部屋中に響き渡る絶叫を目の当たりにしても恍惚の表情で聞き流していたイチは二頭に目配せをすると、それに応じる様にサンとニがしゅるりと儂の両腕を戒め、その場から立ち上がる。その拍子にまた内壁中を刺激され、堪らず膝を折るが彼らはそれでも手を離さず、改めて後ろの寝台に向き直った。
「はぁっ、あ゛っ……♥」
「ゴジラ、尻を向けろ。我だけでなくあの若造によく見えるようにな」
その言葉に従い、ボールの軋みに耐えつつ寝台の上に何とか這い上がって尻尾を垂直に上げ、相手の方に尻を向けると後孔の穴がくぱぁ……♥と拡げられ、内部ではとろとろと溢れて泡立ったローションが会陰部まで糸を引き、シーツへ流れ落ちる。
「んっ……」
後孔を少しでも締めれば腹でごりごりと転がり合うその微かな刺激すらも悦に感じ、自然と声を漏らせばそれを耳にしたイチは、儂の臀肉を翼の飛膜で優しく撫でてきた。
「んぉっ♥♥!」
「良い反応だな、ゴジラよ。まだ少し触れただけだと言うのに」
「言う……なぁ…っ! はやく……っ、終わらせてくれ…もう限界なんだぁ…っ」
「何をだよ? はっきり言ってくれねーと分かんねーよなぁ」
彼らが小馬鹿にした態度でこちらを見ている。腸内だけでなく脳まで無機質な球体に掻き回される様な快感に奥歯を嚙み締めて耐えながら、懇願するように首を捻って見上げれば相変わらず意地悪く嗤う偽りの王の陰で、不安そうに見つめる若造と視線が合った。
儂の事を精一杯慮り、本当に申し訳なさそうに目を伏せている彼はきっと心が痛むのだろう。だがその一方では今までの痴態を目の当たりにしたばかりか手伝わされて興奮しているのか、ズボン越しにでも分かるくらいに股間が大きく膨れている。そんな彼に対して切なげに目を細めると若造はハッと目を見開いた後、グッと拳を握り締めるのが見えた。
双方とも何時までも待たせていられない。球体で満たされた腸内から来る苦痛と快楽に呻きつつも、なけなしの矜持を振り絞って目の前の雄達に懇願した。
「くぅっ……ぎ、ギドラぁ…だ、出させて…くれぇ…」
「ほぅ? 何をだ?ちゃんと言わぬと解らぬな」
「儂の……ッ中に入った、ボール…っ! 早く出さないと……ぉッ♥!」
「ぷくく…寝起きじゃないんだから、もっと言い方あるでしょー?」
羞恥と苦痛を堪えて絞り出した声に、サンがわざとらしくツッコミを入れてくる。嘲笑混じりのそれに思わず怒りと羞恥で頬がカッと熱くなるのを感じたが、もう限界だ。恥ずかしい、と思うのは勿論、また屈辱的な命令を下されたら?などと考えている余裕もなく涙目で必死に声を荒げながら懇願する。
「うぐぅ…! 尻穴に…っ入ったボールを、早く出させてくれぇっ! ナカがはち切れて、壊れそうなんだ…頼むぅ……!!」
「ふーん、他には? 改めてアイツに言う事あるでしょ。あの時僕達と誓った言葉忘れてないよね?」
懇願しても、まだ責め苦を―――それも幾多ものタイタン達に取り囲まれる中、この偽りの王に幾度となく言わされた奴隷宣言をこの場で言わせるつもりなのか。それも若造の目の前で。思わず絶句した途端に弾みで後孔がくっと締まり、ボールもまたごろごろと振動する。ひとつが動けばそれに合わさって全部が蠢き、腹中から苦痛と快楽を生み出すと同時、儂に思考や理性、そして抗う選択肢をも削ってゆく。
もう耐えられるはずがない。次について出た言葉は若造に対する詫びではなく、無意識にギドラに対して媚びる言葉に他ならなかった。
「っぐ……お、俺はギドラの、っ肉奴隷…っだから……っお願い…どうか、ら゛させてぇえっ!♥♥」
「……良かろう。ここまで耐え切り、久々に隷属の言葉を言えた褒美として望み通りにひり出すが良い。若造もしっかり見ておくのだぞ」
