奇妙な木の実には気を付けて。
今や蒸し暑い深緑の季節。それは年中常夏の怪獣島にも影響が出ていた。
「おーい、此方だ。」
「あ、待って。」
そして、その中で影が2つ。
「ひゃー……暑くなったなぁ。」
「えぇ……。」
此処は細やかながらも日が射しているジャングル。ゴジラは額の汗を拭いながら、キングシーサーの方を振り向く。彼等は自然を満喫しながらデートをしていた。
「此処らで良いか?」
「えぇ、さ、食べましょう。」
キングシーサーは傍らから籠を取り出す。それを開くと中には沖縄名物、さーたーあんだぎーとシークヮサーの実が詰まっていた。
「うわぁ……これまた豪勢な事で。」
しかし、キングシーサーはとある事に気付いた。
「あ……ナイフがない…。」
「え?」
ナイフがなければ、柑橘類のシークヮサーを手で剥かなければならなくなる。
「オレの家にナイフがあったはずだ。取ってくる。」
「あ……お待ちになって。」
突如止められる。
「私が取って来ます。」
「一人で行けるか?」
「えぇ……匂いで道を覚えていますから。」
これぞ獣の特性の成せる技。彼女が先程来た道を歩こうとしたその時だった。
「あ、ちょっと。」
「?」
呼び止められ、後ろを振り向く。
「これ少ないけど。」
手に薄桃色の小さな木の実を手渡される。それに何だか仄かに甘い香りがする。
「お腹空いてるだろうから、一応な……。」
「有難うございます。」
キングシーサーがその場で実を食べる。
まるで砂糖菓子の様に甘かった。
「……それでは。」
茂みに姿を消す。その一方でゴジラは怪訝そうな顔をしていた。
「…っかしいなぁ……かなりあの実レアなのに……。」
―――まぁ良いや。お楽しみはこれからさ。
彼は一人、GMKゴジラよろしく悪意を秘めた笑みを浮かべていた。
キングシーサーは一人獣道を早足で歩いていた。この様な道のりは、幼い頃から慣れている。
そして、不意にジャングルの開けた場所に来たその時だった。
「………あれ?」
急に太陽が近付いてきた様に周りが暑くなった。しかし、それは違った。
―――体が……熱い?
この時だけ鼓動が煩く聞こえた。そして、局部が別の生き物の様に疼く。
「んっ……!」
少し歩くだけで痺れてくる。遂にスパッツの真下に生暖かい液体が染み込んできた。
―――まさか……。
恐る恐るスパッツを脱ぐ。無論蒸れを防ぐ故に下着なんて着用していない。
とろ………白い糸が引かれる。それと同時に局部が外気に晒され、またとない解放感に襲われた。
「はぁ……ん……!」
吐息混じりに思わず声が出た。慌ててキングシーサーは口を閉じ、ゆっくり後ろを見回すと、誰もいない事を確認して地面に座り込む。
―――ちょっと位……良いよね……。
そして、彼女は優しく局部に手を添えた。
―――…………!!
触れた途端に、これまでにない感覚に包まれる。それは先程食べた実の、砂糖菓子の感触の如く口内で溶けてゆく感覚にも似ていた。
「くふぅ……んっ!」
そして更なる甘美な“菓子”を求めて、キングシーサーはゆっくり目を綴じて、秘部に指を何度も出し入れをし始めた。
「あぅ……凄いよ……こんなに…!」
じゅぷじゅぷ……にちゅにちゅ……ジャングル一帯に淫らな音が響く。もしかしたら怪獣島にいる皆に聞こえている様な気がして、彼女は思わず指を止める。しかし、それも止めた途端に沸き上がる性感の前には無力だった。
「あぁ……気持ち…良い……!」
涙がつぅ……と流れ、思わず笑みが溢れる。キングシーサーは一人ナイフを取りに行くのも忘れて、“道草”に没頭していた。
一方その頃。
「もうそろそろかな……。」
自らの家に着く頃、あれが効力を発揮するのは。
「何せ十年に一度しか採れねぇ実だからなぁ……。」
要するに、効力はわかっていても、実例がない限りそのタイミングがわからない。
―――だが……考えてても仕方ない。
ゴジラは膝をぱちんと軽く叩き、キングシーサーの持ってきた籠を持って立ち上がった。
「よし、行くか!」
怪獣王、遂にその一歩を踏み出した。
そして、現在。
「あはぁ……う…!」
おかしい。逝っても逝っても止まらない。それどころか、秘部が“もっとして”と言わんばかりに疼いている。
「あぁ……何で…!」
ぬるぬる……プチャプチャ……最早彼女のいる地面は異様な位に濡れていた。
―――手が……止まんないよぉ……!
