ふぅう゛…はっ……あ゛ぅうっ!♥♥」
「ほれ、どうや? ワシのマラは。もうすっかり馴染んできたんちゃうんか?」
「あ゛……へッ……!? そ、そんな、こ……と、ぉあ゛ッ♥♥」
「フヒヒヒッ……!もうマトモに返事も出来へんとは。元王サマが聞いて呆れるわ」

そう言いながらスカーキングは一旦律動を止めると前後運動から一変して腰を回転し始め、肉棒を円状に動かして中を掻き回す。只でさえ拡がりきったソコを一層押し広げられた挙句、中全体を捏ねくり回すかのような責めに、視界に火花が散って思考を焼かれる。

「く… う゛ご、かすなぁっ…! ぅあッ…や、やめ……ろぉ……っ! んぁ、ァあ゛ぁ……ッッ!♥」
「クカカ、こんな極上の雌孔を前にして止まれる訳ないやろ。……ん? ほれ見ぃ、シーモも羨ましそうにお前の方見とるで?」

腰の動きは止めないままにわざと惚けた様子で問い掛けつつ、片手を儂の顔面にくっと押し付けると無理矢理シーモの方に向かせられる。そこにはいつの間にか両足を閉じ、何やら悩ましげに膝頭を擦らせているシーモの姿があった。

「んんっ…♥ な、何かご用件ですか…? ご主人、様」
「フヒヒッ……おいおい、まさかお前…雄同士が睦み合うとこ見て、発情しとるんかぁ? ふん、いやらしい趣味しとるなぁ?」
「あ、えーと……そ、そんな……別にそういう訳ではなくて……」

口では否定していながらも彼女の股座からは大量の愛液が溢れ出ており、雪原の如き白い肌、特に顔はすっかり上気して薄紅色に染まっていた。
無理もない。
先ほどの鉱石の効果で、異常なまでに雌蕊の性感度を引き上げられたまま――。
しかも、目の前で雄同士が絡み合う淫靡な光景を、至近距離で見せつけられているのだから。異様ながらもこの淫靡な光景に刺激されて発情してもおかしくはない。おまけに自分で慰めたくても、眼前に暴君がいる以上は下手に動けない状態だ。つまり、今の彼女は生殺し状態にあるわけで―――。

「参ったなぁ、そんなに欲しがられてもワシのマラは一本しかないからな。しかも生憎お取り込み中やし……せやな、ええ案思いついたわ」

ええ案、とはいえど、これから下される提案はこちらにとっては最悪以外の何者でもないのだが、唐突に儂の顔面を固定した手を前方に向かせられ、今にも接吻しそうな距離で続けられる。

「な、何を……!?」
「いやなに、別に大したことやないんやけどなぁ? お前さんの協力さえあれば、シーモも気持ちよぉ~くなれるんやでぇ?……良かったなァ、元王サマァ?」

嫌な予感がする。こちらが不安を抱くのを察するとスカーキングはシーモの方に向き、ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべながら告げた。