ほぼ絶叫に近い懇願を目の当たりにして未だ罪悪感を感じているらしい若造に向けてイチは微笑むと、ゆっくりと翼の飛膜を臀部から離す。直後、戒めを解くように儂の腹を圧迫していた球体達が一気に外に出ようと勢い良くせめぎだした。
「ひっ!? あッ! ア゛ぁあぁっ♥♥! 〜〜〜ッッッ゙!!!」
力むより先にぶぽんっ、と後孔ではしたない音が洩れたと同時に、今まで入れてきたボールがローションの滑りを借りて一気に粘膜から押し出される。それらが飛び出す勢いに怯んで若造が後ずさる足音がしたが、それを気にするよりも堰き止められていた物を開放する最高の感触と、その一部始終をすべて見られる最悪の背徳感に視界が激しく明滅し、悲鳴と共に背中を仰け反らせた。
「ンぎい゛ぃいいぃっ♥! ひぃ゛、ッあァぁあ゛あっ! でる、出うぅう゛うぅぅっ!!」
恥辱と快楽から逃れようと全身に力を入れようとしたが、無意識に腹筋に力を籠めると同時に腹圧がかかり、またもや数個が前立腺を刺激する。瞬間、今までお預けを食らっていた絶頂感が込み上げ、ぶしゅっ、ぷしゃっ!♥♥ と盛大に潮を噴き上げた。
「ひぐっ!! あ゛っ、ああッ♥ んひぃぃっイクっ、いぁあ゛ああ゛ぁっ♥♥♥♥!!」
強烈な悦楽に耐え切れずシーツに爪を立てればビリビリと破れる音すらも聞こえないくらい咆哮し、全身がびくびくと痙攣する。その間にもボールは三個、四個と次々にひり出していくものの、残り二個―――既に結腸にまで埋まった分が中々出てこようとしてくれない。
「はひっ♥ んぇえ゛ッ!? そんな……抜けない…っ!?」
快楽と苦痛に顔を歪めながらも、どうにか腹に溜まった球を排泄しようと息む度、腸内全体がぐりゅんっ、と強く擦れてしまうのは止められない。息を荒げ、尻を掲げて尚も足掻くというあられもない姿にギドラは「くくっ」と喉を鳴らす。
「ほらほらどうした、まだ全部出てきておらぬぞ」
「はぁっ♥ あ゛っ、む……むりだっ…! 奥で擦れて、出せないぃ♥♥」
「折角若造にも手伝わせてやったのに、いざ戻すとなればなんともだらしない奴だな」
イチの軽蔑交じりの悪態に反応し、若造の方を振り返ると彼は酷く申し訳無さそうに目を伏せた。そんな彼に対して「断じて其方のせいではない」と伝えたいのだが、言葉が口を突いて出る前に風を切る音がしたかと思うと、儂の臀部に鋭い痛みが走った。
「ひぎぃっ!? い゙っ、何を……ッ!」
「なにって、手助けだよ。何処までも世話のかかる王様にお仕置きも兼ねてるけど、なッ!」
ニがそう吐き捨てると再び尻尾を振り上げて先端を振り下ろしてきた。今度は先程よりも強めに打たれ、痛みと共に叩かれた部分が熱くなっていく。
「んぎっ! あ゛ぁっ、痛ッ……やめ、ぎゃうっ!」
痛みに顔を歪めるがそれも束の間、また一発が振り下ろされ、反射的に臀部を引っ込めようにも逃がすまいと新たな一撃を喰らってしまう。
「ひぎっ、ぁう゛ッ、くうぅ……ッ!」
太腿が力むと必然的に腸がうねった事で結腸を苛めていたボールが少しだけ後進する。腹の筋肉もぷるぷると震え出すとまた一撃が振り下ろされ、衝撃で球が粘膜を擦りながらずり下がった。
自らの重みで肉壁を抉りつつ移動する快感たるや凄まじく、完全に球が出きりシーツの上に落ちるまで続けねばならない行為に耐えうるように、足の指にグッと力を入れた。
(もうすぐ……もうあとすこしで終わるはずっ……♥)
「ふーん、あともうちょっとで出てくるみたいだね。いい加減僕たちの仕事増やさないでよー?」
サンがつまらなそうに鼻を鳴らした直後、今度は尾を横薙ぎに振るわれたかと思うとべちんっと大きな音を立てて臀部へ叩き込まれる。
