コピペ・霊に反撃のパロディ&過去小説の内容を改変したものです。ダガーラ視点で巡る1日のとある出来事。
AM6:30 起床。
というより、キングシーサーに告白されて良い所だったのにベーレムに叩き起こされる。時間に正確なのはありがたいことだが、せめて空気を読んでくれ。
AM7:30
朝飯を頂いて、盗掘者がいないか遺跡を見回っていたら突然携帯が鳴ったので出てみた。
エビラの旦那だった。何でも体が奇妙に光るサメみたいな生き物が出没していて、捕獲するのを手伝ってくれとか。近頃腕が鈍りかけていた所なので、丁度いい機会だ。
AM8:00
ユナ様のホログラフに“行ってきます”と告げ、相棒のベーレムを連れて仕事場に。荒くれどもが集まる怪獣島に来るとは何とも命知らずな奴だ。その時、キングシーサーが浜辺で祈っていた。あぁ…何とも麗しきお姿……はっ、いけない!俺にはユナ様が……煩悩に押しつぶされる前にそこを逃げ出した。
AM8:20
道中で大ダコに襲われかけるも、無駄な殺生はしたくなかったので咆哮ひとつで怯ませ、そのスキに逃げたは良いが、その直後にデカいゴリラが追い掛けてきた。勿論水柱をぶっかけて追い払った。相手が悪かったな。諦めろ。
AM9:00
今日の報酬を心待ちにしつつ泳いでいたら、今度は体が氷みたいに冷たい烏賊に足先を引きずり込まれた。締め上げられそうになったので、回転アタックを食らわせたら相当効いたのか、大声で喚いて逃げ出した。
ゲゾラといったか?大の男が泣くな。
AM10:00
何とか怪獣島近海に到着。旦那と今日の作業内容の打ち合わせをしたあと、早速仕事へ。
しかし待てども待てどもそのサメとやらは現れない。旦那にガセネタを吹き込まれたのか?
AM10:30
怪獣島にてバランの郵便配達が始まった。毎日毎日、実に働き熱心だ。それにしても怪獣宛の手紙って…どうやって彼の手に渡るんだ?疑問が尽きない。
AM11:30
機龍とやらが怪獣島へパトロールに来た頃、海底に怪しい影が。勿論ゴジラではない。目の前にいるヤツは体に奇妙な光の線が走っていて、本来魚にあるはずのヒレがない。それどころか、腕が四本もある。
AM11:40
観察を続けて遂に確信した。相手は普段捕らえている魚達とは違う、明らかに異形の生き物だ。エビラと連携してヤツを捕らえる。その際に旦那は相手の猛攻を喰らい、岩に頭を打ち付けて動かなくなってしまった。後で助けるから、どうか死なないでくれ。
ビームを連射し、ベーレムをベタベタ貼り付けて弱らせて面を拝んだ。
……ナイフヘッドというKAIJUだった。お前作品間違えてないか?おまけに“怪獣芸人になる為のオーディション会場を探している”などと戯れ言を抜かしたので腹が立ったが、敢えて怒りを抑えつつ「日本は北の方角、そして二度とここへ来るな」と告げた。相手はのされた怒りからかとても不服そうな顔をしていたが、そのオーディションとやらを受けるべくこれ以上無駄な戦闘をしたくなかったらしく、おとなしく引き下がっていった。
ついでにエビラの旦那も平手打ちで起こしてやる。
PM12:00
昼飯の時間。先ほどの戦闘で良い所を見せられなかった旦那の恨み言を聞きつつ、自前の弁当を頂く。その時何気に空を見上げたらオタマジャクシが宙を横切っていた。方向は、俺の来たルートだ。
PM12:50
報酬を貰い、怪獣等を後にする。けど心なしか少ない。先ほど叩かれた恨みだろうか?ついでにこう言われた。
「ダガーラって名前は新しい掃除機のブランド名かい?」
微妙に間違ってないが………その言葉は俺の前では禁句だ。
PM13:30
帰る途中にまたゴリラが追い掛けてきた。しつこい。けれど、近くの島から何語か解らん歌が聞こえてきた。と思えば眠ってしまった。
心なしか顔が赤い。絡み酒だったのか。
PM14:00
突然強烈な潮流に流され、大海で迷子になる。周りに島がない。何たる事だ。ユナ様助けて下さい。
PM15:00
諦めるものか。太陽の方角を頼りに持ち前の悪運の強さでひたすら泳ぐ。
四苦八苦の末に、何とか遺跡が見えた。ユナ様有難うございます。けれど何だか臭い。
PM15:30
遺跡はヘドロ塗れだった。余りの異常自体に目を疑う。
奥へ行く度匂いが強くなってくる。覚悟を決めて自室に入ったら……ヘドラがユナ様の写真を拝んでいた。彼女の写真立てに触るな。
PM16:00
何とか説得するも、なかなか引き下がらない。挙句の果てに自分と同類だと抜かしてきた。確かに毒バラまいてる事は認めるが、そもそも俺とお前とでは出自が違う。
PM16:30
これだけ言ってもまだ居座る気なので、“遺跡内にある熱風の罠の間に連れて行くぞ”と脅したら逃げていった。勿論そんなものはないが。ともかくこの汚れ切った内部を掃除しなければ。けど遺跡は広い。
PM18:00
夕陽が射してきた頃、何とか掃除を終える。後で換気せねば。その間にベーレムに新たな毒素が付いた。皮肉にも、やっぱり掃除機の名前は伊達じゃない。
PM19:00
何気に外を見る。シーサーが今日の鍛錬を終えて帰る所だった。彼女も頑張ってるんだな。ご苦労様。
PM19:30
風呂に入る。そこには本当に茹で蛸になった大ダコが浮いていた。放り投げる際、顔面に墨をかけてきた。いい加減にしてくれ。
PM20:00
夕飯を頂いた後、銛を研ぎつつ側近のベーレムと今日の出来事を語る。そろそろ眠くなってきた。
PM21:00
寝酒を煽り、ユナ様におやすみを言った後布団に潜る。けれど、何かおかしい。
布団を捲るとそこには昼間追い払ったはずの烏賊・ゲゾラがお邪魔していた。相変わらず奴の体は冷たく、一気に酔いが覚めた。勿論フルスィングで振り回し、窓から放り投げた。
PM22:00厄介者がいないか遺跡中を綿密にチェックした後、就寝。
ユナ様が枕元に立っていて何かを呟いている。
まだ…私の部屋にダンディな声をした烏賊が居座ってる?
……睡魔には勝てない。
完