その内にとうとう自らの服が皮膚に触れる感覚さえ煩わしくなり、余っている片手で器用に脱ぎ始めた。
「はぁ……うぅ……!」
肌が外気に晒され、またもや素晴らしき解放感に襲われる。それと同時に、草むらから覗く影が一つ。
―――おーおー、ヤッてんなぁ。にしても、意外と早かったな……。
本当は自分の家で事を成し遂げたかったのに。しかし、そんな間にも何度目かのキングシーサーの絶頂が近付く。
「あふっ!いやぁ!また……また逝くぅう!」
耳を垂直に立たせながら絶頂に打ち震える様を見ると……彼の中で何かが弾けた。
―――っ……もう我慢できねぇ……!
ゴジラが此処に来るまでに、妙な水音が聞こえた時から理性は焼ききれつつあった。
ゴジラがゆっくり歩こうとしたその時。
ぱきん!
「!」
「?!」
枝が高い音を立てると同時に、キングシーサーの目線が無意識に音源―――ゴジラに合う。
「え?!ゴジラさん何で……ひっぃっ………んあぁあぁ!」
恐らく自慰ごときでこんなに激しく逝ったのは初めてかもしれない。突如がくっがくっ、と体が内側から痙攣し、胎内から液体を放出した。
「ぅはぁぁあぁあぁ!!見ちゃイヤぁあ!!」
とうとうキングシーサーは泣き出した。けれど、如何にもその獣の情欲をかき立てるビジョンにゴジラの理性は音を立てて切れた。
「フ……引っ掛かったなぁ……。」
そう言った後に、未だに愛しの人(怪獣)に自慰を見られて泣きべそをかいているキングシーサーの元へ歩み寄ってゆく。
「っ……!」
思わず後退りをする。しかし、所詮は自らの体勢。すぐに追い付かれた。
「まさか全裸になってまで森林浴とはねぇ……。」
喉を鳴らして笑いながら彼は彼女との距離を狭める。
「あぅう……いやぁぁ……!」
「それに……。」
ぐじゅり。いきなり指を突っ込まれる。
「こんなに大事な所濡れさせて……一体何やってたんだろうねぇ?」
ぴちゃぴちゃ。わざと局部から音を立てられる。
「あ、っ……!」
嫌なのに、嫌なのに感じてしまう。そうしている内に、またもやキングシーサーの秘部が痛い程に疼く。
「ぅ……ゴジラさん……止め…て…!」
その一言に、ゴジラの指が勢い良く抜かれる。そうする事で、一気にキングシーサーの胎内が喪失感にさいなまれた。
「やぁああ……抜かないでぇ……!」
「止めろと言ったんだから止めたんだ。」
それとも何だ、さっさとオレにブチ込んで欲しいのか?そう訊くとキングシーサーは更に赤面しながら頷いた。
「お……お願いぃぃ……!」
涙目になり、彼をねだる。そのビジョンに遂にゴジラは行動に出た。
「仕方ねぇなぁ……なら、木に掴まって尻を此方に向けろ。」
要するに、背後位をするという事だ。しかし、今のキングシーサーには拒む術はない。
「………はい。」
本当にか細い声だった。
ちゅ………。
「はぁ……!」
花弁にキスをされ、そこから蜜壺に舌を挿入される。
「ひっぁ……んぅう……!」
ぐちゅぐちゅと、舌が這う度にキングシーサーの腰が微かに仰け反り、胎内も疼く。けれど、木に捕まっている限り倒れるという事はない。その間に彼はとある事に気付いた。
―――遊んでる間に潮何度も噴いちゃった様だな……。よし……。
ギチ……ぐちゃあ!不意をついた様にゴジラ自身が一気にキングシーサーの胎内を犯す。
「が……あぁあぁぁぁ!!」
まるで獣の様な雄叫び。少しゴジラは臆したが、そんな感情も一瞬にして消え去る。
「お゙……あぁ…!」
「ほら、動くぞ。良い声で啼けよ。」
くい、と尻尾を引っ張り、後ろから
ぎちゅ…ぐちゅり……。ゴジラの律動が始まった。
「ひぎっ……ふぁあ……ん…!」
熱い。熱い。まるで全身が性感帯になった様。そして、彼が一度深く突き上げる度に、何度も何度もキングシーサーの閉じきらない口から嬌声が溢れ出す。
「ぁっ……くはぁ……っ!」
後ろからキツく突き刺され、木から手を離しそうになる。けれど、そんな事をしようものなら何が待っているかわからない。
「いけない子だねぇ……自分から腰振っちゃってさぁ。」
ぺちっ、と軽くお尻を叩かれ、更にゴジラの両手がとある部分に伸びる。そこは……。
きゅむ……
「嫌ぁ……胸ダメぇ…!」
突起を好きな様に弄ばれ、強弱をつけて揉まれる。そんな仕草をしている間に、キングシーサーの耳が再び硬く立ちかける。
「ご……ゴジラさぁ…ん!あたし……もぅ…!」
ぎゅ……と自らの胎内が締まり、思わずゴジラも少し顔をしかめる。しかし、彼は意外な行動に出た。
ずるり。
―――……っえ?