「ぅあッ! づっ…あぁっ! がッ……ぐぅぅ…っ!」
何度も繰り返される容赦のない一撃に上体のバランスを崩し、そのまま頭部が寝台へ前のめりに突っ伏してしまう。しかも追い打ちと言わんばかりに最奥で鎮座していた二個がずりずりと肉壁を擦り押し広げ、少し力を抜いた途端遂に抜けそうな地点まで降りてきた。
「はひっ、ぁ、やっと……んぉお゙ォッ! オ゙っお゙ッ、でるっ♥ またでてるぅっ! ンひいいいぃっ♥♥!!」
最早どんな咆哮を上げているのか判断すらつかないままに早く外そうと腹筋に力を込めた際、青と桃色の球が勢い良く出たはずみで前立腺の両方を刺激し、否応にも再び絶頂してしまう。
ぶびゅるっ、 びゅくっと下品で浅ましい音を立てつつ張り詰めた男根から多量の白濁液を噴き出す様は酷く無様であり、自分でも見るに耐えない姿だろうと思うと死にたくなったが、今はそれ以上にボールが抜け出た事による解放感が圧倒的に勝っていた。
「はー♥ はぁーーッ…ナカ…閉じられないぃ……見るなぁ…♥」
「くく、ようやく全部出たか。何とも凄まじい光景だったぞ」
「まるで産卵みたいだったねぇ。アッハハハッ♪」
「ケツまんこの奥まで丸見えだぜ、元怪獣王サマ〜? キッヒッヒ!」
イチの罵倒が余韻を打ち壊し、その隣でニとサンがせせら笑う。見ないでくれ、と言おうにも後孔の虚ろが閉じきる様子もなく、空気と奴らの嘲笑を無抵抗に受け入れるだけで何の成果も成さない。
そうしてひとしきり笑った後、彼らは何時の間にか痛いほど勃起した双頭の肉茎を持ち上げ、今やポッカリと開いてしまっても尚ヒクつく肉孔の縁に裏筋をずりずりと宛てがった。
「や…っ少し休ませ……っ」
「おいおい、何を言っている。本当の宴はここからだぞ?」
「ひっ…… い、嫌だ! もうイきたくな――んっほぉぉおォおぉ゙っ♥♥!!?」
制止しようとするも既に遅く、偽りの王の異形巨根が一気に挿入された。
ずっぷぅぅうう♥♥と淫猥かつ力強い結合音を立てながら儂の胎内をぱんぱんに埋め尽くし、腸を押し潰しかねない質量が奥へ突き進む度に背を大きく仰け反らせ、シーツを引き裂くどころかベッドが今にも壊れそうな軋みを上げるのも構わず、喉元を曝け出すように絶叫する。
「あ゙ぎィッ! ぅあ、抜い……っいやあ゙ぁぁあ゙ぁああっ!!」
「ふっははははっ、老体とは言えど相変わらず乙女よろしく良い反応だな。だが少し締め過ぎだ……ッ!」
イチに叱責されるが無理はない。彼の二対肉棒の太さも形状も尋常ではなかったが、何よりも儂の腸内はボールから溢れ出たローションとそれによる拡張のせいで、普段よりも拡がりやすくなっている。しかも肉棒自体が波打ったり、少し内部で膨らむだけで激しく痺れてしまうほどに感度が上昇しており、腸の奥を押し上げられればたちまち甘い声が漏れてしまう。
「はっ……ァ…苦し…っ!」
「随分待たせてしまったな。では動くぞ」
「あひっ!? まっ……やべてぇえぇ゙えっ!!!♥♥♥」
ずるんっ、とイチが腰を引き始めたかと思うと直後に肉棒全体を捻じ込むようにドチュッと全体を突き上げてきた。長大な二股の肉棒が引き抜かれる瞬間の排泄感にも似た快感に舌を出して悶えるも、休む間もなく今度は肉壁を抉りながら突き進めばそれに合わせてナカがキュンキュンとモノを咀嚼し、健気に奉仕せざるを得ない。
「はお゛ぉぉっ♥♥!? お゙、おぐっ、潰れるぅっ! んあっ!♥♥ 抜い……ッひィぁ゙ああぁっ!!」
熱い。壊れてしまう。何よりも今にも泣き出しそうな若造の視線が酷く辛く、悲しくて堪らない。
(あぁ……こんな浅ましい儂を見ないでくれ……!)
