盛り過ぎにはご用心。
その日は朝から桜の花弁が舞っていた。
「沖縄の桜は早咲きだというが……本当だな。」
此処は沖縄の数ある桜の中でも一際大きな大樹だった。そこで見る桜の舞う様は幽玄そのものである。
「貴方こそ…私と二人っきりで寂しくありませんの?」
「ん……?オレお祭り騒ぎとか嫌いだから。」
実はゴジラは仲間達とは内緒でたた一人(一匹)花見に来ていた。代わりにそこにいるのはキングシーサーのみ。
「そう……ですの…。とりあえず“さーたーあんだぎー”食べます?」
「沖縄名物か……。有り難く頂こう。」
春特有の日差しが二人を照らしてゆく。何だか夢の中にいる気分だ。
(こう暖かくては……変な気分になるなぁ……。)
ゴジラは上を見上げる。すると、
「ねぇ、ゴジラさん。」
彼の視界にいきなりキングシーサーの度アップが映った。
「うわぁ!どうした!?」
「頬にさーたーあんだぎーの滓が付いてますが……。」
彼女の表情はきょとんとしていた。これが彼の欲情を煽りそうになった。
「い…良い!自分で取る!」
「動いちゃダメですよ?」
そのままキングシーサーは
ゴジラの頬に自らの細い指先を差し伸べた。
数秒後に、その滓はすべて取れた。
「あ…ありがと……。」
ぎこちない笑みをこぼしつつも、彼はキングシーサーにお礼を言った。
「次は…何が欲しいです?」
彼女は笑顔でゴジラに問いかける。
(あぁ……そんな表情でしかもアップで問いかけられたら……理性…が……。)
「なぁ、シーサー。」
「何です?」
「今から言う事、怒らねぇ?」
「えぇ。別に……。」
一間おいて、彼女の耳元で
「今からお前と犯ってみたいなぁ……なんて。」
その直後に、キングシーサーによる怒りのプリズム光線がゴジラに炸裂した。
「何を言っているんですか?!ましてやこの神聖な桜の下でそんな事を……!」
「怒らねぇとか言ってたじゃんかぁ~…。」
半ばゴジラは黒こげだった。しかし、赤面しているキングシーサーを見ると更に欲情してしまった。
そして……。
「何かもう……止まんねえんだよな…こんな陽気にさぁ……。」
ぐいっと腕を無理矢理引かれ、キングシーサーはそのままゴジラの胸の中へ収まった。
「ち…ちょっと!」
キングシーサーは抵抗するも、男の力には叶わない。
「良いから気を楽に…な?」
とうとう彼女も観念したらしく、
「もう……とにかく一回だけにして下さいね?」
「あぁ……。」
言葉の通り、一回だけという条件で“交渉”は成立した。
「ん……っぁあ…。」
ゴジラの舌先が、キングシーサーの首筋から突起を這う。その度に彼女の発声器官からは嬌声が漏れる。
ちろ……
舌先が、キングシーサーの、既に真上を向いている突起に軽く触れた。
「……あっ!」
彼女の体が仰け反り、更に突起も堅くなる。
「もぅ…いやぁ…!」
息混じりに哀願する。けれど、下半身が外気に触れた。
(?!)
