沖縄の大海。
キングシーサーと共にメカゴジラを葬り、ゴジラは今や、皆のいる島に帰ろうとしていた。
「アンギラスの野郎…大丈夫かな…ま、あいつの事だからくたばりはしないだろうが。」
偽の自分を語ったメカゴジラによって口を怪我したアンギラスを心配?しながらゴジラは波をかき分ける。
すると、海に面した岩山から声がした。
「ゴジラさん!」
「うん?」
そこを振り向くと、キングシーサーが立っていた。
「オイ、どうした?まだメカゴジラが生きてたのか?」
「ううん…とりあえず来て…。」
少し紅潮したキングシーサーに疑問を感じながらも、ゴジラは彼女の元へ歩み寄る。
「何かあったのか?」
「……そうじゃないんです。ただ……。」
その会話の後に、彼はキングシーサーに口付けをされた。
これにはゴジラもたじろいだ。
「お…オイ?」
「気を悪くされましたか?すみません。」
一体何をしでかすのだろうか。
連れてこられたのはあまり人気のない森だった。
「一体今から何を…?」
ゴジラはおもむろにキングシーサーに目を合わせた。すると…
「なっ!?」
押し倒された。
不意をつかれ、背中に鈍い痛みが走る。
「っ……!」
「すみません、でも…これから私が話すことをよく聞いて下さい。」
ようやく背中の痛みが消えてきた頃、キングシーサーは語りだした。
「実は…私達安豆味王家の守り神は一端闘いに出たら、あの様な醜い争いがない限り二度と地上に出ることは許されないんです。」
―――要するに…長い謹慎な訳か。
「そうなる前に…貴方に抱かれたいんです。」
「……何だと?」
「…貴方の活躍は一生忘れないでしょう。でも…時が経てば忘れてしまうかも知れません。だから……。」
更にキングシーサーは紅潮する。
「お願いします。私を抱いて下さい…!」
ゴジラは無言でキングシーサーを見つめていた。
「…良いのか?安豆味王家の恥になるかもしれんぞ?」
「……構いません。」
強く決心したようで、ひどく声が震えている。
そして
「…あん……あぁ…!」
鬱蒼とした森の中で、今やゴジラに突起を弄ばれているキングシーサーの甘い声が響く。
不意に彼は、キングシーサーの下腹部に手を差し入れる。
「ぁ…!」
おもむろに、卑猥な音を立てながら秘部の突起を弄ぶと、
(や…何っ…?!この感覚……)
「ひゃぁあぁん!!」
咆哮を上げながら、躰を仰け反らして歓喜に叫んだ。
「お…オイ、大丈夫か?」
―――もしや…男性経験は初めてか?
「…っ大丈夫……。」
キングシーサーは息も絶え絶えに返す。
「そうか……。」
ゴジラは恐る恐る小さく納得し、キングシーサーの両脚を抱え上げる。
「ひっ……ふあぁ…ん!」
舌を使って、雌蕊を弄り回す。
彼は再び突起の固まり具合を楽しみながら、敏感な場所を何度も愛撫する。
「ぁあっ……はぅうぅ…!」
キングシーサーも無意識の内に自ら腰を仰け反らす。そして、
「シーサー…此処も欲しいんだろ?」
ゴジラの舌が不意に、キングシーサーの未成熟な蕾に潜り込んだ。
「っっ!!」
再びキングシーサーの昇天。今度は、本来怒らない限り立たない耳も立っていた。
「また…逝ったな…。」
ゴジラは少し嘆き混じりでキングシーサーに呟く。けれど
「ねぇ…貴方のも……舐めさせてください…。」
自分でもこんな卑猥な言葉が出たのも吃驚した。
「あぁ……構わん。」
何故かゴジラはすっと納得した。
キングシーサーは恐る恐る、彼のズボンのジッパーを、後に下着もずらし、凝固する。
「っ…!」
(これ……私の想像していたより…大きい…。)
「…見るのは初めてか?別に無理しなくても…。」
ゴジラはキングシーサーの行動に目を見張った。
キングシーサーは自分から彼自身を咥え始めた。
「っう……!」
「んっ……んんぅ…。」
ジュプジュプと、拙いながらも微かにキングシーサーの喉奥から水音が出ている。
(う…巧すぎる……!)