しかし、そんな思いとは裏腹にギドラの下腹部が先刻の尻叩きさながらに腰を打ち付け、そうして腸内のひだが擦られれば摩擦熱で粘膜が熱を孕む。時折結腸口と男根の切っ先が濃厚な接吻を繰り返すと視界では火花が弾け、若造に見られていると言う背徳感も相まって腸内が激しく痙攣し始める。それを求愛と勘違いしたのか、イチは心底嬉しそうに口元を歪ませた。
「また我のモノを締め付けおったな。口では嫌々と言っておきながら、そんなに仇との交尾が愉しいか?」
「ひッ♥!あぁっ!? ち、違っ……あぁぁ゙んっ♥♥!」
「この期に及んで何回嘘吐くんだよ。自分のちんぽ見てみろ、我慢汁だらだら垂れ流して悦んでるだろ?」
ニに溜息混じりで嘲られながら言われるがままに自らの股座へ視線を移すと、逆さに映った儂の男根は朱く腫れた先っぽから愛液さながらにカウパー液が溢れ出てシーツをびしょびしょに濡らしており、突き上げられれば糸を引きつつぶるん、と揺れる衝撃で新たな雫を垂れる。
宿敵相手にも浅ましく淫らに感じてしまう事を示す箇所を目の当たりにして、羞恥と絶望で頭がいっぱいになる。
「あ……っあぁ…うそだ、こんなのぉ……!」
「ほらな、やっぱり嘘吐きじゃねぇか。こんなザマだとあのガキどころか愛しの女王サマにも嘆かれるぞ」
「己の伴侶たる我に嘘を吐くとは、こちらへの敬意がまるで足りておらぬようだな。若造、仕上げとしてしっかり見ていろ。お前の慕っている此奴が、この偽りの王に屈服する瞬間をな」
イチの言葉に若造は怯えた表情で肩を震わせながら何度も儂の方に顔を向けていたが、その瞳の奥には僅かに情欲の色が宿っているように見える。
彼の期待と絶望を察したらしいギドラは先程よりも腰を動かすと抽送が激しくなり、太い双頭の肉茎が宛ら若造にはっきり見えるように引き抜かれ、間髪入れずに勢い良く突き入れられた。
「あ゛っ♥! あはぁッ! 激し…っ♥♥! うぁぁあっ!!」
二対の肉傘がローションをふんだんに塗り付けられたぬるぬるの肉壁を押し広げ、先程から儂を絶頂へ至らせた雁首の快楽瘤や根元の瘤が容赦なく腸壁や前立腺に絶え間なく愛撫を施す。
一気に引き抜き、また入り込んでくる摩擦感と内臓ごと抉られているのではないかという錯覚で舌を突き出すも、決して楽にはならない。それだけで気が狂ってしまいそうなほど強烈な快感が脳味噌を揺さぶり思考を蕩かせていくというのに、イチは更に腰を回して儂の中を掻き混ざる。
「はぁっ♥♥ お゙ッ♥ あっ、あひぃいっ♥ ゆ、ゆる゙じ、てっ…せめて若造の前で、種付けだけはぁ……!」
「ふっ、何を言う。貴殿も本当は見られて嬉しいのではないか? 腸壁の締まりが先程よりも良くなっているぞ? この淫乱男娼め」
「そんな…っちが……ひぎぃっ! くぅあぁあぁっ♥!」
否定するも身体の奥底から溢れ出す被虐的な悦楽は止むことはなく、イチの言う通り肉壁はますます肉棒を締め上げてしまう。
ボールの無機質な感覚とは違った二又の凶器が先端を結腸へ押し込み、ソコへ食い込んだままぐぽんっ、と接吻時に舌を捩じ込むかのようにグリグリと捻らせ責め立てた瞬間、背筋がゾクゾクと粟立つと同時に背鰭が蒼く灯る。
絶頂だ。しかも今まで与えられてきたものと違い、過る甘美な雷光に記憶すら焼き焦がされる程の悦楽は強過ぎて到底耐えられるものではなかった。
「ンお゙ぉっ! はっア゛っ、い…イグぅ……まら゛イグぅぅぅうっ♥! いぎぃ♥♥♥! ンッお゙っオぉおおォおぉぉっ♥!!」
絶叫と共に体を大きく仰け反らせ、尻尾もピンと張り詰めて絶頂を迎える。ガクガクと全身を痙攣させつつ白目を剥きかけながら何度も激しい絶頂を繰り返しているのだが、それがギドラの絶頂をも誘い、限界寸前まで膨張した男根が脈打つ。
「くっ、射精すぞ……ッ! 肉奴隷としての証を、その腹の中へ存分に受け取れ!」
「ひっ……?! あ゛ぁあぁっ、やめっ♥ 中だけはぁ……ひグぅっ! うぁぁあっ!」
