面接試験 4/5

黒木特佐の言葉に、メカゴジラ達は絶句した。
確かに故意的でないとはいえ嬉しさのあまり巨大化した事で本部を破壊し、内部に残っている隊員達をも巻き込んだ。
ジェットジャガーの方も黒木の言葉、もしくは表情で察したのか怯えたように頭を抱え込んでいる。

「そんな…さすがにそれは……」
「機龍、お前が気にしなくていい。俺が責任を取ります」
「先輩?」

「コイツ…じゃなくてジェットジャガーを引き入れたのは自分です。ウチに来たのも、ここ最近ギドラ族とは違った悪の侵略怪獣が増えてきた為に、そして家族を守るためにわざわざ当部隊へ志願したからなんです。だから……どんな厳罰でも受けますから、どうか俺に彼の面倒を見させてください!」

今度はメカゴジラがこの場で深々と頭を下げてしまい、機龍も黒木も、そしてジェットジャガーですら呆気に取られる。言葉が終わっても未だに頭を上げないままだ。

 

その一方で―――メカゴジラは、過去の自分とジェットジャガーを重ね合わせていた。
未来人のテクノロジー、それもゴジラの宿敵であるメカキングギドラから生み出された経歴のある自分は、当初歩くブックボックスとして一部から恐れられていた経歴があったからだ。
過去の由縁でゴジラの死に執着しているが故に、いつ奴と対峙した途端暴走するかもわからなかった自分……しかし、周囲のサポート・特に後輩の機龍と部下のモゲラとの交流もあり、未だに敵相手にも取り返しのつかない惨事を起こす事もなくここに存在している。

「先輩、私達が着いていますよ」
「隊長、これからも頑張ろうね!」

和気藹々とする反面、時には意見が食い違う事もあれば、侵略怪獣相手に3人共苦戦を強いられてスクラップ寸前にされる時もあった。しかし彼らは決して決裂する事なく、固い結束の上に成り立っている。
上の立場にいながら今までお互いに支え合ってきた者同士、今度はこの度志願してきた一人の新たな新入隊員を守る番だ。そのためには自分はどうなっても構わない。

「お願いします黒木さん!どうか責任を―――」

「何時まで頭を下げているんだ、メカゴジラ。早く皆の救助を手伝ってこい」
「えっ……」

聞き間違えたのだろうか、おずおずと頭をゆっくりと上げる。そこには先ほどの物静かな怒りから一変、少し表情の和らいだ黒木が立っていた。
……許してもらえた。必死の説得が通じたのだ。

「先輩…!良かったですね!」
「黒木さん、ありがとうございます!機龍、ジェットジャガー、早速任務だ!皆を助けるぞ!」
「~~!」

 

メカゴジラを筆頭に、三人は瓦礫が一際多く積まれている箇所へと駆け出した。

「大丈夫ですか?ほら、肩に掴まって」

「今助けるからな、頑張れ。ジェットジャガー、そっち持ってくれ」
「(コクン)」

人間の力では到底持ち上がりそうにない瓦礫を手際よく除けつつ、埋まっている隊員達を助け出してゆく三人を見守る中、一人残された黒木は溜息交じりに呟いた。

「……私も甘いな」

仲間をとことん思うメカゴジラにあそこまで必死に懇願されると、流石の自分も命令を却下せざるを得ない。
それに黒木は知っていた。彼が非番の時、毎日のように本部前に立って新人を待ち侘びていたという事も。それを撥ねつけるような事をすれば到底後味が悪いだろう。

 

―――これからもジェットジャガーとやらの事をよろしく頼むぞ、お前達。

 

 

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