「は……っシーサぁ……!」
キングシーサーも、こんなゴジラの切ない声を聞くのは初めてだった。
「っく……!」
無意識の内に、ゴジラはキングシーサーの後頭部を自らの股間に押しつけた。
「んぅ゛っ!っふぅぅ……。」
喉奥の敏感な箇所を掠めたのか、苦しさの余りキングシーサーの目が潤む。
それでもキングシーサーは根本を指で弄び、彼の先走りの液が滴り落ちている先端を舌先で刺激した。そして
彼自身から熱い液体が一気に、キングシーサーの喉奥を白に染めた。
「っ゛ぅ……!!」
「あ…だ、大丈夫か、シーサー…?」
先程乱暴に責め立てたキングシーサーに、ゴジラはゆっくり問いかける。
「…っえぇ…にしてもこんなに出して下さって…感謝します。」
「シーサー…お前……。」
自分に頭を押さえつけられたとはいえ、ゴジラはキングシーサーの忠実さに只目を丸くしていた。
「……あの…何か御不満でも?」
「気にかける事はない。それに…わざわざ改まる必要はない。」
こっちまで気が改まってしまうから。
「良い……ですの…?」
「ああ…構わん。」
ゴジラはキングシーサーの茶褐色の髪を撫でながら、今やピンピンに立っている耳に囁く。
彼女からは汗とお香と
微かながらに潮の香りがした。
「…貴方も…もう良いよね?」
「無論。さ、本番行くぞ。」
その後に両者はゆっくり
手を取り合い、口付けを交わしながら草むらに倒れ込む。
「んむ……はぁ……。」
口付けを止めた後、あの時の様に、しかし先程より粘着質な銀の糸が数秒の間、両者の唇を離さなかった。
そして
「挿入るぞ……痛かったら我慢するなよ。」
「えぇ……。」
ゴジラはキングシーサーの秘部に自身を当てがい、一気に深く突き刺した。
「くっ…あぁあ―――――ん!!」
破瓜の激痛とそれによく似た快感がキングシーサーを包み、やがて彼女の体中に広がった。
「っキツいな……痛くないか?」
激痛と共に、訳の分からない感覚に打ちのめされながらもキングシーサーは
「痛くなんて…ないですわ……寧ろ何だか変な感じ…。」
――どう見ても痛がっている上に、また敬語に逆戻りか。ま、それでオレは気にしないが。
よく見ると、キングシーサーの両目から大量の涙が流れていた。しかし
「……これから動くぞ。もしもの事があったら思いっきり爪を立てろ。」
「……っ!」
そこからゴジラは動き始めた。
「い…ぁああぁぁっ!ゃあ…ん…!」
突き上げられる度にガクガクと体が揺れる。更に、キングシーサーの発声器官から嬌声が漏れ、なかなか閉じきらない唇からは唾液が流れてゆく。
(やっ…壊れちゃうよぉ……でも…もっと欲しい…!)
「ァあっ!っふぅあ!」
するとゴジラは、キングシーサーのもう一つのつぼみに指をなぞらせ、一息に入れた。
「…ひぁっ!?な……意地悪しないでぇ!」
「意地悪じゃない。苦痛を和らげているだけだ。」
ゴジラはそう慰めながら、更に自身と指をキングシーサーの二つの秘部に突き立てる。けれど、とある事に気づいた。
血が…既に止まっていた。
代わりに(多少血にまみれているが)愛液が下地の草むらを濡らしていた。
「あぁっ!んんぁあ!」
彼が腰を打ちつける度に、キングシーサーの秘部もキツく締まり、更に濡れてゆく。
「っ良いぞ…シーサー…!」
「はぁっ…ゴジラさん…ゴジラさぁあぁん!!」
そろそろキングシーサーの絶頂が近い。そして
ゴジラは彼女のもう一つのつぼみから指を引き抜き、代わりに膝を高く押し広げ、激しく深々と自身を抜き差しする。
「くぁ……ぁはぁああぁん!!」
何度も感じる部分を突かれ、キングシーサーの胎内がキツく締まった。
「ぁ…。」
「…くっ!」
それで最後だった。
「んぃあぁぁあぁっっ!!かはっ……っっ!」
キングシーサーの最後に感じた感覚…それは自分の胎内に凄く暖かい物が流れ込んでくる感覚だった。
そこでぷっつりと、意識が途切れた。
数分後。辺りはすっかり夕焼けだった。
しかし、万座毛の浜辺に人を背負った人影が一つ。
「…本気で逝っちまったか。」
ゴジラは気絶しているキングシーサーを背負っていた(胎内を洗った上に服をすっかり着直させた)。
そして、万座毛に彼女が眠っていた場所にたどり着くと、キングシーサーをそこに寝かせ、すっと海に帰っていった。
(後は…安豆味王家が何とかしてくれるだろう。良い夢を、シーサーさん。)
今のゴジラにはそう思うしかなかった。
一方その頃。
「ゴジラさん……また…何時か此処に来てくれますよね?」
キングシーサーがそう呟いた後、封印の時――――――岩崩れが起き、彼女は密かに秘めた思いと共に長い眠りについた。
後には、波をかき分けながら歩くゴジラと、彼を見守っているように佇む万座毛のシルエットが夕焼けに映されるのみ。
やがてその数日後。
怪獣島。
「何で兄貴はその子を一緒に連れていかなかったんですかい?」
アンギラスは口をケガしているとはいえ、野生児だけに治りが早かった故に先にその話を切りだした。
「うん?何の話だ?」
ゴジラは怪訝そうにアンギラスを見つめる。
「そのシーサーの事だよ。何で此処に住まわせないんですかい?」
再び同じ口調。しかし、ゴジラは
「あいつとオレは住む世界が違うのさ。神と、お前もそうだが無理矢理その神を崇めている人間にこんな姿にされたオレとでは。」
アンギラスは黙り込んだ。代わりに
「そう…か…。」
それしか言えなかった。
「にしても…何故兄貴はその子の相手を…。」
「…それ以上言うな。」
ゴジラのその発言の後にアンギラスは本当に口を噤んだ。
(人間と本当に分かりあえるときが来たら…兄貴やオイラ達はどうなるのかな…?)
ゴジラはアンギラスの新たなる質問を後目に荒涼しく、絶えず波を作り続ける海を見つめていた。
その瞳が何を語っていたかは、己以外知る由もない。
完
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