何とかイチを制止しようとするも時既に遅く、一拍遅れて吐き出された熱い奔流が腸内を焼き尽くさんとばかりにドプドプと注ぎ込まれる。その焼け爛れるような刺激に全身を大きく痙攣させて悶えるものの、一滴すら零すのを許さないかの如く刻み込むような律動を繰り返してくるせいで強制的に絶頂を強いられ、その暴力的なまでの悦楽に脳内が真っ白になってしまう。
「あ、あづいぃ……んあ゛ぁああッ♥♥♥」
「あっはははっ、また派手にアクメしちゃったね! イキながらイクってどんな気持ち~?」
「サン、止めておけ。今は質問するよりもこの無様なトロ顔を楽しむべきだろう?」
イチが呆れ声で言うもサンはそれに反抗するでもなく「それもそうだね」と笑い、儂の額に触れるだけのキスをしてきた。その間もイチは絶頂し続けてヒクついている肉壺に視線が釘付けになっており、あまりに卑猥な光景を目の当たりにして余計に興奮しているのだろう。その証拠に男根はぶわりと膨らんだままで大きさを保っているばかりか、イチの情欲に圧されたニもサンに倣って儂の顎に唇を落としてくる。
「は……っ、はぁっ♥♥」
「コイツ、ちょっとキスされただけで目をとろんとさせちゃって…堪んねーな」
「何時までも見ていたいね。こんなに可愛いんだもの」
「んむっ…ンっ、はぁ…♥ やめ、ろぉ……」
もう何度目か分からぬ口付けをされながら後孔からギドラの肉棒が引き抜かれる。
ごぽっ、と音を立てて溢れ出す白濁は開ききった肉孔からぼとぼとと滴り落ちてシーツを汚し、くぱぁっと開いた尻穴は肉棒を抜かれた後も物足りなさそうにヒクつき、時折余韻に小さく痙攣して開閉していた。
「うぅ……っふぅ……」
「先程よりも一段と牝の顔付きになったな。もはや王の威厳など欠片もない。そうは思わんか?若造」
異物が抜かれた安堵と絶頂の余韻でシーツに突っ伏したまま肩を揺らす儂の横を通り過ぎ、イチが部屋の片隅で耳を塞ぎ縮こまっていた若造へと言葉を投げる。同時に彼に見せつけるように双頭の肉棒をぬるんっと振るい、多量の粘つきと、儂の腸液でテカテカになったそれを若造に突きつければ、彼は小さく悲鳴を上げて目を逸らした。
「答えよ、若造。今我が伴侶の姿をこの目に焼き付けている間、お前はどう感じた?」
イチが先程まで儂と繋がっていた極太の肉茎を晒したまま距離を詰めれば、若造は瞳を潤ませて首を振る。だが最早見て見ぬ振りなど不可能なくらい硬くそそり立った二対の肉棒からは先走り汁が大量に垂れており、それはギドラがこの状況に興奮している事を示さんばかりにテラテラと光っていた。
「フ、やはり我の睨んだ通りだな。人間風情などが怪獣と繋がろうなどと、身の丈を知らぬにも程があるぞ?」
「テメーの下半身事情なんざそこらのオンナに何とかしてもらえよ。……そうだ、兄貴。このままじゃ延長時間一杯になっちまうし、この娼館の雌怪獣共にコレをヌイて貰うってのはどうだ?」
「良いね! 元怪獣王サマだけじゃ足りないし、今夜は“食い尽くし”に洒落込んじゃおっかなぁ~」
三頭の首が邪悪な笑みを浮かべつつ淫猥な相談をしていると、三頭の意見が一致したのか彼らは若造から目線を離すと改めて儂の方に向き直る。
「一応また来るからね~ゴジラ。今度はこのニンゲン抜きで楽しもうね?」
「また会おう、我が妻よ。次は指定の人数に少しでも近づけると良いな? フフッ……!」
ギドラの高笑いを耳にしながら扉が閉められる。残されたのは儂と若造、そして彼等が吐き出した淫汁のむせ返るような雄の匂いだけだった。
余りにも気まずい。先程からずっと顔を上げず、床に視線を落として黙りこくっている若造は何を考えているのだろうか。
そして儂もまた同様に言葉を発する事ができなかった。先程の醜態を見られた上に若造の目の前でギドラと交わったという事実が羞恥心を刺激し、何も言えなくなってしまう。
男娼として「帰ってくれ」の言葉も口に出来ず、目を伏せると足音がこちらに近づいてきたかと思えば、ベッドが軋み若造の重みで身体が僅かに傾く。
「っ!?」
驚いた儂は咄嗟に顔を上げると、眼前に迫ってきていた若造と目が合う。彼はこちらをじっと見つめていたがやがてその長身を屈めて顔を近づけてくるので反射的に顔を背けると、それを止めるかの如く首許を抱き寄せられてしまった。
(な、何をするつもりだ……!)