唐突な出来事にキングシーサーは唖然とした。と同時に、またもや胎内が不快な喪失感に襲われる。
「嫌あぁ!何で抜くのぉ……!?」
「オレにそんな口訊いても良いのか?」
ゴジラの一言に、キングシーサーは慌てて口をつぐむ。けれど、状況は変わらない。
「さぁ……どうする?」
もっと欲しいんだろ?と言わんばかりに、彼は彼女に意地悪な笑みを投げ掛ける。
「っどうしたら……。」
彼の方を、背中を向けたまま考え込むキングシーサー。彼女の太股には一筋の蜜が流れてゆく。
―――唐突に訊いても……わからないか。
「そうだな……一回此処でさっきみたいにさぁ……。」
「え……?」
「だから……。」
こしょこしょ……この空間には二匹しかいないのに、何故か耳打ち。余程口に出せない会話なのだろう、最後の方になるとキングシーサーの顔が深い赤味を帯びた。
「…わかった?」
「えぇ……。」
その後にキングシーサーはゆっくりと地面に寝そべり、両脚を広げてゆく。
くち……
「っ………!」
軽く花弁をこじ開けただけなのに、微かに声が漏れる。やはり独りでするのと他人に見られる自慰とは、明らかに自らの羞恥レベルが違うのだ。
「はぁ……ゴジラさんの……その……硬く起ってる……。」
その後が恥ずかしくて言えない。けれど、ゴジラは何だか楽しそうだ。
「オレの……何かなぁ?」
「貴方の……硬く起ってるモノを……下さい…!」
大きく音が立った後に少しゴジラは不快そうな顔を浮かべ、けれどキングシーサーに優しく手を指しのべる。
「まぁ良いか。でも…今度はちゃんと言えよな。」
「…………っ」
そして、ゴジラはキングシーサーに覆い被さり、そのまま自身を突き立てる。
「っひぃあ!」
ビクン、と彼女の体が仰け反り、同時に手をキツく握り締められる。
「さぁ、一緒に逝こうぜ!」
「いやぁあ、壊れるぅう!!」
深く突き立てる度に蜜が多量に溢れ、繋がっている部分から淫らな音を立てさせる。
―――あぁ……溶けちゃうぅ………。
子宮にまで届く一撃に、キングシーサーは今にも歓喜の余り気絶しそうになった。しかし、ゴジラは一向に止めない。
「かはっ、くはあぁ!」
「っ……!」
媚薬の効果とあいまって、今までより激しく腰を打ち付けているため、流石にゴジラもキツい。けれど、負けてはいられない。
「ほらほらほらぁ、そろそろ疼いてきただろう!」
「いやぁ!逝くっ、本当に逝っちゃうぅ!」
―――沖縄の……安豆味王家の守護神である私が……こんなやらしい事口走って……。
しかし、そんな思考も遂に途絶えた。一番敏感な部分に思い切り突きたてられ……頭の中が白くなった気がした。
「ぅ……ぎ………ぁ、んあぁああぁっっ!!」
凄まじい絶叫だった。恐らく怪獣島全体に響いているのかも知れない。そして、自らの胎内に止めどなく熱い液状の物が流れてくる。
「あはぁ……ぅ……っ!」
引きはがしたくてもできない。そして、“流出”が終わった。
「んぅ……。」
疲れて寝入りそうになる。
「さて……。」
ずるり。白濁を散らしながら彼は自身を引き抜く。そして、身なりを整えて彼女を抱きかかえる。
「あ……。」
「疲れただろう。今日は泊まっていけ。」
傍らに彼女の服が乗せてある。序でにゴジラは自らの尻尾で籠の取っ手を引っかけ、その場から去る。
しかし、キングシーサーはある事に気付いた。
―――ちょっと待って……このシチュエーション…何時か何処かで体験した様な……。
「ねぇ……ゴジラさん…まさか貴方の家で私と二人っきり…な訳ないですよね?」
「あぁ?そうだが。」
やはり予感的中。朝まで彼の腕の中で一晩を過ごすハメになる。唯一の利点は、ゴジラが彼女を直接沖縄にまで運んでいってくれる事だが。
「勘弁して下さい!せめて朝までゆっくり寝かせて下さい!」
「何を言うんだ……久々のデートなんだ、たまには良いだろ?」
「良くありません!それに……。」
「ミニラの事か?彼奴ならモスラん所へ泊まりに行ってる。」
ミニラの事まで見透かすとは………キングシーサーに残された選択肢は最早一つになった。
「まぁこうなった事だ、それ以上言うならこの話を書いてる筆者を恨む事だな。」
「そんな!ゴジラさんなんて大嫌い!バカぁあぁ――――!!」
結局ゴジラに抱きかかえられたままで逃げる術なんかなく、空が微かに白んでくるまで、キングシーサーはその若き肉体を怪獣王にたっぷり貪られたそうな………。
おちまい。
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