「糸…引いてるな……。」
「やっ…見ないで!」
思わずキングシーサーは顔を両手で覆う。
しかし、そんな彼女に気を止めず、ゴジラはしっとりと濡れそぼっているそこに舌を這わす。
「んっ……やぁ……ん!」
彼の舌が彼女の最も弱い処を攻め、更に胎内にも指を幾本か挿入する。
「だ……っだめぇ……っ!も…おかしくなるぅ…!」
不意に彼の指先が奥部に達した。
「―――――っっ!!」
ガク、ガクとキングシーサーの膝が揺れ、彼女は絶頂に達した。
「へぇ……溜まってたんだな。」
「ゃ……言わないで…。」
キングシーサーは更に赤面し、涙目でゴジラを見上げる。
「次は…こっちも頼む。」
ゴジラは少し勃ちつつある自身を取り出し、それをキングシーサーの唇につける。
「っ……!」
言われるが儘に、彼女は自分から彼自身を咥えてゆく。
「んぅ……っんん…!」
自らの拙い舌先で彼自身を刺激する度に、キングシーサーの咥内は彼自身が堅くなってゆくのを感じた。
しかし、
「ん……っはぁ…。」
キングシーサーはゴジラ自身から口を離した。
「……どうした?」
「此処で逝ったら……つまらないでしょ?」
どうやらこれは、キングシーサーからの気遣いらしい。
「そうだな……。」
ゴジラはそのまま、キングシーサーを優しく地面に寝かせた。
そこから先は、本当に夢か現実か判断できなかった。
「はぁ……んぁっ!」
自身が、彼女の最も弱い処を掠めた。
「っ……!」
一段と、キツく締め付けられ、ゴジラは逝きそうになった。
「は……!」
「全部…入ったな……。」
「えぇ……。」
「けど、これはオレからの餞別だ。」
そこから一気にゴジラは腰を打ちつけた。
「ひゃ……んっ!」
不意をつかれ、キングシーサーの発声器官から甘い嬌声が放たれた。
「あっ、んんっ、ふぁ……っ!」
桜の舞う中で、粘液の擦れ合う音と、彼女の嬌声が交わり合う。
「はぁう……っ!」
ぴくん、と彼女の体が仰け反った。
「ぁあぁぁあぁん!!」
キングシーサーの、2度目の絶頂。
「相変わらず感じやすいな。」
「だって…意地悪するんですもの……。」
こうやって赤面しながら反抗する彼女もまた愛らしい。
「だが、まだ約束は果たしてない。」
その言葉の後に、再び彼は動き始めた。
「ぅ……やぁぁあぁっ!」
春の陽気とキングシーサーの嬌声が
彼を更なる獣的衝動と、深い欲情の果てまで追い込んでゆく。
「シーサー…っ!」
キツく、キツくゴジラは彼女の弱い処を何度も責め立てる。
「ぁっ……ゴジラさん…ゴジラさぁ……っっ…!」
仄かに花の香が漂い、
微風に流れる桜の花弁の中
「ひぅっ……あはぁあぁん!!」
「く……っ!」
お互いに欲を貪り合い
「シーサー……もう一度…良いか?」
「お願ぃ……。」
“一回”という約束も忘れて
ゴジラは今のを含め、2度目にわたってキングシーサーを求めていた……。
数分後。キングシーサーの胎内からゴジラ自身が抜かれた。
「んぅ……っ…はぁ……はぁ………。」
「シーサー……。」
ゴジラは優しく、疲れきったキングシーサーに話しかける。
「付き合ってくれて……ありがとな。」
「……有り難くなんてありません!」
「はぁ……?」
お互いに息を整えながら会話を交わす。
「一回って約束忘れたのですか!?」
「ま…まぁお前も悦かったんだし……。」
「ちっとも良くありません!」
「でもさぁ……さっき“お願い”だなんて言ってたの誰だろうな?」
「………!」
此処で会話が詰まったその数秒後だった。
ひょい、とゴジラはキングシーサーを抱っこした。
「ぁ…一人で帰れます!」
「無理だろ。つかお前足腰立たなさそうだし。」
「そんな事……!」
「顔に図星って書いてあるぜ?」
こうなってはキングシーサーは何も言い返せなかった。
「……分かりました。」
「良い子だねぇ…。」
そして二人は
桜の木から離れてようやく万座毛に付いた。
「此処で良いです。降ろして下さい。」
「本当に?」
「え?もう貴方は海に帰る筈なのでは?」
ゴジラの顔にGMKゴジラよろしく、悪を潜めた笑みがこぼれた。
「偶には此処に滞在しちゃっても良いかな?」
「え……まさか…?」
「此処の桜と守り神様が気に入っちゃったんでね。」
キングシーサーの脳裏にイヤな予感がよぎった。“この人は、一晩中私の相手をする気だ”と。
「いえ、今日はお引き取り下さい!というか此処より綺麗な桜なんて日本列島にありますから!」
「あのなぁ…客が折角泊まるんだ。もうちょっと優しくもてなすとかあるだろ?」
「早く怪獣島に帰って下さい!」
「いやいや、他のヤツに許可はとってあるから心配いらん。それに午前様は勘弁な。」
「……っい、嫌ぁー!そんなの聞いてません!」
キングシーサーの叫び虚しく、案の定ゴジラの腕の中で夜を過ごす羽目になった。
哀れ、安豆味王家の守護神様………。
おちまい。
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