反射的に振り払おうとするも、がっちりと掴まれていて離れることができない。それにこちらの体格が上回っているとは言え、若造の腕いっぱいに広げられた抱擁は首全体を包んではいなかったものの、今の儂が抜け出すには厳しい体勢だった。
抵抗の意を示すために軽く呻くと、若造は一瞬だけ手の力を緩めて儂の顔を覗き込む。しかしそれも一瞬のことで、再び力を込めて抱き締められると自然と顔が更に近づき、吐息すら感じられる程の距離まで接近してしまった。
唐突に若造が口を開き、謝罪の言葉を述べた。だがその言葉とは裏腹に腕の力を強めると鼻先同士が触れ合いそうな程に顔を近付ける。それでも何とか互いの視線は交わったままであり、彼は何か言いたげに口を噤んだまま見つめてくるので儂も渋々と口を開く。
「……気にするな。何も其方が詫びる必要はないだろう」
元はと言えばギドラが、という前に若造は首を振る。
言い淀む彼は少し頬を赤らめて目線を逸らす。何か言いたいことがあるようだがそれを言葉にするのが恥ずかしいのか躊躇っているようだ。というのも、こちらの頬に布越しで明らかに熱く硬い感覚があったのだ。
「まさか……これか?」
ギドラに陵辱されている間もずっとズボンを突き破らんばかりに勃起していたそれ。手を動かせない代わりに目線だけで指し示すと若造が目線を泳がせながら頷き、頬が益々赤味を帯びる。
(こちらは疲れているというのに、何という治まりの悪い愚息よ……)
心の中で溜息を漏らし呆れ果てるが、ここで引き剥がすのも今更面倒臭く思えてきた。それよりも今は少しでも早くこの窮屈な空間から、尚且つ最初からもてなすつもりだった客から解放される為に儂は行動を起こすことにした。
「……若造。その苦しそうにしているモノを抜いてやるから、早く儂の目の前で晒してみろ」
儂の一言に若造は驚いたように目を見開いたが、拒絶するような様子はなく素直に従う。彼の手がズボンを下ろした瞬間中で窮屈そうにしていた一物がブルンッと勢い良く飛び出し、先走りを垂らしながら血管を浮き立たせた肉茎が腹に当たる。
先程までの狂気じみた濃厚な行為がこの異様な興奮を齎したのか、牡の象徴の奥底に潜む夥しい量の白濁を溢れさせていて鼻をつく雄の香りに頭の奥がジィンと甘く痺れる。
それは若造も同じなようで息を荒くしながらモノを構え、儂の咥内―――唯一ギドラの白濁に汚されていない箇所に先端を宛がう。
「ん……♥」
ドクドクと波打ち、雄臭い匂いを放つ男根が突き出された舌に触れると、その熱さと硬さに思わず吐息が漏れる。
「は……っ♥んむ……ッ、ン……」
粘膜に定期的な鼓動が伝わるたび、咥内の唾液腺が反射的に動いて怒張に唾液をまぶしていく。舌で先端を舐め回しつつ滑らせるような愛撫を続けつつ上目遣いで様子を窺えば、熱に浮かされたように頰を紅潮させた若造と目があった。その表情は微笑を象っており、その余裕が少しだけ癪だったので態と『じゅぽっ♥』と喉で軽く締め付ければ、彼は小さく呻いて腰を震わせる。
「っ、ふ……♥」
さり気ない仕返しに成功したことに優越感を覚えつつ、雁首を甘噛みで啄みながら裏筋に舌先を這わせていく。時折わざとらしく鈴口をねっとりと舐め上げてやると若造の腰が跳ねて彼の口から切なげな息が漏れ、更に雄臭さが濃厚になった男根が『どくんっ♥』と脈打った。
「は……っ、んむッ♥」
普段相手にしているタイタン達とは違って圧倒的にサイズもカウパーの量も劣っているものの、それでも咥内を満たす雄の臭いに頭がくらくらして思考がぼんやりと蕩けていく。
息苦しさと雄の香りに酔ったのか、それともこんな状況で自分が興奮してしまっているという事実から目を背ける為か、儂は瞼を閉じて感覚を集中させながら若造の魔羅をぢゅぱぢゅぱとしゃぶり続けた。
(……早く出してしまえ)
それは祈りに近い懇願だった。あんなにされたのにまた雄の味を求めてしまう己の躰が浅ましく悦んでいるのを感じながら、儂は咥内で脈打ちながら膨張していく男根を喉で締め付け、舌で裏筋や雁首を刺激してやる。すると若造はまた僅かに腰を震わせたかと思うと、次の瞬間には大量の子種がどぷりと勢いよく吐き出され儂の喉を汚していった。
「んぐっ♥ ン……ッ! んふぅうっ♥♥♥」
熱い感覚が津波よろしく理性を舐め尽くし、喉がびくびくと痙攣する。飲み込みきれなかった白濁が口の端から垂れ落ちていく感触すらも愛おしくて仕方がなく、咥内にねっとりと絡み付く雄の味は麻薬のように理性を麻痺させていく。
「っ……はぁ……」
射精を終えた若造のモノは咥内から引き抜かれ、漸くまともに酸素を取り入れる事ができる。喉奥で出された為か粘つくような濃厚な子種は嚥下が間に合わず、口端からドロリと滴り落ちる白濁を拭おうともしないまま儂は熱っぽい吐息を漏らしていた。
「っ、ん…♥ 随分射精しおって、とんだ悪童だな?」
苦笑混じりに指摘すると若造はバツが悪そうに俯くと、またもや顔を赤くしてひとつ謝罪の言葉を口にした。
謝る位なら何故求めるんだと思う半分、その謝罪が本心だというのも同時に伝わってくる。本当に若く青いのだと思いながらも彼の手に自らの大きな掌をそっと重ねれば、若造が驚いたように目を丸くした。
「今日はもう遅くなってしまったが、其方が良いと言うなら延長も承るぞ? どうする?若僧」
ギドラの乱入のせいでとっくに指定の時間は大幅に過ぎていて、本来なら直ぐにロビーへ帰らねばならないのだが儂は敢えて彼を引き止めた。それはこの若造が落ち込んでいるように見えたからであり、敢えて明るく振る舞って見せると彼は黙ったまま首を横に振る。
「そうか……なら、次の指名を待っているぞ。今度はギドラに邪魔されず、思う存分交合れると良いな」
若造から視線を外さないまま、見せつけるように掌をくっと握り締めて揶揄ってやれば彼の喉仏が大きく上下する。その反応に苦笑しつつ、若造が強く頷くのを確認すると儂は改めて彼の手を開放し、そちらに背を向けてベッドの上で横になる。
「また儂を抱きたくなったらいつでも来るが良い、若僧」
背中越しにそれだけ告げれば彼は嬉しそうな声色で答え、部屋から立ち去っていった。静寂の中で若造の熱と温もりが薄れていくのを感じながら、儂は少しだけ寂しさを感じてしまった。
(嗚呼、我ながら何て甘いんだ……)
自嘲しながら瞼を閉じると眠気が押し寄せてきて、そこで漸く自分が思っている以上に疲れていることに気付く。眠りから起きたらこの汚れたシーツや、寝台の下で四方八方に転がったベトベトのボールをどうにかしなければ……と思案しながら、儂は微睡みの中へと落ちていった。
因みに食べ尽くしと称して去っていったギドラはというと、案の定スペースゴジラを始めとする娼館中の雌怪獣達を嵐の如く凌辱しまくり、若造と同様にそこへ居合わせていた客から迷惑がられるのにも構わず乱痴気騒ぎを起こしたばかりか、延長代及び彼女達への指名料の踏み倒しとロビーの売店で狼藉を働いた罰として、娼館側から暫く出入り禁止を言い渡されたそうな。